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9点 スローニン
「オレは、武藤兵庫! ミンナは、オレのことをコッセツって言うがな…」
大学受験を2浪している浪人生の諏訪大吉は、ひょんなことから、筋骨隆々の大男「コッセツ」こと武藤兵庫と知り合いになる。2年前には高校ラグビー界のスーパースターであった武藤だが、試合中に両腕・右足骨折、両アキレス腱断裂の大怪我をしてしまう。ほどなくして彼はラグビーを辞め、「なんでも屋」をしながら日本中を旅する素浪人として暮らしていた。
一方、元高校球児でもある諏訪大吉には、「ラッキュー」というアダ名があった。彼は、2年前の甲子園決勝、美砂城高校サヨナラ逆転タイムリーエラーの張本人であったのだ…
「挫折」とはどのようなものなのか、そこからどうやって再び立ち上がっていくのか、それらを正面から描いたマンガ。真面目さが時に暗く見えてしまうラッキューと、バカ強いのにトボケた感じのあるコッセツのコンビはとてもイイ。この2人の放つ剥き身の言葉は、マンガが連載されたバブル期ならいざ知らず、今の若者の心に突き刺さるものがあるのではないかと思う。全4巻、是非読んでみて欲しい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-01-08 13:34:25] [修正:2011-07-30 22:22:50] [このレビューのURL]
10点 寄生獣
とにかく完璧。
凄まじいまでの伏線はもちろん、
深すぎるテーマにしっかりと答えを出し、投げっぱなしにしない作者の力量は、漫画界でも間違いなくトップクラスでしょう。
よくわからない、書ききれていないなどという意見も目にしますが、
2回3回と読めば、すべての答えが書かれているということに気づくはず。
「好みじゃない」というのはいいとして、この漫画を「深みがない」という人は、よっぽど読解力がないのでしょう。
そう言い切ってしまえるほど完璧。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-07-30 12:59:41] [修正:2011-07-30 12:59:41] [このレビューのURL]
7点 ワッハマン
優しい心を持ち、食い意地の張ったアトランティス生まれのヒーロー、ワッハマン。
不死身の肉体と無敵の強さを誇る彼は、今日もどこかでこそこそと暮らしている、はずだったが……。
序盤から中盤にかけては一話完結のギャグ漫画と言ってもいいほどの内容ですが、
ギャグにうまくカモフラージュされた終末への予兆が少しずつ少しずつ見え隠れし始め、
登場人物たちも読者すらも気付かないうちに悲劇的な展開へと導かれていきます。
最後まで明かされない謎もいくつかあるものの、全体の構成が非常に秀逸。
あんまり書くとネタバレになるので自重しますが、まさかあのキャラの名前自体が伏線になっているとは。
エピローグがとても好き。
残酷な現実と喪失感との繰り返しの中で永遠に生きていく彼へ、仲間達からのささやかなプレゼント。
「なに笑ってんだよ」。 そりゃ笑うでしょ。 もちろん泣き笑いですね。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-07-29 01:04:46] [修正:2011-07-29 01:04:46] [このレビューのURL]
5点 少女ファイト
心理描写が上手な作者らしく、バレー漫画というより人間同士の関わりや内面を抉った葛藤を通してキャラクターの成長を描く漫画。試合はそれを表現する付随物という程度。
日本橋イズムというのか作者の特徴が悪い方向に出てしまった作品だと思う。多分気になってしまうともう楽しめない。
・よく指摘されていることだが、人間関係が濃く、内に狭い。チームを守り、一つにするために他のチームに喧嘩売ってあえて嫌われるあたりにもろにそれを感じる。
・絵が個人的に残念な方向に洗練されてしまった。G戦であんなに線について語っていたのに、少女ファイトの線のタッチは巻を追うごとに魅力が無くなっていく気がする。
・登場人物の背景の特殊さ。有名女優の娘、仁義に厚いやくざの娘、重病持ちの彼氏、財閥やその関係の家の子ども、財閥のライバルとなる家の娘などなど他にも多数。
・登場人物の多くがトラウマ持ち。驚くほどに。
前2つに関しては好みの問題だろうし、人間関係が狭いのは作者の人間哲学というか持ち味なんだろうなということでまあしょうがない。
後2つはもう完全に嫌いといってもいいかも。こんな設定駆使しないと話を盛り上げられないのかと作者の力量を疑ってしまう。重い話はたまーにあればいい話になりうるけどこうも頻繁にやられると食傷気味だし、最近昼ドラのようなドロドロしてるだけの話が多すぎる。作者には普通の日常の中でキャラを掘り下げれるようになって欲しいな。
日本橋ヨヲコは本質的には少女漫画成分が多い漫画家だと思う。絵が違いすぎるだけで少女ファイトにその成分が占める割合は大きい。濃密な心理描写という彼女の長所はそれ由来だろうけど少女漫画にありがちな欠点までも感じてしまうのは私だけだろうか。
心理描写も特に最近は空回り気味で残念。あまりにも色んな意味で現実と乖離しすぎて感情移入が難しくなってきたのが原因かもしれない。
ただ評価できる点としては、キャラクターとストーリーに一切の矛盾がないこと。いい意味でも悪い意味でも。
日本橋ヨヲコはまず結末を考えてから、そこへの過程を描いていくらしい。そうなんだろうな、と思うくらいに物語は完全にコントロールされている。しかし私にはあまりにも現実的じゃないくらいに矛盾や暴走がない予定調和の物語に思えてしょうがない。
1巻の期待値はこれはG戦を超える名作になると思った程だったのに巻が進むほどに気になる所が多すぎて楽しめなくなってしまった…。
私はあまり日本橋ヨヲコが好きじゃないのかもしれない。それかG戦場ヘヴンズドアでぎりぎり保たれていたバランスが崩れてしまったのだろうか。
人を選ぶ作品で、私の好みに合わなかっただけかもしれないけど。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-07-28 02:11:03] [修正:2011-07-28 18:15:31] [このレビューのURL]
6点 銀魂
面白いとことつまらないとこの波が大きい漫画
つまらないとこはホントにつまらなくて読むのもためらうレベルだが
おもしろいとこは純粋におもしろい
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-07-27 17:22:54] [修正:2011-07-27 17:22:54] [このレビューのURL]
10点 ピンポン
私の中ではスポーツ漫画の比類なき名作として君臨している作品。色んな意味で2つとない作品と断言できる。
ネタバレ成分大なので未読の方は注意するようお願いします。
・主題に則った無駄の無いストーリー
表のテーマはヒーロー。主人公ペコの再生が描かれる。
ドラゴン戦での頭上を鳥が飛んでいくシーンが示すようにヒーローとは他の凡百の者たちの上の空を高く飛んで飛翔し、違う景色を見せてくれる存在。
作中屈指の名シーンであるドラゴンがトイレにこもる場面でドラゴンは自問自答する。誰のために、何のために卓球をするのか、必死に練習して勝ち続けることに意味はあるのか…。ペコはドラゴンを彼の見る景色まで連れて行く。そこでは意味はなくなり、残るのは卓球をすることの純粋な喜びと楽しさだけ。
だからこその「怯える暇などない。怯える必要などないのだ!」「此処はいい。」というドラゴンの満たされた思い。一巻分にも満たない長くはない試合にスラムダンクの山王戦をも越える圧倒的な密度の感情と叫びがつめられている。
裏のテーマはヒーローではない凡人達。
松本大洋は敗北者に優しい。とはいっても努力はいつか報われるなんて見当違いなことを言うわけじゃない。試合に負けて落ち込む孔文革をコーチは諭す。全てを費やした上で挫折したとしても、それでも人生は長く、いつだってスタートラインに立てるのだよと。
ピンポンに凡人はたくさん登場する。アクマや孔文革はもちろん、究極的にはドラゴンさえそうかもしれない。現実的に天才は一握りで、大多数は凡人だろうし私も後者だろう。ピンポンの最後のスマイルとドラゴンの会話からすると松本大洋が本当に書きたかったのは凡庸の救済だったのかもしれない。彼らがみんな居場所を見つけられたのは本当に嬉しかったし、コーチの台詞には私も救われたように思う。
・松本大洋のぶっとんだセンス
擬音といい台詞といいこの人のセンスは荒木飛呂彦並みにぶっとんでる。
字体や擬音の置き方が場面場面で独創的すぎるくらいなのに、雰囲気を表すのに最適なものとしか思えない。実際に見ると分かるが凄すぎる。
アクマ、ピンポン、ペコ、ドラゴン、登場人物の全てに名言があるように思えるくらいこの人の言葉選びと会話は印象的なものが多い。特にドラゴン戦はその全てがもうね…。
・熱く、まるで映画のように洗練された試合
松本大洋の個性的なド迫力の絵と擬音による効果音で描かれる試合はドラマチックでありながらもめちゃくちゃ熱い。そして絶妙なタイミングで挟まれる静の場面。激しく動を描いてきた中でのこの間と雰囲気にはぐっとくる。この人の描く表情は言葉以上に雄弁に語るなあ。
濃密な物語とそれを表現しきる松本大洋の世界観。
完全さと勢いを合わせ持ち、これだけ好みの作風となると文句なしの満点。最高です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-07-26 00:58:54] [修正:2011-07-27 03:56:21] [このレビューのURL]
6点 バクマン。
この漫画のキャラは読者の気持ちを考えてないだとか、やり口が卑屈だから感情移入できないだとか言って低評価だけども、私はその辺は全然好きだけどなー?笑
夢!素直!誠実!みたいなのもう飽きたでしょ?
あんくらいウザい方が好感度大
まぁジャンプの趣旨的にはちょいどーなのかと思わなくもないけども。笑
中身はまー流行りの辛口風業界紹介マンガで、ふーんって部分がたまにある程度。そこまで惹き付ける物はないかな。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-07-27 00:44:01] [修正:2011-07-27 00:46:20] [このレビューのURL]
5点 モテキ
流行のワードに乗っかってイマドキマンガ書いたら表紙で売れたってマンガ。
中身??ないないあるわけない。小手先マンガ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-07-22 20:12:42] [修正:2011-07-27 00:27:06] [このレビューのURL]
7点 ピンポン
ヒーロー云々の描写は蛇足だったかなー。いらんいらん
珍しく割とテーマに直球で書いてるからガキでも解る読み易作品にはなってるけども、ちょい軽くなっちゃったかな。
言葉のチョイスは相変わらずgood
ま、面白かった
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-07-22 23:30:44] [修正:2011-07-27 00:26:06] [このレビューのURL]
サンデーつながりでいうと「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」と「モンキーターン」を混ぜた様な雰囲気を持ってます。
特に各々何かしら長所を持つクラスメイト達と寝食を共にするっていうのが初期のモンキーターンに似てますね。(もちろんタマコ的な意味でも似てる笑)
地味な題材かと思いきやとんでもないっていうのは「百姓貴族」を先に読んでいたのでわかっていましたが、それでもやっぱり面白い。
ほとんどの人が知らないであろう世界を魅力的に描こうとされているのが伝わってきます。
主人公が何の将来設計も持たずに農業高校へ入ってしまったとい設定なので、「夢」が結構重要なキーワードなんじゃないかと一巻を読んで感じました。
少年漫画らしく、主人公とその仲間の成長を見ていきたいです。
少なくとも「じゃじゃグル」の様にラブコメ寄りにはならなそう。
絵柄的には女性キャラの描き方が結構変わった印象。
キャラの掘り下げがまだまだ序盤なのもありますが、魅力がイマイチ。
なんだか現在のレビューが7点ばっかりという奇妙な状態ですが、それくらいに安定して面白いと思います。
自分の中では、今サンデーで買っている作品の中では一番好きな作品になりまいた。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-07-26 23:12:22] [修正:2011-07-26 23:14:00] [このレビューのURL]