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8点 応天の門
舞台は平安時代の日本。主人公は在原業平(ありわらのなりひら)と菅原道真(すがわらのみちざね)
世渡り上手なオジサン業平と世間知らずの天才道真、デコボココンビが都の怪異をスパッと解決!といった作品。
テーマに対する統合的なアプローチとそれを実現する漫画技術がすばらしい。
平安時代を描くとなれば、絵柄はうつくしいのが当然。
貴族は権力闘争や家柄、恋に苦しんで当然。
富と知恵と権力が集中する都。閉鎖的な社会で誰しもが苦しんでいる。
そんな中で人一倍利発な道真はどのような思いであったろう?
きっと理不尽に憤り、社会からの脱出を試み、しがらみの中でその知恵で人と自らを救っていたに違いない!という妄想を余すところなく娯楽漫画にしている。
キャラクターの作り込みが深く、平安時代に全く興味がない人でも
感情移入できる工夫がたっぷり詰まっている。オススメ。
やや地味な作品なので、まとめて一気に読むのが良いだろう。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2017-11-17 10:04:02] [修正:2017-11-17 10:04:02] [このレビューのURL]
2点 海月姫
単行本17巻で完結した記念にレビューを書き直し。
ブームを巻き起こした人気作品で映画化、アニメ化にも恵まれたが
全体を通して評価すれば2点相当。読む価値がない。
作品の滑り出しは素晴らしいが途中で迷走し最後はなぁなぁで終わる。
そのような失敗を何度も繰り返している。
作家としての成長や作品への誠意が見られず、語る気が失せた。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-11-01 18:43:12] [修正:2017-11-17 09:34:38] [このレビューのURL]
7点 喰いタン
探偵が活躍する推理ものかと思いきや、半分コメディ、
半分料理・食べ物のウンチク、雑学知識漫画でした。
連載当初は、立派に殺人事件も起こっていたのですが、
いつのまにやら些細な小事件のお話に変わってきました。
「ミスター味っ子」「将太の寿司」の作者ですから、
元来料理・食べ物に深い知識があるためでしょうか、
面白いトリビアが事件の真相になっていることが多いです。
作家が本業の主人公高野聖也が毎回全開させる食欲は、
まさにマンガレベルで半端ありません。
回を追うごとに極端になり、14巻では漁船で
水揚げする魚を食い尽くす勢いでしたから、有り得ません。
主人公がボケなら、可愛い秘書出水京子はツッコミ役でした。
従来になかったテイストの探偵ものの面白さでした。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2017-11-17 07:30:02] [修正:2017-11-17 07:30:02] [このレビューのURL]
ネットで話題のヘタレ(やかませ犬)の代名詞的に語られるドラゴンボールの脇役ヤムチャと異世界転生を融合させた異色な外伝作品。一見トンデモに見えて原作愛に溢れて、細かいネタや整合性にも気が配られ、出落ちにならずに短くまとめています。似ている鳥山チックな絵もポイントが高いところ。ただ、内容をしっかり覚えているレベルでの原作既読ファン向けだと思います。一度は読んだり、アニメは見たことあるけどくらいの人には「何がそんなに面白いのか?」となりそうなのは要注意かと(自分の友人はそうだった)。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-11-16 22:59:50] [修正:2017-11-16 22:59:50] [このレビューのURL]
6点 奥州藤原四代
漫画日本の歴史風な奥州藤原氏編。作風、内容、テンポ、情報量に安定感があったと思います。時代が変遷して登場人物が多数な割に似た顔が多い部分は欠点ですが、世界遺産にもなった平泉の歴史を漫画でまず把握したいのなら薦められる作品です(現在単行本の入手は困難ですが)。
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[投稿:2017-11-16 22:41:54] [修正:2017-11-16 22:41:54] [このレビューのURL]
3点 食戟のソーマ
まず、公表こそしてないが作画が元々別名義での成年漫画作家であり(単行本もある)、連載開始にその絵を見た瞬間「アノ人の絵じゃないか!」と驚いた。
何か美味いものを食った女が裸体イメージになる絵にはその片鱗が十二分に出ている。
ただ、料理漫画作品としてどうか。
正直言って途中で読むのをやめた・・・
いわゆる、
普通は使わない手間のかかる材料や調味料を工夫して使いまくって作るような、一般に出回らないような料理こそが評価されるべきで、
それ以外は料理なんかじゃない。
という風潮がありありで、読んでて「アホか?」と思える。
例えば、サンマ。
熟成させるだの、下準備にものすごく手間のかかることをして、ものすごく面倒な調理をして、これがサンマ料理だ!
的な回があったが、
は?
サンマなんて旬のモノを買って、塩振って、炭火でパチパチにいい感じに焼いて、大根おろしと醤油(あるいはポン酢)にチョンチョンつけて食うのが一番美味いわバーーーカ!
と心底思った。
オシャレぶって高い金を取ってこそ一流みたいに気取るシェフよりも、
家庭料理のプロである故・小林カツ代先生とか土井善晴先生の料理を真似したいね、自分なら。
『気取った料理を気取って食わせる料理人はバカ』
『主役は料理人じゃなく、それを食べる客』
これはタモリさんの言葉です。
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[投稿:2017-05-15 05:08:34] [修正:2017-11-15 01:12:41] [このレビューのURL]
7点 龍 〜RON〜
舞台が昭和初期の京都、満州の視点からみる終戦までの激動の時代なのが新鮮。当時がまるで再現されたかのような空気感は素晴らしかったです。デリケートな時代ですが、どの陣営に対しても基本穏当な描き方だったと思います(甘粕正彦については有名な甘粕事件の真相を独自でも描くことを避けてしまっていたので本作の人物像には違和感があったが)。
架空とはいえ一人の男の波乱万丈な人生を史実、実在人物に絡めることで壮大感がありました。しかし、色々ぶち込んだ寄せ鍋的な部分が多く、長さやこれは必要な話だっただろうかという気持ちは拭えないのも事実でした。時々途中でダレてしまい、連載中に酷評を耳にしたこともあります。次作の「JIN」では改善されていたんだなと。全体としてはテンポと構成が整っていた(ラストは唐突感があったが)「JIN」の方が良かったなとは思います。それでも時間があって壮大な歴史漫画が読みたいという人には薦めたい作品です。
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[投稿:2017-11-14 19:09:51] [修正:2017-11-14 19:09:51] [このレビューのURL]