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7点 コラソン サッカー魂
W杯アジア最終予選において残り三試合だけで9巻にまとめられた作品です。
日本は4位であり、残りサウジアラビア、オーストラリア、
イラン戦を前に、外国人監督に全権を委任して交代する
ところから始まります。
問題は、得点力不足でFWの不在です。
これは2006年頃の本当に日本の悩みだったわけで、とても
リアルな背景になっています。
日本代表チームの和は、エゴイストである主人公FW戌井に
よって乱され、様々な不協和音を生みます。
一方、作者の考えが反映された外国人監督はFWをひたすら支持します。
これに反発しつつ、次第に理解し成長していくチームの過程が見どころですね。
実際のところ、こんなFWが日本に欲しいという熱烈な
サッカーファンである作者の願いが表現されている気がします。
チームプレーもいらない、パス回しも不要、仲良しチームである
必要もない、ただ得点をゲットする結果だけを求めるFWを
あるべき姿として描いています。
ある意味では、長編でありながらたった半年の過程であった
名作「スラムダンク」のサッカー版とも言え、9巻を一気に
読みたい作品です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-28 02:32:26] [修正:2017-02-28 02:32:26] [このレビューのURL]
3点 銭ゲバ
成人してから初めて読んだので、思い入れも無く、冷めたレビューになってしまいます。
貧乏が原因で愛する母親を亡くした事により、金に執着心を持った主人公。
野心と、強いコンプレックスを持ち、一部計画的、一部衝動的に行き当たりばったりで犯罪・殺人を犯しながら成り上がっていきます。
その過程が丁寧であれば、この作品の評価も大きく変わるのでしょうが、事の成り行きや周囲の反応、主人公を怪しんでいる人物との駆け引きが非常にチープなのが残念です。
また、画力や構成や演出、心理描写の陳腐さも踏まえ、当時は斬新であっただろう、溜めに溜めた表情やコマの間も、一切緊張感が無く不快に感じました。。
そういった完成度や緊張感が伝わらなかった事で、
「殺せば盛り上がる、
非人道的な事をさせたら盛り上がる」
といったエンターテイメント的な解釈に至ってしまい、ここでの高評価レビューに正直驚きました。
読もうか迷っている方に一つだけ言わせて頂くと、
作品に対して「丁寧さ」や「完成度」を求める方には合わないと思います。
「インパクト」や「個性」は十分にあるオリジナルな作品だとは思います.
本来、多くの方の心を動かすエネルギーを持った作品なのでしょうが、1意見として投稿させて頂きました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-27 17:58:22] [修正:2017-02-27 17:58:22] [このレビューのURL]
6点 キャプテン翼
最初に言っておきますが、私はこの作者が好きではありません。
色んなスポーツ題材に手を出しながら、どのスポーツに対しても敬意や愛情を感じない点と、結局キャプ翼に依存し、画力やデッサン力の進化が止まっている点で、向上心をあまり感じられないからです。
しかしこの作品に関しては、サッカー漫画のパイオニア的作品であり、
少年達の心をくすぐる吸引力のある作品だと認めざるを得ません。
私の友人からも、
「家にあったキャプ翼1?3巻を読んだ小学生の息子が、一気に全巻をせがんできた」と聞いたくらいの影響力があるのでしょう。
かく言う私もこの漫画で育ち、
(少年目線から見て)魅力的なキャラや必殺技に心を躍らせ、サッカーというよりかはキャプ翼ごっこに胸を躍らせていました。
国内のライバル達も魅力的で、その後の海外のキャラもスケールアップして魅力があるんですよね。
大人の方でも、まだ未読であれば楽しめるかもしれません。
ブックオフ文庫版とかなら安く揃えれるでしょうし、なかなかのエンターテイメント度だと思われます。
元祖キャプ翼以降のシリーズは悪意が籠もったレビューになりそうなので、控えときます。笑
余談ですが、FC、SFCのキャプ翼も全シリーズやりました。
運要素が大きいですがシステムが画期的で夢中になってました。
漫画キャラよりも、ゲーム世界のサンパウロのジウやバビントンに感情移入してます。笑
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-27 17:50:16] [修正:2017-02-27 17:50:16] [このレビューのURL]
9点 キーチ!!
最近の新井英樹はぶっ飛びすぎて付いていけなくなったのですが、このキーチは全盛期の作品の一つだと個人的に思ってます。
この人はカリスマを描かせたら本当に巧い。
ただ、この作者はスロースターターなので、そこの我慢は必要なんですよね。
この作品も前半のホームレス編は衝撃的な展開ではありましたが、真骨頂は小学生編。
甲斐と出会ってからの展開がめちゃくちゃ面白い。
小学生である事の無力感からの挫折もあり、
小学生である事を武器にした反撃や演出。
キャラクターの躍動感が流石です。
「こんな小学生いる訳ない」とは思うし、
相変わらず我が強く、民衆を馬鹿に描き過ぎる作者の癖も鼻に付きますが、それでも夢中にさせるエネルギーがある作品。
カリスマの一挙一動に、漫画ながら目が離せない。
続編の「キーチvs」は全然入り込めなかったので、レビューはやめておこうと思います。笑
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-27 17:46:21] [修正:2017-02-27 17:46:21] [このレビューのURL]
8点 カレチ
鉄ちゃん向けのみならず、職業物・人情物漫画としてレベルが高い一話完結漫画だと思います(毎話レベルで面白い)。国鉄が舞台ですが古き良き時代性、人情的な職場(職人の情熱や厳しさ)を描く物語かと思いきや、次第に傾いてJRに向かう国鉄組織の暗部、それぞれの苦悩、合理最優先な時代の流れも包み隠さず描き切りました。
後半は暗すぎるのではとも思いましたが、故に前半へのノスタルジック感を読者としてもより強く感じられる仕様に。最終回での主人公の選択、途中で描かれた最終回後の時系列でクレイマー老人と化している回(途中結婚しているが最終回選択後は離婚した可能性も高い。妻帯者がそうそう選べるものでもない上に妻のポリシーからは許したかは微妙)を思うと国鉄と主人公人生のリンクにこみ上げる切なさがあります。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-25 02:15:26] [修正:2017-02-25 02:15:26] [このレビューのURL]
8点 ハチワンダイバー
ハイテンション将棋漫画。将棋部分がしっかりしつつ、ルールが分からない人でも伝わるであろう迫力と熱さそして奥深を伏せ持った作風です。作者自身がプロの一線にでも駒落ちなら勝てる強さだけはあるかと。次第に超展開にもなって行きますが、キャラの個性が光りつつ続きが気になり、三十半ばの長編なのに楽しみつつ読めました(最後も上手く畳んだ方)。
一番の問題は次第に増えて行く将棋と関係ない格闘部分ですが(女性キャラがぽっちゃりし過ぎなのもこの辺が影響か)、ここは一気読みで良かったと心底思いました。それでもまだ多く感じるほどです。しかし、それを考慮してもやはり将棋漫画を代表する作品からは外せないだけの力がある名作だと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-18 16:54:32] [修正:2017-02-18 16:54:32] [このレビューのURL]
5点 アビス
怪物に襲われて生き延びる漫画。
怪物と超能力で戦うゲーム的な謎解きバトル。
絶体絶命の状況も怪物の特性や能力を駆使して冷静に切り抜けていくのがポイント。
ジョジョの奇妙な冒険第2部を意識したつくりになっている。
バトルギミックが凝っていて面白い。
怪物も恐ろしくグロテスクで生き延びるとホッとするし、
また別の怪物に出会うと絶望する。
で、この漫画のオチはループもの。
終盤で任務に失敗した主人公が状況をリセットする能力を発動する。
序盤まで巻き戻って再度やりなおし。死んだ仲間も生き返っている。
みんな記憶は失っているが過去に倒した怪物は答えを知っているパズルのようにクリアできる。
主人公の冷静さや数々の伏線もキレイに説明がついた。
さらに、タイトルのアビス(深淵)とはこの状況そのものを指しており、
限りない繰り返しの果てにいつか全てをクリアできるかもしれない、といった事らしい。
凝った作品だが漫画としては説明的に過ぎる。
これが実際に繰り返しプレイするゲームなら説得力があっただろう。
度々の失敗を意味のあるものにして、エンディングを目指す動機を高めてくれる。
だが漫画では面白さが高まるわけではない。
また、作画も途中から苦しい。
場面や怪物、キャラクター、小物などの見分けがつかなくなってくる。
扉絵ではしっかりキマっているので勿体ない気がした。
才能は豊富だが、漫画を作る力が不足している印象。次回作に期待。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-10 10:50:30] [修正:2017-02-10 10:50:30] [このレビューのURL]
10点 ぼくは麻理のなか
この人が描く漫画は人は選ぶけどどうしてこんなに刺さるんだろう。
とにもかもくもドロドロとした心情がとても上手い漫画で面白いです。
麻理の行動に辻褄が合わないところがあったけど、それは麻理の中にもほんの少しだけ小森がいたのかなーとかファンタジーな考察で補完しました
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-06 17:41:38] [修正:2017-02-06 17:46:43] [このレビューのURL]
6点 侵略!イカ娘
なんだかんだで九年近い長期連載作品となった「侵略!イカ娘」ですが、ハタから見るとごく平凡なこの作品が、一体なぜここまで長期連載することができたのかと考えたとき、「その掲載誌が、変わり物だらけの週刊少年チャンピオンだったから」というのが、その理由の一つとして挙げられると自分は考えています。
こう言っては語弊がありそうですが、自分は週刊少年チャンピオンは少し不気味というか近寄りがたい雰囲気を感じていて、ジャンプやマガジン、サンデーなどと比べると、どうしても異質というか、気楽には読みづらい雰囲気が雑誌全体から漂っていて少し苦手でした。
しかし、そうした異質の集合体である週刊少年チャンピオンの中で数少ない「普通」の作品として連載していた「侵略!イカ娘」は、異質の中でむしろ逆に「異質」として読者の心の清涼剤的な役割を担っていた。そのことが、週刊少年チャンピオンで長く掲載できた理由の一つだったのではないかと、自分は考えています。
そしてそう考えると、どんなものにも「運」はあるように感じます。(しかしこれは単にマグレや偶然という意味ではなく、運気や運勢、勢いやタイミング、巡り合わせという意味の方が近いです)漫画やアニメ。ゲームに映画。創作物はスピードも大事だと思いますが何よりも時代の運に合うかどうか。ヒットするしないは結局時代を味方につけるかどうかなんだろうなと、色んな創作物の栄枯盛衰を見てきて、今そんなことを思います。
そういった意味でも、「侵略!イカ娘」は時代と雑誌、そしてそのタイミングなど、色々な部分で「運」が良かった作品だったと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-02-03 22:48:03] [修正:2017-02-03 23:04:19] [このレビューのURL]
3点 手品先輩
高校の手品部で先輩美少女と後輩少年のユルいやり取りを描く日常漫画。
ユルさ加減がすべて。
先輩の可愛さやラッキースケベや手品のうんちくとか
テンションを高める要素が軒並みユルい。
それでいてユルさを前面に押し出しすでなく、あくまで青春コメディ。
登場人物も先輩と後輩の2人でごくシンプル。
このユルさを心地よいととるか物足りないと取るかは人それぞれ。
別に面白いわけじゃないんだけど、なんか良いよねーという感じ。
評価で3点をつけているが別にダメな漫画ではない。
まさに時間つぶし用に作られた作品で、ちゃんと成功している。
まとめて読む必要もなく、先輩が好みならちょいちょい楽しめるだろう。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-01-16 11:39:03] [修正:2017-01-16 11:39:03] [このレビューのURL]