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9点 CLAYMORE
ダークファンタジーの代表作といえば、三浦先生のベルセルクが有名だが、私的No1ダークファンタジーはこのクレイモアだと思う。
主人公の「復讐」を軸にストーリーが展開されていく点や、大剣を使って妖魔や覚醒者をぶった切る所はベルセルクに似ているが、最大の違いに性的描写の有無がある。
「エログロ」などという言葉があるくらいで、ダーク系の漫画では内容に性的描写を含むものが結構あったりするんですが、クレイモアにはそれが一切ないです。
ダークな雰囲気を演出するために、エログロは必要な部分もあると思うのですが、人によって不快感を感じる場合があるのも事実。
その点、クレイモアは性暴力的な描写が無いのでダークファンタジーというジャンル自体に敷居の高さを感じている人にも読みやすいと思います。
<以下ひとりごと>
・バトルは1対1の個人戦ではなく、1対多数の集団戦闘が多いです。絶対的な力の差がある覚醒者相手に、仲間と連携して生き残っていく。なかなか新鮮な戦闘でした。「倒す」ではなく「逃げる」戦いがあるのも面白い。
・実は自分は大の深淵(敵キャラ)ファン。結構そういう人多いみたいで安心しました(笑)
・この漫画の最大の魅力は、「戦いの中の死」だと思う。
妖魔との戦いの中で死んでいく仲間たち・・・。
生き残った者は、死んでいった仲間の意志を受け継ぎ戦場へと戻っていく。
なんというか、そういった部分が好きです。少年漫画みたいに仲間は全員生き残るっていうのでは緊張感が無いし都合良いですよね。
・キャラの描き分けについては、良くやっていると思う。設定上、全員銀眼に銀髪なわけだから、多少見分けがつきくにくくなるのは仕様が無いと思っている。むしろダークファンタジーっぽい独特の絵が大好きだー。
長くなりましたが、最高に面白い漫画だと思います。このまま綺麗に終わらせてくれれば10点上げれるかもしれない。新展開だけは、やめてくださいよ八木先生!!
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-09 06:01:07] [修正:2011-06-09 06:01:07] [このレビューのURL]
6点 清々と
古くからのお嬢様学校に入学した、庶民派の主人公の話・・・かと思ったが、だんだん彼女に絡む人のオムニバスっぽい作りになってくる。
主体は勿論主人公。
入学を決めた時点でちょっと「燃え尽きた感」があり、周りがどんどん部活を決めたり将来の事を考えていることに焦り始めてしまう。自分だけが何も決まらないという焦りってよく分かるなあ。
そこで出会う友達とのちょっぴり百合っぽい話から、ベテラン教師の思い出話、など、少しずつ話が広がってくる。
何故これが青年誌での連載なんだかよく分からない。
そのせいか?谷川さんの作品に共通する女のいろいろな思いが、ちょっと抑え気味になっているような気がする。でも、ほわっとした、柔らかな空気感はいつもの通り。
さらっと終わりにしていくのかな。今後卒業あたりを見込んでしめていくのか、ゆっくり読んでいきたい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-08 14:34:13] [修正:2011-06-08 14:34:13] [このレビューのURL]
18世紀末のポーランドというのも、日本ではあまり馴染みのない時代。
大きな領土を誇った国でも、その政治はとても危うく、
何より世襲でない王政、貴族、大国からの干渉を受ける環境に
悲惨な状態に陥っていく。
なかなか知らない歴史に触れられるのはとても面白い。
ただし史実ではないエピソードも混じっており、あとがきに解説してある。
そうなんだ?と思いつつも、面白く構成してある。
主人公にあまり肩入れできないのは、やはり貴族という立場に固執していたからかも。
どちらかというと、民衆と共に戦うタデウシの方に肩入れしちゃいますね。
それにしても、やはり歴史の女傑ってのはすごいですね。
エカテリーナの存在感。一つの国の運命を狂わせてしまいましたね。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-08 13:38:00] [修正:2011-06-08 13:38:00] [このレビューのURL]
7点 おにいさまへ…
「ベルバラ」と「オル窓」の間に連載された作品なのですが、
この頃の池田理代子さんの絵が一番好きです。華やかでのびやかで。
今の絵からすると絵柄もセリフの言葉遣いも古くさい代物なのですが、
かわいい下級生を「子猫ちゃん」と呼んだり「かってにおさらし」とか
「おまえさん」とかセリフ回しがかえって新鮮に思えます。
そもそもこの作品のテンションの高いこと。
どこまでが真剣なのかネタなのか分かりかねるぐらい熱いです。
「宮さま」「サン・ジュストさま」「薫の君」「モナリザおねーさま」
・・・登場人物のあだ名からしてもう煌びやか。
サン・ジュストさまなんて休み時間にギターで各教室ながしをして
女生徒にキャーキャー言われてますから。
登場人物みんなどうかしてるんじゃないかと感じて面白すぎます。
展開もすごいし。
女子高特有の上級生への憧れや、恋心、他人への嫉み、生への疑問、
思春期に悩むであろう様々な事柄を華やかに描いた学園ロマンかと。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-08 13:13:02] [修正:2011-06-08 13:13:02] [このレビューのURL]
9点 岸辺露伴 ルーヴルへ行く
日本人漫画家の漫画作品がルーヴル美術館へ展示されたのは史上初だそうです。
ウルジャン掲載時はモノクロにされてガッカリしたのですが、単行本化にあたってフルカラーで復活となって非常に嬉しかったです。
荒木先生初のフルカラーで、しかもジョジョで、しかも四部で、しかも岸辺露伴。
それだけで一冊3000円かかっても買うしかないだろとか考える前に買ってました。
日本で過去に出合った不思議な女性、奈々瀬から知らされた「最も邪悪な絵」の存在をふとしたきっかけで思い出した露伴が、単身ルーヴル美術館へその絵を求めて行き、そこで奇妙な体験をするという内容です。
露伴の過去話から物語はスタートします。
序盤は日本を舞台とし、「過去」という時の流れや「畳」などの和を連想させるセピア調のカラー。
ルーヴルのあるフランスへ着いてからはちょっと派手目なピンクを基調としたカラー。この塗りで違和感を持たせないのは流石としか。
そしてルーヴルの地下へ潜ってからは冷たく暗い緑で画面が彩られます。
色調が本当にガラッと違うものになるので場面の切り替わり、雰囲気の変化なんかはモノクロ以上にハッキリとし、カラーならではの良さを感じました。
それ以上に、ただフルカラーにするのではなく場面毎に全てのカラーを変える荒木先生のセンスが凄い。元々キャラクターの色とかは絵によって変幻自在なのが特徴でしたが…BDっていうのはこういう風なのが多いのでしょうか。ちょっと興味が湧きました。
そしてそれまでミステリー風だった雰囲気から急展開。カラーだとグロさも増しますね。
「やっぱりジョジョだった」と思わされる緊迫感。
短いページながらスタンドがしっかりと活躍したのもちょっと嬉しかったり。
絵の謎が解け、奈々瀬の言動のがサッパリと解明されるその結末も見事ですし、どこか哀愁漂わせる終わり方は「ジョジョ」本編とは違う「外伝」ならではで気に入っています。
「ルーヴル美術館みたいな場所ならば秘密の部屋や不思議な絵があっても何らおかしくない。」
そういうベタながらなんだか好奇心がうずく設定を見事に料理されていてニヤリとしてしまいました。
・にしても露伴は本作で27歳、4部本編時は20歳。実に7年も経ってるのに仗助達はなんで未だに学ランを…?
・しかも4部の本編(20歳)の時にスタンドが発現したはずなのに17の過去話でスタンドが使えている…?
・しかも16歳の時にデビューしてたはずなのに17歳でまだデビューしてない事になっている…?
………こういうツッコミは無粋ですかね。この程度では評価は変わりません。
「おとはなウソつきではないのです。まちがいをするだけなのです……」ですか?荒木先生ーーッ!
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-06 15:27:29] [修正:2011-06-07 15:41:17] [このレビューのURL]
10点 石の花
第二次大戦中の旧ユーゴスラビアを舞台に、祖国をナチスドイツに侵攻されたひとりの少年が解放軍に身を投じて戦う姿をナチスによる強制収容所の虐待と合わせて描いていく・・・・。
とにかくナチス関連の漫画では手塚治虫の「アドルフに告ぐ」と並ぶ傑作だと思う。
画の上手さといい資料を元にした歴史的事実の詳細さも特筆。村で平和に暮らしていた少年がいかにして非日常的な戦いに巻き込まれていったのか?、巻き込まれねばならなかったのか?現代日本で日常的生活を送る我々に警鐘を鳴らしているようにも感じる。
「ナチスドイツの蛮行」を強制収容所を舞台にして描いている数少ない作品です。
手塚先生の「アドルフに告ぐ」は強制収容所の様子についてはほぼ触れていませんでしたから。
それを知る意味でも、一読の価値のある作品と思われます。
それにしてもナチス将校の外道ぶりは・・・正に「人の皮を被ったケダモノの如し」です。
現在ではそれぞれが独立したことで「完全消滅」してしまった旧ユーゴスラビアの複雑な立場。
これじゃ・・争いが起こるのもやむなし・・・と納得させるものがあります。
「人が人として扱われないこと」がいかに悲しいことであるのか。いかに悲惨なことであるのか。
そしてこの漫画はこれがつい半世紀ほど前にあった事実なのだと読者に突き付ける。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-07 12:36:45] [修正:2011-06-07 12:36:45] [このレビューのURL]
5点 学園アリス
学園モノ、超能力を中心に、それぞれ自立を目指し学んでいくという設定がなかなか面白い漫画。可愛らしいキャラクターらのギャグとシリアスな展開とで楽しめる。
ファンタジー的な設定とはいえ、展開には難あり。個々の能力を活かして伏線をはったりできなかったのか、主人公が万能能力を発動して、それぞれのキャラの個性と関係ない能力で窮地を脱する場面が多く、それはどうなの?と思わせられた。
一時デッサンが狂った。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-04 19:00:19] [修正:2011-06-04 19:52:53] [このレビューのURL]
10点 オルフェウスの窓
永遠に結ばれるという伝説を持つオルフェウスの窓を通じて出会った男女3人の物語。
時はロシア革命あたり。
前半は音楽学校を舞台に、音楽の天才性と純性を持って奮闘するイザークと、男装の美少女ユリウスの話しを中心に展開され、お家騒動の陰謀が渦巻いていたり、男女の愛憎劇があったりと見所が多い。
イザークの音楽への向き合い方をハラハラしながら眺めたり、ユリウスとクラウス、イザークらの三角関係にやきもきしたり、美しい時代とその後の激しくも痛々しい時代とのギャップに感情を揺さぶられる。
皆が逃れられない罪の足跡を常に感じつ、激情に突き動かされていく革命期の展開、夢に破れ痛みつつ過去を愛し前へと進むラストへの導入も素晴らしい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-04 18:24:36] [修正:2011-06-04 18:24:36] [このレビューのURL]
6点 お父さんは心配症
もはや伝説的変態漫画家岡田あ?みんの必殺ギャグ漫画。
ほぼ狂人の父親が娘のために空回りのドタバタ劇を繰り広げるという毎回の展開なのだが、とにかくギャグのテンポ、無茶苦茶な展開が見ていて面白い。
というかこの時代で、かなり今時のギャグセンスというか、相当イってんなーという印象をいろんな意味で覚える漫画。
「サザンの力は認めざるをえないよね」は名台詞。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-04 18:09:29] [修正:2011-06-04 18:09:29] [このレビューのURL]
8点 ガラスの仮面
少女漫画と言えばこれ、という感じ。子供のころから追って読んできていたので、そのころでも相当古い感じでしたので、一度読まなくなってからもうとっくに完結したんだろうなぁ、なんて思っていたらぜんぜん完結していないと聞いて驚きました。
主人公マヤはドジでブスで・・・どこがやねんと思わせるような感じですが、少女の成長物語と、それを見守るロリコンで薔薇族の人との恋。舞台という表現の場を通して成長していく様、その裏にある非情とも言えるような特訓の数々など、がんばる少女のけなげさに感情移入させられる、このへんは「おしん」以来伝統か。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-06-04 18:03:54] [修正:2011-06-04 18:03:54] [このレビューのURL]