「朔太」さんのページ

総レビュー数: 821レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

友人一人も作れないなんて、普通の人間では想像外の生き物です。
しかし、実際のところ、実に傷つきやすく人への配慮で精神が
困ぱいする人がいるんですね。
おまけにいじめに遭えば、もう部屋からも出られなくなる。
そんな繊細な人間同士が出会えば、どうなるか。
人と人の出会いと未来は捨てたものではないということでしょうか。

作中、最も魅力的なのは因幡さんです。
超グラマラスで美人なのに、根暗な主人公に惚れてしまいます。
こんな意外性が、また作品を盛り上げています。
好人物が織りなす青春劇ということですね。
意外な掘り出し物です。

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[投稿:2024-06-30 05:18:31] [修正:2024-06-30 05:18:31] [このレビューのURL]

本木雅弘主演で「おくりびと」という映画があったが、この種の仕事は
世の中に必要不可欠だけど、自分はやりたくないなあ、と思ったもんだ。

しかし、ここで出てくる特殊清掃業という職業は、おくりびとの
何十倍も上を行く感じだ。
普段はそんな意識していないが、孤独死なんていう言葉が日常化して
るんだから、酷い場合には死後1年くらい発見されない場合もあるよな。
その住居はそのまま廃墟になるわけじゃないから、再利用というか
その後もまた別の住民が住むことになる。
きっと新しい住民は前の住民の事情なんか知らないで住むんでしょうね。
こんなことが可能なのは、特殊清掃業の方々のお陰というわけだ。

最初は、特殊清掃の悲惨さに目を奪われるけど、孤独死や自殺者の
背景やその後の事情なんかにテーマが移ってきて、一層人間の一生が
哀れになってくる。
若いうちは自分には関係ないこととタカをくくってるけど、他人事でないよな。
いくら身内がいて子供がいても、最後まで一緒に住んでいるとは限らないものな。
むしろ、世の中の実情を見聞きする分には、最後は一人で死んでいく
ケースがほとんどだもの。
いやあ、この作品のお陰で自分の人生を再認識したわ。

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[投稿:2024-06-26 08:59:09] [修正:2024-06-26 08:59:09] [このレビューのURL]

作者のおおつぼマキ氏は、2022年に64歳で早世されています。
改めて作品を探して読んでみました。

ゆでたまごさんのアシスタント経歴もあるようで、コメディタッチの
片鱗が残っています。
安い食材で家族の食卓を支える中年男性が主人公で、ご自身を
重ねておられるのでしょうか。
画もコメディも独特のテイストがあります。

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[投稿:2024-06-22 08:40:00] [修正:2024-06-22 08:40:00] [このレビューのURL]

物静かでメガネ。そんな外見とは裏腹に成績は中の下。アナログ人間で不器用。
運動神経は女子以下の町田くん。
得意なことが何もないと本人は思っていますが周りからは愛されています。
その理由は、彼がとても人が好きだからです。
文章にすると、ただのきれいごとですが、これを見事にリアルな世界に
投影して見せている作品です。
町田イズムと称して、何かとても優しい、安心できる世界、それが
町田くんの世界でした。
とても良い作品だと思います。

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[投稿:2024-06-19 01:47:42] [修正:2024-06-19 01:47:42] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

殺人が許される特権者という初期の設定の特異性が、何より強烈だ。
現代、違法ではないあるいは違法だが、人権と言う名の下、
被害者が加害者に報復できない社会のいびつさに焦点を
合わせたドラマが展開されている。
これはこれで面白いが、マンネリが進みだした頃には、トリガーも
どんな悩みを持つのか、というドラマに変化しいくところが面白く感じた。
非現実的ではあるので長編は望めず、5巻程度で楽しめる作品である。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2024-06-15 10:07:05] [修正:2024-06-15 10:07:05] [このレビューのURL]

最近、話題のまま最終話を迎えた作品です。
決して美男美女とは言えないカップルが主人公の漫画ですが、
意外と読めるので驚きました。
考えてみれば、世の中の大半のカップルは美男美女ではない訳で、
それでも恋は成立しているし、結婚生活にも入るわけです。
カップルがいれば、それぞれに異なる恋愛ストーリが存在することに
改めて気づかされます。

この作品をラブコメと言って良いのか、難しいところですが、
リアルさも同居しており決してギャグ漫画ではないと思います。
意表をついた良作だと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2024-06-08 11:11:01] [修正:2024-06-08 11:11:01] [このレビューのURL]

土山しげる氏は、作家人生の前半をバイオレンス系極道漫画で名を馳せました。
しかし、2000年前後からはグルメ漫画に転身し、成功を収められています。
この「喧嘩ラーメン」は1995年に連載開始で、まさに極道ものと
グルメものが融合された作品になっております。
人生の転機になった作品と言えます。
逆に、グルメ漫画としてのデビュー作とも言えます。

ラーメンに焦点を絞って、しかもトンコツに絞って、道を究めるために
修行の旅に出かけるという展開になります。
今となっては、料理修行のために全国各地を旅する展開は珍しく
ありませんが、意外とページをめくる手が止まりません。
読み終えると、また別の作品に手が伸びる痛快さが、土山さんの作品にはありますね。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2024-06-01 09:02:08] [修正:2024-06-01 09:02:08] [このレビューのURL]

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