「」さんのページ
7点 七夕の国
骨組みが非常にしっかりしている作品。
最初の段階からかなり細かい設定を考えていたんだろうなぁ。
独自のミステリアスな雰囲気と謎だらけのストーリーでぐいぐい読ませる。
ささいな事件から物語は始まるが
最終的には壮大なスケールのSF漫画になっている。
この漫画のもうひとつのみどころは丸神頼之の存在力。
物語の最終段階まで彼の真の目的がわからなかったけど、4巻での
「つまりこれは『窓』ではなく、『玄関』ではなかったのか、とね」
このくだりだけで自分の中の丸神頼之の印象が一変した。
何百年にもわたる常識や悪夢に縛られず、自らの仮説を信じ命を賭ける。
思考停止をし歴史に従うよりは命を賭けてでも真実に近づこうとする頼之は魅力的だ。
はてして頼之は異星人の住む星へと行くことができたのだろうか。
もし会ったとしたら彼は異星人に何を話すだろうか?
あるいは彼がしたことはただの自殺だったのだろうか
読み終わってもいろいろと想像させてくれ余韻を残す名作
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2005-04-07 17:17:16] [修正:2005-04-07 17:17:16] [このレビューのURL]
8点 ジョジョの奇妙な冒険
この作品の最大の魅力といえば、やはり「波紋」や「スタンド」といった独自の超能力を使った、少年漫画ではあまりお目にかかれないハイレベルな知能戦が繰り広げられている戦闘シーンの数々。敵が勝利を確信したその時!ジョジョはすでに勝利しているのだ!
その戦闘シーンを含め、先の展開を読むことができない物語、圧倒的な個性を持つ(というかちょっとイカれた)魅力的なキャラクター達、そして一見嫌悪感を覚えるが、しかしアーティスティックともいえるあの絵、それらがうまく調和した結果、この傑作(奇作)「ジョジョの奇妙な冒険」は成り立っているのだ。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2005-03-27 16:00:21] [修正:2005-03-27 16:00:21] [このレビューのURL]
6点 賭博黙示録カイジ
「アカギ」や「金と銀」などで心理戦、頭脳戦を書くことに関しては定評のある福本伸行が贈る本格ギャンブル漫画。
この漫画、知ってるが絵が嫌いなので読んでない、という人もいるかもしれない。
だが、それに耐えて読み進めてみればその嫌いな絵すらも気にならなくなる面白さが待っている。
(むしろ、人によっては読み進めるにしたがってあの絵に愛着すらも沸いてくるだろう!)
タイトルに「賭博黙示録」とあるが、この漫画の中で行われる賭博(ギャンブル)は
一般的に「賭博」という言葉から連想されるであろうものとは一線を画している。
例えば第一章では、この漫画オリジナルの「ジャンケンカード」というギャンブルを主人公たちが行うことになる。
ジャンケン、と聞くと単純そうに思えるかもしれないがこの「ジャンケンカード」は実によく練られている。
知略の限りを尽くし、心理戦を制することができなければこのゲームで必勝することはできないのだ。
敗北は許されない。敗者に待っているのは数十年続くであろう強制労働だ。
さらに、ゲームが進行するにつれて進んでいく裏切り、疑心暗鬼。
そんな中、主人公カイジはゲームのシステムの抜け穴を突いた驚くような策略を次々と生み出してゆく。
まさに手に汗を握る展開!
その緊張感に加えて、一体カイジはどうやってこの状況を切り抜けるんだ、という期待感、それにカイジが勝利したときの爽快感。
これらを味わった時、絵のせいでこの漫画を読んでなかったのがいかにバカらしいことだったかがわかるだろう。
ジャンケンカード編以後も「電流橋渡り」「eカード」「ティッシュ箱くじ引き」など様々なオリジナルのギャンブルで楽しませてくれる。
だが、やはりジャンケンカード編が一番面白く、話が進むごとに失速してる感は否めない。
よってジャンケンカード編だけなら文句ナシで7点レベルだが、そこらを考慮して6点としておくことにする。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2005-03-26 00:43:51] [修正:2005-03-26 00:43:51] [このレビューのURL]
9点 エマ
英国文化圏の階層格差は、日本の士農工商どころではなく、英国に二つの
国があると表現されています。
作品は階層差を越えた純愛物語が骨格にありますが、少女漫画風恋愛に
重点は感じられないところに、私を含めた男性の支持を得た理由でしょう。
恋愛内容は、海外に売られそうになるヒロインを救い出すヒーローの
お話など、一見劇的ではありますが、概ね淡々と描かれており、なぜ恋に
落ちたのか、なぜ障壁を越える熱情にかられるのか、その辺りは淡い
想いとしてスルーされた印象です。
それでも、なお本作品は貴族や下階層のメイドや使用人の心情を細部に
わたり表現されており、登場人物と英国文化への共感を与えます。
ヒーローとヒロインはあくまでも慎ましく清潔であり続けるにも関わらず、
最終話での登場人物たち総出の大団円は、見事な感動を呼ぶ不思議さを
感じさせます。
こんなに淡く透明な幸福感の表現方法があったのですね。驚きました。
文句なしの良作です。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2024-10-16 07:43:30] [修正:2024-10-16 07:43:30] [このレビューのURL]
7点 喧嘩ラーメン
土山しげる氏は、作家人生の前半をバイオレンス系極道漫画で名を馳せました。
しかし、2000年前後からはグルメ漫画に転身し、成功を収められています。
この「喧嘩ラーメン」は1995年に連載開始で、まさに極道ものと
グルメものが融合された作品になっております。
人生の転機になった作品と言えます。
逆に、グルメ漫画としてのデビュー作とも言えます。
ラーメンに焦点を絞って、しかもトンコツに絞って、道を究めるために
修行の旅に出かけるという展開になります。
今となっては、料理修行のために全国各地を旅する展開は珍しく
ありませんが、意外とページをめくる手が止まりません。
読み終えると、また別の作品に手が伸びる痛快さが、土山さんの作品にはありますね。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2024-06-01 09:02:08] [修正:2024-06-01 09:02:08] [このレビューのURL]
今やってるサッカー漫画の中では最も面白い傑作。
かつて天才と謳われて、ケガするものの這い上がった主人公や、
精神がねじ曲がったままサッカーをする桜庭など、
今までにないキャラがいて新鮮味があって面白い。
サッカーの戦術も俯瞰で描いたりと見せ方に工夫されて
いてわかりやすい。今後も楽しみだ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-01-11 20:46:24] [修正:2024-05-31 09:32:32] [このレビューのURL]
非常に貧乏ながら明るく生きる主人公とばあちゃんの姿に
励まされる。風景描写もなかなかで臨場感が感じられる。
漫画化作品としては合格でしょう。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2022-02-11 10:57:48] [修正:2024-05-31 09:11:35] [このレビューのURL]
7点 愛と誠
今だったら大真面目に馬鹿をやってる作品として評価されるでしょう。
登場人物が本気で行動しているので結構笑えてくる。
ただ、読ませるパワーがあって先の読めない展開にハラハラさせられた。
ながやす先生の画力もそれをプラスしている。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2021-07-09 09:23:19] [修正:2024-05-31 09:10:34] [このレビューのURL]
5点 ジョジョリオン
20巻以上続けていまいち盛り上がりがないのと、
分かりにくさパワーアップなスタンドバトルの数々は
荒木ファンの自分もちょっと擁護できないな。
荒木先生も年を取ったなあと思いました。
第9部があるなら奇をてらいすぎずに分かりやすいバトルを描いて欲しい。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2016-01-31 15:02:39] [修正:2024-05-30 22:50:58] [このレビューのURL]
何と言うか、上っ面だけな漫画でしたね。
ひたすら衝撃的なシーンを多く出していて、ストーリーに
深みがない。正直言って「児童誌のベルセルク」の異名は
過大評価と思う。あと、キャラの絵も不安定なのもいただけない。
ゲームをやっていないと理解しにくいのもマイナス。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2015-09-20 22:42:51] [修正:2024-05-30 22:16:20] [このレビューのURL]