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裁判の傍聴を漫画にするという、客観視の客観視
当たり前のことだが、罪を犯した者が裁かれ、罪を犯すしかなかった者も裁かれる
自分には裁判など他人ごとだし、犯罪自体他人ごとだと思う
そんな意識で読んでいたが、何度も胸が詰まる思いがした
内容を、どこまで真に受けていいものかわからないけれど、リアリズムを感じる
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-25 12:27:35] [修正:2015-01-25 12:27:35] [このレビューのURL]
3点 バクマン。
一言でいうと「小畑健の無駄づかい」をやってしまった漫画だと思う。
キャラの不自然な言動が高い画力とミスマッチを起こしていて、気持ち悪さを覚える。これがガモウひろしの絵で描かれたと想像すれば、しっくり来る。(その場合まったく読まれなかったと思われるが)
話自体は妄想と女性蔑視が目一杯詰め込まれていて合う人と合わない人がはっきり分かれる内容・・・というか漫画でこれから一山当ててやるという人以外は門前払いのレベル。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-24 14:51:02] [修正:2015-01-24 14:51:02] [このレビューのURL]
9点 寄生獣
言わずもがなの名作です。内容の素晴らしさは自分が語るまでもなく、その圧倒的な高評価の数が全てを物語っています。感想も他のレビュワーの方々に散々既出されてるので、自分が語ることはほぼないです。
ただ一言言わせて貰うのなら、「時代を問わず、これからも読み継がれていくであろう作品」です。断言します、この作品を読んで得をすることはあっても損をすることは有りません。この作品を読んで何も感じないということは一切有り得ない、そんな風に思わせられる漫画なんてほぼないと言っても過言ではないはず。この作品の持つメッセージは、何年経とうが風化することは決してないです。
そんな寄生獣ですが、やはり時代性を考えると少しとっつきにくい箇所があるのは難点ですかね。そんなものは所詮はお飾りですが。
この作品が連載されたのは20年以上も前ということですが、100年、1000年、何年経っても読み継がれる作品である、「寄生獣」はそういう作品でいつまでもいて欲しいです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-24 01:25:37] [修正:2015-01-24 01:27:35] [このレビューのURL]
8点 僕だけがいない街
正直、近年これほど先が気になる作品には出会ったことがありません。
あえて詳細な紹介は避けますが、作品としては、時が巻き戻る設定と過去現在の事件が複雑に絡み合って進むSF的要素を含んだサスペンスものです。
タイムリープものというとどこか既視感を覚えてしまいますが、物語としては本格派の部類です。何よりこの漫画の最大の素晴らしさは、伏線のしたたかな張り方や先の読めないハラハラする展開といった「ストーリーテリング」と、登場人物たちの悩み・苦しみ・喜びといった心の機微を読者の心に刻み込む「熱量」を見事に両立させている所です。やや大袈裟かも知れませんが、まるで児童文学と推理小説が融合したような感覚を味わうことができます。
殺し合いだのサバイバルだの戦争だのと極限状態に無理やり持ってきてハラハラさせ、その死をもって安易に泣かせようとする作品が多い中、この作品の無理のなさ、無駄のなさは特筆に値します。
この手の作品は風呂敷の畳み方が大事なので最終的な評価はまだ早いのかも知れません。完結して評価が定まってから読む読まないの選択をするのもありでしょう。しかしそれでも自分はこの作品を「今」読むことを勧めます。「先が気になるもどかしさ」というものは連載中の今しか味わえませんから。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-23 13:51:16] [修正:2015-01-23 13:51:16] [このレビューのURL]
8点 寄生獣
一見ありそうで、その実、他には見られない設定、
テンポや読ませ方などは漫画史的にも語られるべきほどの
魅力を持っている。
絵、特に建物や人物の服装などはビックリするほど
下手くそ、と言うか適当なのだけど、
それが全く気にならないくらい引き込まれる。
ところどころの「仕掛け」も見事だし
全体的な完成度は極めて高い。
ただし、完全版の作者コメントは頂けない。
環境問題をテーマにしているのはわかるが
時代を考えても余りにも表面的で哲学性が薄い。
そこがもう少し掘り下げられれば
歴史に残る名作になるのだが。
評価が高いからの苦言。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-22 11:28:25] [修正:2015-01-22 11:28:25] [このレビューのURL]
9点 SF全短篇
藤子Fの代表作と言える作品。
あの子供向けの絵柄で不条理や恐怖を描くのが
見事なまでにマッチしている。
中には今となってはそれほど目新しい話ではないものも
多少は含まれているが、時代を考えて欲しい。
やはりアイデアが優れた作家なのだと痛感させられる。
名作。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-22 11:23:22] [修正:2015-01-22 11:23:22] [このレビューのURL]
7点 横浜線ドッペルゲンガー
ドッペルゲンガー現象・タイムスリップを利用して、現在と過去の自分同士をコンビとして自らに罪を着せられた連続殺人事件の謎を解くという物語。SF満載なので推理要素なんてあまりない結論に至るのではと思っていたら、終わってみると本質はミステリー作品だったと呼べるくらい推理部分が丁寧に出来ていました(事件を難解にする登場人物の突飛な心理や行動を、芸術至上主義を芸術家同士の身内事件というところで随所に適用してフォロー出来ている)。
だからこそ上記SF要素が独自のスパイスになった感じでしたし。真犯人発覚時は驚きました。てっきり他未来の自分自身が犯人だろうと匂わせるようなミスリードに自分は乗ってしまいましたから。絵柄に癖がある、終わり方が後味悪いなと思ってしまいましたが、全4巻で過不足を感じずに纏めたところが良かったです。作者にとって初連載らしいですが次回作にも期待します。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-22 02:19:49] [修正:2015-01-22 02:19:49] [このレビューのURL]
6点 バクマン。
原作、作画両面で実験的な作品だったと思います。
少年漫画の範疇で、ジャンプらしからぬ作品を
肯定したりするのはある種の冒険でしょうし、
全体としてもまとまり、テンポは悪くありません。
ただ、結局詰まる所何なのか?
というテーマがブレていてハッキリせず、
単純な少年のサクセスストーリー、
しかもどちらかといえば表面的なそれで
終わってしまっているのは残念です。
加えて、少年漫画であろうとする姿勢のためだと思いますが、
性描写を含めた恋愛観が極めて幼稚、不自然で、
結婚だの何だのいうのが全ておままごとに見えました。
小学生向けに向けた作品なら漫画論は不要ですし、
中高生以上に向けた作品なら大人の恋愛をしっかりと書くべきです。
そういう意味で中途半端で完成した作品というイメージが強いです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-21 13:02:58] [修正:2015-01-21 13:02:58] [このレビューのURL]
9点 シグルイ
記念すべき最初のレビューですが、最初にレビューする作品はこの漫画に決めました。
それはなぜかというと、この漫画は自分の人生の教訓とするべき、切っても切り離すことの出来ない作品だと思ったからです。大層な言い方ですが、決して大袈裟では有りません。
この漫画はタイトルの指し示す通り、登場人物皆気でも狂ったかのようであり、そのまま死に向かって突き進んでいく・・・そんな感じの内容でしょうか。「死狂い」とはよく言ったものです。人の狂気、残虐な描写、あらゆる漫画の中でも1、2を争う表現力だと思います。
しかし、それでもなお、この漫画の魅力の半分にも満たされていません。この漫画の登場人物はただ狂っているだけではないのです。皆何かしらの目的を持っていて、それを追い求めた結果、狂わざるを得なかったのです。「信念」を持っているのです。だが、現実は非情であり、目的を達成出来ぬまま散る者、目的を達成しても大きな代償を支払った者もいました。「残酷無惨」この言葉がそれを如実に表しています。
この作品は江戸時代を舞台としていますが、現代を舞台としたらどうでしょうか。今も昔も根本的なことは何も変わっていないことがよく分かります。
自分はこの作品から「生きる」ということを学びました。「死」の無意味さを教えられていかに生きることがどんなに大事なのかを知りました。生きなければ何も成せない、誰かに認められることも出来ない、だから今を精一杯生きようと思います。
自分の作った物がこんな大傑作に昇華されて、南條範夫氏もさぞお喜びになっていることでしょう。
最後に、何故9点かというと、まだ回収されていないエピソードが多々残っているからです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-19 21:40:19] [修正:2015-01-19 21:40:19] [このレビューのURL]
6点 どぐされ球団
クイズです。70年代の少年誌に掲載された漫画です。舞台はセ・リーグの架空球団です。個性派というか異形な選手たちが出てきます。青年誌っぽい人情噺が結構あります。月一連載で毎回読みきりです。 答えは、そう「野球狂…」…いやいやそうじゃなくてですね… ええと、主人公は代打専門選手です。そう、「あぶs…」じゃあなくってですね…
水島新司フォロワーは何人もいるが、竜崎遼児はその代表選手。水島を使えなかった集英社は自前で「水島」を抱えておく必要があったのか。当時20代前半だった竜崎に、かなり大胆なパクリをさせている。主人公が代打屋である点とか裏方の話が多いのは明らかに「あぶさん」の影響。話にリアリティを与える目的なのか、魔球ではなく実際の野球テクニックの話が多いのも水島っぽい。他にも効果線の使い方、コマを縦横断する「ワー」の描き文字、放送台詞のヒゲの生えたバルーンなど「水島マンガ文法」が頻出。よくもこれで問題にならなかったものだ。当時の野球選手になぞらえて言えば、王貞治に対する片平晋作のようなものか。
しかし、片平が平均以上の好打者であったように、この漫画「どぐされ球団」もかなりの高水準を維持している。 やや無理のあるプロットが多いが躍動感のある絵で分かりやすく表現していて、小さいながらも良くまとまっている。他の水島エピゴーネンが姿を消していくなかで、その後作者が野球以外の漫画も器用にこなすようになったのは、この漫画があったからこそだろう。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-01-17 03:11:50] [修正:2015-01-17 03:11:50] [このレビューのURL]