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9点 ボーイズ・オン・ザ・ラン
不細工上等。童貞OK。非モテ承知。
絶対そうは思っていないどころか、コンプレックス満載ながら、
空威張りで精一杯の虚勢を大声で張り続ける青年、田西君。
普通に自分の隣近所にいれば、ちょっと避けたいタイプでしょう。
考える思考も短絡的、直情的だし、結果を考えない支離滅裂な
行動は、相当周囲にとって迷惑な存在だから孤立してしまいます。
何ができるわけでもない負け組が協調性を無視して頑張るって、
何をどう頑張れば良いのでしょうか?
「非力な人間は負け続けなければならないのか?」と
シューマイ先輩はつぶやきます。
諦めちゃならないと田西は無茶をやり通します。
1巻から登場の植村ちはるは、最初非力なヒーローの救いと
なるヒロインかと期待しましたが、全く違っていましたね。
それどころか悪魔のような所業を本人は意図しないでしてしまうのです。
それも数年後に再び偶然出会っただけにも関わらず、善意の
人からその再会の瞬間から悪意が芽生えるのです。
その豹変ぶりに私は驚いたのですが、普通の女性から見て、
どこにでもいそうな普通の女性だそうです。
非力な人間が社会の底辺でしか生きられないとしたら、
ならばその底辺でどのように生きるべきなのでしょうか?
社会に唾して生きるより、弱者が弱者であることを
認めつつ、やはり走り続けること、
そこにしか解はないということでしょうか。
最終回、最終話には異論はあるでしょうが、
私にはベストな結末で終えてくれたと満足しました。
読み進めるうちに「宮本から君へ」との類似性を
感じましたが、同じ熱を持った主人公だからですね。
だからと言って二番煎じとは思いませんでしたよ。
久し振りに最終巻まで一気に読ませる迫力を持った作品に出会えました。
満足しました。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-10-02 20:20:54] [修正:2017-10-02 20:23:50] [このレビューのURL]
1点 DEAD Tube
現代日本の高校が舞台。映画研究部のカメラマン少年が主人公。
主人公は水泳部の美少女に撮影を頼まれる。
何が起きても自分(美少女)を撮影し続けろと。
風呂やトイレにもカメラを持ち込み異常な撮影は続く。
最後にSEXシーンを撮るという美少女。
ガラの悪いヤンキー少年とのSEXが始まった、
と思ったら美少女がヤンキーを撲殺して撮影は終了。
後日に主人公は報酬の500万を受け取った。
犯人として見知らぬ中年男が逮捕された。
このお金は何だろう?美少女はなぜヤンキーを殺したのか?
なぜ主人公に撮影させたのか?
数々の疑問は解かれないままに次に死ぬのは映研部のカントク?
といったエログロ悪趣味な漫画。
漫画の根本部分は0点。エロとグロに理由付けがない。
罪のないラッキースケベとか酷い目にあうのは悪い奴とか、
読者が罪悪感なくエログロを楽しめるように漫画にはお約束を用意してきた。
それを無視したうえに代替の工夫がない。
無自覚にエログロを娯楽として消費する読者を批判するでもない。
その結果、かなり読者を選ぶ作品になっている。
上記のように物語は酷いが作画は平凡ながらも丁寧なので+1点。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-09-23 14:18:29] [修正:2017-09-23 14:19:19] [このレビューのURL]
6点 メイドインアビス
危険とお宝がいっぱいの大穴アビス。
深く踏み込めば生きて帰れないアビスに少年と少女が潜る冒険マンガ。
元気少女リコと記憶喪失のロボット少年レグ。2人はアビス最下層へたどり着けるか?
そしてアビスの底には何があるのか?という漫画。
着想と情熱はすばらしい。
描きたいものを描き切る気迫があって好感が持てる。
練り込んだ展開も読者を引き込む力がある。
ただ、やはり欠点も大きい。根本的に漫画の技術が不足している。
主人公たちにスポットが当たり過ぎて、アビス自体が描けていない。
アビスの歴史、アビスの広がりは詳細な設定がある事を匂わせつつ、ほぼ描かれない。
おそらくは物語がスピード感を失わないために、
主人公たちがまっしぐらに下層へ向かう事にしたのだろう。
だが、急ぎすぎた印象だし情報を盛り込む構成力に物足りなさを感じる。
その結果、展開のバリエーションが少なく、冒険譚でなく子どもが酷い目に会う話になっている。
下へ進む、上には戻れない、底まで突き進むという明快なルールのおかげで読者はついていきやすいが、
作者の狙いというよりは幸運だろう。
諸々の欠点はおそらく作者もわかっている。
それでもなおこの作品を描きたかった理由はなんだろうか。
アビスの底にその答えがあると期待している。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-09-16 21:35:55] [修正:2017-09-16 21:35:55] [このレビューのURL]
8点 荒野に獣慟哭す
知名度が乏しい作品ですが、オカルティックバトル漫画(グロあり)として力作だと思います。ややクド過ぎると思った箇所もあるものの、マヤ文明関係のウンチクを絡める大胆な作中考察は勉強にもなりました(原作が小説だけはあるなと)。
何より絵が本当に綺麗かつ描き込みが凄いです(作画担当の人が作中に普通に登場して話に絡んじゃうのですが、その人物描写からはとても想像出来ないほどマメさを感じる)。それでいてバトルが見やすく迫力満点なのも評価点。たまに立ち位置が見えにくくなりますが(相関図でも随所に差し込まれると良かった)、様々な勢力が入り乱れての攻防だったのもストーリーに引き込まれ読み応えがありました。日本編とユカタン編からなりますが、ユカタンに行ってからの方が物語がクリアかつ収束して行く感じがあって良かったですね。
雑誌休刊など困難に見舞われて、そのことが作中でも婉曲に愚痴られていますが、執念のネット連載でしっかり完結させたのは大したものだと思います。原作と違う結末らしいですが、救いを残したようで読後感が良かったです。ただそのせいで単行本で読むなら工夫しても後半が文庫になってしまうのが、長所である絵を楽しむことを考えると惜しいなと思ってしまいましたが。いきなり差し込まれるギャグ描写も日本編は分量も多くて違和感がありました(次第に抑えられて良いバランスになった)。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-09-15 20:59:15] [修正:2017-09-15 20:59:15] [このレビューのURL]
6点 鬼滅の刃
独特だがけして綺麗な絵ではないし、ストーリー、設定だけみると正直いまいち。
現在のところ、この漫画の魅力はキャラクターに尽きると感じる。
もっといえば台詞回しのセンス。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-09-11 18:38:38] [修正:2017-09-11 18:38:38] [このレビューのURL]
7点 白暮のクロニクル
不老不死の種族オキナガ。オキナガたちを管理する厚労省夜衛管。夜衛管の新人伏木あかりは上司であり、実は500年もののオキナガである竹之内の指示で、88才のオキナガ雪村魁と仕事をすることになる。実はあかりの祖母棗は、オキナガが犯人と思われる連続殺人事件で命を奪われており、あかりにも犯人の魔の手が。
夜に目を光らせて行動するオキナガ、いつの時代も異質なものに対しては差別が発生する。特にオキナガにしてみれば、普通の人が老いていっても自分達だけはいつまでも変わらない姿。自然と徒党を組むようになる。
特に竹之内や茜丸は、室町時代から生きているので、なにか550年程度の歴史を身近に感じるような、不思議な感覚になります。
茜丸のふてぶてしさ、竹之内のクールな強さ。550年もあんな感じで生きてくるのは、大変なはず。不老不死の体を持っても、しっかり自分を持っていないと生きていけないのです。
この世界観好きだな。別のオキナガの物語を読みたい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-09-09 19:09:09] [修正:2017-09-09 19:31:21] [このレビューのURL]
10点 彼方のアストラ
10点をつけると信者のようになってしまいはばかれるのですが。。
「3巻までは普通に面白い楽しみな漫画」でした。
ですので他の2人のレビューに概ね同意で
これからの展開はどうなるのかな。とおもっていました。
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ところが4巻発売。その帯にも記載されているのですが
ここにきて 色々なレビューでいわれていた問題点などが
伏線だったということがわかってきます
(もちろんまだ解っていないことは多いが)
怒濤の展開がまっています。
1〜3巻でまあまあと思った人は
4巻まで切るのは待ってほしいとおもいます。
引き延ばしをしようにもない話なので
おそらくこのまま美しく終ると期待しています。
作者の中でおそらく最初から考えていた 展開には
脱帽です。
あとアリエスとユンファはかわいいです(笑)
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-09-05 15:05:10] [修正:2017-09-05 15:05:10] [このレビューのURL]
2点 衛府の七忍
架空の江戸時代が舞台の残酷バトル漫画。
徳川幕府が豊臣の残党を狩る。
その中で無残に殺された主人公が怨身忍者としてよみがえり、また残酷に復讐する話し。
短編形式で毎回違う主人公だけど流れは大体同じ。
褒める所がない。
物語表現が浅いうえにグロ描写ばかり凝っている。
男も女もブサイク。
桃太郎が恐ろしい敵でイヌ・サル・キジが裸の超能力忍者って何だそのセンスは。
ページをめくっていてこれっぽっちも楽しくない。
そこまではまだ好き嫌いの範疇だが、決定的なのは読みづらさ。
絵がゴチャゴチャしてコマ割りも不適切。
何が起きているのかが把握できない。
じっくり読んでもどうせ内臓が飛び散っているだけ。
これは漫画としては致命的だと思う。
そしてまた覚悟が登場する。今度は隠れ谷の猟師。
覚悟である事がキャラの魅力に全く寄与していない。
キャリアを重ねる度に漫画家としてダメになっている。
前作、エグゾスカル零は共感が難しいにせよテーマは確かにもっていた。
だが今作は何をどう描いていいかを突き詰められていないように思う。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-09-04 10:47:00] [修正:2017-09-04 10:47:00] [このレビューのURL]
7点 7SEEDS
大河SFサバイバル物語。
人類が絶滅した未来で、人類の再生を託された若者たちが、過酷な環境を生き抜く漫画。
時々で主人公の視点が切り替わる群像劇の形式で、傷つけあい、助け合う仲間を描く。
まず、これほど長大な物語をダレずに着実に書き続けることがすごい。
物語、漫画表現、いずれにも手抜きがない。
個人的には、セカイ系の作品群の最後に位置する作品だと思う。
1)主人公たちの関係性が世界や社会の運命と直結。
(学校→村→街→国のような中間集団がない。)
2)成長や多様性を促す時間的、空間的な広がりがない。
(親がいない、自分より若い者がいない、他所の人がいない)
というセカイ系の条件を、この作品は徹底的に満たしている。
セカイ系作品群がこのような条件を持つのは、他者が怖い、成熟が信じられない、故に自分以外を見たくない欲望の表れだが、
7SEEDSでは問題をその先に進めている。
親たちはみな死んだ。自分たちより若い者はまだ生まれていない。
ここ以外に人はいない。自分たちとセカイしかない、という環境に若者が置かれたとき、
彼らは人間らしく生きられるか?という問題設定。
そして答えはイエス。
いかなる時も知恵と勇気を持ち寄って彼らは生き延びようとする。
最終的に人類の再生が叶っても叶わなくても、彼らの尊さは損なわれない。
というような作品だと思う。
2015年現在、もはやセカイ系作品は商業的には旬を過ぎている。
余計な心配だが読者の高齢化も進むので、そろそろまとめに入ったほうが良いのではなかろうか。
田村由美の他にこんな漫画を描く人はちょっといないという意味で9点。
絵柄は古臭いし、大ゴマで無理やり押し切っているところもある。
また、序盤、中盤の説明的な展開もしんどいと言えばしんどい。
だが、我慢して読むだけの価値はあるので、苦手な人も頑張ってみてほしい。
35巻で完結。
途中ですったもんだした割に最後は順調だった。
敵だった奴も味方になり一致団結してそれぞれがベストを尽くしたので
誰一人欠けることなく生還できましたねこれからも頑張っていこうねエンド。
お約束の大団円そのものは悪くないが時間をかけすぎた。
せっかく天変地異が起こっているのに、各キャラに見せ場をつくろうとしすぎて展開が遅く読者としては退屈。
最後で大きな減点がついたものの壮大な物語をしっかり描き切ったのは立派。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-11-01 03:24:41] [修正:2017-08-25 14:51:23] [このレビューのURL]
5点 オニデレ
ミヅキとモモが邪魔だったな。
モモに至っては何のためにこのキャラ造ったの?と思えるほど必要ない。
正のツッコミが冴える回は面白いけど、そうじゃない回はつまらない。
意外とサキが出張る回が面白かったことも鑑みるとこの評価。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-08-22 08:42:28] [修正:2017-08-22 08:42:28] [このレビューのURL]