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[ネタバレあり]

既に有名作品だと思いますが、それだけのものがある
と思います。デブリという宇宙ごみに注目した設定が
斬新ですし、主人公が宇宙ごみ処理仕事から
木星開拓宇宙飛行士を目指す中での哲学的な
話も「ここ(地球)も宇宙なんだ」とか
言って一瞬「え?」っとなった後で「おお」と感銘
を受けたりしました。画力も力があり最初は粗い
ですが、徐々に整って行きます。色んな話が盛り込まれて
全4巻ですが不足を感じないほど密度が濃かった
です。愛に関しては賛否両論のようですが、1人で生きて
1人で死んで満足な人もいるだろうと思う点では1つの
主張に過ぎないと思いますが、1つの立場としては筋が通って
いた方かと。対論としてロックスミスという主人公の
ラストでの主張にも否定的な人物もいましたし(彼の
エピソードも印象的。アニメ版にはない)。

アニメでも結構知られている作品のようですが、やはり原作の
方が良いと思いました。向こうにある軽すぎて、悪ノリ
ではという話がこちらにはありませんし(オリキャラ
使ってのオフィスコメディや恋愛話)、向こうでクライマックスに持って来て焦点当てたテロとの戦いが愛という
言葉で切り捨て的に後味がやや悪いのが、こっちではすぐに単発話で終わって、紹介に留まり尾を引かず粗が目立ってませんから。

そういう意味でもアニメしか見ていないという人、短い
漫画で面白い作品を探している人にも特にお薦めの作品
だと思います。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-06-28 12:01:16] [修正:2015-06-28 12:01:16] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]

自分には面白さや良さを感じられず全く合いませんでした
凄く中途半端な作品に感じます。

これと言った良かった点は無いです


・メインキャラクター全般
まずメインである矢野君のキャラクターに全く好感が持てないし共感も出来ない
悪い面での精神的な若さ、幼さばかりが目立っているし
本当発言や行動が酷くて友人でもお断りしたくなるようなロクデなしすぎです
オラオラ系が好きな女性だったら好感が持てるんでしょうか?
このせいでそれを好きになるヒロインの気持ちに理解や共感も生まれず、応援する気も全く起きません

唯一の良心と言えるのが竹内君ですが
この竹内君に関しては心広いとか通り越すぐらいに良い人過ぎて逆に違和感覚えるぐらいで
これはこれでどうなんだろって思ってしまいました
しかもあからさまに報われないキャラとして描かれてるのが丸分かり
山本さんに関してはもう立ち位置や描き方からしてモヤモヤやイラ立ちばかりを生み出すキャラでしたし・・・

途中で掘り下げとか終盤では巻き返しが入ったりもありましたが
序盤からしてもう全体的にキャラクターが酷かったものだから既に完全に手遅れだと感じました。

・中途半端なリアリティーとドラマ、そのバランスの悪さ

元カノ死んでたり、家族問題あったり、恋愛関連ではご都合的な演出や、時が経ってもまだ想ってたりとか
リアリティーさの薄いドラマチックやロマンチックな展開や行動を多く盛り込んで来てるんですよね

かと思えば山本と寝ただのって言うような微妙なリアリティーさのある
ドロドロ系の話やシモ関連を盛り込んできたりもしたりするし
その辺のバランスの取り方が凄く中途半端で
作風や描き方という面も含めて作品として何がしたいの良く分かりませんでした



自分の中では読んでる途中からコレは無いわって心の中で呟くぐらいで
読み終わった後には時間の無駄だったと思える程の作品でしたが

画は後半にかけて上手にはなってるし
キャラの思考を除いたらストーリー面では一応後から理由付けとかもされてて大きな矛盾なんかも無く描かれてるんで
その部分を考慮して評価は1点加えておきます

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-06-21 06:01:19] [修正:2015-06-21 06:07:49] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]


今迄自分が読んできた漫画と違い、"等身大"という生々しいリアルな演出を強く感じる事ができる
現実的なファンタジーだなと思いました。

キャラで言えば、

ミツはとにかく"一般的な人"という点がとてもリアルに描けているなと感心しました。
周りの事という大きいベクトルよりも、自分の気になる事やしたい事を優先。また、
自分では考えず人に流されてしまうというのもありがちな事ですからね。少なくとも自分にとっては。
なので、自分の不甲斐無い様子を客観的に見せられてる気になってちょっと恥ずかしい気分に。
でもそんなとことん一般的な奴へ特殊能力を与えられている為感情移入が簡単。
能力も特に考えなければ「だから何だ?」と思ってしまう程ちっぽけで舞台も現代風なので
「もし本当に自分がそんな力を持ったら実際にはこういう使い方するのかな?」と
あれこれリアルに想像できました。

この作品を読んでると、他の普通の漫画の主人公達の人間離れした状況適応能力や勇気、
行動力などに違和感を覚えます。リスクを考慮せず命の重みも知らず
表面上格好良いままに動く自己中心的なサイコパスだとさえ思えてしまう。
好みの問題もあるとは思いますがやっぱり、キャラがその世界に生きてちゃんと考えて動いてる
というリアリティを感じられる作品はその世界にどっぷり浸かる事ができるので大好きです。

またイッサの合理的で達観した考えに人間味という点は感じる事ができませんでしたが、
それでもイッサ自身の意思、考えを提示されしかもそれが感心できる物も多く存在感を感じます。
でも、悪い奴を1人残らず殲滅するという事は理論的には間違ってないと思いつつも
絶対に不可能だと思うのですよね。例えば「悪い奴を殺して世界を良くしよう」なんて事にも
「人の感情を無視する愚か者」「不可能を可能と思う馬鹿者」=「悪い奴」のように
どんな事も「善」とも「悪」とも「どうでも良い」ともとれるので
思考のある世界が滅ぶ事以外に悪い事を止める手段は無いと思うのですよ。(飛躍しすぎですが)
だからこそ殺す以外の解決方を見つけていかなくちゃならないとは思うのですが
最初から「死ぬべき」と切り捨てているのでそれもまた思考停止と思ってしまいます。
ですが、少なくともそれらの台詞を聞いた後にポイ捨てや運転通話をしようだなんて思う人は居ない
と思うので、意識付けという点ではかなり成功していると思います。
むしろそれこそが本当の狙い…!?
イッサの台詞には少々高圧的で説教臭い感じもありますが、ミツという一般人が居てくれるおかげで
感情が一方向に傾くこともなくバランスが良いと感じます。

物語的にも台詞だけで進む事が多いですが、ミステリー(?)サスペンス(?)的要素があり常に何かしらの
謎が張ってあるので最後まで読み進めてしまいます。
その謎も「主人公に実は謎の能力がある?」などの全く予想外な事だったりするので
更に謎を追いかけたくなります。

そして個人的に一番ゾクっときた来たのが、誰かに後を付けられてると気付き振り向くと、
相手が無言で姿を引くシーン。他なら集中線や極端な驚き様で恐怖の演出をするのでしょうが、
ただただありのままの現状を見せられ現実味を感じ、本当に付けられたらこんな気分なのか、と戦慄。
"読者をその場に立ち会わせる"という部分において天才的な演出力を持つ作者さんだと思います。
この人の他の作品も全て読んでみたいと思える程驚きました。

でもラストは何だか釈然としなかったのですよね。確かに謎は解けましたが
物語の最初と最後で特に何も変わってない気がしたので。

ですが基本的な面白さもあり今まで見てこなかった現実にハッとさせられる力強い強い台詞もある
良い漫画だと素直に思えます。読んで良かった。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-06-16 11:02:38] [修正:2015-06-16 11:02:38] [このレビューのURL]

「正しく愛を体現できる者はどこにいるのだ」

「そこにいますよ。ホラ。彼は死んでどんな生者よりも美しくなった。愛そのものといっていい。
彼はもはや、憎むことも殺すことも奪う事もしません。素晴らしいと思いませんか?
彼はこのままここに打ち捨てられ、その肉を獣や虫に惜しみなく与えるでしょう。
風にはさらされるまま、雨には打たれるまま、それで一言半句の文句も言いません。
死は人間を完成させるのです。」

「・・・愛の本質が・・・死だというのか」

「はい」

「・・・ならば我が子を・・・夫婦が互いを、ラグナルが私を大切に想う気持ちは、一体何だ?」

「差別です。王にへつらい、奴隷に鞭打つことと大してかわりません」

「わかってきた・・・まるで、霧が晴れていくようだ・・・
この雪が・・・愛なのだな」

「・・・そうです」

「あの空が
あの太陽が
吹きゆく風が
木々が
山々が・・・
・・・なのに・・・
なんということだ・・・
世界が・・・
神の御技がこんなにも美しいというのに・・・
人間の心には愛がないのか」


この一連の経緯、表情、構図、間、
全てが完璧だった。

漫画でここまで分かりやすく語れるのだと感動しました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-06-03 19:30:00] [修正:2015-06-03 19:30:00] [このレビューのURL]

アニメが始まった頃からのファンです。(ヒカルの碁及び小畑先生の)

小畑健の漫画の中でも最高傑作だと思います。

特に囲碁がわからなくても読むことができるというところがすごく、物語が凝っていて面白いです。
現実と非現実のミックスの仕方が最高です。

絵ははじめの頃は完成していませんが、巻を重ねるごとに上手くなっていき、これぞ小畑健という絵が完成していきます。絵がすごくうまいです。

私はヒカルの碁で囲碁を始めましたが、囲碁というものはなかなか子供が知らない世界ですので、それを世の中に広めたというすごい作品です。もっと小さい頃に読んでいれば囲碁のプロとかになっても面白いと思ったので、小さい頃に読んでおきたい作品ですね。

面白くて何度も読んだ作品で悪いところがあまり見つかりませんが、物語を続けようと思えば続けられるので、すごく続きが読みたいと思った作品です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2012-04-17 19:54:19] [修正:2015-05-31 01:19:03] [このレビューのURL]

<はじめに>
とりあえず今回は色々書きたいことがあったので、いくつかのテーマに文章を分けました。

正直なところ、このタイミングで終わるとは全く思っていなかったで、実はかなり驚いています。しかし、よくよく読み返してみると、10巻あたりからもう既に物語を畳む雰囲気が、そこかしこから醸し出されていたのを考えると、このタイミングでの幕引きは必然であり、むしろ当然だったのかなとも思います。

<ストーリーについて>

得点は8点。9点ではなく8点。この点数評価は偏に「ストーリー」の物足りなさから由来しているものです。「帯をギュッとね!」と「モンキーターン」。前の二作ではきちんとストーリーをある一定のピークのところまで持って行って話を終わらせましたが、この作品は○○○(ネタバレ防止のために伏せました。○の数も合っていません)と、ひどく中途半端なところで終わっています。ここから先は色々と邪推してしまいますが、自分の考えをまとめると要するに、雑誌異動とか色々あって「作品そのものを無事に完結させられるかどうか不安になったため、ある一定のところで物語に区切りを付けたんじゃないか」というのが自分の予想です。

だから合宿の話が異様に長く、また新入生もこれ以上入ってこないし、他校の新しいライバルなど新キャラも登場しない。話をまとめ上げられなくなるから。そんな事情でこのタイミングで物語を完結させたのではないかと思います。まぁ、ただの推測になってしまいますが。

そんな訳で面白くなかったのではなく、物足りなかった。その表現が一番しっくりくる気がします。

<「書道」とは何か>

最終巻の巻末コメントで作者は「自分は字が上手くなかった」と述べていますが、私もそれと同様で、昔から字が下手で習字の時間が苦痛でした。「しんにょうのはらい」の形がどうとかそんな細かいことを指摘しないでほしいとか、見本通りにきちんと正確に書きなさいとか言う割には、世の中の良書と呼ばれる作品群が読めないものばかりなのは何だか納得いかないとか、そういった考えを持っていたので、正直「書道」は自分にとって理不尽な世界そのものでした。

しかし、この作品を読んで改めて「書道」というのはどういうものだったのかを考えてみるとやはり「自身の内面を表現するための手段の一つ」であり、茶道や剣道、柔道などと同じく「道」を追求する分野の一つだったんじゃないかと思います。もちろん、当時小学生だった自分にはそんなこと思いもしませんでしたが。古典や漢文と同じく、ある程度年齢を重ねてからその世界に踏み入れてみると、また違った側面が見えてくる。そんなことを学んだ良い機会でした。

<結び>

作品全体の感想をまとめると、ストーリー漫画としては不完全燃焼でしたが、書道漫画としてはこの上ない良作でした。

最後に、この作品の第13巻176・177ページに掲載されている

井上有一 作 「噫横川国民学校」

の書は、日本人ならぜひ一度は見て欲しい書です。
ただ、心して見てください。

「書」ではなく、身も心も引き裂くような魂の慟哭。
悲しくも激しい表現者の姿がそこにはありました。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-05-30 23:48:26] [修正:2015-05-30 23:54:55] [このレビューのURL]

[ネタバレあり]


アクションはないですが、友情・努力・勝利の要素がこれでもかと盛り込まれた王道漫画として
とても面白く読む事ができました。

一人一人が魅力的で、大好きになったキャラも沢山。
サイコーは初恋の相手・亜豆の為、ジャンプ読者やおじさんの為に
とにかくひたすら漫画を描く事に全力を尽くしているというのが伝わってきて、更に
調子に乗って人を見下したりしない誠実な性格がとても好印象です。
亜豆に対する一途な純情ぶりも良い。
こんなに努力を惜しまない奴を応援したくならない訳無い。

エイジもギャーギャー言ってますが、漫画に対する情熱は
ネーム上げの早さや躊躇の無い一括修正、作ってきた量などでもこっちに伝わってくる本物。
エイジもまた実力を鼻にかける事無く相手をちゃんと分析し、ライバル心を燃やし続けてるのが良い。

そして敵(?)キャラの七峰にも深い魅力を感じました。
必死にアドバイスを出そうとする担当さんや夢に破れて行った古株作家さんをないがしろにする行為は
本来なら嫌悪感を感じる筈なのですが、
七峰の考えた会社のシステムは実世界においても使えそうな程の本気感が感じられますし、
それを使うべきだと言う七峰の真に迫る言葉も凄い。魂のこもった言葉で存在感を感じられますし、
「心から自分の方法を信じてるんだな」と伝わって来ます。だからこそ嫌いになりきれない。
本当に存在感のあるキャラクター。

物語も勿論最高。序盤でのエイジとの実力の差が開きすぎてるのも燃えます。
強い敵→更に強い敵とマンネリ化しないで終わっているのも凄い。

更に、昔はアニメ化なんて実感全然無かったのにとてつもない努力を重ね続け、
ようやくすぐ手の届く所に来たという成長ぶりにも希望や勇気が湧いて来る。
思わずつられて「自分もサイコ―達みたいに頑張りたい」と思える程。
そういう風に、ただの現実逃避だけで終わらず
心にダイレクトに影響してくれる部分もこの漫画の素晴らしい所だと思います。

作者さんの夢を持つ人や漫画に対する愛情も含め、本当に真心を込めて作られた漫画と感じる。
細かい部分、岩瀬や中井が語りきってない感などほんの少しありますがそんな事は置いといて、
読んでよかったと心から思える名作である事はまず間違いないです。

そして、漫画家を目指す人にとっては更に強い意味を持つ漫画になるのではないでしょうか。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-05-28 08:50:46] [修正:2015-05-28 08:53:31] [このレビューのURL]

結局のところ蝕までが「面白すぎた」のがこの漫画の不幸だったのかもしれない。蝕までの面白さの本質はガッツとグリフィスの関係が織りなす夢と絶望、友情と裏切り、人生とは何かという人が一度は思い悩む「人間の内面」にこそあったのだが、盛り上がり過ぎてしまった作品は新たな面白さを求めて「一大ファンタジー叙事詩」を目指してしまった。
結果としてその後の話は世界観も戦闘もスケールアップしてはいるが、作品の生み出す熱量は比較にならない。そして壮大になりすぎた展開は作者の筆の歩みを遅めるとともに、「おそらく完結しないだろう」という緩やかな絶望を読者に与えている。
ゴットハンド達と彼らが創造する世界全てに答えを出す事に囚われず、ガッツとグリフィスだけの決着を描ききっていればあるいは…などと詮無い事を考えてしまうほどに勿体無い作品になってしまった。名作として完結させるというのはこうも難しいのか。とはいえ蝕までで十二分に作品の価値はあるのでこの点数。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-05-23 18:46:02] [修正:2015-05-23 18:46:02] [このレビューのURL]

これはクラシック。

上書き上書きで塗りたくった全ての絶望を、一言でチャラにする最終回の1ページに鳥肌が立ったのを覚えてます。

少なくとも僕はこの漫画を読んで前向きになりました。

negativeよりpositive、positiveよりpossible。


この作者、もっと評価されてもいいのになぁとずっと思いながら、
埋もれていってしまったのが残念です。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-05-20 23:50:03] [修正:2015-05-20 23:50:03] [このレビューのURL]

一時期いろんなところで猛プッシュされていた作品。
うーんでも直感的なレビューでごめんなさいですけど、あんまり面白くないよこれ。

とにかく世界観に浸る作品かな。いわゆる雰囲気漫画とかいうのに近いかも。
でもその世界観も、いろいろなファンタジー作品の表層部分だけを切り取って混ぜ合わせて、そこに女子が好きそうな要素をトッピングした感じ。
こういうの好きな人はすごく好きだと思うので、その辺が好みに合うかどうかですね。

ストーリーは適当。骸骨お化けが年端もいかない少女を買い取って育てるお話。
面白いかどうか以前に、作者の展開力というかストーリーの見せ方があまり上手ではないので、何がしたいのか、どこに向かっているのか、いま一つよくわからなかったりします。

なんか変な敵とか出てきたけど、この先大きく化けることもないと思うので、世界観が好きな人向け。
「英国の片田舎で魔法の練習したいなー」なんて思っている人にはストライクかも。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2015-05-20 22:22:35] [修正:2015-05-20 22:23:15] [このレビューのURL]

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