「朔太」さんのページ

総レビュー数: 832レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

ご本人は受験テクニックを駆使して難関校を突破したとは思えない学歴ですが、
よく受験の本質を見抜いてらっしゃる。学力を測る物差しは、いかなるものであるのか、

そんなことはどうでもよく、目の前のハードルを越える力量だけが問題との主張です。

・例えば、学校は楽しく無くとも良い、若い人が成長するための原動力は満腹感ではなく

飢餓感なのだから。

・子供は直感的思考から論理的思考に移行する年齢に個人差があり、まだ直感的

思考段階の子供に論理を求めても無駄。

なんて、ところどころでなるほどと思わせてくれます。

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[投稿:2012-01-02 14:56:25] [修正:2012-01-02 14:56:25] [このレビューのURL]

物語は昭和54年の夏から始まる。高度経済成長期の象徴である団地は、

その後日本の経済発展とともに”うさぎ小屋”と揶揄されながらも、

当時は確実に経済発展の証しだった。

団地生活を巡る日本人の家族の有り様は、昭和の時代の一断面でもあった。

日本歴史の中でもたった30年程度の短い期間だが、その時代を表現する

ために不可欠な生活様式である。

そこに焦点を当てて、昭和の家族群像を表現し、同時に今は老朽化した団地を巡って

平成の家族への変化を通じて、普遍的な家族愛を表現してみせた。

柴門ふみ以外の作家では向田邦子にしか描けない、フィールドかな。

「家族の食卓」と違った背景は、やや老齢化日本への変化が織り込まれて

いる感じか。

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[投稿:2011-09-23 16:29:11] [修正:2011-09-23 16:29:11] [このレビューのURL]

7点 YAWARA!

主人公 柔が本当にキュートなので、どんどん応援したくなる。

16歳から23歳までの公式戦で実は、不戦敗1回以外に負けていないけれど、

常に好敵手との戦いが待っていて、ハラハラドキドキです。

スポーツものとしての戦い場面も魅力ながら、柔道よりも普通の女の子になりたい

思いが行きつ戻りつして、ラブコメの要素もたっぷりです。

試合以外での名場面ベスト3です。

1位 渡米が決まった松田耕作との別れ 最終話 /
   バルセロナオリンピック準決勝前
   ・・・ 当初風祭に憧れつつ、しつこい取材記者でしかなかった松田の存在感
   に気づくのがラスト1年前です。オリンピック準決勝前に会えてその
   気持ちに気づいた時、さらに渡米する松田へその気持ちが伝えられない
   柔の表情、心の表現が見事でした。

2位 花園の男泣き
   ・・・不甲斐ない自分を鍛えに鍛えて、それでもなお届かない優勝
   に男泣き。しかし、富士子はそんな花園に「あなたは私にとって
   世界一のチャンピョンよ」と背中を抱きしめる。

3位 父 虎滋郎 との再会
   ・・・少し身勝手な父だが、柔の会いたい思いを切なく表現する。
 
       
 

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[投稿:2011-08-18 14:43:54] [修正:2011-08-18 14:45:25] [このレビューのURL]

私より家内がはまった漫画。裁判官って職業を世に知らしめた漫画。

判事さんは超多忙で、調査官の助けを得ながら法律と照らしながら処理件数

を消化するしかないのが実態らしい。

桑田判事は、赤字は出さない(処理件数の収支)ほど優秀な判事だが、

一人一人の少年の育成に重きを置いた手入れ(土起し、肥料やり、剪定、追い肥など)

を時間をかけて行う。少年の育成と植物のそれとを重ねて、物語をつむいでいく。

少年の育成に直接効果を与える方法はほとんど皆無、いわば正解がないので、

こんなうまくいかないだろうって、疑問は起こります。

読後感としては、何か消化不良って感じになるのですが、

桑田判事の生き方というか考え方には、一貫性があり重要なメッセージ

として理解できます。

周囲にはいないなあ、こんな人。居ても周辺を巻き込まないから、

影響力は小さいのでしょうね。

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[投稿:2011-08-06 10:36:07] [修正:2011-08-06 10:37:45] [このレビューのURL]

悪がきが喧嘩と度量の大きさで日本制覇を果たす本宮ワールドを

サラリーマンといえども応用できるんじゃないの?っていう問題提議?

現実の大人の集団である大企業といえども、本物の熱さや人望なしには成功

は覚束無いが、権力構造の変革には至らないので、皆「これは所詮漫画だろう」

という感想を持ってしまう。

しかし、本当か?

ベンチャー系成上がり経営者や大企業の一部には、暴力を抜きにした金太郎レベルの

行動を起こしている人間もいるようにも思う。官にも。

これを荒唐無稽な漫画と思うか、自分を夢想して投影してみるか、

まずは読んで見て下さい。

問題を抱える度に、割と明快な解を与えてくれていますので、楽しめた。

全巻読破。

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[投稿:2011-05-05 09:32:41] [修正:2011-05-05 09:32:41] [このレビューのURL]

7点 あずみ

29巻まで読破。

あずみが無垢な少女時代の仲間を思いながら、仲間の分まで使命を果たす

ことを存在意義にして生き抜く。逆に言えば、刺客として生きる意味を

見つけられずに、死に場所を探している。

なんといっても、あずみの心と姿の美しさと刺客としての強さが全編の魅力。

家康暗殺以降、目的を失うため、これ以降はやや苦しい展開だが、新しい

仲間との接点で人間性を取り戻す。

48巻までよく連載できたなあ、いろんな意味で。

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[投稿:2011-02-05 17:25:55] [修正:2011-02-05 17:25:55] [このレビューのURL]

7点 愛と誠

1970年代、本作品は一世を風靡していた。少年マガジンが少年誌に君臨して

いた時代で、これ以前には梶原一騎氏による”巨人の星””あしたのジョー””空手バカ一代”等

のヒット作品でスポーツによる男道に熱狂した後、

新たな境地を求められていた背景がある。

これが見事に大ヒット。またもや、梶原氏の面目躍如の伝説の作品になった。

いとこのネエチャンは、本作品のために毎週の雑誌ごと保存していた。

ただし、私自身は当時もそうだったが、今読み返してもそれほどでもなく、

梶原作品の中では、特段に評価は高くない。

愛を誠を持って貫く価値観は、当時はアメリカナイズされつつあった日本には

新鮮であったかも知れないが、今は当然というかそれしかないというか

陳腐で単純な生き方の一つに成り下がった。

美男美女同士なら、そうなるでしょう、と冷めた見方もできますし。

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[投稿:2011-01-10 17:30:57] [修正:2011-01-10 17:30:57] [このレビューのURL]

鈴木保奈美と織田が織り成すドラマに、小田和正のあの名曲が重なって、

一世を風靡したトレンディドラマの原作です。

「カンチ!」と呼ぶ保奈美さんの甲高い声は、今でも記憶の奥にあります。

さて、原作ですが、柴門ワールド炸裂で、サイモンの名を一挙に世に知らしめる

ものとなりました。

切ないすれ違いがテーマかな。若くても年食っても男と女はどうしようもないね、てか?

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[投稿:2011-01-02 18:19:47] [修正:2011-01-02 18:19:47] [このレビューのURL]

ああ、思えば柴門ふみとの出会いは、本編だったなあ。

一人の異性への思いを貫きながらも、現実の生活で理想じゃないのに

心の襞に触れ合うことで、相互に「この人、結構いい人。一生共に

生きていくのも良いかも。」って、結ばれるのが、たいていの人の恋愛模様。

本当の理想って、偶像化してしまって何が本当なのか、大抵曖昧なものです。

俊平にとって偶像化された小夜子はいつまでたっても女神様ですが、

現実の桃子は大人になった俊平の現実です。

こんな恋愛プロセスは、この世に人間が現れた時から、延々と繰り返してきた

男と女の恋愛模様ですよね。

今や教科書的にさえ思えるパターンですが、当時は相当奔放な桃子さんに

ハラハラどきどきしましたとサ。

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[投稿:2011-01-02 18:13:00] [修正:2011-01-02 18:13:00] [このレビューのURL]

曽田の原点となった作品。以降、この作風で勝負する。

なぜ、こんな底力が出てくるのか、論理的ではないが説得力が結構あったりする。

スポーツとしての自転車というより、生きがい、存在意義としての自転車で

あって、対象は何でも良く、人は生まれた以上かくあるべし、てな感動を

与えてくれる。

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[投稿:2010-12-28 22:23:02] [修正:2010-12-28 22:23:02] [このレビューのURL]

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