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9点 よつばと!
コロコロと変わるよつばの多彩な表情、
細部に至るまで丁寧に描写された背景、
絵を眺めているだけで、こんなに楽しくなる漫画も他に無いかも。
内容の方も、日常漫画として非常に洗練されており
何気ない日常を面白おかしく描いてしまうセンスや
緩やかに経過していく一日一日の継続性が心地良く
読み続けていくうちに、よつばの毎日に浸っているような気分にさせてくれます。
絵、構成力、リアリティ、全てが高いレベルでまとまった
日常漫画のお手本、または決定版と言える作品ではないかと。
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[投稿:2012-07-26 16:34:11] [修正:2012-07-27 00:22:13] [このレビューのURL]
9点 SLAM DUNK
主人公の桜木同様
試合を重ねるたびに漫画自体もみるみる上達していった。
平面的で動きの乏しさがあった試合描写も
段々と多角的なアングルと躍動感が加わっていき
役者の揃った中盤以降はストーリーの盛り上がりと相まって
目が離せない面白さがある。
その中でも25巻から始まる山王戦は圧巻で
ページを開いたが最後、試合の面白さに夢中になり
毎回決着まで止まらず読みふけってしまう。
試合終了間際の攻防も凄まじく
セリフも擬音も一切排除して
絵だけで魅せるスピード感と迫力は、まさに脱帽の一言。
一つの試合に長い巻数を割いているけど
山王戦は、それに見合うだけの爽快感と充足感があります。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-07-18 18:08:54] [修正:2012-07-24 15:58:34] [このレビューのURL]
9点 それでも町は廻っている
登場人物全般に妙な"生っぽさ"が漂う変わった漫画。
人が生きている、ということはどういうことなのかといった思考実験のようでもあるが、
娯楽を基本としたいであろう作者の意図も端々に見え隠れし、なんとも複雑な作品である。
読み手は選ぶと思われるが、この絶妙なライブ感と時折漫画のキャラであることを思い出させる
虚構の狭間にある独特の空気感が大変に面白い。
作画もこざっぱりと綺麗にまとまった線で読みやすく、
反面演出からセリフ回しまで周到な計算高さも感じる。が、実に嫌味がない。
類稀な客観的俯瞰視点をもったリアリストに思える。
キャラクターの表情の豊かさとは裏腹に さぁ笑え、さぁ泣け といった
誇張された露骨なエンターテイメント性が最重要視された漫画ではない。
初期にはそういった部分も散見されるが、はっきりいってこの人は
そういうどストレートな作風の漫画書いてもたいして面白くないと思われる。
まぁ、読み解くとかテーマとか意味考えるとかめんどくさい、簡潔に感動したい笑いたい
という分かり易さを重視する人には激しくおすすめしない。
他にいくらでも良作はある。
ごく個人的には今後も追いかけていきたい漫画家の一人。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-07-18 19:14:13] [修正:2012-07-18 22:56:26] [このレビューのURL]
9点 魔人探偵脳噛ネウロ
松井優征先生復活記念。
「推理ファンでない人のほとんどは、犯人をカンで当てようとするそうです。………僕もそうします。(中略)……実はこれ………推理ものの皮をかぶった、単純娯楽漫画です。」
これは本作『魔人探偵脳噛ネウロ』の記念すべき単行本第1巻に作者の松井優征が掲げた巻頭の辞である。実際、ネウロ第1話を立ち寄ったうどん屋に置いてあったジャンプでたまたま読んだ時の自分の第一印象も「これはミステリとしては色々反則すぎやしないか。」と決して芳しくはなかった。
ミステリの醍醐味は、複雑に絡まった謎を少ない手がかりから鮮やかに解いていく知的興奮であり、犯人の動機や心情に迫る人間ドラマであるはずなのだが、このネウロときたら!何者かに父を惨殺され悲しみにくれる(食欲以外は)ごく普通の女子高生、桂木弥子の眼前にと突如出現した魔界生物、脳噛ネウロ。 「謎」を主食とし、より美味な謎を求めて地上へと出現したこの怪物は、人間界での活動のため弥子を隠れ蓑に実に傍若無人に“謎”を次々と解いていくのだが、その謎解きの方法が「魔界777ツ能力(どうぐ)」と総称される種々のチートな特殊能力に頼った実に強引なものでそこにはサスペンスとしての魅力はほぼ無かった。犯人にしても動機が色々おかしいイっちゃった連中ばっかりで人間ドラマとしての奥行きも感じられず、評価としてはせいぜい上等なネタ漫画、まぁジャンプで探偵モノやりゃこうなるわなぁ程度と高をくくっていた、くくっていたのである。
それでも作品から溢れんばかりに発散される奇抜さ、毒気がどうにも心地よかったので気になって読み続けた所、徐々にネウロはその本質をあらわにし始めた。奇抜なネタ漫画としての体裁を最後まで貫き続ける一方で、実にジャンプ栄えする真ッ当な人間賛歌の物語へと作品が進化していった。思えば初期のあの異様さも毒気もブラックなギャグも、全てブラフ、周到なトリックだったんだろうか。
この作品の探偵物としての大きな魅力と特徴は、魔人であるネウロと人間の少女桂木弥子との関係性である。昔からホームズとワトソン、明智小五郎と小林少年のように探偵が助手とコンビを組むことは珍しくはないが、ネウロと弥子の関係はとても探偵と助手という表現では括りきれない。(世間的には弥子が美少女探偵でネウロが助手ということになっている。)
二人の関係はネウロ>弥子の圧倒的にサディスティックな主従関係であり、哀れ凡人少女の弥子は“謎”をおびき寄せる生き餌としてネウロにさんざんにこき使われる。ネウロは基本的に謎さえ解ければ(食えれば)後はどうでもよく、犯人の心情や動機にも一切興味を示さない。人間はあくまで自分に食料を提供するだけの釣り堀に過ぎず、弥子は謎を釣る餌に過ぎなかった。
そんな二人の関係性に次第に変化が生じ始める。人間界の事情は思いの外複雑で、ネウロはやがて人間を知らぬことには解けぬ謎もあることを理解し始める。下僕の弥子はネウロのような明晰な頭脳も超能力も持たないが、人の心情を理解し、思いを致すというネウロには決して真似の出来ない事ができるのだ。こうして主人と下僕であった二人の関係性にドラマチックな変化が生じ、少女の成長や人間存在への関心といったテーマを描き得る振り幅が生まれ、思った以上にドラマに奥行きが与えられ始めた。相変わらずぶっ飛んだ犯人達の犯行動機にも、現代社会への作者なりの皮肉や風刺がうまく表現されるようになり、単なるネタを超えた味わいも付与され始めた。
思えば謎解きを第一目的とし後は眼中に無く性格も悪いネウロは典型的な江戸川乱歩の明智小五郎型の探偵と言えるが、地に足の着いた行動で事件の因果、犯人の心情に迫り、理解する桂木弥子は横溝正史の金田一耕助型の探偵と言える。明智と金田一、いずれも日本ミステリ史上の二大巨頭だが、本作はタイプの異なる二人の名探偵があたかも共闘しているかのような魅力があるのだ。
二人の関係性でもうひとつ興味深いのが、ネウロは魔人だが性別的にはオスであり人間体ではかなりイケメンなので普通なら弥子とくっつくのが常道だが、物語終盤では揺るぎない信頼関係で結ばれた二人の絆が、結局恋愛感情だったかどうかは最後までうまくはぐらかされた点だ。恐らく作者はそういう共依存的なベタベタした関係ではなく、成長や敬意に基づいた純粋な信頼関係を描きたかったのだろう。これは人間賛歌という作品のテーマとも相性がよく、また弥子を中心とした乙女ゲー的逆ハーレム(本作はタイプの異なる様々なイケメンが弥子に協力する)の妄想をかきたてる余地を残しており、やはりうまい。強烈にサディスティックでグロテスクな描写が多い割に女性ファンが多かったのも頷ける。
先程からしきりに“人間賛歌”という言葉を挙げているが、このテーマ自体は漫画の世界では珍しくないありふれたもので、ジャンプに於いては本作にも多大な影響を与えたとおぼしき『ジョジョの奇妙な冒険』が人間賛歌を堂々とテーマとして掲げている。ジョジョには遠く及ばずとも、とりあえず愛とか友情とか正義とか信頼とかをキャラに語らせれば凡百の作品でもそれなりに様になる魔法のテーマ、それが人間賛歌だ。
ネウロで興味深かったのが、その人間賛歌の料理の仕方だ。物語後半、作中のラスボスとなる“絶対悪”シックス率いる「新たなる血族」との死闘の中で顕になるのだが、ネウロにおける人間賛歌とは決して愛や正義といった聞こえの良い言葉だけでなく、ずるさや醜さといった人間の愚かさ・悪徳すら併呑したものだった。人は良心のみにて生くるにあらず、時には悪意も必要なのだという人間観、これは「痴愚神礼讃」以来の人文主義の流れを汲んだ骨太なもので、聞こえの良い上っ面をなぞっただけの言葉よりもはるかにしっくりくる。そもそも悪意がなければ謎は生まれず、謎がなければ世の中は面白くはならないのだから。
ネウロがその描写のエキセントリックさとは裏腹に、不思議と読後感が爽やかだったのもそんな人間観に由来するのだろう。ネウロは、察しの良い読者なら途中から気づいていたが、決して犯人をサディスティックに虐めることはあっても自ら断罪し殺すことはなかった。犯人の多くは警察に引き渡され、神ならぬ人によって裁かれる。そこには倫理的な判断を下すのは最終的には人間でなければならぬという価値観があった。
ネウロが作中唯一自ら完膚なきまでに殺した敵は、その強すぎる悪意ゆえに人ならざる存在と成り果て、人間のあらゆる可能性を潰す敵となった絶対悪シックスのみだった。このシックスはとにかく悪のためなら目的も手段も問わず悪をなすというある意味ミステリの構造そのものを破壊し、少年漫画史にも後世まで名を残すに違いないとんでもない大悪党で、もう殺す以外に解決の仕様がなかったのでこれには皆納得だろう。
作中語られる“進化”に関する認識が少々単純すぎるとか、謎解きが謎解きになってないとかそもそも後半ミステリほとんどやってないとかゴシカァンとかアラは探そうと思えばいくらでも探せる作品でもあるが、構成の妙、演出の的確さ、テーマ設定や随所に見られる毒の効いた社会批評などの優れた現代性、そして何より“商品として責任を持って終わらせる”という使命をこれ以上ないほどに見事に果たしたジャンプ史上稀有な美しい仕上がり、どれをとってもお美事、お美事にござりまするという他無い。ネタ漫画としても、王道少年漫画としても一級品である。最近作者は新作『暗殺教室』で無事にジャンプに返り咲いたので、これを機会に未読の方もぜひご一読の程を。
ナイスレビュー: 3 票
[投稿:2012-07-16 23:32:53] [修正:2012-07-17 01:01:03] [このレビューのURL]
9点 エアマスター
完結しています。全巻読みました。
ストリートファイトをテーマにした漫画なので、深く読ませるようなストーリーでは無いのだが、独特の世界観と異常なまでの熱量を持った名作だと思う。
この漫画の一番の特徴は強烈な個性を持つキャラクター。
変態的なレベルでキャラが立ちまくってる。
独特なセリフ、独特な立ち振る舞い、独特な技が主人公から脇役に至るまでを濃厚に味付けしていて、ストーリーやら絵やらよりも作中に登場するキャラクターに強烈に惹かれるものがあると思う。
個人的には崎山香織と坂本ジュリエッタが好き。
バトル漫画らしいバトルの駆け引きなどの面白さももちろんあると思うが、迫力ある絵面で強烈な印象のキャラクター同士がぶつかり合うことで生まれる爽快感、疾走感、そしてキレのあるセリフ(名言も多いです。)すごく熱くて清々しくて気持ちが良い。
こんなに格ゲー作って欲しいと思う漫画は他に無いかも。
絵も内容も好き嫌いの分かれそうな感じだけど、ツボにくる人には堪らないものがあると思う。
漫画としての完成度で点をつけるならそんなに高くないが、読んだことのある全ての漫画で好きなキャラクターは?と聞かれると、どうしてもこの漫画が外せないので9点。
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[投稿:2012-04-16 17:25:45] [修正:2012-07-11 14:00:55] [このレビューのURL]
9点 呪街
「呪力の発症」のシーン、これはモロに自己臭恐怖症のイメージ。思春期特有の病的な心理を描く。
超能力者同士の戦いなのだが、登場人物達の印象深いヘンな仕草が入口となり、相手の脳を狙い合う戦いに妙な肉体性を感じてしまう。これがこのマンガの最大の味になっていると思う。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-06-28 00:26:29] [修正:2012-06-28 00:26:29] [このレビューのURL]
とても楽しく読みました。買ってよかったと思っています。
前半の企画モノもいいけど、後半、嫁さんが登場してからの方がグッと面白い気がします。結婚に向かっての盛り上がり方はスゴイですが、4コマでオチをつけながらやっているのがイイですね。話の核で、人生論かますような所でギャグかますのがイイですね。自分の人生を見詰めて、出てくるのは自己完結よりも笑いの方がイイですよね。
カラスヤさんのマンガを一度でも楽しく読んだことがあるなら、是非買ってみて下さい。買って読むマンガですよ、コレは。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-06-26 00:34:52] [修正:2012-06-26 00:34:52] [このレビューのURL]
9点 宇宙兄弟
魅力的な登場人物、テンポのいいストーリー展開、読者をのめり込ませる熱さ、またその熱さの空回りを防ぐユーモアのセンス、
どれも一流で高い完成度です。
正に、名作の王道を突き進んでいると思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-06-21 14:14:48] [修正:2012-06-21 14:16:05] [このレビューのURL]
主人公が誰だかわからない漫画です、それだけ登場人物みんなに魅力が有ります。
また話も、とても疾走感がありグイグイ引きつけられるため、時間が有る時に全巻一気読みすることをオススメします。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2012-06-21 01:07:20] [修正:2012-06-21 01:07:20] [このレビューのURL]
9点 海獣の子供
大好きな作品です。
古本屋で読んで衝動買いしてしまいました。
話もとても引き込まれるのですが、とにかくこの人の書く海は本当に美しく、それだけで十分買いです。
この夏最終巻が出るらしいので楽しみです(^-^)/
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[投稿:2012-06-20 23:10:46] [修正:2012-06-20 23:10:46] [このレビューのURL]