「」さんのページ

総レビュー数: レビュー(全て表示) 最終投稿: まだ投稿されていません。

映画にもなった現役医師による地方病院を舞台に描く小説のコミカライズ化。地味な話かもしれませんが、大病院ではない地方病院におけるリアルな現実医療を描きつつ、それを優しくオブラートに包む作風で良く出来ていました。主人公の口調は滑ってる感じはありますが。原作がまだ先もあったので続きが読みたかったです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-07-20 18:40:20] [修正:2017-07-20 18:40:20] [このレビューのURL]

「怖いもの見たさ」という言葉をこれほど強く意識した漫画はない。
私たちは基本的に美しいものが好きで、醜いものは見たくない。
でも、人間ってそんなに単純でもない、と思い知らされた。
あまり入り込むと、自分の感情が歪んでいきそう。
例えば、作中でどん底に落ちた人間と自分を比べて安心するようなものの考え方は、健全とは言い難いから。
しかし、何が凄いって、これだけ陰惨なのに、ちゃんとエンターテイメントとして成立しているところ。
そして、主人公だって社会の屑なのに、ちゃんとヒーローとして成立しているところ。
ウシジマ君は善人ではないが、筋は一本通っている。
情報が溢れ、子どもですら単純な勧善懲悪なんて信じなくなった現代、まさに、時代に求められたヒーロー像と言えるかもしれない。
「大人になるとは、孤独を受け入れること」。
闇金を賛美するきはないが、この一点には、全面的に同意する。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-26 00:13:41] [修正:2017-06-26 00:13:41] [このレビューのURL]

9点 アカギ

まことに失礼なことを言うが、少なくとも絵を見て「読みたい」と感じさせる漫画では全くないと思う。
漫画は、雑に言えば、絵と文字だ。
その絵に、魅力はない。
正確には、この絵に「味がある」と感じるのは、実際に読んで、漫画の世界に引き込まれた後の話であって、「入口」での魅力ではない。
そういう「飛車角落ち」のような勝負を漫画という賭場で仕掛け、それに勝利した福本氏は、本当に凄いと思う。
「そんなギャンブル、ありかよ」と作品の中で何度も感嘆したが、そもそもの尋常ではないギャンブルは、福本氏が「漫画」を選んだ、というその事実ではなかろうか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-26 00:08:05] [修正:2017-06-26 00:08:05] [このレビューのURL]

「スタンド」というアイテムにしても、あらゆる面でも表現方法にしても、「ジョジョ」というのがもう、ひとつの発明であって、「ジョジョ」がなかったら生まれてこなかった、という作品は結構あるんじゃなかろうか。
そういう意味で、ほとんど革命的な作品であり、同時に、完成品でもある、という稀有な例だと思う。

個人的には、四部が一番好きだ。
学生時代、いつか子どもが生まれたら、「仗助」と名づけようと半ば本気で思っていた。
そういうことである。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-26 00:04:09] [修正:2017-06-26 00:04:09] [このレビューのURL]

「こういうふうにしか生きられない」ということの絶望が、古谷実という作家のテーマなのではないかと思っている。
育った環境も幼少期のトラウマも関係なくて、「決まってしまっている」ことは、あるのだ、と。
(余談だが、映画版は、この文脈を逸れてしまったのが、個人的には残念だった。映画の出来はよかったけれど。)
なぜ、そうなってしまうのか。
例えば、人殺しに。
そこに理由がある人もいる。
でも、それが理由なき必然である人もいる。
じゃあ、どうすればいい?
どうしようもない。
だから、絶望なのであって。
そのテーマを「こちら側」から描いたのが「ヒミズ」で、「あちら側」から描いたのが、「ヒメアノ?ル」なのだと思う。
この人の作品は「焼き直し」とよく言われる。
そうかもしれない。
けれど、裏を返せば、古谷実という人は、何度も同じテーマに向き合っている、ということでもあるのではないか。
その姿勢が、僕は嫌いではない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-25 23:26:59] [修正:2017-06-25 23:26:59] [このレビューのURL]

どうしようもなく心を揺さぶられた。
涙は出なかった。
ただ、心が痛かった。
そういう作品だと知っていて読んだ。
だから、こんなことを言う資格はないのだけれど、「こういう漫画が本当に必要なのか」という考えがよぎった。
作者さんに申し訳ない。
もう二度と読まないかもしれない。
もう一度読んでしまうかもしれない。
ただ、よくも悪くも、これほど深く感情を切り裂かれた漫画は、私にはあまりない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-25 23:19:41] [修正:2017-06-25 23:19:41] [このレビューのURL]

いろいろと詰め込みすぎですね。そして人気キャラの濫用とキャラ乱発で、収拾がつくのは何巻になるのやら。現時点では「だれる部分もあるが、ところどころ楽しめる漫画」という評価基準そのまんまなので5点。雑誌では読まないので二巻同時発売まで待っては見たものの、よい方向に評価を覆すには至りませんでした。
 とはいえ個人的には嫌いな漫画ではありません。なんとなくこの作者には当初から実力以上の重い使命が偉い人から課せられてしまっているように見えます。連載当時ほぼ新人。そしてアニメ化以降メディアミックス三昧の上、週刊で長期連載化。この条件でだれないまま終われた作品を探すほうが難しいと思います。評価は低いですが作者は十分がんばっていると思いますので、ところどころでも楽しめる限りは、読んでいこうかと思います。

追記:最終回まで読んで、これは初期の段階で終わりが決まっていてあとは続けられるだけ、という手法だと思いました。おそらく何章か飛ばしても、いや飛ばしたほうがこの最終回はしっくりくるかもしれません。賛否はあるでしょうが、大御所でもブツ切りで終わらせてしまうご時世にまだ誠実なほうかと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-04-20 21:48:35] [修正:2017-06-24 17:46:19] [このレビューのURL]

ガンダムの世界観を元にして、近年の社会労働情勢をギャグ要素として取り入れたロボット漫画。ガンダムの知識はなくても大丈夫でしょうが、やはりあった方が良いと思います。ところどころノリやネタに笑ってしまいました。

ギャグ的なノリでありながら、ときに上記労働ネタをシニカルに突いて唸らせたり、ロボットもの(ガンダム)としてのツボを押さえてイラストも綺麗で無駄に格好良い場面も。キャラデザも癖が少なくて好きでした。

全体として出オチ感もありましたが、落ちて行く中でもつまらなくはならなかったですし、強引さもありましたが良い頃合で終わったかなと。個人的にはもっとギャグ方向でぶっ飛んだ方がとは思いましたが、ロボットもの亜種として好きな作品になりました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-22 21:08:09] [修正:2017-06-22 21:08:09] [このレビューのURL]

今ネットで話題になっているので読んでみた告発エッセイ漫画です。衝撃的な内容でした。作者は新人漫画家ですが漫画家漫画としてのクオリティは高い方です。

ただし、告発側の作者と飛鳥新社が一切の裏取りをしていない(特に飛鳥新社はどうなのか。作中じゃ救いの新編集と描写されているが)ということなので信用性の部分ではどうしても疑いも持ちつつ、読まなければいけないとは思います。

それでも作者の担当であるKADOKAWAのボーノ氏については、色紙1600枚フルカラーという常軌を逸した行動をやらせたのは事実であって(謝罪広告あり)、それなりの信用性がある部分ではないかと思いました(作中の経過と違い業界無知な作者が乗って来ていた部分の可能性も感じますが、そこは編集が既知な責任者でなければいけません)。こんな大手会社でも、こんな人がいるという業界の闇については触れてはいるのかなと。全業界にも通じる本当に怖い話ではあります。

それ以外の描写については、後半異常に文字が増えて読みにくさ爆発だったりして、作者の精神状態は今も危なそうですしなんとも(ねとらぼと場外乱闘が始まった模様)。

あと作者については自業も感じるし(不自然なほどボーノ氏と縁を切らない)、エッセイ漫画を多く読んできて、駄目な人はたくさん見て来ましたが、どこか憎めない人が多かったです。しかし、本作者から感じる作中でもときに示唆される壮絶過ぎる人生もあってか、痛い人なのではとの印象は拭えません。単行本二巻打ち切りの新人という部分に後ろめたさが皆無な辺りには別の意味で驚きでしたし。干される覚悟と銘打たれてはいて、この世界実力次第でしょうが「使いにくい人」だとは感じました。

とりあえずボーノ氏を軸に扱う無料でも読める三章まではある程度の信用性があると思いますし、読みやすさもまだあります(ここも一定の信用性を感じる部分。後半のごちゃごちゃは逆に疑わせる)。業界の闇・転ばぬ先の杖として無料ですし、読んでみてはどうかとは言えると思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-17 07:10:14] [修正:2017-06-17 07:10:14] [このレビューのURL]

謎、バトル、エロやエグさありのダークファンタジー作品。掲載誌のこともあって、知名度は高くないですが秀作だと思います。高画力でアメコミ風を取り入れた日本寄り融合絵は独特で最も魅力を感じました(バトルが若干見辛いところもあるがこの手の絵にしてはマシな方)。キャラデザも癖が少なくて獣人キャラに嫌味がなく、女性キャラはかわいい。レトロなアメリカ世界観、謎を振りまく話にも引きつけられ、キャラも立っていて特に獣人主人公アレックス刑事の格好良さは特徴的。賑やかし要員に見えたピートが第二主人公的成長を遂げたのも良かったです。

一方でやや難解な二重螺旋をテーマにしたダークファンタジーがほぼ全てなので、刑事である主人公が主体的に捜査するというよりもほぼ振り回される格好だったこと、ヒロインのネクロや関係者が責任をとったとはいえラスボスに転嫁出来ない身勝手な罪が重すぎたこと(よって結末のカタルシスが弱い)、核になって行く獣人差別問題が序盤には感じにくく、終盤の展開がやや唐突に感じたところなど不満点もありました。

しかし、全体として謎や話をしっかり解決して終わったことをはじめ長所が大きく勝ったという印象です。独特かつ一気読み向きの作品なので、未読の人には最近完結した今こそおすすめしたい作品かなと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2017-06-03 17:58:13] [修正:2017-06-03 17:59:33] [このレビューのURL]

点数別のレビュー表示

月別のレビュー表示