「朔太」さんのページ

総レビュー数: 822レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

変な外国人との結婚生活を描いた漫画。
異文化との遭遇というよりも、変な拘りを持った異国の人との遭遇という方が
適切な気がします。
井上真央さん主演の映画も見ましたが、原作に比較的忠実に描かれていました。
変な生活習慣も可笑しいなあと笑える毎日も刺激的な人生かもと思えます。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-07 21:03:11] [修正:2016-06-07 21:03:11] [このレビューのURL]

初見の際の印象は最悪だ。
一見馬には見えないうんこたれ蔵、ミドリマキバオーも駄馬だが、騎士もダメ
人間かつ、どちらも見た目も美しくない。何しろ、鼻を垂らしていて不潔感
一杯である。
しかし、持ち前の負けん気と努力と根性で競馬界を席巻するまでに成長する
ストーリーは、やはり少年誌の王道漫画である。カスケードやアマゴワクチンといった
ライバル達というより、エリート馬に対抗して、限界までレースを競り合う場面では、
しっかり応援させてもらった。
なかなかの一読の価値がある。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-05 23:06:21] [修正:2016-06-05 23:06:21] [このレビューのURL]

作者は、執筆を始めるにあたり「とにかくメチャクチャ暗くて救いが無くて破滅に向かってGO!な話を描く」と構想したらしい。まさにその通りのシナリオが最初からあり、6年半の連載で実現した。
「羊のうた」という表題も最終話近くまで不明だったが、千砂のセリフを通して「私たちは、羊の群れに潜む狼なんかじゃない。牙を持って生まれた羊なのよ。」と説明させている。
最終局面に至るまでは、破滅しかない苦悩を巡って行きつ戻りつが繰り返され、正直退屈ではあった。しかし、全般的に文芸作品以上の精神の掘り下げがあり、登場人物が少なく、その全て善意の人で構成されるため、俗世的な不愉快さを排除したピュアさを演出している。
純和風の家屋と和服で通す千砂の恰好も相乗効果を生んだ。

一言でいえば、文芸作品を題材にした舞台廻しを観る、というところか。
さらに、冬目景の他の作品も今後読んでみたくなる。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-06-01 05:04:54] [修正:2016-06-01 05:04:54] [このレビューのURL]

7点 どろろ

手塚治虫の充実期の作品の一つ。
生まれながらに魔界によって48の体の部品が奪われている百鬼丸が主人公ながら、
脇役の名前が作品タイトルになっています。
「おどろおどろしい話」から「どろろ」というネーミングがされたと長い間勝手に想像して
きました。奇妙で文字通りどろろな内容です。
戦国時代にあって、孤児の2人旅、飢餓や略奪、強盗、とことん悲惨でどうしようもない
時代背景を設定した上での、絶望的不具ですから、どれだけ暗いお話か、となります。

現代なら必ず教育関係者からクレームが来ることでしょう。
そんな中にあって、決して絶望を与えず、むしろ「何があっても生き抜く」ことをテーマに
していることで、微かな明るさ、希望を感じさせます。

悲惨な作品でも少年向け作品ですので、当時の隠し立てのないむき出しの過酷な現実を
知らせた上での子供の成長を願う大人たちの姿勢が感じられます。
深い印象を残す作品と思います

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-05-15 22:02:13] [修正:2016-05-15 22:03:44] [このレビューのURL]

5点 百物語

悪魔の娘スダマに魂を売ることで、三つの望みを叶えて新しい人生をやり直す
武士一塁半里のお話。
三つの望み、すなわち富と権力と女が満たされた時、悪魔に魂を差し出すことになるが、
その時一塁は人生の本当の意味を悟ることになるというおとぎ話か
昔ばなしのようなテイストだ。
本編は、21歳の時以来、ゲーテの古典『ファウスト』の二度目のマンガ化ということで、
主人公一塁もファウストをもじったネーミングであることに気づいた。

先のファウストと比べて、より近代的な絵構図やシナリオ構成、結論への導き方に洗練度が
進んでいる。
同じモチーフを選んだことで、手塚治虫の成長を比較できる面白さもある。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-05-13 04:53:26] [修正:2016-05-13 04:53:26] [このレビューのURL]

学校を卒業して都会の会社勤めを始める頃、要するに就職頃の緊張感、期待感って、
後から思えば人生の転機ですね。最初に入る独身寮も人生の登竜門ですし、社会の縮図です。
独身寮で出会う先輩や友人は、ひょっとすると貴方の人生を決める出会いだったかもしれない。
そんな背景を良く知った作者だと思います。

しかし、独身世代ですから、最大の関心事は、異性であり恋愛となってしまうのは
仕方ないのですが、その基になるのは独身寮で繰り広げられる友情だったはずです。
もっと恋愛や三角関係から距離を置いた独身寮の物語にもなり得た可能性を感じられたのに、
そこは消化不良気味で終わってしまったのは勿体ないと感じました。

ところで、ツルモクはカリモクのオマージュですよね。きっと。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-05-09 02:32:08] [修正:2016-05-09 02:33:49] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

8年にわたる連載にも関わらず、相当の構成力で企画されており、
読み返すたびに細部の隠し味に舌を巻く思いである。
様々な説明不足の謎が捨て置かれていて、一見、雑なつくりに見えるが、
これは読者の解釈に任せられているのであって、これを面白がるかどうかは、
読者の胆力次第である。

少し特徴を以下に書く下すと、
・登場人物が多いけれど、再出した時には結構重要な役回りをしている。
・主なキャストには、性格付けをするための副ストーリーが存在する。
 例えば、オッチョ。タイでのショーグンとしての活躍や刑務所暮らし。
 無くても良い話だが、それだけでも独立した話ができる位、入れ込んだ
 描き方をする。これは本筋を追うだけの人には辛いだろう。
・”ともだち”は嘘の塊と断じながら、全体に予知力や念力の存在を示唆している

 等々、胆力の弱い読者を振り落としていく身勝手な”浦沢ワールド”だが、
それも結構と多くのファンは割り切っているのではないか?

追記:2016年5月 21世紀少年を含めて、3回目の読み直しをしてみた。
改めて、浦沢氏の構成力に驚嘆する。ストーリーに一切の破たんはない。
全ての謎は説明できている。特に素晴らしいのは、ケンジの姉の一連の行動の謎は説明され、
カンナの超能力すら持つにいたる理由が軽く説明されていた。
ともだちの正体に焦点が合わされがちだが、存在を消去してしまう少年たちの残酷さ
がかくも壮大な復讐劇につながったと解釈できるだろう。
文字通り何度も読み返してしまう名作と呼んでも異論はないだろう。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-09-13 20:58:27] [修正:2016-05-06 22:29:27] [このレビューのURL]

乱暴者の悪魔メフィストに対して、神さまは学者のファウストを地獄へひっぱりこんでみろと
命じる。一方ファウストは、いくら勉強しても満足できない学問の奥深さに絶望しており、
そこへ現われた悪魔メフィストと「自分を満足させてくれたら地獄へ行く」という契約を
結んでしまう。 メフィストは魔法でファウストを若者に戻し、街へと飛び出すというお話だ。

手塚治虫21歳の作品。ディズニーの影響を受けたと思えるような構図や
ミュージカル風セリフ回しなど、古典的漫画手法から一歩抜け出した創世期作風である。
考えてみれば太平洋戦争終結から5年後の発表作品であり、不十分な物資や劣悪な環境下での
執念とも言える長作である。
少年期に読み込んだゲーテの戯曲「ファウスト」をマンガ化した作品であり、
相当の思い入れがあったものと思われる。

現代のアニメや漫画に比べると、娯楽性の点で比べるべくもないが、
漫画史における貴重な遺産と言える。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-05-06 08:19:15] [修正:2016-05-06 08:19:15] [このレビューのURL]

事件簿という題名に騙されて読んでみると、まさに三流テレビドラマの焼き直しでした。
事件と言っても、
1)偶然入院先で出会った女性の彼が、保険金目当ての結婚詐欺で殺人を計画中だとか、
2)道の傍らで苦しむ老人を助けたら、その愛犬に気に入られて家までついていくと、
実は資産家で、その資産を巡って家族はバラバラで骨肉の争いだとか、
3)自分が生んだ双子の一人が誘拐されるが、犯人は愛息を1年前に失った女性が神経症で
おこしたこと、
なんてどこかで見聞きしたようなネタばかりです。
30年も経ってない作品なのに、古典的な幼稚な話の構成に、途中でギブアップ
してしまいました。
最近の作品まで目を通さず申し訳ないのですが、2度と手にすることはないでしょう。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-05-05 18:13:57] [修正:2016-05-05 18:15:27] [このレビューのURL]

演劇の世界の異常なまでのストイックさや人間関係の特殊性は、
文学や伝聞でよく伝えられるところです。
演劇世界の特殊性もさることながら、俳優キララの奔放だが、
天才肌の人物像が魅力です。
講談社漫画賞も受賞しており、やや玄人好みのテイストです。
が、私のような平均的読者には、強い感動はありませんでした。
かわぐちかいじの中期作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2016-05-03 16:24:03] [修正:2016-05-03 16:24:03] [このレビューのURL]

月別のレビュー表示