「朔太」さんのページ

総レビュー数: 822レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

長編連載で全編麻雀対決の独特な味わいがします。
しかし、必ずしも典型的な麻雀漫画とも言えない部分があります。
登場人物は、いずれも天才型麻雀の打ち手であり、
定石でない待ちに突然決断しますが、
天才は直観だけでなくいくつかの根拠を持っている
はずというパターンが多いです。
その根拠には触れずですが。

典型的な麻雀漫画には、根拠のすごさで読者を驚かせる
ことが多いのですが、本作品は登場人物たちの圧倒される
ような迫力、いわばキャラの立ち方で魅せつけるのです。

波城組編では、10億円と銀座の利権を賭けて、
日本のやくざと中国マフィアの対決を描くのですが、
これが延々5巻以上を費やしたでしょうか。
その決着(61巻)が圧巻でしたので、お勧めの名場面でしょう。

長編ですが、順々に読み進めるべきとも思えません。
どこをどう切り取っても、同じテイストですので、
抜き取って読み進めるのも許されると思います。


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[投稿:2018-01-11 16:52:30] [修正:2018-01-11 16:52:30] [このレビューのURL]

6点 not simple

最初からよく考えられた構成で、破たんがなく展開が
進行していきます。
しかし、思春期の熱にあてられたかのような登場人物の
羅列が気になります。
主役は生まれつき複雑な事情を抱えているのだから
仕方ないのですが、周りの脇役も含めて全員が鬱のような
精神状態なので、あまり共感はできませんでした。

一編の短編テレビドラマのような風味を長編ではなく、
1巻で味わえた点は評価できます。
また、絵が独特のタッチで好き嫌いはあるかと思いますが、
私は嫌いではありませんでした。

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[投稿:2018-01-10 19:07:15] [修正:2018-01-10 19:07:15] [このレビューのURL]

記憶に残る最高傑作のひとつです。
主たるシナリオはなく、真面目不良高校生の青春日記です。
無口なゴリラーマンの謎が気になって、ぐんぐん引き込まれます。
周囲の不良達の価値観も無定形なんだけど、魅力的です。
主人公は一言もセリフはないため、何もかも謎だらけですが、
彼を取り巻く仲間たちのペーソスを誘う楽しくも健気な日々なんです。

最高の魅力は、繰り出すギャグなんですね。
何気ない言葉の応酬と行動は、今どきの高校生にも
大いに参考になるでしょう。
めったに付けない最高得点を差し上げましょう。

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[投稿:2010-11-21 23:09:15] [修正:2018-01-10 19:04:24] [このレビューのURL]

何というストリーでもなく、盛り上がりも意外性もないの
だけれど、何か気持ちよくなる子持ちの女子プロレスラー物語です。

破天荒で無責任で出鱈目な男のお話は世の中に数あれど、
これの女版というのは意外でした。
男に走って試合を放り出して、5年後に悪びれず
戻ってくる女子って、いそうだけれど好きにはなれないですよね。
ここに出てくる藤はそんな嫌みがない。
絶対にまた裏切られるのだけれど、わかっちゃいるけど
見捨てられない、そんな魅力を上手に描けていました。
こんな母親には、定番のシッカリ娘が育つところが、また見どころです。

作品としての魅力は少ないのですが、全体の雰囲気がとてもヨロシイ。


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[投稿:2018-01-07 12:52:22] [修正:2018-01-07 12:52:22] [このレビューのURL]

8点 JIN -仁-

江戸時代にタイムスリップした現代医師南方仁を中心に
据えた幕末と明治維新の歴史漫画あるいは医療漫画ということです。

タイムスリップということでSFかと思いきや、これは
「あとがき」で作者自身の説明によると、
現代医学を江戸時代に持ち込むための方便だったようで
意外でした。
本当に描きたかったのは、梅毒他感染症に苦しむ当時の
遊女や庶民の苦しみだったようで、漫画の中だけでも
彼らの無念を晴らせないかと考えたということです。
読者の想像もつかないところで創作意欲というものが
生まれるようで驚きました。

作者の意図とは別に、医療漫画というより明治維新を
背景にした当時を生きた人々の活力、清々しさの方が
作品の魅力になりました。
登場人物皆が凛としており、主人公南方仁も現代へ
戻ることよりも江戸時代に生き、積極的な歴史への
参画を始める動機が生まれます。
当時の人々の生き方が関与しているように見えます。

SFとしての締め方には納得できるものではありませんが、
それは本作品では些事なので、とやかく言っては
いけないようです。
歴史を操って人物の清々しさで勝負する点は、
どうしても「龍」との類似性を感じてしまいますが、
村上もとかの真骨頂とも言えますので良しとします。

記憶に残る作品です。

ナイスレビュー: 2

[投稿:2018-01-02 14:33:44] [修正:2018-01-02 14:33:44] [このレビューのURL]

5点 RiN

ゴリラーマン世代にとって、残念な作品です。
あの輝きを期待して読み始めたのに・・・。
可笑しみを醸し出す技量は最高だったはず・・・。

ごめんなさい、3巻にて撤退です。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-12-27 17:05:26] [修正:2017-12-27 17:05:26] [このレビューのURL]

序盤と終盤にドラマとしてみるべきものを感じました。
中盤の話の引っ張り方がやや中だるみを生んだのは残念でした。

イチの過去の三つの顔にまつわるトラウマ、それは家族への
執着と絶望ですね。
これを五葉の他のメンバーは距離を保ちながら理解をしよう
と努めている。
これが仲間の優しさですね。

特に、政は田舎での嫡男としての義務を果たせず、家を捨て
ざるを得ないコンプレックスの塊のような男だけれど、
イチと知り合ってからは新しい世界の住人になりました。

最終巻は八木や政の振る舞いが美しく、素晴らしい決着と思います。


ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-12-25 17:47:09] [修正:2017-12-25 17:47:09] [このレビューのURL]

バックに軽快なBGMがあるような感じがするストーリーの
数々が展開される短編集です。
その典型が走る姿です。膝上まで足を上げる疾走シーンが
印象的で、軽快さを象徴しますね。

デビューから5年が経過したあとの作品集ですので、
油の乗り切る前のマグマの溜まる感じが良いですね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-12-23 14:54:55] [修正:2017-12-23 14:54:55] [このレビューのURL]

バンビーノ続編です。
先の作品をそのまま継承して、熱烈猪突猛進型主人公の
イタリア料理漫画です。
画に動きがあるので、話の展開にスピード感を感じるのですが、
実はそれほど大きな変化はないのです。
イタリア料理店「レガーレ」の小さな世界で起こる事件で
しかなく、当事者にとって大事件でも、結局読者から
見て井戸の中の小事件なんですね。

特に、当初から土屋と言う店員がトラブルメーカで、
確かに後に異常なくらいの確執に発展するのですが、
冷静に考えて見れば、主人公にとって部下であり
店の誰もが敵になっており、孤立無援の可哀そうな
小物の敵なんです。
気に入らなければ解雇にだってできるのに、
料理勝負!ってなんだっていうのでしょうか。

後半の乗っ取り資本家に対してもそうです。
店の買収に大掛かりな仕掛けをしてくる敵では
ありますが、不法行為でもなく正々堂々と
料理勝負が行われます。
最後は軟禁なんかの犯罪行為もありますが。

全巻を読んだ上での総括です。
先の作品と合わせて8年の連載になり、
せきや氏にとって代表作になったようですが、
画が上手いだけにシナリオ展開で工夫が欲しいところでした。
当人は大事でも他人にはどうでもよい大騒ぎ物語です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2017-12-13 18:01:30] [修正:2017-12-13 18:04:28] [このレビューのURL]

宇宙ロケット内という設定ですから、SFと思いきや、
いわば雪山に閉ざされた密室なんですね。
だから、結局典型的な雪山型密室殺人を描いた
推理小説風ストーリーです。

42年前の作品ですから、今思えばステレオ型の作品
ですので、とても斬新とはお世辞にも言えません。
しかし、人気作家萩尾望都の作品らしく、
ワクワク期待をさせる魅力はあります。

今や古典となってしまった感がありますが、記憶に残る作品です。


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[投稿:2017-12-05 00:58:15] [修正:2017-12-05 00:58:15] [このレビューのURL]

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