「」さんのページ

総レビュー数: レビュー(全て表示) 最終投稿: まだ投稿されていません。

ジャンプ黄金期を支えただけあって凄い作品だと思います。
大魔王を倒して世界を救うという目的を一貫して終了
させて、引き伸ばし感はありませんでしたし。

RPG的王道少年漫画ですが、
勇者ダイが人間じゃないということで、恐れられるシーン、
ラスボスから自分を倒すとさらにそれを受けるという指摘に
反論しなかったシーンなど、少年漫画的じゃないブラックな要素
もあって印象に残りました(ダイの最後も)。

ストーリーの組み立てが上手く、なかなか飽きさせません。
伏線もミストバーン、キルバーン辺りに驚くものもありました。

脇キャラからもう一人の主役と言ってもいいくらい成長を遂げる
ポップやラスボスとしての風格、大義を維持し続けて、最後の最後
まで小物化しなかったバーンなどキャラ達の魅力も上手く描かれています。

画力は少し古いですけど、それでも今でも読めるくらい十分な高さはあります。

欠点はヴェルザー関連をそのままにして終えたことと、
あれだけ死んだと思われてた唐突にも見えるアバン先生の実は
生きていた展開くらいでしょうか。
それでもメッセージ性も強く高く評価したい作品です。





ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-12-14 01:47:02] [修正:2011-12-25 02:06:20] [このレビューのURL]

私の中では不朽の名作。
その完成度は他の追随を許さない。
これ以上の作品に今後出会えるのだろうか。

根底に流れるのは重く、辛く、悲しいストーリーだけど、それを稲中より培かわれた抜群のユーモアセンスで絶妙に中和している。
悲惨な境遇に振り回されながらも、たくましく、明るく生きる主人公たちには本当に勇気付けられた。

最後の「お前がイトキンを殴るなー!!」は、心に残る名シーン。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-19 23:53:04] [修正:2011-12-19 23:53:04] [このレビューのURL]

10点 寄生獣

構成が素晴らしいです。読み終えた時に改めて「あ、これ面白い」って思う。そして、人間ってなんなの?といろいろ考えさせられる、なぜかそのように感じる仕掛けになってます。また、読んでる時のドキドキ感は何とも言えないものがありますね。んーこれは読まないと分かんない気がする。ぜひ読んでほしいと思う作品。

いろいろ考えて10点

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-03 19:07:51] [修正:2011-12-17 01:11:51] [このレビューのURL]

あずまきよひこはキャラ立ちさせるのが本当に上手だなぁ。
主役陣はもちろんのこと、三姉妹のそれぞれの友達の性格まで
読み手にこの子はこういう子って把握させてくれるんだもの。

登場人物女の子が多いけど、彼の作るかわいい女子キャラって読者に
媚びた感じがしないので女性にもウケるんじゃないのかなぁ。
バランス感覚が絶妙だよね。

よつばを通じてそこいらにあふれている日常の面白さを再発見
させてくれるだけでなく、そのキャラ達が絡んで作る人間関係までも
楽しませてくれてます。


最初の方はよつばの最強っぷりが異次元な感じがしたのですが、
巻がすすむにつれよつばにも普通の子供と同じく嘘をついたり
ワーワー泣いたりダメなところがあったり、敵対する相手(ヤンダ)
が出てきたりして、共感できるようになりました。
が、はちゃめちゃっぷりが減ってきて普通の元気な子供になりつつ
あるような気がします。(11巻まで既読)



個人的にすごく気になること。綾瀬家の玄関の鍵って開けっ放しなん?
女の子(しかも三人ともめっちゃかわいい)だらけの家なのに…。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-12 23:04:39] [修正:2011-12-12 23:04:39] [このレビューのURL]

ガイドブックが出てしまうくらい多くのエピソードを持つウルヴァリン。彼最大の謎がまさにそのオリジン、ヒーリングファクターによって年をとらず、おまけに度重なる洗脳によって記憶が残ってなかったり混乱しているわけです。
この企画がウルヴァリンZEROの映画に合わせてだったか、原作レイプな映画化されるまえにこっちでやってしまえという思惑だったかは忘れましたが、ウルヴァリンの過去は謎だからこそ面白いわけで、それ自体がキャラクターのアイデンティティとなっているわけです。その謎を明かしてしまうのは明らかに蛇足、手品の種明かしみたいなものではないかと思ったりします。実際企画を出した時ライターたちからは大反対を受けたとか。
反面そういった声があることを承知しつつオリジンをやろうと踏み切ったのは勇気ある行動だとも言えるでしょう、キャラにあぐらをかいてマンネリになるよりはいいのかもしれません。

肝心の作品としての完成度は、無難な所でしょうか。全体的に古い映画のようなシナリオで、ヒーロー物という感じは薄い。もしかしたら新規読者も読みやすいかも。
最大のマイナスポイントは出オチ感…ミスリード狙いすぎてバレバレだったし、あの貧弱ぼっちゃんがウルヴァリンてのもちょっとかけ離れすぎだ。加えて物語も、ウルヴァリンへと変化する動機付けとしては弱い。
キャラクターの過去を語るのだったら、現在につながる後付け伏線をもっと用意してもよかったのではないだろうか、ローガンの赤毛好きくらいしかつながってないような。
このストーリーによって特にウルヴァリンというキャラクターの肉付けがされたされたようにも新たな魅力が引き出されたようにも思えない。特に読む必要は無いなーというのが素直な感想。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-10 11:31:03] [修正:2011-12-10 11:36:16] [このレビューのURL]

9点 竹光侍

 先日江口寿史の背景論についての議論がツイッター上で巻き起こっていたのは記憶に新しいところ。色んな漫画の描き方があるわけだけど、現在の漫画がどこへ向かっているかというと、大きな流れとしてはデジタルに向かっているのは間違いない。その程度は置いといても、全く使ってない人の方が少ないくらいかもしれない。photoshopなんかのデジタルで漫画を作るソフトが普及してきたということも影響しているのだろう。

 デジタルが登場する以前を考えると、漫画とは要はペンとトーンで描かれていたわけで、漫画の進化とは画法の進化であると共にトーンが進化してきたという面も少なからずあると思う。服の柄、影、背景、様々なトーンと様々なトーンワークを漫画の中で見てきた。
 でも正直な所、個人的にはトーンに惹かれたことはなかった。何でかは知らない。明らかにトーンの使いすぎでトーンが絵から浮いてたりするような漫画は論外としても、漫画としての見やすさや洗練度はともかく、“絵”としてトーンを使った絵を気に入ったことってなかったと思う。
 
 それもこの竹光侍を見るまでということで(>前置き長いな)。松本大洋は竹光侍において、絵に専念できるということもあってか、自身の集大成のように様々な技法で絵を描いている。独特の朴訥としたタッチはもちろん、墨で描かれた大胆で迫力抜群の絵もあり、ナンバーファイブ 吾で見られた木版画のような雰囲気の絵もある。
 そしてトーンの使い方。単に切って貼るのではなくて、貼った上に濃淡を変えて墨で色をつけたり、一部だけこすってかすれたような雰囲気にしたり、それらを組み合わせたり、かと思えばまっとうな使い方をしたり、あまりに変幻自在のトーンワーク。もはや松本大洋はトーンを模様として見ていない、切り絵のような、そんなもっと幅広い使い方をしている。

 元々松本大洋の絵柄や技法というのは固定されていないけれど、この竹光侍の絵は場面によってころころ変わる万華鏡のようであり、“キメ”の絵ではそれらがフルに駆使されてもはや芸術とも呼べる絵を堪能できる。
 アーティスティックとはまさに松本大洋のような人のことだよなぁ。既存の表現を取り入れ、さらにそれらに捕らわれずに新たな表現を模索する人だけが、新しいものを作り出せる。本当に素晴らしい。
 
 物語はそんなに凝ったものではない。でも漫画において必ずしも物語って傑出したものである必要はないわけで。永福一成の原作は、絵を優しく盛り上げる。松本大洋の魅力は個人的に“静と動”にあると思っていて、それらを最大限に引き立てるという点で絵とこの物語はぴったりと調和している。
 
 「とーん」と音が響き渡り、ネコはしゃべる。剣はうねりをあげて肉を切り裂く。宗一郎は鬼となって鬼と闘い、最後は鬼から解放される。美しい時代劇は美しいハッピーエンドでおしまいとなる。
 それにしても何と愛おしい江戸の町とそこに住む人々。最終回では大事なものが失われてしまったようで、切なくなった。でも変わってしまうものだからこそ価値があるし愛おしいのだ、多分。読み返すと彼らはそこにいる。

 竹光侍は、これ以上ない“粋”な時代劇であると共にアナログ漫画の一つの頂点だ。次に松本大洋の絵が進化するのはデジタル技術を上手く絵に取り入れた時と私は予想しているのだけど、どうだろう?…と思えばSunnyで水彩画の技法を使ったりもしているから松本大洋は油断ならない。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-08 20:57:24] [修正:2011-12-08 21:28:21] [このレビューのURL]

始終分からないことへの恐ろしさ、意図しないことが起こる恐怖を追及した作品だと思いました。

ヒトってじれったいほど何を考えてるか分からないし、自分勝手。でも自分自身だって怖いぐらいよく分からない。
そもそも今起こってること、地震だったのかもよく分からないし、富士山が噴火したのか、秘密にしていた核が爆発したのか、もしかしたら日本だけじゃなく世界が滅びたのか、いっそそれ全部が一斉に起こったのか、何なのかも分からない真っ暗闇。
とにかく分からないことが起こって、しかも知っていけば知っていくほど、生きれば生きるほど絶望していく。それがありありと僕に伝わってきてハラハラして「あぁ、これが絶望か」って

でも、どんなに絶望的になっても、テルと瀬戸さんが2人一緒にいるときは、本当に心からほっとするんだよねぇ。なんでだろ?

いろいろ考えて9点

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-02 23:55:19] [修正:2011-12-07 01:13:38] [このレビューのURL]

主人公の関根くんは2巻まで、ひたすら痛々しいです(端から見たら不憫すぎて逆に面白いのですが)。
自分の心にも周囲にもきちんと向き合ってこなかったため、遠くから眺めている分にはとても魅力的で満たされているように見えるのに、彼の内面に近づけば近づくほど本当は空っぽで痛々しいのが分かってしまう。
ところが3巻目で関根くんの内面に大きな変化が!彼が自分の気持ちを自覚して意識的に行動したのって、これが初めてなんじゃないかっていうくらい不器用ですごくハラハラしてしまいます。
関根くんがそんな風に変われたのって、サラちゃんのおかげなんだろうなとしみじみ思います。これまで関根くんの周囲にいた人たちは基本的に、外から見た印象と勝手な思い込みに留まり、彼の内面に踏み込もうとも、まっすぐに向き合おうともしてこなかった。けれども、サラちゃんは関根くんについて不思議に思ったこと・良くないと思ったことを本人に指摘し、彼女なりの方法と言葉で向き合ってきた。関根くんにとってそういうことしてくる存在、(特に女性では)初めてだったんだろうな?。
3巻での彼の空回りっぷりが可笑しくて気の毒で、そしてなんだか愛しく思えます。関根くんの恋が実を結びますように!

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-02 16:58:28] [修正:2011-12-02 16:58:28] [このレビューのURL]

読み進めるごとに徐々に謎が解き明かされ
それと同時にまた新しい謎、新しい伏線が出てきて
少しづつ、この世界の輪郭が明らかになっていくという構成が良い。

登場人物も単純な善悪に分かれておらず
様々な立場の人物や組織が、それぞれの思惑を持って行動しており
その時々で敵対したり共闘したりと
変化していく人間関係も面白かった。

漫画という媒体で、ここまでストーリーを膨らませ、謎を散りばめながら
伏線をキチンと回収し、だれることなく物語を収束させたのは凄いと思う。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-12-01 20:12:03] [修正:2011-12-01 20:12:54] [このレビューのURL]

零細街金の冴えないサラリーマン春居。
日々店長や同僚に舐められながら顧客の為に汗をかく。
しかし、それは世を忍ぶ仮の姿。
その真実は法で裁けない悪を裁く魔術師ドクター・フー。
散りばめられたマジックの小ネタが楽しく、お裁きではさらにド派手なマジックが映える。
サラリーマンの日常編とドクター・フーのお裁き編のコントラストは陳腐とはいえ解りやすくて面白い。

中盤からはドクター・フーの背景設定が明かされていき、
彼が悪を裁くのには理由があり仲間がいることがわかる。
彼らはクロブチ機関を名乗る一味で、政界の黒幕クロブチという男が、
日本を掃除するためワケアリの男女を集めた、
暴力と犯罪による正義の執行を旨とした組織であった。
ドクター・フーはその一人というわけ。

終盤では春居でもなくドクター・フーでもない。
彼自身の戦いを描く。

基本的には大した話ではないが、そこは細野不二彦。
人間の醜い部分を嫌にならない程度に織り交ぜて読んでいて飽きない。
強引な結末もキャラクターに感情移入できていれば許容できる。
良い意味での娯楽漫画と言える。

*雑考
主人公ドクター・フーははっきり言って気持ち悪い。
3億円の豪華マンションに住み夜景を見ながら裸で筋トレしている。
キメ台詞「この債権有効なりや?」もどうかしているとしか思えない。
しかし、それでもなお言動に憎めないところがあって、それが作品全体の救いになっている。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2011-11-29 22:12:32] [修正:2011-11-29 22:16:03] [このレビューのURL]

点数別のレビュー表示

月別のレビュー表示