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7点 ベントラーベントラー
本格的なSF要素を交えながら、ゆるりとした世界観で地球を訪ねる
宇宙人のトラブルを解決する一話完結話。絵の感じといいアフターヌーン連載らしさ
があり、安心して読めます。マイナーですが藤子SF辺りが好きなら相性がかなり
良さそうな隠れた良作だと思います。相棒の宇宙人クタムがエグい外見ながら
主人公(こっちはもっと美人で良かったかも)との掛け合いが楽しく
話に比例して親しみが持てて来るのが面白いです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-12-19 18:26:44] [修正:2016-12-19 18:26:44] [このレビューのURL]
7点 天にひびき
凡才奏者主人公と天才指揮者ヒロインを据えた音楽漫画。音大青春要素と業界知識の塩梅が良いです。主人公をあえて凡才にしてヒロインの天才ぶり(変人だが)について行くのが独自スパイスとして効いています。変人なヒロインでさえ(最後の行動はともかく)可愛げがあって、主人公を想う二人のサブヒロインもいて、地味目な絵柄以上に女性キャラの描写が上手いです。画も時々荒かったり、描き分けが似た人が居ますが、丁寧かつ好きな画風です。演奏の迫力はイマイチですが。
毎話ごとの作曲家コラムも深さと分かりやすさがあって良かったかと。ただ最大の欠点として最後の締め方が…。変人とはいえあんまりだろってほどヒロインの突飛な行動で幕を閉じてしまう嫌な感じでどんでん返し。エピローグも登場人物が僅かしか出ないで、主人公がサブヒロインのどっちを選んだか曖昧な描写でモヤモヤ(まあ幼馴染かな)。全体としては良作なのは揺るがないとは思いますが、世に音楽漫画が多い中でも光るものがあると思えるほどの出来だったので残念さも大きいです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-12-13 17:46:30] [修正:2016-12-13 17:46:30] [このレビューのURL]
6点 彼方のアストラ
宇宙を舞台にした未来の青春サバイバル漫画。
惑星キャンプに来た高校生の一団が、事故で宇宙船に取り残されてしまう。
彼らが力をあわせて生き抜く様を描く。
星々で水や食料を補給しながらの旅。次から次に起こるトラブル。
高校生は一人も欠ける事なく帰れるか?
そして彼らはなぜこのような状況に追い込まれたのだろうか?
非常に上手な少年漫画。
シリアスとギャグのバランスがよくテンポよく話が進む。
宇宙空間に放り出されて船に戻れない、多数が毒で瀕死になるといった
絶望的な状況をどうにかこうにか切り抜けつつギャグを織り交ぜてくる。
しょうもない漫才が緊張をうまく緩和しているし、
トラブルの解決も、正攻法、奇策、ラッキーをうまく使い分けているし、
各キャラクターの立て方もいい。
彼らの冒険を見ていると自然に彼らが好きになる。
宇宙船をホームにしながら星をめぐる設定も旅の面白さがある。
アニメ向きの作品だと思う。
順調に話が進んでいるが、この類の作品は冒険が軌道に乗ると難しくなる。
水、食料、墜落などの物理トラブルを使いつくすと敵との勝負になって、
大抵はそこから詰まらなくなる。
予想を超えるアイディアを期待している。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-12-11 11:02:27] [修正:2016-12-11 11:02:39] [このレビューのURL]
4点 CLAYMORE
最初の10巻くらいは良作だったのですが、強さのインフレやキャラの増加等、個人的にはどんどん尻すぼみしていった作品です。
世間的な評価もそれに近くなっていたのか、色んな本屋を巡っても、後半巻の入手難易度はそこそこ高かったです。
忍空やマキバオーの後半巻クラスでしたね。笑
10巻までで一通りのパターンをやってしまったので、
その後はどんでん返しの展開も予定調和感があり、キャラクターもステレオタイプに感じられました。
後半は私も読む集中力が完全に切れ、敵も味方も展開もよく分からないまま読んでました。
そもそも一部グロで戦闘シーンの多い西洋ファンタジーを描くには、この作者の絵は儚げで美し過ぎるんですよね。
個人的にですが、次回作は再びエンジェル伝説の様な学園ものか、「みなみけ」的な姉妹の日常漫画を期待します。笑
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-12-05 21:41:19] [修正:2016-12-05 21:41:19] [このレビューのURL]
6点 ハイキュー!!
絵も丁寧で、コマ割りや、特に構図がいいなっていうシーンは多くあります。
一枚絵にセンスを感じます。
試合シーンも、目まぐるしく変わる展開や魅せる演出も多く、最近のジャンプの中では良作だと思います。
ただ、おっさんの私からすると、以下の2点にそこそこ強い違和感を覚えます。
・キャラクターに個性がありすぎる。髪型ややけに高いテンション等。
・ポエトリー表現が多く、魅せ場の演出力と反比例して冷めてしまう。
「あひるの空」も、その寒さで途中放棄してしまったのですが、ポエトリーなJ-POPの歌詞みたいなのがきついです。
まぁこれは、私がアラサーというのが大きな理由でしょうが。。。笑
アイシールド21と同様、絶対王者的なチームを物語の中盤で倒してしまった事で、再び後半にピークを持って来れるのか心配な部分はありますが、男子バレー漫画では一番面白いと思います。
これは減点対象にはしてないのですが、
スポーツもの少年漫画で多い、後から後から謹慎を食らっていた部員や、一時ドロップアウトしていた部員が加わってくる既視感バリバリパターンはどうにかならないでしょうか。。。笑
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-12-05 21:30:09] [修正:2016-12-05 21:30:09] [このレビューのURL]
7点 獣の奏者
NHKでアニメ化もされたファンタジー小説をコミカライズした作品。骨太な世界観があり、良い意味で原作者、主人公エリンはじめ物語の軸にいる重要人物に女性が多い珍しさ、それを活かした掘り下げや心理描写。ちゃんと表現出来ているんだなと感じるだけの画力(原作挿絵担当者が本作作画も担当。男性読者でも馴染み易い画風。アニメもチラ見したことがあるが、漫画版の方が原作雰囲気はしっかり出せているのではと思う)。タイトルにピッタリで本来終わらせる予定だったらしいところまではしっかり漫画化されており(アニメもこの辺まで)、そのラストシーンは強い感動があります(特にエリンの独白にはグッと来るものが。痛いシーン含め過程があったからこそ)。ただ原作もそうらしいですが(続編が作られた一因)、ここで終わるとキャラと世界のその後などエピローグがどうしても欠けている印象が否めません。惜しく感じるし、結局その先も調べてしまうほど。漫画として考えると欠点なのは否めなかったですね。もう少し漫画では原作の先があるだけに、それに沿うエピローグ的なのを付けて一区切りとした方が良かったと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-12-02 20:08:11] [修正:2016-12-02 20:08:11] [このレビューのURL]
7点 BUTTER!!!
高校ダンス部での青春群像のお話です。
今風のセリフ回しが多いのも特徴です。
元気印の夏、ネクラで目標のない端場の男女二人を
中心に展開されるお話かと思いきや、周囲を固める
脇役に焦点が移っていき、むしろ味を出しているのは
たった4名のサブキャラ達でした。
コンプレックスで自縛状態の柘、他人とぶつかり合え
ない掛井がお気に入りです。
柘は単なる数合わせ的なメンバーと思っていたら、
突如前髪を上げたりしてサナギが蝶に変身してしまい
ました。それでも根本的なコンプレックスから抜け
きれておらす、むしろ愛おしくなるくらいの魅力ある
キャラになります。
創部者でありながら副部長と影の実力者を装う和美は、
熱情を隠しつつ笑顔を出しません。
部長の高岡は、そんな和美の孤独さに魅かれて
ダンス部を手伝います。
青春には淡い恋心がつきものですが、できるだけ
これを排除して、熱中したり打ち込めること、
楽しめる自分探し、仲間探し、といった女性作家
ならではの視点で物語を進めていきます。
これは男性作家では絶対描けない世界だなあと
思いつつ、一方で自分の青春と重ね合わせて
共感できました。
胸の奥のチリチリした青春への憧憬に火をつけて
くれる作品です。私は結構気に入りました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-10-30 09:05:45] [修正:2016-10-30 09:05:45] [このレビューのURL]
8点 それでも町は廻っている
1話完結の日常系ギャグ漫画であることに加え、主人公や準主人公級のキャラクターが女子高生であること(老婆は黙殺)、ジョセフィーヌの存在などで、泥臭いヤングキングアワーズの中では貴重なオアシス的な作品となっています。
作品の随所に散りばめられた小ネタや、読み返すと気づくプチ複線の数々から作者の高度な遊び心が伺えます。真田やモリアーキーも良い味を出していると思います。
ギャグ漫画としては完成度はかなり高いのではないでしょうか。
とは言え、私個人としてはあくまで普通のギャグ漫画の域に留まっているという印象を持っていたので、レビューの多くが8点以上という現状には正直驚いてしまいました。
一介のギャグ漫画がこのサイトのランキングでいくつもの大作を押さえている光景には、なんとなく違和感を感じてしまいます。
点数基準の「何度も読み返してしまう」には該当するとは思うのですが。
正直、歩鳥の持つ例の「市松人形的可愛さ」が全体的に評価を少しだけ甘くしているのではないかと思わなくもないです。
もちろん、登場人物の魅力も作品の魅力の内なのですが、私はあえてキャラクター補正を省いた点数でレビューさせていただきます。
2016年10月追記
今月号のアワーズで遂に終了です。
後半は明らかに終わりに向かっているノリでしたが、日常系でそれが見て取れるというのは、存外に寂しいものですね。
こんな気持ちになるほどの漫画は、この年になると今後は出会えないかもしれないので、1点プラスします。
昔は「ただのギャグ漫画」と評していましたが、数年ぶりにレビューを投稿するくらいに愛着の湧く、名残惜しい作品にいつの間にかなっていました。
やはりキャラクターの魅力は、理屈抜きに作品の魅力ですね。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-01-08 11:19:22] [修正:2016-10-28 17:39:43] [このレビューのURL]
10点 ドラゴンボール
思い出補正、という言葉はあまり好きではないのですが、この作品だけは思い出補正抜きには語れません。
それほどまでに当時の少年達に影響を与え、圧倒的な存在感を誇示し続けた唯一無二の作品だと思っています。
当時の少年達、少なくとも子供時分の私の周りでは一番面白い漫画は何か?という議論すら起こりませんでした。
そんなもの論じるまでもなくドラゴンボールに決まっているからです。
目の肥えた現代の読者から見れば少なからず欠点の目立つ作品でしょう。
しかし誤解を恐れずに言えば、ドラゴンボールはもはや少年漫画というカテゴリーですらなく、ドラゴンボールという1つのメディアなのだと思います。
二郎はラーメンではなく二郎という食い物なんだ、みたいな感じでしょうか。
作品としての質はおそらくワンピースやHUNTER×HUNTERの方が上なのかもしれません。
しかしこれらの作品が、少年に限らず今の読者達の間で当時のドラゴンボールに比肩し得るような存在感があるのかというと、どうしてもそうは思えないのです。
…個人的な補正にまみれたレビューでスミマセン。
しかしこの作品に10点を付けなければ、他に付けるものはないので…
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-10-26 23:35:17] [修正:2016-10-26 23:53:49] [このレビューのURL]
9点 ちびまる子ちゃん
昭和を投影した原風景が背景にある漫画。
誰しも小学生の頃を思い出して、何とバカバカしい毎日
だったとか、なんであんなつまらないことにクラス中が
熱中していたのかとか、玉ねぎ頭のようなクラスメートが
いたりとか、ありますようね。
そんな想い出帳から沢山の友人と家族を引っ張り出して
きては、エピソード話を紡いでくれたちびまる子ちゃん。
爺さんも婆さんもいる実は三世代家族のちびまる子は、
決して孤独ではないのです。といって、自立心がない
訳ではなく、むしろ独特の感性で自分だけの生活を
楽しんでいます。
三世代家族は昭和の時代には典型的家族かと言えば、
そうではなかったと思いますが、むしろ団地族や核家族に
対して憧憬や懐かしさを与えていたのかもしれません。
さらには、作者の独特のクスぐりネタは、共感を呼ぶ
健全な小市民感覚のギャグだからこそ、長く支持されて
きたのでしょう。
アニメを通じて、サザエさんに肩を並べるくらいの
国民的お茶の間漫画の地位を勝ち得たと言えます。
いわば、名作です。
しかし、原点は原作初期にある小さな想い出話に
過ぎなかったことは、驚くべきことだと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-10-23 22:43:01] [修正:2016-10-23 22:43:01] [このレビューのURL]