「朔太」さんのページ

総レビュー数: 822レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

どなたもレビューしていないのが意外です。

旅行に出かける際に利用する空港では、これから出発する
清々しい気持ちになれます。
また、無事に海外から帰ってきた際にも、本当にホッと
できる瞬間が空港です。
利用するだけで精一杯の初心者から少し慣れてくると、
空港の裏側のスタッフや仕組みに興味が湧いてきます。
荷物、旅客の物流がスムーズであること以外に、
空港ならではのサービスを快適してくれる人々が
見えない裏方として沢山いらっしゃることに気が付きます。

本作品は、空港に集う人々の人生と、そこに関わる
裏方の人々の努力と誠意で成立する空港サービスに
焦点を合わせています。
この種の群像劇は、石ノ森章太郎氏「Hotel」にも
共通する面白さでした。
空港もホテルも、多くの人々にとっては、非日常的で
特別な場所なんですね。
それだけにごくありふれた人生の一断面が繰り返される
場所でもあり、特別のドラマが生まれる場所でもあるわけです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-12-16 18:35:49] [修正:2019-12-16 18:35:49] [このレビューのURL]

5点 ARMS

SFバトル系漫画はやや食傷気味になってきた今日この頃
なので、今読むのははっきり言ってシンドイです。
漫画の系譜から言えば、SF系漫画ほど現代科学の進化に
ともなって、とんでも技術では子供でも心配になるし、
当たり前想定では誰も心が湧きません。

連載開始時の1997年頃なら受け入れられた想定背景も、
20年経てば後発作品によって陳腐化されてしまうのが
SF漫画の運命なのでしょうか。
10巻までで断念しました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-12-09 18:54:31] [修正:2019-12-09 18:54:31] [このレビューのURL]

社長の身分を隠しつつ釣り生活の部分でハマちゃんと
つながっていたいスーさんの二重生活とすれ違い、
ドタバタしたドラマが中心に延々と同じパターンが繰り返されます。

ビッグコミックオリジナル連載当時から自分の中では
読み飛ばしたい評価の低い作品でした。
唯一ハマちゃんと奥さんの夫婦のあり方がやや斬新さを
感じた部分はありましたが、
当時から戦後1950年代の植木等らの無責任男の
イメージと被り、古臭さを感じたものです。
当時ですらおじさん達のための漫画という印象でした。

それでも映画化され、長期シリーズ化されたのですから、分からないものです。
この漫画の魅力は私には分かりませんが、
多くの人に長期にわたり支持された事実は残ります。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-12-07 09:54:15] [修正:2019-12-07 09:54:15] [このレビューのURL]

TVアニメでその存在を知りました。
見ればみるほど、大人の感性に訴える内容ですので、
これを子供がどのようにとらえているのか、
不思議でした。
子どもを子ども扱いしない尼子さんのギャグセンスが
素晴らしいです。

あまりに長期連載だったので、その一部しか読めていない
のですが、多くの子供たちに支持されたように思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-12-04 18:16:29] [修正:2019-12-04 18:16:29] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

競馬に関心のない私も、競馬世界に興味をしっかり
そそられてしまいました。
何といっても、主人公上条圭が様々なレースを通じて、
日本ダービーを目指すその成長していく過程で、
強いライバル達の騎手との駆け引きと技術を駆使する
レースそのもののワクワク感が魅力です。

一方、一色登希彦氏の漫画は、やたらとセリフが多いことと、
独特の描画で劇画的であることが特徴です。
したがって、各巻で「プロ騎手とは?」「勝つとは?」
なんて哲学的な問答が多くなります。
人によっては、うざく感じることもあるでしょうが、
概ね自然な流れで語られています。

中でも、20巻では「チャンと生きるって何ですか?」
という上条の問いかけに、ベテラン脇役の財津が
「誰かを笑顔にできるということだな。」とサラッと答えます。
それに続く説明もあるのですが、これが長いこと。
でも、それなりに説得力があります。一色氏の独壇場でしょうか。

シッカリとした構成と展開で、面白く読めました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-11-18 23:47:03] [修正:2019-11-18 23:47:03] [このレビューのURL]

8点 DEATH NOTE

[ネタバレあり]

世界累計発行部数3000万部以上、1部当り200万部以上のメガヒット作品。
連載開始時から毎号の展開を追っていた記憶がある。
次号の展開は凡そ予測するものだが、
展開スピードが速く、1週分の情報が重い。
とても漫画の領域ではなかった。

しかし、エル無き展開に期待以上のものは得られず、
後半はやや失速気味か。
デスノートの設定なら、犯人と探偵の頭脳戦以外の
展開にも持ち込めただろうから、
「もう一つのデスノート」も在り得るのではないか?

<追記修正>
改めて12巻全巻を再読しました。
初めて読んだ時の感動は蘇らなかったのは意外でした。
むしろ論理のアラが目立ち、夜神月がそれほど緻密な
論理性を駆使しているように見えませんでした。
展開の結論に影響を受けた訳ではありません。

世界のどこにいるのかわからない、かつ絶対的な超能力と
力の根源も明らかでない絶対的存在のキラが、
数限りない失策とボケをかまして追い込まれていく訳です。
その過程で、最大の違和感は、TV放映に出た最初のLの
偽物をその場で感情的に殺してしまうことです。
このことで一気に、キラは日本の関東地方に住んでいる
ことが分かり、70億人の内1千万人に絞られてしまい、
FBI捜査官にちょっかいを出すことで、数十人に絞られます。
馬鹿としか言えません。普通、放置するでしょう。

容疑者がライトになって以降では、理屈臭くて次第に
感動は薄くなっていきます。
具体的には、絵で見せる漫画ではなく、文章で説明する
漫画になってしまったことが、質を落としてきた原因でしょう。
良い素材と設定なのだから、アナザストーリー2,3があり得ると考えます。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-25 16:04:47] [修正:2019-11-17 16:24:24] [このレビューのURL]

ツボにはまると最高に笑えますが、ほとんどは奇行
によるギャグなのでスルーしてしまいがちです。
笑いのツボは各人各様なので、こればかりは読んで
みないことには評価できません。

しかし、一度だけでも自分にあったギャグマンガか
どうか確認してみることをお勧めします。
ひょっとすると、人生で最高に相性の良いギャグに
出会えるかもしれませんよ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-11-04 16:02:07] [修正:2019-11-04 16:02:07] [このレビューのURL]

19巻を揃えて2日で一気読みしました。
深読みする場面はありませんので、ガンガン読めてしまいます。

高校野球漫画の王道は、地方予選すら勝ちぬけそうに
ない弱体野球部がライバル達との切磋琢磨により、
どんどん成長していき、ついには甲子園に出場する
という成功物語です。
そのセオリー通り、本作品も何を考えているのか
分からない監督を迎えて、どんどん成長していきます。
その過程は14巻までドカベンストーリーそのものです。
エースの入れ替わりが一つの人間ドラマになっています。

納得できないのは喜多条監督の不可解な指導ぷりであり、
いつまでたっても説明はありません。
それは最後まで変わりません。
ただの奇をてらった展開としか思えません。
才能豊かな選手しか起用しないと明言しながら、
言動が一致しません。

15巻からは新たな主人公である江崎の物語が始まります。
話の展開は予定調和的なご都合主義のお話が続きますが、
ドラマチックではあります。
高校野球漫画らしくない後半の展開ではあります。
が、様々なテイストが混じりあいながら、
結局のところ人間賛歌になっているところが、
本来の原秀則らしさといえば言えそうです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-10-12 15:13:20] [修正:2019-10-12 15:13:20] [このレビューのURL]

9点 ラフ

あだち充さんの作品は大抵読んでいるつもりでしたが、
有名な「ラフ」を全巻揃えて読んでみました。
ラストのまとめ方の上手さとそこに至る亜美ちゃんの
心の変遷が乙女チックで感動しました。

現代版ロミオとジュリエットが下敷きになっています。
先代からの遺恨の遺言が残る商売敵から、毎年
「人殺し」の年賀状が送られてくるお相手が美少女でした。
水泳や飛込み競技は、単なる添え物です。
スポーツそのものは爽やかさを演出するだけの小道具です。
むしろ、様々な障害、例えば選手生命を絶つような
交通事故がライバルの恋敵に起こったり、幼馴染み時代を
共有していたり、偶然と運命の予定調和の物語が主題です。

物語をしっかりしたものにしているのは、今回もヒロイン
亜美ちゃんの淡い恋心の芽生えを表情で見事に表現して
いることです。
例えば、救急箱を急いで取りに行く圭介を待つために、
その前に手に入れた救急バンを隠すとぼけた表情。
押し付けがましくなく、さりげなく好意を会話に挟むシーン。

一方で脇役たちも見事に、人間賛歌を演出します。
特に、緒方が素晴らしい。
久米の恋の成就のキュービットとして、わざと嫌われ者を
演じます。
彼が母親の療養のために北海道に去るわけですが、その
早朝の最後の別れのシーンも男らしい。
小柳かおりも最初は、悪役敵役で登場しましたが、圭介の
優しさにほだされていく乙女心の表現も見事でした。

あだち作品のヒーローは常に定型で、飄々とした性格が
持ち味です。
頑張らない、ダメな男がカッコ良い、という価値観でしょうか?
でも、実際それで日本チャンピョンになれるはずもないのですが。
実際、圭介には、親父の言葉として自分を表現しています。
「親をおろおろさせるようなところは全くない。
何をやってもそこそこ、大けがも大失敗もない。
手のかからない目を離しても安心していられる。」
そんな男が現実にはヒーローになれるわけもないのですが、
あだち作品ではそんな青年の持つ素晴らしさに
スポットを当ててくれます。

「タッチ」も素晴らしい作品ですが、「ラフ」は双璧
かもしれません。
減点の1点は、卑怯者の敵役など冗長なエピソードを
挟んでいる点です。
これが少ない作品ほど、私の評価は高くなっている感じがします。

いずれにしても最大級レベルの良作と言えるでしょう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2019-10-02 19:54:23] [修正:2019-10-02 19:54:23] [このレビューのURL]

昨日、波に乗っていたのにもう三十歳?
そんなおとなになったことを実感できない、
オトコとそれに恋するオンナの物語。
代表作「東京ラブストーリ」と同時期に、読み切り作品をシリーズ化した。
パターン化された男女恋愛といえばそうだが、柴門ワールドの原点とも
いえる作品で一見の価値有りでしょう。

<再読追記です。>
10年ぶりに再読しました。
1年に2回のペースの連載だったそうですが、珠玉の短編9作品だと思います。今読み返すと、単なる男女の恋愛話ではないです。

人が生きていく上で、本当に必要だと思えるほどに愛すれば、
嫉妬だとか束縛だとか誤解だとか失意だとか負のマインドが生まれてしまいます。
それが若い時には増幅されがちで、時に致命傷になってしまい、
男女は別れてしまいます。
そんな意味でしょうか、副題にはPeter Pans & Wendies‘ Short Stories とあります。最高の副題だと感心しています。

他にも子供が欲しい自分の気持ち以上にパートーナを
大切にすることを選択した男の話、寛大な自分と信じていた
のに裏切りには寛大ではなかったと気づく女の話、
やり直せると考えるのだがやはり諦めている男女の話、
寂しい自分を認めた瞬間に見つかる恋の話、
互いに支えられてきたことに気付かなかった兄妹の話 
と私なりの副題をつけてみました。

男女だけでなく人生のパートナーは誰にとっても大切です。
大切な人との心の機微を表現させれば、
柴門ふみは日本の第一人者でしょう。

30年前の作品ですが、現在に至る間に、この分野を
超えるものどころか、足元に迫る類似作品すら見たことがありません。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-09-05 17:01:56] [修正:2019-09-21 12:14:55] [このレビューのURL]

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