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6点 KAPPEI
30年前の誕生以来、現在もなお読み継がれ新たなファンも獲得している名作『北斗の拳』。この漫画の魅力の一つに、主人公ケンシロウの強さとストイックさを兼ね備えたヒーローとしての完成度の高さがあった事は言うまでもない。そこには確かに男性主人公の一つの理想形が描かれていたが、読者の多くはある時期からケンシロウに対して一つの疑問を抱くこととなる。
「結局ケンシロウは恋人ユリアと男女の契を交わしたんだろうか?」
二人の間に子供はいなかったし、死の病に侵され衰弱したユリアの体をケンシロウが激しく求めるとも思えない。また、ケンシロウのあのストイックな性格からしてユリアの没後も他の女性とヨロしくやるような雰囲気は薄い。もしかして、ケンシロウって……。
ケンシロウや梶原一騎作品の主人公達のようなストイックヒーロー型から、近年のラノベなどによくでてくる鈍感純情優柔不断型まで、漫画における男性主人公にはしばしば童貞性が重要な要素となる事がある。「007」のジェームズ・ボンド及びそれらの影響下にあるゴルゴ13のような多くの美女と浮名を流す精力絶倫系主人公が男性(主に大人)の願望の投影として人気を博す一方で、ストイックで純情な愛を重視する童貞力系主人公もやはり男性(主に少年)の心の琴線に触れるのだ。ただし、それらが格好良く見えるのは世紀末の荒野やスポーツのリング上だからこそであり、もしこの平和な現代日本の日常に放り込まれようものなら。
前置きは長くなったが、今回紹介する『KAPPEI』は、そんな世紀末救世主となりそこねたヒーロー候補生が現代東京のキャンパスライフに乱入して生まれて初めての恋煩いに身悶えするという、かなり痛々しいシチュエーションギャグで笑わせてくれる作品である。作者は『デトロイト・メタル・シティ』で有名な若杉公徳。思えばDMCも童貞力にあふれた痛々しさが存分に描かれた作品だった。
1999年、世界は結局核の炎に包まれる事無く無事世紀末は乗り越えられた。2012年人類滅亡説なんてものもあるにはあるがそれもどうやらかなり怪しい。来る終末の危機に備え殺人拳「無戒殺風拳」を世俗を捨てた絶海の孤島で磨き続けてきた男たちはこうして役目を失い、その一員であった主人公の勝平は一人虚しく東京へと出現する。別に「み…水……」と飢えてもいなければ、無法を尽くす悪のモヒカン兵士もいない現代の東京へ。
「ヒーローはいるが悪のいないアクション映画の主人公は 何をするべきと思うか?」
そんな空虚を抱える勝平の心の隙間を埋めたのは偶然暴漢から救った大学生の男に誘われた花見会場で出会った一人の女性だった。女性という存在を知らず人並みの青春を送ったことのない勝平に芽生えた、得体のしれない感情の正体とは?
正直に言って『北斗の拳』のパロディをはじめプロットなど既視感のある設定ばかりであり、また作者の味といえばそれまでだが北斗パロディをやるには画力が足らなさすぎる感があるが、やはり作者の才能のゆえだろうか随所随所にかなり破壊力の高いギャグが仕込まれており、コメディ漫画として充分面白い出来に仕上がっている。特に勝平が友人となった大学生の部屋で発見した『ふたりエッチ』を夜中にこそこそ盗み読みするシーンなどシチュエーションギャグとして身悶えするような出来栄えだったし、大学の飲みサークルのあのグダグダした雰囲気、生まれて初めての合コンでの立ち居振る舞いがわからぬゆえの暴走、気になる女子が見知らぬ男と一緒に居た時のあの感情…、これらの描写の数々に痛々しい笑いと、同時に(多くの男性にとって)身につまされる何かが感じられる。無戒殺風拳伝承者同士での死闘が描かれることもあるがそれにしたって会話が「お前の好きな女はブスだ」「ブスじゃない」とか小学生レベルの言い争いだったりするのもなんとも可笑しい。
前述の平和な世界のヒーローの在り方についての勝平の問いかけに対し彼の想い人の山瀬ハルは「ギャグになっちゃうよ」とあっけらかんと答え、そしてこうも続ける。
「だから次は自分が幸せになる番じゃない。」
ケンシロウは生涯を戦いの荒野に捧げた。梶原一騎作品の主人公達の多くは寂しく舞台を去っていった。果たして勝平は平和なこの時代にヒーローとして活躍できるのか、そして、山瀬ハルと結ばれる事はできるのだろうか?非常に先の気になる作品である。
1巻後半にはなにか北斗のシンみたいなライバルが登場した。この調子で今後も重度のシスコンをこじらせたレイもどき、不細工な己の顔を憎む余りイケメンに憎悪を向けるジャギもどき、自分が好きすぎてホモに走ったユダもどき、失恋の悲しさから「愛などいらぬ」なサウザーもどき、そして勝平とヒロインを奪い合う一方でちゃっかり童貞も捨ててるラオウもどきなどが次々と登場すればよい気がせんこともないある…アルナイ……。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-04-29 22:10:12] [修正:2012-04-29 22:10:59] [このレビューのURL]
7点 鋼の錬金術師
完結しています。全巻読みました。
すごく良くまとまった作品だと思う。
少し蛋白だけど好き嫌いはあまり別れ無さそうな絵で見やすいし、
ストーリーも途中での中だるみなく最後まで一気に読みきれる。
意外と登場人物の細かな心理をよく描いていて、後半の登場人物が多い状態での展開は見事。
キャラが少し弱い気がするのと、戦闘シーンの迫力がもうちょい欲しい気がする。
ストーリーで読ませる良作だと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-04-23 18:15:28] [修正:2012-04-27 13:34:14] [このレビューのURL]
7点 星守る犬
はい、せこい。
犬とくたびれたオッサンなんてテーマ、泣くに決まっとるでしょうが!
それになんだ、この表紙おおおおおお泣くわ!
ともかく、泣かせにくる作品です。油断したらポロリです。
涙ですよ。涙が。
犬の感情を言葉にするのは、禁止にして欲しい。
もうそれはね
泣くよ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-04-26 01:27:00] [修正:2012-04-26 01:27:00] [このレビューのURL]
6点 最強伝説黒沢
大人ってダサイ。
そのダサイ大人の中でもナンバー1にダサイ黒沢。
そのダサさがなんと一周する。むしろカッコいいのだ。
素直で、でも馬鹿で、仲間思いで、孤独を嫌う。
痛いよ。痛いオッサン。でもその痛さを強さに変えるオッサン。
本作を例えるなら、大人のもがき方指南書。
もがくことはダサイけどかっこいい。
でも黒沢みたいな生き方は遠慮しとく…
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-04-26 00:51:55] [修正:2012-04-26 00:51:55] [このレビューのURL]
7点 あっ!アシカがっ!!!
読みきり形式の漫画で、
実際これだけ笑える作品は少ないと思う。
しかもただギャグで馬鹿なことをするというのではなく
設定もオチもかなり変わっていて「ギャグの星新一」といった風。
内容も絵も書き込まれていて、後で週刊連載だったことを知り脱帽した。
190ページ程の一冊にもかかわらず読み応えは相当の物だと思う。
もう少し万人受けするないようにしても良かったかもしれない。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-04-24 21:25:09] [修正:2012-04-24 21:25:09] [このレビューのURL]
絵が好きで単行本出るとなぜか買ってしまう漫画。メッセージ性もバトル終了後に感じられないのに。少女マンガのような男キャラです。キラキラした感じです、表紙とか色がきれい
ギャグのころはふつうにおもしろかったです。びゃくらんが出てきてからはバトルもあっけなくさっぱり終わり、もう勝っちゃったのという感じ。キャラクターもみんな美形だけど被っててあまり記憶に残りません。
個人的にはランボのうざさがツボに入ってしまい、最近では頻繁にでないランボのギャグシーンみたさに買ってしまっています。絵の威力ってすごいですね
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-04-23 02:10:28] [修正:2012-04-23 02:23:38] [このレビューのURL]
6点 ONE PIECE
読んでみると面白いし、わくわくもあります。
ただ最近は説明とか絵がゴチャゴチャしてて疲れるし、読むのに時間が掛かりますし、それで新刊が出ても、うーん今回はもういいかなって感じです最近は。
漫画で大事なお手軽感があまりないですね。
初期の頃はシンプルで良かったんで、そこが残念です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-04-20 21:09:39] [修正:2012-04-20 21:09:39] [このレビューのURL]
6点 ヒメアノ〜ル
ダラダラとつづけていた古谷節の決定打となる作品。
面白いといえば疑問符になるが、衝撃的であった。
古谷実は一度ヒミズで絶望を描ききった。
それ以降は脱力したように、冴えないけど退屈しない日常とオマケ程度の絶望をテーマにするようになる。
冴えない生活、かわいい彼女、変な友人。
こういったテーマをこねくり回していた。
そして、ヒメアノールでも、序盤はいつもの路線であったのだが、中盤からは一気に舵を振り切って、ついに本性を表すことになった。
日常を盛りあげるための安易な絶望が、今度は一転して主題となる。
ラストをみて確信したが、主人公は殺人鬼の森田だったのだ。
だからといって私にとっては面白いというわけではない。
なにせこの手のテーマならば、ヒミズの方が衝撃だった。
ただ古谷実という作家にとっては意味のある作品だと思う。
彼を追いつづけてきたファンにとっても一見の価値あり。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-03-08 10:47:51] [修正:2012-04-18 20:14:34] [このレビューのURL]
8点 DEATH NOTE
知名度ではヒカルの碁を超える小畑健の名作。
ジャンプで1話から見ていましたが、1話を見た瞬間にこれは名作になるから単行本を買おうと思った唯一の作品です。
かなりダークな物語です。
しっかり読まないとわからない部分が多く、分量も多いので12巻でも結構読むのに時間がかかり、だれる部分もあります。
1部と2部があるのですが、1部だけでもよかった感じがしますが、最後はうまくまとめたと思います。ジャンプの時はわからなくなって飛ばしたりしてましたが。
物語の展開が読めないので、次の展開がどんどん気になります。
小畑健の絵も完成していて、初めからかなり上手く、やっぱいい原作には小畑の絵をつけておけば間違いないですね。
この設定を考えた作者もすごいですし、主要キャラクターは魅力的です。
あまり漫画で考えて読むのが嫌な人には向かないと思います。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-04-18 19:40:04] [修正:2012-04-18 19:45:59] [このレビューのURL]
4点 ジョジョの奇妙な冒険
5部まで読みました。6部は1話読んで、もういいやってなりました。
友人に好きな人が多く、3部からが楽しいと言われて読み始めたのですが、正直ストーリーがつまらないので読むのが苦痛でした。
個人的な印象では、次々にいろんな能力者が出てきて、戦うだけって印象です。
絵は別に嫌いではないですし、設定やキャラクターは良いと思いましたので、4点をつけました。それがなければもっと低評価。
ジョジョの他の人のレビューは高評価だったのですが、ジャンプ漫画だったら他におもしろい作品がたくさんあります。
期待しすぎで、初読みが21歳だったのが遅かったのでしょうか?
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2012-01-15 08:59:31] [修正:2012-04-18 18:27:32] [このレビューのURL]