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5点 クロザクロ
夏目義徳の個性を活かしつつ、サンデーの読者層にもウケそうな作品を創ろうとしたのだと思う。
低年齢層向け雑誌になっていた当時のサンデーでは藤田や皆川がニーズに合わなくなりつつあったので、ワンチャン狙いで夏目にニッチ且つポップな作品を描かせた結果、どっち付かずの煮え切らない感じで終わってしまった感は否めない。
連載前半はセンターカラーが多かったり、読者プレゼント企画も頻繁に行われていたり、単行本のカバーが当時は特別感のあったサラサラ仕様だったりと、編集部も精力的にプッシュしていたことがうかがえる。
このことから考えると、恐らくニッチ系枠復権の起点に成り得た、割と重要な作品だったと思う。
実際、そのジャンルにおける名作の定石に能力者バトル要素を足した手堅い作りで、そこそこいけそうな雰囲気はあったのだが…
もう少し夏目の持ち味を開放していれば、トガリに匹敵する佳作にはなっていたはず。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2020-12-17 08:40:00] [修正:2020-12-17 08:51:39] [このレビューのURL]
9点 鬼滅の刃
2020年12月16日現在、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の興行収入が300億円を超え、歴代1位の「千と千尋の神隠し」に迫りつつあります。おそらく数日以内に1位になることでしょう。
オリコンの年間本ランキングでは、2020年のコミックの単巻別売上ランキングで、「鬼滅の刃」の既発刊分の22巻が、1位から22位までを独占しています。
(23巻は2020年12月発売のため集計対象外)
そんな歴史に残る大ヒット作を、中年のおっさんである私が、個人的な主観でレビューします。
読み始めた時にまず最初に思ったのは、「この設定は○○という漫画に似ている」と思うところが何か所もある、ということです。
過去のヒット作(特に少年ジャンプのヒット作)をよく研究し、うまく取り入れていると感じました。
既視感のある作品ですが、そこで「パクリだー」等と批判的にならずに、読み進めていくと・・・・すごく面白いです。
歴代のジャンプバトル漫画では、この作品がナンバーワンだと思いました。
王道を行く娯楽作品であり、ストーリーもわかりやすく、小学生から老人まで楽しめます。
自分はいい年齢のおっさんですが、泣いたり笑ったり…とても楽しみました。
ストーリー展開がスピーディーで、さくさく進みます。そして、引き延ばしもなくサクッと完結します。
各キャラのエピソード等の中には、本編で十分に語られていないものも多々あり、そこに読者の想像力が働く余地が生まれます。
それだけキャラクターがしっかり立っているということですね。
2次創作がさかんなのも納得です。
とにかく読んでよかったです。面白かった。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2020-12-16 18:23:15] [修正:2020-12-16 18:24:44] [このレビューのURL]