「朔太」さんのページ

総レビュー数: 821レビュー(全て表示) 最終投稿: 2010年01月09日

コールドスリープボックスから目覚める第一話から、どんどん引き込まれます。
目覚めの前の自分の知っていた世界と全く異なる世界というどころか、
いきなり恐竜時代に戻ったかのような危険な世界です。生き残った人たちも
どんどん減っていきます。そんなサバイバルな状況と「なぜ世界は変化したか?
生き残ったメンバーは偶然か?」というような謎の混迷が初めから仕込まれて
います。しかし、その伏線も見事に最終巻でまとめられていて、全てが最初から
設定されていたシナリオだったということが分かります。

キャラの勧善懲悪ぶりがはっきりしていて、やや単純化され過ぎかな、とも思いますが、
逃げ場のない古城からの脱出劇をベースにしたSFと人間劇という感じで、
全6巻の短い中で濃密に堪能させて頂きました。

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[投稿:2016-04-05 06:03:51] [修正:2016-04-05 06:03:51] [このレビューのURL]

「チャー・シュー・メン!」の掛け声は、本編を読んだことがない人まで何となく知っている
くらいに流行した。
少年サンデーのプロゴルファー猿は、少年誌的なアクロバットな技が連発していたが、
その連載を終了するタイミングに合わせたかのように、本編の連載が始まる。

天才というよりも艱難辛苦の努力型主人公が、プロの心理戦も含めた大人テイストの
戦いで魅了する。10年に亘る連載だったが、基本はプロテスト編、東太平洋オープン編、
全英オープン編に大別される。連載中は進展の遅さが気になるも、完全版総集編11巻では
破綻なく読める。

ゴルフ漫画、特に少年誌における金字塔とも呼べる作品である。

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[投稿:2016-01-31 18:07:39] [修正:2016-01-31 18:09:03] [このレビューのURL]

7点 銭ゲバ

1970年連載開始ですから46年前の当時の時代背景を考慮して読むべき作品と思います。
戦後25年復興を懸命に進めた過程では、弱肉強食の資本主義自由主義の旗の下、
社会的な弱者が現代に比べるもなく底辺にうごめいており、切り捨てられた時代です。
泣けども叫べども救いのない時代を何とか凌いで、戦後25年で少し落ち着いてきた中で、
弱者が弱者でなくなった時に過去を振り返って、時代の驕りを表現したといえます。
戦後復興期には混乱に乗じて、裏社会に暗躍し一挙に成り上がった財閥もあるそうです。
彼らは、一般市民から”銭ゲバ”と呼ばれていたように思います。

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[投稿:2016-01-23 10:07:19] [修正:2016-01-23 10:07:19] [このレビューのURL]

バガボンドとは、英語で放浪者、漂泊者の意味。
まさに武芸者の体を借りて、剣術や生を一生をかけて追及する放浪者を描いている。
道を求める哲学者のごとく武芸者、墨絵のごとく描画術(実際、筆で書くらしい)が美しい。
時代の極限性、戦いの恐怖はもちろん飢えの現実等、生死が紙一重の時代背景も一層引き立つ。
佐々木小次郎がろう者であったりと、キャラクターや物語には独自のアレンジが加えられており、
吉川英治の宮本武蔵で作られた既存の武蔵像を超えた美しさと思う。
37巻読破。

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[投稿:2015-12-23 16:27:18] [修正:2015-12-23 16:27:18] [このレビューのURL]

合戦の戦術戦略の巧妙さで、途中で読むことを中断できなくらい引き込まれる面白さがある。
織田信長はその冷徹な戦いぶりで、順調に領土を拡大したくらいの知識だったが、
武田信玄や本願寺、浅井・朝倉側の事情で運良く勝ち残った背景が理解できた。
一度は朝倉和睦のために土下座して謝罪したくらい。

それぞれの武将の知略の見事さは秀逸である。武田の三方が原の戦い、木下藤吉郎の金ケ崎の退き口など史実をメイキングしたかもしれないが、ドラマチックである。
朝倉の一乗谷、浅井の小谷城の難攻不落の構造もさることながら、
一夜にして攻め落とす知略も読みごたえが有る。

仙石秀久のキャラやお蝶、斉藤龍興ら傍流話は、添え物であって評価の対象外。
大人買い、一気読みにて15巻読破の価値あり、でした。

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[投稿:2015-12-12 11:19:51] [修正:2015-12-12 11:25:04] [このレビューのURL]

7点 JUDGE

[ネタバレあり]

映画「Cube」に似せた設定で、拉致された9名の中で10時間ごとに1名ずつ死ぬべき人物を
互いの多数決で決めなければならないという極限状況から始まります。
逃げ場がない、全員が揃っていること、多数決であることで、疑心暗鬼の状態が作られます。
過酷な選択を迫られ続ける中、生き残り4名を目指すメンバーですが、このゲームは
一体だれのためのものでしょうか?

最終巻では全容が破綻なく説明されることになって、数時間一挙読みの私は一応の
満足を致しました。映画化もされたようですが、とんでもなく非現実的でもない
設定ですので、あなたの身にも起こるかもしれない恐怖は残ります。

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[投稿:2015-11-01 17:34:23] [修正:2015-11-01 17:34:23] [このレビューのURL]

毒素に汚染された魚介類を摂取することで発生する食中毒が、シガテラの意味だそうな。
連載当初から、青春時代を食中毒状態に例えた日常と非日常を描こうとしていたんだと
読後に気づかされた。
その毒の部分が不快極まりなく(谷脇のパシリが永遠に続くような絶望)、1巻読後に
放り投げてしまいたくなったけれども、2巻以降の南雲さんとの出会いで救われた。
「この幸せは平和の下に成り立っているんだな。確かに選挙に行かなくっちゃ。
頼むよ、この国のエライ人たち。もっともっと平和な国にしてください。」と
無表情で幸せの絶頂ぶりを語らしせしめる。

その上で来ました伝説の最終回。
青春ってそうだような、大人になる階段を上がるってそうだよな、と自分に重ね合わせた
日本人は何万人といるんじゃないか?

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[投稿:2015-10-11 14:10:21] [修正:2015-10-11 14:12:25] [このレビューのURL]

一言でいうと、「心地良い日記風ラブコメ仕立てのホームドラマ」かなあ。
探偵っていっても、ほとんど仕事がなく、バイト三昧ですからね。
ハラハラドキドキの場面は、探偵物語なのにほとんど出てきません。

心地良さの理由は、シャーロキアン(ホームズオタク)で変人で極貧だけど男前の探偵の
魅力と、涼子さん、大家さん、イワオなどの脇役キャラの醸し出す雰囲気ですね。

全巻読破。シナリオで読ますというより、キャラで読ます作品でした。
極貧でも、面白可笑しく生きてさえいれば、人生は捨てたものじゃない、って感じが
好感度を上げている気がします。

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[投稿:2015-08-09 08:55:20] [修正:2015-08-09 08:55:20] [このレビューのURL]

読者を惹きつけて止まないシナリオライター天才小池一夫と美女や肉体美、格闘美の表現は
日本一の池上遼一がタッグを組んだ全盛期の作品である。
面白くないわけがない。
池上遼一の描く美女は、同じ顔と同じボディに見えるけど。




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[投稿:2015-03-21 23:15:36] [修正:2015-03-21 23:15:36] [このレビューのURL]

7点 PLUTO

浦沢直樹氏の手塚治虫への愛を感じる作品。

アトムを読み通して、子供なら誰でも絶対にワクワクしてしまうのが、「地上最大のロボット」の巻
だろう。アトムとともにプルートの記憶は一生消えない子どもの一人が浦沢氏だったわけで、
後に手塚治虫の影響を受けた天才漫画家に成長したわけだ。

文字通り、原作プルートへのオマージュである。
一種の文学作品のごとくテイストで、しかしあくまでも漫画というお気楽メディアの制約の中で
読者の支持を取り付けながら、浦沢氏の手塚治虫への愛、リスペクトを最大限に表現した。

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[投稿:2015-02-20 03:18:25] [修正:2015-02-20 03:18:25] [このレビューのURL]

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