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10点 度胸星

『悲運の名作』

○ヤングサンデー連載中に突然打ち切られた作品です。
 
○火星に人類初めて降り立った4人の宇宙飛行士が見たものは、テセラックという超立法の形をした巨大な物体だった。3人をテセラックに殺され一人生き残った宇宙飛行士を助けるために、アメリカ大統領は彼を救うために全世界から宇宙飛行士を募集する。

○あらすじはこんな感じだと思いますが、基本的に物語は日本の訓練生の話で終わってしまいます。合間にテセラックと残された宇宙飛行士の話も描かれているのですが、やはり打ち切られたこともあって全ては描かれてません。それがこの作品をミステリアスで魅力的な物にしたのかもしれませんが。

○まず『テセラック』という謎の物体。
これがこの作品のとても強い求心力になっています。

○超立法の展開図のような形。感情があるのか、なぜ遠近法が無視されるのか、物体が裏返ってしまうのはなぜなのか。
それらの謎が解明されなかったことは、個人的に残念でなりませんが、マンガの中で自分の尺度では測れないような大きな物(謎)を提示されると、それが例え全て解き明かされなくても魅力的に映ります。
今のマンガはそういう物は少なくなってきていますから。

○キャラクターも魅力的です。
すべての人にカッコたる信念があり、それに殉じようとするさまは、たとえ個人的には受け入れられなくても魅力的に見えます。そしてこの作品にはそんな魅力的な人がたくさん出てくるんです。

○主人公の度胸は、どんな時でも暴力と嘘を嫌い。いくら殴られても殴り返しません。これほど消極的でなおかつ積極的な主人公いるでしょうか?
人によっては地味な性格に見えるかもしれませんが、作者が作品を作る時、主人公をこの設定にしようと思った時点で、自身に設定した目標の高さをうかがいしることが出来るのではないでしょうか。
(そのハードルの高さは自作の『へうげもの』にも見え隠れしています)

○自分の想像力では手に負えないような物語を見せてくれたこの作品を、私はやはり傑作だと思います。
たった4巻で、話も全体の半分にすら届いていないでしょうが、この作品を打ち切りにしてしまった今は無きヤンサンを今でも恨めしく思っています。

○どうせ廃刊になるのなら、こういう傑作をちゃんと最後まで世に送り出してから終わればいいのにと、年に何回かは思ったりします(笑)。

○最期まで連載をしたら「なんだ、結局もりあがらなかったね」となるかもしれませんが(そちらの可能性も充分あるでしょう)、それでも最期までちゃんと見たかった。そんな作品です。


○『宇宙兄弟』は度胸星のフォロアーだと思うし、好きな作品でもあります。これもオススメ。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-13 01:25:15] [修正:2010-01-13 01:28:05] [このレビューのURL]

10点 寄生獣

まさに人生観を変えた作品。

後半の環境問題ばかりがクローズアップされて評価される嫌いがあるが、
環境問題はあくまで一つの事例に過ぎず、作者がこの作品で訴えようとしているのは
「人間とはなにか」であろう。

「自己を把握するためには他者の存在が必要である」
人間を相対化して把握するための大きな意味での「他者」として寄生生物を導入した、
と私は解釈している。
そして作者は新一の心情の変化を通じて作者なりの答えを作品全体を通して、説得力のある形で「人間とはなにか」という問に対する解答を提示している。

マンガという、大胆な仮想世界を絵を通して明快、かつ劇的に表現することができる媒体を最大限に活かすことで、上記のような難解な哲学書で記述されるような普遍的な問題をエンターテインメントに仕立てたこの作品は実に素晴らしい。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-01-13 01:20:01] [修正:2010-01-13 01:20:01] [このレビューのURL]

10点 夏子の酒

この漫画には、欠点と呼べるところがありません。
それなので、10点です。

感想ですが、私は夏子と兄との関係が好きでした。
亡くなった兄の目指した酒が夏子の目標となるあたりに、タッチの上杉和也と達也の関係を連想しました。
だから何っていうこともないんですが…。

また、夏子が酒造りを追求する中で、米作りの問題に切り込んでいくところもよいです。
龍錦づくりにはまる冴子と夏子、素敵です。

夏子のように純粋に生きたいと思いました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-12 23:43:00] [修正:2010-01-12 23:43:00] [このレビューのURL]

10点 SLAM DUNK

バスケットボールと言えばスラムダンク
説明不要の名作

世間に与えた影響やファンの多さ
なにより私自身、存分に楽しませてもらった

ミーハーかもしれませんが これは文句なしの10点です

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-12 04:29:58] [修正:2010-01-12 04:29:58] [このレビューのURL]

一度その世界観にハマってしまうと完全に感染します
シュールだったりベタだったり
あっさりしてたりくどかったり
あまりにもくだらない設定で突き進み 最後まで走りきる
あの絵と世界観が絶妙にマッチしている

くだらないことが こんなに面白いとは

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-12 04:02:24] [修正:2010-01-12 04:02:24] [このレビューのURL]

10点 ナチュン

難しいことや多少複雑なことを説明するとき、結論をいきなり言っても伝わりません。結論を理解するのに必要な情報を相手に与えて理解させた上で結論を伝えないといけません。このナチュンという漫画は近未来のSF作品としてスタートして、多少SFっぽい設定もあるけれどもそれほど遠くない未来が舞台で、しかも全体的にマッタリしていて、言うほどコテコテのSFではないな、というのが第一印象でした。そんな感じが2巻まで続きます。この段階で投げた人も多いかと思いますが、実はここまでの流れは全て布石です。実に長い布石です。ですが、この布石はその後の展開を理解する上で必要不可欠ですから、この1巻2巻がなければ3巻以降が楽しめないのは明確です。
 なんだか僕の説明も前ふりが長くなりましたが、結論を言うと、この漫画はコテコテのSF作品です。3巻以降に怒涛の急展開があります。物語の序章で主人公を沖縄に走らせる原因になった天才教授のレポートに隠された謎をめぐって色々な人たちが、漸く、3巻にして漸く、動き出します。怒涛のように動き出します。世界を揺るがす展開がまっています。
 あと絵について。あれを全部一人で描いているっていうのはすごいです。アシスタントいないみたいです。絵は多少雑ですが、背景の描写に並々ならぬ努力を感じます。
 SF漫画といえば海外でネビュラ賞だかヒューゴー賞を唯一漫画作品で受賞したウォッチメンとかがありますが、あれより何倍も面白いです。僕の中でナチュンはネビュラ賞受賞作品超えてます。
 都留先生!ラストに向けてがんばってください!

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-11 17:11:21] [修正:2010-01-11 17:11:21] [このレビューのURL]

10点 寄生獣

【既読率】

・完読(読み返し5回以上)

【長所】

・奇跡的と言って良いほどのストーリー構成の上手さ
・エンターテイメント性とメッセージ性のバランスの良さ
・全10巻(完全版8巻)という一気読み出来る長さ

【短所】

・グロテスク描写
・画力の低さ
・作者の(服装)センス


【評】

現在200タイトル以上漫画を読んで来た自分だが、
1つだけ選んで賞賛しろと言われたら、迷わずこの作品を挙げる。
とにかくストーリの完成度が高く、伏線の張り方、回収の上手さは何度見ても感心させられる。
そしてその完成されたストーリーから発せられるメッセージ性の高いセリフの数々は、
多くの人の心に響くだろう。

それでいて、アクションや恋愛要素など、
単純なエンターテイメントとしても楽しめる内容な為、
ほぼ、万人に薦める事の出来ると言う稀有な作品である。


短所としては、まずグロテスク描写があるが、
この部分無しには成立しない作品なので短所と言ってはならない気がする。
ただ、どうしてもこの点で読めないという人はいると思うので短所として挙げる。

また正直、画力は低い部類。
時代と作者のセンスを感じる登場人物の服装はともかく
背景(特に建物)の絵はひどいと言わざるを得ない。
ただ、作品の内容を損ねる類の物ではないし、
人物の感情表現はむしろ秀逸なので大きく減点は出来ない。


構成的な部分で欠点を指摘できる点が全くと言って良いほど無く、
この作品を貶める為には難癖でもつけないといけない。
そして、その様なレベルの作品は自分はこれ以外知らない。

もちろん、各所での高評価の割りに面白くなかったと言う人もいるだろうし、
その意見は否定できない。

しかし、例え肌に合わず低評価をつけたとしても、
漫画界におけるこの作品の偉大さに気付けない人は、
数を読んでいないか、漫画に対する接し方が私とは違うと言う事なのだろう。


漫画に娯楽以上の物を求めている人は、間違いなく読んで損は無い
傑作中の傑作と評価して10点満点をつけます。



【最後に作品完結後の作者の後書きを一部を引用させて頂きます】

「いくつかの、変更、計算外の展開はあったものの、
不本意な方向に流される事なく、物理的、精神的妨げやアクシデントにも殆ど見舞われず、
無事完結までこぎつけた事は幸運と言う他無い。
心より「ありがとう皆さん」と言いたい気持ちである」
「寄生獣」という作品はあくまでも「岩明均にしては」と
但し書き付けながら、上手くいった仕事である」


果たして、
この様な後書きを書く事の出来た作者は、過去幾人いただろうか?
漫画という長期に渡る重圧の中書かれ続ける媒体において
この様な終わり方を迎え入れる事のできた作者とアフタヌーン編集部、
そしてそれを支持した読者に対しても、最大の賛辞を送りたい。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2010-01-10 06:34:33] [修正:2010-01-10 07:28:53] [このレビューのURL]

10点 寄生獣

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-09 04:14:42] [修正:2010-01-09 04:14:42] [このレビューのURL]

 エウメネスの天才っぷりが読んでて面白い。登場人物の無機質な雰囲気が、腹の中では何を企んでるか分からない怖さとマッチしている。
 この作者は構成力が素晴らしい。相当作りこんでいる。伏線も張られていて、次の展開も期待を持たせてくれる。でも1年に1冊もでないペースは何とかしてほしい。

ナイスレビュー: 4

[投稿:2010-01-07 15:41:12] [修正:2010-01-07 15:41:12] [このレビューのURL]

 成長期に、この漫画の連載期間が重なっていた事に感謝。間違いなく一番はまった漫画。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-01-07 15:03:51] [修正:2010-01-07 15:03:51] [このレビューのURL]

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