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8点 うっちゃれ五所瓦
上質の典型的少年誌王道漫画と言えます。
相撲がしたい五所瓦の周りに、決してエリートとは
呼べない仲間たちが集まって、非力ながらも知力や努力、
呼び込む運で、大会を勝ち上がっていきます。
言葉は少ないけれど、不足を自身の努力だけで補っていく
五所瓦の姿勢は、男として、やはり美しいの一言です。
仲間も彼の誠実さ、ひた向きさに共感して協力している
ことがよく伝わってきます。
一方で、タイトルは「泣くな、五所瓦」としたいくらい、
無償の友情に涙する主人公の印象が強いです。
さらには、真面目堅物の主人公に対して、上手く笑いを
とる脇役も配して、程良いバランスが感じられます。
時代的には、本作品以前のちばてつや作品「おれは鉄平」
や水島慎二「ドカベン」の影響が感じられますが、多くの
人が安心して共感できる王道漫画は、誰でもよいですから
引き継いでいってほしいですね。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-09-13 05:18:03] [修正:2016-09-13 05:18:03] [このレビューのURL]
7点 馬鹿者のすべて
熱を持った主人公の行動や言動は嫌いではないので、
面白く読ませてもらいました。
高校時代のいじめで受けた屈辱が、28歳コンビニ店長の
宇治田(主人公)の心奥底に、このままでは終われないと、
一言で言うと恋人も仕事も捨てて復讐に燃えるわけです。
このように書くとただの偏執狂なんですが、何の力もなく
夢も持てない、未来に展望がない人間、特に20代後半
から40代の男の焦りや失望ってのが土台にあって、
よく心情は分かります。
その共感があって初めて、一連のバカっぷりが理解
できるのだと思います。
宇治田が敵役に訴える言葉に「将来の夢や未来の目標
なんて純粋に描けたら苦労しない。(無力無能な自分に)
そんなもの簡単に見つからない。それでも自分が
おかしいと思うこと不公平と思うことにだけは、
立ち向かっていける。それならできる。」
があります。
多くの若者がたどり着く最後の境地なんでしょうね。
一握りの勝ち組を除いて。
ということで、無茶苦茶な行動には違和感もありますが、
突き動かされる熱情には結構共感することができました。
蛇足ですが、敵役の南をどう感じたかは、個人差が
あるようですね。嫌いと思う人も多いようですし、
人格破綻者と切り捨てる人も。
私は、世界ランカーのボクサーになっても、宇治田を
友人と呼び、彼なりの配慮をところどころで見せる南は、
意外にも嫌いにはなれませんでした。
4巻で終結させるには、惜しい佳作というところです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-08-28 16:32:41] [修正:2016-08-28 16:32:41] [このレビューのURL]
7点 僕だけがいない街
タイムリープもの。
1巻の引きこまれ具合はかなりのもの。先を読まずに入られない。
終盤まで飽きさせない展開は、全8巻という巻数を含めとても良くまとまっている。
構成は少年期と現代と、現代の進行時を含めてめまぐるしく展開し
だらけるところが少ない。見ようによっては落ち着きが無い。
話の展開自体は良く出来ており、終盤の小手先感を除けば文句はない。
ただ精神年齢30歳の小学生を超越した現実離れした小学生や
結果的に都合よく展開するご都合主義が多くも感じ、
中盤以降白ける部分もあった。
画は上手な部類ではないが、キャラの書き分け自体はできている。
背景がうまく問題なく描けているため、状況に迷うことはない。
地味にカメラワークも無理なことはせず落ち着いている。
全体的に見るとネタバレが早く、尻すぼみ感を少し感じる。
しかしどんどん明らかになる謎と、変わる未来に引き込まれる展開は見事。
終盤にタイトルと繋げるところはうまく出来たと思う。
個人的には小説のコミカライズ版のように感じて、
真相の闇をもっと深くしたり、最後にもうひと狂わせ欲しかったように思う。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-08-23 13:50:58] [修正:2016-08-23 13:50:58] [このレビューのURL]
6点 新米姉妹のふたりごはん
連れ子同士の再婚で姉妹になるが料理を通して、絆が生まれていくのが素直に面白い作品だと思います。
悪く言えば普通です。
これと言って個性的な部分はありませんので試し読みなどをしてからの購入を検討された方が良いと思います。
姉のおなかをふくらませるのは僕(ヤングチャンピオン)で掲載中の漫画も、似た感じですので、両方読んでから決めてみるのも良いと思います。
笑い有りなら姉のおなか、ほのぼの行くなら新米だと思いました。
涙有りのシングルファザー向けには、パパと親父のウチご飯(月刊コミック@バンチ
)がオススメです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-08-11 03:48:54] [修正:2016-08-11 03:48:54] [このレビューのURL]
6点 ラブやん
カズフサの部屋の押し入れに、チンマリ納まるラブやんは、
カズフサのような人種にとっては、文字通り天使のような
存在ですよね。肝心のカズフサはロリのため、触手が
伸びないことが原因で、幸か不幸か二人の友情を
育むことになるわけですが。
ロリ・オタ・プーの3拍子揃ったカズフサ登場で、
すっかり嫌悪感から始まった連載ですが、主な舞台が
ほとんどカズフサの部屋で終始しながらも、結局15年の
長期連載になった珍しいギャグマンガです。
下劣な人種のオンパレードではありますが、一定の距離を
おきつつ理解と同調の日々で同居生活を送るラブやん。
長期連載の間に、次第に関係性が熟年夫婦のように
明らかに変化していく様がかえって安心させてくれました。
カズフサも途中からはいつの間にか、フサやんと
呼ばれていることに気付きましたか?
下ネタというより、童貞ネタ満載ではありますが、
さらりと受け流すどころか、その上に盛ってくる
普通の女の子の対応が魅力に思えます。
嫌いじゃないっす。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-08-06 15:55:53] [修正:2016-08-06 15:55:53] [このレビューのURL]
3点 ドロヘドロ
煙が一旦退場してからはひたすら迷走し続けている印象。
刊行ペースが遅いのにテンポ悪いとか最悪である。
煙ファミリーが復活したので、序盤の面白さを取り戻してくれることに期待してはいるが、それでも最早手遅れだと思う。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-07-31 11:11:52] [修正:2016-08-02 14:22:01] [このレビューのURL]
頭のネジが外れている戦場カメラマン犬塚がSF的な近未来戦争を狂言回しとして紀行する物語。SFを交えているのに戦争の真実を泥臭くあぶり出すというスタンスがエログロ満載なのですが効果的に効いています。少し人物に癖あれど美麗で詳細な画力や見やすくて格好良い迫力あるバトルも素晴らしいです。
前半の比較的短い一編完結の出来が特に良く他作じゃなかなかみれない作風で新鮮でした。後半の羊飼い編からは話もやたら長く迷走してしまった感があるのが残念ですね。犬塚も現場介入し過ぎてラストは超常的人物になってしまいましたし。一応はロボバトルが凄かったり、半端ない虐殺など見るべきシーンもあり読めましたが。後半含めてもセリフが多くないので、テンポ良く読み切れる点も含めて異色の隠れた良作だったと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-08-01 22:59:09] [修正:2016-08-01 22:59:09] [このレビューのURL]
3点 デストロ246
趣味全壊。
美少女殺し屋キャッキャウフフ。
基本的にモブと男に生存権はない。主人公(たぶん)ですら例外ではなく、妻子の復讐のために大枚はたいて美少女殺し屋二人を雇った彼も、あっさり死亡。
ストーリーらしいストーリーもなくただとりとめもない美少女殺し合いが続き、巻き込まれたモブの死骸だけが積みあがっていく、そんな漫画。
作者のファンか、重度のミリオタか、そういう人だけが対象。
確信できるのは、作者がとても楽しく描いたであろうこと。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-07-28 20:24:07] [修正:2016-07-28 20:24:07] [このレビューのURL]
久々に読み返し。
改めて見るとストーリーがとても分かりやすい。まさしくゲームのよう。
死んだと思ってたら生きてたのもすごく多い。
けどこの漫画が連載されてた雑誌、時代においてはこれでよかったのだろう。今ほど大人が少年漫画を読む時代ではなかったはず。
終盤になると敵味方ともにやたら武人っぽくなっていった。ハドラーお前そんなキャラじゃなかっただろ。最後の最後まで悪役だったのはバーン×3とザボエラくらい?
王道中の王道、今ではテンプレと言われそうな漫画だが、素直に楽しめる。
あとメドローアって響きがとてもいい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2008-09-17 23:55:32] [修正:2016-07-28 19:46:35] [このレビューのURL]
5点 溺れるナイフ
結構前から知ってはいましたが、絵もなんか怖そうで
手を出していなかった作品。
ネットで無料レンタルをやっていて読んだら面白くて
一気に借りて読みました。
最初はとても勢いがあってどんどん引引き込まれる。
小・中学校の頃、世界の中心は学校で
急に何かに目覚めたり、自分と違くものを持つ人に惹かれたり・・・。
コウを「神様だ」と表現する夏芽の気持ち、この年代の子の
多感さや未熟さを的確に表現しているなと思いました。
しかし、後半になるにつれて少しずつ勢いを失っていきます。
まあ少女漫画にありがちですが、本当に良い人をいとも簡単に捨てて傷つけて
結局過去の思い出を選ぶ。
コウの荒れ方も正直、いや・・ここまで来たらもう救いようないだろ。笑
というか、ここまでぐれるほどの事件あったっけ?
となんか無理くり山場を作っている感じが否めませんでした。
期待した分そうでもなかったかな?過大評価されすぎだと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-07-27 00:42:00] [修正:2016-07-27 00:42:00] [このレビューのURL]