「朔太」さんのページ

総レビュー数: 822レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

7点 SOIL

カネコアツシという漫画家を本作で初めて知りました。
筆ペンで描く世界感が極めて秀逸です。

おどろおどろしい背景はそのまま狂気に直結して
しまいそうな雰囲気を常に醸し出していて、
それでいて正気の論理は一つ残っているので、
単なるホラーでもないことに安心できます。
例えば、鈴白一家失踪の謎が10巻辺りでキチンと
説明されていたのは、21世紀少年とは異なり
フラストレーションを解消してくれています。

読み始め当初は、本作は非科学的現象を積み重ねる
SFあるいは人や集団心理の狂気を扱うホラーなのか、
あるいは伏線はりまくりの駄作なのか、
判断しかねるところがありましたが、
最終的には満足させてもらえました。
とはいえ、エピソードや枝葉の話も多く、雰囲気
つくりや謎かけ場面が多いので、結果的には無駄に
長話になったようにも見えます。

私は単行本で一気に読んだので苦にはなりませんでしたが、
連載中の読者なら多分途中から興味を失っていくだろうと
予想されます。

ドラマでいえばツインピークスのような名作の匂いを
漂わせつつ、根気よくついてくる読者を選ぶ作品という印象です。

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[投稿:2017-07-21 19:53:41] [修正:2017-07-21 19:53:41] [このレビューのURL]

前作「鉄腕バーディ」の続編です。
文字通り続編で、あれから3年が経ちました、
というところから始まります。
背景も敵もほとんど変化なく、前作20巻、
続編13巻の長編の割には、ストーリーに起伏が少ないのが残念です。

相も変わらず可愛いお姉さんバーディの魅力が、作品価値の80%でしょう。

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[投稿:2017-07-15 06:21:10] [修正:2017-07-15 06:21:10] [このレビューのURL]

少年ジャンプ創刊号とともに、永井豪を世に送り出した出世作。
1968年といえば約50年前。
半世紀前から日本は平和と言えば平和なんですね。

表現の自由という傘の下で、少年向けに裸体の
オンパレードで大ヒット作品が生み出せた。
世界的に考えれば、いまだにこんな国は他にありませんから。

ギャグ作品としての評価はできないですし、いつまで
たっても上手くならない永井豪の描画レベルは、
デビュー当時からのもののようです。

作品内容はスカスカですが、社会に与えた影響の点で、
漫画史に残る作品と思います。

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[投稿:2017-07-05 20:29:15] [修正:2017-07-05 20:29:15] [このレビューのURL]

ゲイカップルによるシンプルライフの提案という感じです。

表題が表題なので、夕食を中心に毎回何ということはない
日常的レシピと作り方が細かく描写されます。
まるで人生の根幹は食事じゃないかと言わんばかりです。

次に来るのは人間関係、まあ愛でしょうか?
これは異性を愛せないカップルを配置して、
「生きることを単純に考えようよ。」というメッセージに聞こえます。

だけどこれもあれも、二人が弁護士と美容師という定職、
上級スキルがあって安定収入の基盤があってこそとも言えますが、
スローライフとはまた違う頑張らない生活ですね。

中でも、主人公の筧が、弁護士なのに細かな神経を持った節約家
(例えば、水道がジャージャー言ってるとすごくイラつく)と
いう設定が面白いです。

ジャンルで言えば、癒し系でしょう。
ちょっとお疲れモードに一服の清涼剤としてはお勧めです。

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[投稿:2017-07-02 16:59:53] [修正:2017-07-02 16:59:53] [このレビューのURL]

ツッコミどころ満載で幼稚な表現が多い作品です。
例えば、快速走行で追いかけてくる婆さんのカラクリは、
自動車が引っ張る絨毯の上に乗って走っていました。
これは電車の中で走る現象と同じです、という説明です。
この類のバカバカしい話を真面目に毎回青年誌向けに
展開しているので驚きます。

少年向けとして割りきる分には耐えられますが、
青年向けに真面目に連載していたなら、
読者の知能を馬鹿にしていると言えるでしょう。

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[投稿:2017-06-26 16:47:41] [修正:2017-06-26 16:47:41] [このレビューのURL]

原作を読んだ記憶は少ししかないのですが、再々にわたり再放送されていたであろうテレビアニメでは鮮明な記憶があります。
明らかに幼児や年少者向け性教育を意図されて企画制作されています。
漫画が持つ可能性を限りなく追及してきた、手塚治虫氏の当時としてはとても挑戦的な作品と言えます。

ただし、お下劣にならないよう配慮し過ぎて、現代的にはまるでEテレか教科書的な臭いがします。
当然、時代的背景が考慮されないと不当な評価になるかと思います。


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[投稿:2017-06-25 07:27:23] [修正:2017-06-25 07:27:23] [このレビューのURL]

ミスターXが送り込んでくる刺客達との対決、用意されたゴルフ場の
おどろおどろしさ、手作りのゴルフ道具などなど。
荒唐無稽な超人的ゴルフプレーが頻繁に出てくるので、
引いてしまう読者は多いかもしれません。
一方で、絶体絶命の場面での有り得ない打開策には、あきれながらも
妙に感心したりしてしまいますので、やはり秀逸なんです。

少年マガジン誌で好評だったせいか、数年後には少年サンデー誌に
ちばてつや氏の「あした天気になあれ」が連載を開始しました。
後者は前者の無茶ぶりをできるだけ殺して大人テイストに
仕上げた面白さには、猿も降参という結果だったように思います。

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[投稿:2017-06-15 19:27:47] [修正:2017-06-15 19:27:47] [このレビューのURL]

6点 OUT

アウトサイダーを描いたものは、類型的には
1.高校生以下の友情ギャグもの(A-BOUT!他)、
2.高校中退以降の族の暴れっぷり(BADBOYS、女神の鬼他)、
3.社会人のアウトサイダー 
4.ビジネスマンを装う本物の大人悪  
があるかと思いますが、本編は2と3の中間的位置づけです。

二度と少年院には戻れない、戻らないという切実さがある
のですが、性根は喧嘩がしたくてたまらない訳です。
話中に「色々なものからはみ出し人生を踏み外して、
文字通りアウトの世界に足を踏み入れた人間は、
自由であるようで実は大きな責任を自らに課すことになる。
・・・アウトの世界の入り口で引き返せる人間は少ない。」
とあるト書きが、本作品の主題のような気がします。

アウトローの世界にしては、画は綺麗で主人公への感情移入も
しやすい設定です。
類似作品の中では、比較的好印象が持てます。


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[投稿:2017-06-11 17:45:40] [修正:2017-06-11 17:47:21] [このレビューのURL]

どの回を読んでも主人公の霞士郎は、気を失ったり、
倒れたり、泣いてたり不安がったりで、大丈夫な時がない。
数年前の航空機事故を引きずっているからといって、
いくらなんでもひ弱で暗過ぎるだろう。

シナリオの展開も遅く、10巻を通して大きな起伏は
なかった印象です。
最終回は悲劇性を醸し出してはいましたが、
三文ドラマ風で評価できません。

私とは相性が合わない作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-06-06 20:54:42] [修正:2017-06-06 20:54:42] [このレビューのURL]

グルメ漫画というより元祖料理対決漫画。
下町のお好み焼き屋さんや定食屋さんには定番の常備薬の
一つだったように思います。
生魚刺身を寿司ネタと絡める一見単純な簡単料理が
すごく繊細な仕込みや技術の賜物なんだと日本国民に
再認識させた功績は大きいかもです。


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[投稿:2010-08-20 22:20:20] [修正:2017-06-06 20:47:15] [このレビューのURL]

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