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10点 わたしは真悟
「天才と基地外は紙一重」という言葉の象徴みたいな作品である。
楳図以外ならば決して許されないのではないかというくらいの、論理的な飛躍がありまくる展開で、楳図に思い入れの無い人が読むと、その点を持ってして「失敗作」と断じられてしまう危険性もある。それはあながち間違いではなく、それほどギリギリのところで成立している作品である。
満点をつけた私自身も、この作品に対する一般的な評価、批評を見ること無しに、「名作!」と言い切れたかどうかは、自信が無い。
そういった、ある種の「偏見」「色眼鏡」がついているかも知れないと思いつつ、満点をつけたのは、
「この作品の良さは、ちっぽけな自分ひとりの力で発見できるような種類ではない」でも「良さは確かに存在する」と感じたからである。
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[投稿:2007-06-16 18:04:54] [修正:2007-06-16 18:04:54] [このレビューのURL]
10点 サルでも描ける漫画教室
連載当時の業界を冷静に分析、批判した結果がそのままギャグとして、作品として昇華している。
漫画業界に携わるものとして、色々理不尽な目にも不条理な目にもあってきただろうに、それをただ怒りで表すのではなく、ネタにして笑い飛ばすその姿勢は、個人的に見習いたいものがある。
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[投稿:2007-06-16 17:48:07] [修正:2007-06-16 17:48:07] [このレビューのURL]
10点 ジョジョの奇妙な冒険
じっくり読むと結構アラが見えはするが、そういったレベルを完全に超越している。
あのジャンプ体制の中で、トーナメント方式の戦いを避け(戦闘力のインフレの防止)、「スタンド」という概念を生み出し(「戦闘力」のような一次元的、偏差値的な単純さを否定、戦闘能力を立体的に考えられる)、どれだけ長く続けようとも破綻することの無いストーリーの継続方法を編み出したことは奇跡的でさえある。
イタリアの美術に代表される、伝統の厚み、重みを取り入れた世界観も、他に類を見ないほど個性的かつ魅力的。
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[投稿:2007-06-16 17:38:42] [修正:2007-06-16 17:38:42] [このレビューのURL]
10点 SF全短篇
「劇画オバQ」
「ミノタウロスの皿」
「カンビュセスの籤」
「分岐点」
「イヤなイヤなイヤな奴」
「間引き」
「流血鬼」
「ひとりぼっちの宇宙戦争」
「絶滅の島」
「老年期の終わり」
「みどりの守り神」
「未来ドロボウ」
「大予言」
「ある日、、、」
「あのバカは荒野をめざす」
「タイムマシーンを作ろう」など珠玉の名編がぎっしり。
もはや古典であり歴史的価値も含めて
10点をつけさせていただきます。
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[投稿:2007-06-15 19:03:27] [修正:2007-06-15 19:03:27] [このレビューのURL]
10点 Dr.スランプ
ぶっちゃけ言うとドラゴンボールより
アラレさんのが好きなんすよね、個人的には。
この作品で凄いのはあの秀逸なキャラたちじゃないだろうか。
続々とキャラは増えるのに、
どのキャラも遜色なく一人ひとりが際立っている。
だから読者が全く飽きることなく
最後までウッホホーイって感じで読めたのだと思う。
♪ペンギン村から おはこんばんちわ
右向いて 左向いて ばいちゃばーいちゃ!
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[投稿:2007-06-11 14:13:48] [修正:2007-06-15 12:03:38] [このレビューのURL]
10点 SF全短篇
マンガマニアの嗜み、F先生の短編集。
ほとんどの作品が皮肉に満ちているが、中には結構穏やかで良い話もある。
「皮肉」という言葉を使ったが、それは国民的マンガ「ドラえもん」にも見られると思う。
F先生は「皮肉の人」である。その皮肉の人の書き上げた黒い作品群の中でも
私が一番引き付けられた作品が「絶滅の島」だ。
例えば「ミノタウロスの皿」「流血鬼」にしても「皮肉」はストーリーに練りこむ形で現れている。
ところが、この「絶滅の島」。こんなやり方があるのか!と皮肉り方に感動してしまう。
あらすじは、ある日UFOが地球にやって来る。
侵略者のモンスターたちによって人間は一方的に虐殺される。
主人公とヒロイン他、合わせて27人は「秘島ツアー」に行っていたため偶然にも生きのびる。
しかし、その島にもUFOはやって来た。応戦するものの次々と殺されていく。
そしてヒロインは逃げ遅れ侵略者に捕まる。
他に生き残った、頼りになるオジサン(名はない)と夜になるまで待ちヒロインを助けに行く。
ヒロインは生きていたものの遺体を棒に突き刺し煙でいぶしている光景を目にする。
侵略者に気づかれ、オジサンは自ら犠牲となり二人を逃がす。
しかし二人は追いつかれてしまう。もう駄目かと諦めると
突然UFOが降りてきて中からは今、襲われている侵略者と同じ形のモンスターが出てくる。
するとモンスターたちは話し合いを始める。ここで初めてモンスターに吹き出しが使われる。
吹き出しの中は、よくわからない記号のようなもの。
場面は変わって医務室で裸の主人公。襲われた際の傷は治っている。
ラスト。モンスターに見送られ、ヒロインと逢わされ島の奥へ寄せ合って歩く二人の後姿。
と、ここまでは「まあこんなもんか」ぐらいの感想しかなかった。
なかったんだけど、その最後のコマの下に、字ばかりが書かれたコマがある。
見ると「宇宙怪物語 日本語訳」と書いてある。そりゃ「え・・・?」ってなる。
もっと読んでみると
428ページ「きみたち こんな島でなにをしてる?」「別に・・・・・・ ただの離島ツアーだよ」「ごまかすな!!」「チキューケナシザルは保護獣に指定された 密猟者は逮捕する」
429ページ「すんません ケナシザルの黒焼きは 円形脱毛症に効くと聞きまして・・・・・・」「それは ただの迷信だ」 ガク
ここまで読んで、もうほんとクラクラした。日本語訳はもう少し続くけど、要は人間を絶滅しないよう保護しにきたってこと。
何から書こうか・・・。まあとにかく物凄い皮肉り方でしょ?
本編やってる間はわりと、作品に感情移入して書いてるように見える。
燻製にされている人間の死体を見つけ、主人公にはゲロを吐かせ
オジサンには「気をしっかりもて!!」「正視するにはたえん光景ではあるが・・・・・・確かめぬわけにはいかんぞ あの中にカオリ君がいるかどうか・・・・・・」
なんて、格好良い台詞を言わしたりして。
にも関わらず最後の「宇宙怪物語 日本語訳」で一気に作品の世界をドンと突き放す。
429ページの訳で「ガク」ってのあるけど、これって
うな垂れたモンスターの上のほうに書いてある記号の訳になる。つまり「擬音まで怪物語で書く」ってこだわる程ストーリーに何の思い入れもないということなんだよ。
だから私がこれを読んでいて、さして心に来るものがなかったのは
作者自身がストーリーに対してドライな視線で書いていたからに他ならない。
一番書きたかったのは最後の訳なんだもの。
「ガク」とガッカリする後姿のモンスターの頭に白い丸があって。ただのハゲなんだよな。
「すんません」っ言葉遣いも人間くささの表し方が上手い。
名前のないオジサンは頼りになる存在として描かれてはいるが、こんな危機的状況じゃあなけりゃ
ただの冴えない顔した、つまらないオッサンでしかないデザインで
作中「フフ・・・・・・皮肉なもんだねえ」っていう台詞を言わせるF先生の悪意に痺れる。
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[投稿:2007-06-15 01:35:12] [修正:2007-06-15 01:35:12] [このレビューのURL]
10点 神戸在住
漫画において、人が死ぬ場面に直面した時、ほとんどの漫画家が安易な方向へ逃げがちです。もしくは死そのものを避けようとします。個人の人生に触れた相手がいなくなった時、人はもっと生々しい心理状態を迷走するはずです。
この作品では様々な障害を越える様が丁寧に、決して近道などを模索せずに描かれています。
漫画をエンターテイメントとしてのみ捉えるなら、この作品を楽しめない。しかし、漫画に意義を求めるならこの作品を愛せるのでは。僕はそう思います。
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[投稿:2007-06-14 20:35:59] [修正:2007-06-14 20:35:59] [このレビューのURL]
10点 ジョジョの奇妙な冒険
人生で一番ハマった漫画。
「熱気」、「凄み」に溢れた傑作です。
「人生には『引力』がある」
「『覚悟』は死の恐怖に勝る」
この二つの価値観をこの漫画から得ました。
初めての方は4部から読めば入りやすいと思います。私もそうでしたし、一番エンターテイメント性が高いですから。
DIOvs承太郎
吉良vs承太郎&康一
吉良vs早人
ブチャラティvsプロシュート&ペッシ
は真剣に漫画史に残る名バトルだと思ってます。
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[投稿:2007-06-14 18:13:45] [修正:2007-06-14 18:13:45] [このレビューのURL]
10点 週刊石川雅之
短編集でこんなに面白いと思えたのはちょっと初めてかもしれない…。
絶妙にシュールな笑いと、温かみを演出できる石川さんに圧巻だった。
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[投稿:2007-06-14 16:53:30] [修正:2007-06-14 16:53:30] [このレビューのURL]