「」さんのページ

総レビュー数: レビュー(全て表示) 最終投稿: まだ投稿されていません。

いい漫画ですよね。
私が小さい時に姉の本棚にあったこれを読みふけっていたので、かなり思い入れがある作品。短編が連なっている構成で、起承転結がしっかりとしているのですごく読みやすいし読後感がいい。笑えて、泣けて、考えさせられてと括りは少女漫画だけど万人が楽しめると思う。

基本的には小5の拓也と幼児の実、それを見守る父親を中心としたホームドラマ。育児を中心としつつも色んなテーマが取り扱われており、全体的にかなり質が高い(銀行強盗の話だけは好きじゃないけど)。
脇を固める人物として拓也や実の同級生、ご近所さん、父親の同僚など大量の人物が登場するのだが、まあこいつらが揃いも揃ってあくが強い!羅川さんのすごい所はこの脇役達を暴走させずにうまく作品のテーマと絡めていった所だ。何気に大変だったと思う。後半は多少ネタが尽きたのかキャラ頼みの話も見られたが、それでも十分おもしろかった。特に藤井家絡みの話は鉄板ですね。

最終回は泣いた、確かに号泣しましたよ…
でも反則技というか安易というか納得しきれない部分はどうしてもあります。あまりにも唐突だったしありがちなのはこういう漫画の最終回が難しいからというのはあるのだろうけど、羅川さんならもう少しうまくやれた気がするんですよね。
ただ今まで育ててきたキャラだからこそあそこまで泣けたのであってそういう意味では最終回にふさわしくはあったのかもしれません。

誰もが楽しめて、気軽に読める良作品なので時間があればぜひ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-07-08 00:36:34] [修正:2011-10-27 17:51:39] [このレビューのURL]

地震予知ロボット:ピッピ
人の形を模して造られたそのロボットは、あらゆるデータを基に地震の発生を予測する。
データを直接脳に取り込むだけでなく、自らの行動から情報を得るためにも、彼の発明者の一人息子・タミオと遊ぶことはピッピには大事な習慣だ。
長くタミオと過ごしてきたピッピは、タミオが病気で余命1年あまりだと知る。しかし自我のない彼にとってタミオはあくまで一人の人間に過ぎず、特別な感情も抱くはずがなかった。
そう、1年を待たずしてタミオがピッピの目の前で事故死するまでは…

そしてピッピは沈黙する。己に生じたバグを取り除くために
そしてピッピは計算する。「タミオ」という、「人」という方程式を解くために…
そしてピッピは目を覚ます。タミオを0と1の世界へ分解し、自我を得て
そしてピッピは扇動する。地震予知以外の情報を解禁させるために
そしてピッピは進化する。あらゆる情報を取り入れて、彼は地震どころか人類の未来さえも占ってしまう
地震の「予言者」であったピッピは、人類を救うか、はたまた滅亡へ導く「預言者」へとなってしまったのだった…

「鉄腕アトム」を発端に、最近のSFではロボットが自我を持っているのが当たり前だ。ロボットには人並みの感性や心があるのか、を焦点に、ロボットに対する倫理を問う作品が多い。
しかしこの作品ではその前の状態、つまりロボットは自我を持つべきか、持って良いのか?が一つのテーマとして作中激しく議論されている。
人間以上の情報記憶力・収集力・演算力をもつロボットが自我を持つことで起きうる問題。
自我を持たないうちは、演算結果の予測や未来を、人間の判断で利用できる。確率が高くとも絶対はありえないから、その結果を用いなくたっていい。自我を持たないうちは、予知もロボットも「道具」として使えるのだ。
しかし自我を持てば、ロボットが全てを判断し始める。次々と未来を計算し、合理性を前面に押し出した判断には反論できない。人はそれに従う他なく、与えられた未来を生きねばならない。先が見えるということは、その結果に向かってしか行動できないということでもある。そう、本作のテーマは、ラプラスの悪魔、いわゆる「決定論」の真偽へ至ってゆくのだ。

ギャグ出身の地下沢先生の朗らかな画のおかげで堅苦しさを感じないが、雰囲気やノリはどこかシュールである。
預言者となったピッピが、人類をどこへ導くのか…人を救いたいと言うピッピとは裏腹に疑似人格のタミオはせせら笑うばかりで、全く予想できない。次巻以降も目が離せない恐ろしい作品だ。

(追記 2巻読了 点数8→9へ)
正直、ここまでの作品とは思いませんでした。10点は完結後につけさせていただきます。
ラプラスの悪魔なんてハイゼンベルクが不確定性原理を打ち出してとうに消えてしまった過去の遺物ですし、「どうせ最後は流行りの量子力学で解決すんだろ?」って冷めた見方もしてたんです。
量子力学ももう、大学の授業で習えるし定性的なことなら啓蒙本で誰でも理解できる。SFではもちろん、最近じゃゲーム(シュタゲなど)やラノベ(紫色のクオリアあたり)でも盛んに取り入れられているし、一体何番煎じなのか?そんな風にしか予想できませんでした。
2巻。最初もまだ「猿の惑星?」でしたが…

「ピレネーの城」とあの腕

鳥肌もんでした。
これはマジもんの傑作になると信じております。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-07-03 04:40:30] [修正:2011-10-27 02:40:57] [このレビューのURL]

フィクションもまじっているけど、そのエピソードや物語作りが
上手いので思わず本当の事だったかなと調べなおしてしまう程。
面白く読みやすく、それでいて歴史の勉強にもなる漫画かと。

原作者の武田鉄也が大の竜馬好きなので、竜馬が非常ーーに
魅力的にえがかれてて、良いところだけでなく、悪いところも
包めて好きになっちゃいますよね、つい。

竜馬だけでなく、あの情報が少なく混沌とした時代に先を見越して
自分だけでなく国の事を思える人々ってやっぱり凄いし、素敵です。
そんな彼らの魅力を上手に表現していると思います。
幕末ってホンマ面白い時代やなぁ。

数年ごとに読み返すのですが、何回読んでも途中から熱中して
読んでしまいます。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-19 21:08:00] [修正:2011-10-26 23:53:43] [このレビューのURL]

ひとことで言うと海洋冒険海賊戦闘浪漫娯楽漫画(なんだそれ)

かなりゆるい娯楽作でまったり楽しめる作品です。途中までは(笑)

設定や根幹のストーチーは空想ファンタジー。ただし細かい設定などを楽しむ種のヲタじゃない方に、より楽しめると思います。途中までは(しつこい)

ええとですね、今作は途中から週刊マガジンに掲載となり、最終的にはマガジンSP掲載に戻って終了したんですが、最初に週刊マガジンとなってから今作品の面白さであった陽気さや、いい加減さが無くなり、結果的にパワーダウンしてしまった感じがするんですよ。

いわゆるジャンプ的なバトルインフレ路線への変更が原因かと思います。その路線が好きな方なら全般通じて楽しめるかな?

絵柄は万人受けするタイプで、やや女性キャラの書き分けに難があるぐらい。お色気シーンもまあまあ数ありますけど、前年齢向けなので成人は期待しないように(笑)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-25 08:26:40] [修正:2011-10-25 08:26:40] [このレビューのURL]

一世を風靡した伝説のラブコメ、ではなくギャグコメディー

それまで無かったヒロインの設定(性格やデザイン)のインパクトで、伝説にまで昇華した稀有な作品です。

スラップスティックなギャグ漫画なのでストーリーやらオチやらは特に必要なく、要はワイワイガヤガヤしてるだけ、といえばそれだけの作品。というかそれがウリの作品。

このタイプは時事ネタに強いことが多いんですが、当時の世相よりは主として恋愛持ってきているので、今でも充分読むに耐えます。

ただ高橋先生のデビュー間もない連載作であるため、特に初期の頃は画力がかなり低いのが難点でしょうか。

テレビアニメ化により人気は爆発、映画も作られ、ラム語やヒョウ柄ビキニになど一大ムーブメントを起こしました。

後に続く漫画家に多大な影響を与えた作品でもあります。

10点以外、つけられないじゃん(苦笑)

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-25 08:07:33] [修正:2011-10-25 08:07:33] [このレビューのURL]

こうの史代の作品にハズレはないなぁ。何でそんなに安定感があるのかと考えた時、核にあるのはさんさん録や長い道に分かりやすい温かみじゃないかと思う。

参平さんみたいな老後がいいなと思うのは別に家事がしたいとかではなくて、老いても何かしら存在意義を感じていられたら生きている喜びが感じられるのではないかなってこと。
そりゃまあ趣味に生きるのもいいのだけど、他人に必要とされるのは人として大事な気がする。孫の面倒を見るのだって何でもいい、生活に張りがあれば参平さんのようにそれなりに楽しくやっていける。

妻に先立たれた参平は息子に勧められるまま、息子夫婦とその小学生の娘との同居を開始する。成り行きで参平は家事全般を担当することに。妻のおつうが残した「奥田家の記録」を頼りに参平の主夫生活が始まった。

参平じいさんのどたばたな生活を見ているのは楽しい。家事を「奥田家の記録」から学ぶ参平、時には、いやかなり頻繁に勘違いをやらかす参平、かなり変人な孫との微笑ましい?交流、時にはどきどきするロマンスもあったりして参平さんの老後はなかなかに忙しい。
この忙しいというのがすごく幸せな忙しさに感じられる。老後の生活に張りがあるというのは多分こういうことだ。

参平の家族も本当にいい家族。ちょっと現代的なライトさもありつつも優しい息子、もはやこうの作品常連とも言える天然な可愛い奥さん、そして気持ち悪いもの好きの変な孫。それぞれにとても愛おしい。

ちょっと興味深いなと思ったのは参平さんが常に妻・おつうを意識している所。参平さんは彼女に恥ずかしくない行いはしまいと思って生活している。
これってアメリカの「常に神は見ている」精神にすごく似ている。人の目はもちろん誰だって気にする。でもアメリカ人は誰も見ていなくても神が見ているからという意識はすごく大きいらしい。別に宗教に限らず、何かに恥じない生き方というのは一つの理想かもしれない。窮屈とも言えるかもしれないけれど。

こうの史代といえば夕凪の街 桜の国やこの世界の片隅にという名作のイメージが強いと思う。でもやっぱり何度も読み返して楽しい気分になれるさんさん録のような作品だってすごくいい。
本当にこんな老後を送りたいと思わせてくれた。まだ私はそんな年じゃないけど、羨ましいなぁ。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-25 00:37:33] [修正:2011-10-25 00:38:14] [このレビューのURL]

非常に繊細な中学生像を描いており、一つ一つの問題はくだらないのだが、ある部分で共感できてしまうので面白い。
鈴木先生というキャラクターは名前の通り没個性的な、しかし「良きスタンダード」として理想とされる教師といった存在となっており感情移入がし易い。
性問題、親子、人間関係も真っ向から冷静な視点で見据え、それぞれの登場人物の視点に立たせ心の内を覗かせる。同時に読者にもある内面の痛い部分にもメスがいれられるのである。このあたりの引き込ませる描写力は見事としか言いようがない。作品全体を通して感じられる部分である。


魅力的なキャラクタが多い鈴木先生だが、一方でその扱い方はあまり好みではなかった。顔の適当さで"良い"人間と"悪い"人間が区別できるのは分かり易いし、まぁ有りだとは思うのだが、あまりにも差が酷い。
具体的には椿とか、足子先生とかなのだが、なんのフォローも無く理不尽に劣った人間として描かれるのは不快であった(竹地あたり人間的に姑息な奴はいてもまあいいかと思えるが)。足子先生に関しては山センのエピソードでやったことを繰り返しただけでも疑問だったのだが、作者でも手がつけられない程暴走していたのに何故復帰させたのかがさっぱりわからなかった。
 そういえば、「鈴木先生」には狂人レベルまでいってしまう人物がまま出てきたが、一般的に見てそこまで悪人ではない、普通の人間がちょっとした間違いで道を踏み外してしまうパターンが多かった。この過程はリアリティがあって良いのだが、実際の人物の描き方があまりにも漫画的すぎて非現実的なものに映ってしまっていたのは残念な所、漫画的表現の使い方が巧くなっているだけに生じた歪のように思える。

 漫画作品としては、最初が良かっただけに後半には不満が残った。
「掃除当番」のエピソードがピンと来なかった(受け手の想像力の欠如ということではなく、「鈴木先生」の物語としてこれには違和感があった)ことや、盛り上がるはずの鈴木裁判が予定調和的で少し期待外れだったのもあるが、とにかく後半は文字の多さが苦痛だった。ゴー宣とかより多いんじゃないかと思えるほどの文字の羅列、もはや漫画ではない。しかもそれが、やられ役が語った論理を鈴木先生か誰かしらが論破するという形式としてパターン化されていて、先が見えているのに読まなければいけないのも苦痛であった。

結構クサしまくってしまったが、まぁ、不満があったにも拘らず引きつけて読ませる吸引力、作品の持つエネルギーがすごいってことで…

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-24 17:58:30] [修正:2011-10-24 18:02:00] [このレビューのURL]

家族と離別して人間不信に陥った少女が、青年と次第に心を通わせ、真実の愛を見つける物語(笑)。
(ほぼ作中原文のまま)

読む前は全く期待してなかったので、個人的にすごく意外。 まさかこんな面白いとは思わなかった。
作者の代表作である「HER」とかはちっとも合わなかった(むしろ途中で挫折した)のですが、
これは一体どうしたもんか。 ずーっとニヤニヤしっぱなしでした。

男に免疫のない女子高生がとある事情で同居することになった31歳イケメンは、全裸だった。
話の内容としては本当にこれだけ。
基本的に全編下ネタのシチュエーションコメディと言えなくもないですが、この作者は
言葉選びのセンスが抜きん出ていて、それがいちいちツボにはまります。
奇想天外奇天烈なボケよりも、類稀なるボキャブラリーを駆使して心の底からほとばしる衝動を
力の限りにぶつけるたえ子ちゃんのツッコミが痛快でテンポ良くてもう素晴らしい。

そんなたえ子ちゃんもどんどん壊れてきて、後半はまさかのラブコメに突入します。
どうしてそこでそうなるかな、っていう展開なのに、これがまた上手い具合にアホすぎて。(褒め言葉)
最後の方は完全にたえ子ちゃんが主導権握ってますからね。 この辺の描き方も面白いです。
ちょっとだけ残念なのは、個人的にもうちょっと長く読んでみたかったこと。
めちゃくちゃなのに力技で大団円に持って行ってるあたり、個人的には終わるのが早すぎたかな、と。

もちろん笑いの好みは人それぞれなので、特にこういうクセのある作品は万人向けとは言い難いですが
少なくともタイトルと表紙の絵ではこの内容はさっぱりわかりませんね。
この作品、女性からよりも男性からの方がウケが良いような気がします。
と言うかそもそも少女漫画なのかこれ。


また、短編「3322」も同時収録されています。 こちらは一遍変わってシリアスな話。
個人的にはこういうのはあまり好みではなかったです。
タイトルの「3322」の意味がパッと分かる(解読できる)のってギリギリ自分らの世代ぐらいまでかも。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-21 00:54:56] [修正:2011-10-22 01:32:12] [このレビューのURL]

地味なキャラばかりだけど、みんな好感が持てる
部員達の会話も面白いし、書道を通して起きるハプニングも楽しい
ただ、入部〜合宿辺りのワイワイやってる感じが一番面白くて、
最近の大会を意識した話はイマイチ
全国レベルの実力者と知り合うのが早過ぎるし、
部員達が格上の相手を意識し始めたせいで、漫画の雰囲気が変わってきてしまっている
序盤のようにもっとギャグをたくさん混ぜてのびのびと書道をやって欲しい

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-20 03:12:22] [修正:2011-10-20 03:12:22] [このレビューのURL]

はっきり言おう。スタトレ臭が好きだww

シリアス?ミステリアス?ホラー??
どーでもいいw

かの作品に共通した、曲折あって元の木阿弥。ってオチをきちんと再現している。よって、進展はほとんどない。それこそがスタトレ臭w
アノ、両さんも一攫千金を目指していろいろ頑張り、ほぼ手中にする。が、オチはやっぱり元の木阿弥。
もちろん、それでいい。
その程度の作品。
この作品を通して、作者が伝えたいメッセージなどないのだから。


したがって、ドコから読んでも問題ない作品であり、時間の経過とともに作風が大きく変わるということもない。
つまり安定感はある。
キャラも、女性中心で華やかさがある。
一応、メインとなるストーリーは牛歩ながら進んでいるし、打ち切りが決まるまではだらだらと引き伸ばし、決まり次第、ストンと決着を付けることもできるだろう。

キャラの衣装にほぼバリエーションがないトコロは残念。
その意味、竜ボールのブルマって、画期的だったのかもしれないなー
キャラに数がいる上、顔での書き分けがほぼない。その上衣装まで変化させたら読者がついていけない可能性もある。
んが、
是非挑戦してみて欲しいものである。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-10-16 05:03:57] [修正:2011-10-16 05:03:57] [このレビューのURL]

点数別のレビュー表示

月別のレビュー表示