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8点 それでも町は廻っている
1話完結の日常系ギャグ漫画であることに加え、主人公や準主人公級のキャラクターが女子高生であること(老婆は黙殺)、ジョセフィーヌの存在などで、泥臭いヤングキングアワーズの中では貴重なオアシス的な作品となっています。
作品の随所に散りばめられた小ネタや、読み返すと気づくプチ複線の数々から作者の高度な遊び心が伺えます。真田やモリアーキーも良い味を出していると思います。
ギャグ漫画としては完成度はかなり高いのではないでしょうか。
とは言え、私個人としてはあくまで普通のギャグ漫画の域に留まっているという印象を持っていたので、レビューの多くが8点以上という現状には正直驚いてしまいました。
一介のギャグ漫画がこのサイトのランキングでいくつもの大作を押さえている光景には、なんとなく違和感を感じてしまいます。
点数基準の「何度も読み返してしまう」には該当するとは思うのですが。
正直、歩鳥の持つ例の「市松人形的可愛さ」が全体的に評価を少しだけ甘くしているのではないかと思わなくもないです。
もちろん、登場人物の魅力も作品の魅力の内なのですが、私はあえてキャラクター補正を省いた点数でレビューさせていただきます。
2016年10月追記
今月号のアワーズで遂に終了です。
後半は明らかに終わりに向かっているノリでしたが、日常系でそれが見て取れるというのは、存外に寂しいものですね。
こんな気持ちになるほどの漫画は、この年になると今後は出会えないかもしれないので、1点プラスします。
昔は「ただのギャグ漫画」と評していましたが、数年ぶりにレビューを投稿するくらいに愛着の湧く、名残惜しい作品にいつの間にかなっていました。
やはりキャラクターの魅力は、理屈抜きに作品の魅力ですね。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-01-08 11:19:22] [修正:2016-10-28 17:39:43] [このレビューのURL]
10点 ドラゴンボール
思い出補正、という言葉はあまり好きではないのですが、この作品だけは思い出補正抜きには語れません。
それほどまでに当時の少年達に影響を与え、圧倒的な存在感を誇示し続けた唯一無二の作品だと思っています。
当時の少年達、少なくとも子供時分の私の周りでは一番面白い漫画は何か?という議論すら起こりませんでした。
そんなもの論じるまでもなくドラゴンボールに決まっているからです。
目の肥えた現代の読者から見れば少なからず欠点の目立つ作品でしょう。
しかし誤解を恐れずに言えば、ドラゴンボールはもはや少年漫画というカテゴリーですらなく、ドラゴンボールという1つのメディアなのだと思います。
二郎はラーメンではなく二郎という食い物なんだ、みたいな感じでしょうか。
作品としての質はおそらくワンピースやHUNTER×HUNTERの方が上なのかもしれません。
しかしこれらの作品が、少年に限らず今の読者達の間で当時のドラゴンボールに比肩し得るような存在感があるのかというと、どうしてもそうは思えないのです。
…個人的な補正にまみれたレビューでスミマセン。
しかしこの作品に10点を付けなければ、他に付けるものはないので…
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-10-26 23:35:17] [修正:2016-10-26 23:53:49] [このレビューのURL]
9点 ちびまる子ちゃん
昭和を投影した原風景が背景にある漫画。
誰しも小学生の頃を思い出して、何とバカバカしい毎日
だったとか、なんであんなつまらないことにクラス中が
熱中していたのかとか、玉ねぎ頭のようなクラスメートが
いたりとか、ありますようね。
そんな想い出帳から沢山の友人と家族を引っ張り出して
きては、エピソード話を紡いでくれたちびまる子ちゃん。
爺さんも婆さんもいる実は三世代家族のちびまる子は、
決して孤独ではないのです。といって、自立心がない
訳ではなく、むしろ独特の感性で自分だけの生活を
楽しんでいます。
三世代家族は昭和の時代には典型的家族かと言えば、
そうではなかったと思いますが、むしろ団地族や核家族に
対して憧憬や懐かしさを与えていたのかもしれません。
さらには、作者の独特のクスぐりネタは、共感を呼ぶ
健全な小市民感覚のギャグだからこそ、長く支持されて
きたのでしょう。
アニメを通じて、サザエさんに肩を並べるくらいの
国民的お茶の間漫画の地位を勝ち得たと言えます。
いわば、名作です。
しかし、原点は原作初期にある小さな想い出話に
過ぎなかったことは、驚くべきことだと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-10-23 22:43:01] [修正:2016-10-23 22:43:01] [このレビューのURL]
1点 ニセコイ
ありきたりなラブコメ内容でハーレム状態の主人公だと思います。高校生活もサザエさん方式にならずに思った以上にテンポ良く時間が進んでいると思います。
しかし、ラブひなのような約束の相手に関わる重要なストーリーの進行のテンポはイマイチ遅いのが面白みに欠けると思います。
最近ではヒロインたちを中心にスピンオフを順番にやっているだけでストーリーになっている。物語の根本である約束の人とカギにまつわる話を引き伸ばし過ぎて、若干ダレてきている感じがします。
個人的には、ヒロインを必ず一人選んで終わらせて欲しいと思います。誰を選んだか読者に委ねる終わり方をしないことを願います。個人的には過去にとらわれずに片思いの女性(実は両思い)と一緒になって欲しいと思います。
作者からの主用キャラへの愛を全く感じさせなかった、雑な終わり方で残念でした。
この程度なら延命ストーリーを入れず10巻以内で終わらせるべきだったと思いました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2014-03-23 04:24:45] [修正:2016-10-23 01:11:08] [このレビューのURL]
0点 神さまの怨結び
女性には特にオススメしたくない作品だと思いました。
呪いで消したい相手と性行為をすることで成就します。
その代償として一生誰とも結ばれなくなるということです。
被害者が女性だけなのも見てて気分が悪いです。
それも消す代償が割に合っていないと感じるのは作者が男性目線だからなのか?とも思いました。(私も男ですが)
また追いつめられた人間が嫌いな相手と性行為を安易に行う事自体が漫画であれ、あり得ないと思ってしまいました。
単なるエロ本レベルです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-10-16 22:28:56] [修正:2016-10-16 22:28:56] [このレビューのURL]
全体は日常&ウンチクの良くある漫画です。しかし、この作品の素晴らしいのは工科大学という難しい舞台設定をしながら、ザックリと分かりやすい科学概念解説(文字だらけで学術書的にもなっていない漫画ならではの分かりやすさ)、科学史と伝記のような聖人君子ではない偉大な科学者達の横顔紹介です。そこに驚き、笑いで惹きつけられました(各話後の解説、おまけのバーに集結漫画も必見)。絵に癖がなく、キャラも個性はともかく嫌味な人間はいないのも読みやすかったです。
工科大学だから特に地味な普段の生活(と恋の行方)、勝手にやっている生活実験があまり面白みを感じず、半分近くを占める概念と歴史ウンチクばかりで行っても飽きそうですし、全3巻ですがキリ良く終わったのではと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-10-05 22:23:40] [修正:2016-10-05 22:23:40] [このレビューのURL]
7点 哲也-雀聖と呼ばれた男
麻雀漫画と分類されているようですが、麻雀の手役の進め方を
説明した場面は一度もありません。麻雀に名を借りた賭博
漫画というか、イカサマ手口で勝負する玄人(バイニン)
商売の世界を紹介しているにすぎません。
戦後の混乱期を背景に、喰うか喰われるか、生き延びるか
落ちるか、の命の賭け方も本人次第であって、誰にとっても
賭博人生だったようです。
様々なイカサマ手口を編み出した玄人が、哲也の前に次々に
現れては敗れていきます。その異様さや特異さは少年誌には
相性が良く、長期連載になった理由の一つでしょう。
警察にとって治外法権である寺の中で、絶対負けない秘策を
持つ僧侶、警察権力を背景に負けを強要する刑事、牌に
気付かない目印を付ける玄人、美人玄人等、個性的な好敵手が
次々に現れて、バトルが繰り返されていくわけです。
青年誌のような大人の臭いをちょっと嗅がせて、
少年誌では見せにくい世界を、程良い異様さで別世界の
ような演出させていることで成功しています。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-10-05 05:18:21] [修正:2016-10-05 05:18:21] [このレビューのURL]
4点 ワンパンマン
村田先生の絵は大好きだし、なんなら全巻揃えてるんだけども読めば読むほど原作者のONEが選ぶ言葉遣いが気持ち悪すぎてどんどんつまらなくなってくる。。。。
趣味でヒーローをやっている者だ!←もう始めから致命的に寒い。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-10-05 02:03:50] [修正:2016-10-05 02:03:50] [このレビューのURL]
9点 NEW GAME!
4巻50話に泣いた。
自分も入社時は、未熟なプログラマーだった。
最初のPJで組んだ先輩は、八神コウのような有名人ではなかったけれど、
コードの中には独自の美学があり、自分のことを大事に育ててくれた。
その人を尊敬したし、感謝もしたし、何より、この人と一緒に仕事をしたいと思うようになった。
月日が経ち、自分も成長し、今、その先輩と同じ立場でPJを任されている。
憧れの人と肩を並べて仕事ができた。目標の達成だ。
けれど目標とは際限なく更新される。
先輩を超えたい。
今なら超えられるじゃないか。
そう思って以来、惜しみなく技術を注ぎ込んでくれて昼食もよく共にする先輩に、YESではなくNOも言うようになり、意見や議論もするようになった......
青葉は友達と約束した美大を蹴って、憧れの人・八神コウを追う夢をもった(5巻)
入社して八神に育ててもらい(1,2巻 <- アニメ化部分)
憧れの先輩の下で働くという夢を実らせた。
そして新作・PECOの開発時には、青葉のデザインがメイン候補に選ばれる(3巻)
自分ではなく後輩のデザインが採用され、八つ当たるコウ。
その後コウの方から歩み寄るのだが、コウは決して謝らないのが良い。
心のどこかで悔しさを押し殺しているのがわかる。
最終的には、メインデザインは二人ですることになる。
つまり、青葉は憧れの先輩と同じ土俵で働くようになる。
けれど、宣伝用キービジュアルをかけて、出来レースのデザイン対決が行われる(4巻50話)
自分と先輩の評価はまだ先だが、
青葉とコウの決着はついている。
全力で挑んだイラストをコウに見てもらった後の、コウのイラストを見た青葉の描き方が素晴らしい。
憧れの人の全力に静かに感動し、そして、涙する。
行間には圧倒的な実力差への、納得と悔しさがある。
蛇足だが、「はたらくって青春だ」というキャッチフレーズは、非年功序列で既婚者が少ない職場に限り当てはまるものだと思う。
また、第30回横溝正史ミステリ大賞の選評で馳星周が「善人しか登場しない作品は瑕だ」と述べていたが、
会社においては例え善人しかいなくとも、競争が働く以上は嫉妬や不安が生まれるものだと感じさせられた。
ちなみに、Unityやenchant.jsなどのエンジンに頼らず、C++から頑張るねねを応援してます。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-09-27 10:03:38] [修正:2016-09-27 10:03:38] [このレビューのURL]
8点 アンカサンドラ
この人の描く女性キャラの「瞳」がすごく好きで、これを見たいがために読んでいた。
話はツマラン、というか編集部かなんかのテコ入れにそのまま流されていった感じがアリアリで読んでいて気の毒になる。
「編集王」に描かれてたいい絵を描く新人漫画家が、上の人の意見に流されていった結果自分の描きたいものが描けず打ち切られる、って現実だとこういう感じなのかな、と思った。
でもこの作品のあとにそこそこ売れる作品に当たったようでホッとした。
特徴のあるいい絵描くもんな。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-09-25 21:02:27] [修正:2016-09-25 21:02:27] [このレビューのURL]