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9点 BECK
音楽漫画最高峰という評も多い名作。主人公ユユキが歌うシーンの表現と迫力が評判ですが、使いどころは意外に抑えているところに工夫を感じます(他の演奏者やユユキはギターのみというシーンも多い)。
音楽漫画としてのウンチクは説明がほぼないですが、音楽の魅力など本質は伝わって来ます。比重としては青春漫画な感じですが、ギャグが笑えるように基本明るいのが特徴。友情(良い奴が多い)、恋愛(ヒロインがかわいい)、グッと来る話を混ぜながら(苦しい中支えてくれる人達には特に感動)、話を展開して、34巻の長編ですが熱量は維持して、綺麗に収束させましたと思います。
サクセスストーリーながら他作品にはそうそうないほど、苦労や失敗が目立ち、最後の大成功に説得力がありました。連載中なら中だるみ的に感じたかもしれない下積みだったので、完結後一気読みで良かったなと思います。要因である業界のリアルみたいなのは、現在はステマという言葉があるほどより増している感じなので、良いところ突いてるなと思いました。
気になったのは序盤はさすがに絵に癖以前に下手さが目立つのと(次第に最後まで向上する)、話は綺麗に終わったもののエピローグをキャラ立ちしていた脇キャラ達中心にもっと見たかったですね。このサイトでも既に高い評価ですが、自分も一票を投じたいと思います。一昔前の作品ですが、現在でも十分読むに値する作品です(むしろ一気読み出来るのが大きい)。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2016-09-28 01:53:09] [修正:2016-09-28 01:53:09] [このレビューのURL]
9点 NEW GAME!
4巻50話に泣いた。
自分も入社時は、未熟なプログラマーだった。
最初のPJで組んだ先輩は、八神コウのような有名人ではなかったけれど、
コードの中には独自の美学があり、自分のことを大事に育ててくれた。
その人を尊敬したし、感謝もしたし、何より、この人と一緒に仕事をしたいと思うようになった。
月日が経ち、自分も成長し、今、その先輩と同じ立場でPJを任されている。
憧れの人と肩を並べて仕事ができた。目標の達成だ。
けれど目標とは際限なく更新される。
先輩を超えたい。
今なら超えられるじゃないか。
そう思って以来、惜しみなく技術を注ぎ込んでくれて昼食もよく共にする先輩に、YESではなくNOも言うようになり、意見や議論もするようになった......
青葉は友達と約束した美大を蹴って、憧れの人・八神コウを追う夢をもった(5巻)
入社して八神に育ててもらい(1,2巻 <- アニメ化部分)
憧れの先輩の下で働くという夢を実らせた。
そして新作・PECOの開発時には、青葉のデザインがメイン候補に選ばれる(3巻)
自分ではなく後輩のデザインが採用され、八つ当たるコウ。
その後コウの方から歩み寄るのだが、コウは決して謝らないのが良い。
心のどこかで悔しさを押し殺しているのがわかる。
最終的には、メインデザインは二人ですることになる。
つまり、青葉は憧れの先輩と同じ土俵で働くようになる。
けれど、宣伝用キービジュアルをかけて、出来レースのデザイン対決が行われる(4巻50話)
自分と先輩の評価はまだ先だが、
青葉とコウの決着はついている。
全力で挑んだイラストをコウに見てもらった後の、コウのイラストを見た青葉の描き方が素晴らしい。
憧れの人の全力に静かに感動し、そして、涙する。
行間には圧倒的な実力差への、納得と悔しさがある。
蛇足だが、「はたらくって青春だ」というキャッチフレーズは、非年功序列で既婚者が少ない職場に限り当てはまるものだと思う。
また、第30回横溝正史ミステリ大賞の選評で馳星周が「善人しか登場しない作品は瑕だ」と述べていたが、
会社においては例え善人しかいなくとも、競争が働く以上は嫉妬や不安が生まれるものだと感じさせられた。
ちなみに、Unityやenchant.jsなどのエンジンに頼らず、C++から頑張るねねを応援してます。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-09-27 10:03:38] [修正:2016-09-27 10:03:38] [このレビューのURL]
9点 伊賀の影丸
手塚と同世代だが、6歳年下でわずかに遅れてデビュー。
世に横山光輝の名を覚えせしめたのは、いわずとしれた
鉄人28号だが、残念ながらそれを目にしたのは漫画では
なく、TVアニメだったというのが多くの子供だったはず
である。「敵に渡すな、大事なリモコン。」という
フレーズは、浦沢直樹の名作「20世紀少年」にも引用され、
大きな影響を与えている。
伊賀の影丸は、その5年後、少年サンデーの看板タイトル
として連載されるやいなや、新時代のマンガとして世に
受け入れられる。それ以前は、手塚や藤子、石森らの
漫画創生期からの脱皮の時代であった。
そこに登場した横山光輝は、絵は上手いし、登場人物に
エッジは効いているし、忍者といういわば超能力者の
走りである役者を揃えて、完全なストーリを携えてきた。
今でこそバトル形式の勝ち上がり戦を描く漫画などは、
掃いて捨てるほどあるし、何かのパクリと言われる始末
だが、伊賀の影丸では、例えば伊賀忍群vs甲賀七人衆
といった形式で、複数対複数の争いだが、個々の戦い
ごとに駒取りを仕掛けていく対決方法を設定した。
これは伊賀の影丸以前には前例がない。
(鉄腕アトムにも一部同じ仕掛けがあるが、わずかに
後ではないか)
忍術合戦は、いつの時代も子供をわくわくさせ、鍛錬
さえ怠らなければ、いつか自分にも可能性があるのでは
ないかと夢を見させる。その系譜はNARUTOにも引き継が
れており、現代のメガヒットに繋がったと解釈できる。
伊賀の影丸は、20世紀少年の記憶にいつまでも残り
続ける遺産の一つである。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2016-08-18 09:59:04] [修正:2016-08-18 09:59:04] [このレビューのURL]
9点 ダイヤのA actII
沢村2年生編。
春の選抜からスタート。ここで巨摩大藤巻高校という多分ラスボスになるであろう高校が初登場する。
新1年生が加わり、高校野球の描写は相変わらずリアル。
現在は春の都大会中で試合も相変わらず本格野球で面白い。
act2から読んでも全然大丈夫。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2016-07-28 21:31:55] [修正:2016-07-28 21:48:16] [このレビューのURL]