「とろっち」さんのページ

総レビュー数: 300レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年10月09日

「まんまんちゃん」とは「なんまいだ」、つまり「南無阿弥陀仏」のこと。
「あん」とは、幼児語で仏様に手を合わせて拝む意。
要するに、現代の寺を舞台にした珍しい題材のホームドラマです。

とは言え、この作品、とにかく痛い。
寺の利権争い、檀家向けの営業、そして後継者問題。
夢も希望も清廉さも高潔さもなく、日本仏教界の裏側や問題点を現実的に、痛烈に描いています。

寺は「法人」であり、住職はあくまで従業者。
自分の親縁が世襲できなければ、寺から追放される目に遭いかねない。
そのためにそれぞれの思惑が絡み合い、ドロドロの話が展開されていきます。

ヒロインのめぐりは元気いっぱいで無邪気。だが、貧乏な家庭に育ち、家に居場所のない彼女は、
「寺に居続けられるなら誰と結婚してもいい」と恐ろしいまでに現実的な選択をしようとします。
そして彼女を奪い合い、騙し合う坊主たち。

とにかく読んでいてどの登場人物に共感するのも難しいです。
でもそれも作者の狙い通りなのかもしれません。
仏教界という一見清貧で厳格に思える世界でも、人間が絡むとどうしても生まれてくる醜さやエゴ。
この作者はそういうのを描くのがやっぱり上手いなあと思います。
ただ、再読したくはないです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-25 20:08:57] [修正:2010-04-27 01:04:16] [このレビューのURL]

5点 RANGEMAN

2巻ぐらいまでは本当にきついです。
主人公の暴走っぷりに何の魅力も感じられません。
読むのをよく止めなかったって自分で自分を褒めてあげたいくらい。

その後はヒロインもちゃんと話に絡んできて面白くなってきます。
でもそもそもの設定が良くなかったのかもしれません。

恋をして変身すると忘れるっていうのは、要するにキャラの使い捨ての繰り返し。
何も後に残らないです。

戦隊モノとしての前半より、ラブコメになった後半の方がずっと面白いです。
ただ、サブキャラに存在感がないし、戦隊モノもほぼなかったことになってるので、話が広がらず、
結果、打ち切り。

ちゃんと話をまとめて、はっきりとした方向性を打ち出していれば、
結構良い作品になったような気がします。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-25 00:34:23] [修正:2010-04-25 00:34:23] [このレビューのURL]

本編(3巻まで)とオムニバス(4巻)から成る大災害パニックもの。
常にその可能性が取りざたされている、東京で大地震が起こったら、という設定。
災害の恐ろしさ、パニックになった人々の醜さ、そういう状態でのちょっとした親切のありがたみなどが
リアリティをもって描かれています。
トイレの確保や配給物のもらい方等、災害時のトラブル対処法として役に立つかも。

政府や自衛隊、地質学者などを絡めたマクロな視点もあるにはありますが、
主に描かれているのは、災害のなか道端で右往左往する人々の動向といったミクロな話。
東京壊滅といった大きなテーマを扱っているだけに、話の展開としては物足りなさを大いに感じます。
見せ方にしても、「災害時はこんな大変なことが起こりますよ」というのを見せつけるのが
目的であるかのように感じられてしまい、話にそれほどのめり込めなかったのが正直な感想です。

4巻のオムニバスはあまり存在意義を見出せませんでしたが、台詞なしの話はとても良かったです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-11 20:12:26] [修正:2010-04-11 20:15:01] [このレビューのURL]

5点 菫画報

つっこみどころのないギャグ漫画。

読者にウケるための展開というよりは、反応を気にせず、とにかく投げっぱなしな感じ。
それが妙なテンポと雰囲気を作り出し、独特の魅力を醸し出しているのかも。
読んでいると不思議とそのまったりした雰囲気が居心地よくなってきます。

が、やはりこの絵は好きになれません。これはもう個人的な好みの問題。

先人の偉大な作品に対するオマージュが所々にちりばめられていて面白いです。
主人公の名前なんかもそうなんでしょうかね。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-04-11 20:02:46] [修正:2010-04-11 20:05:56] [このレビューのURL]

旧作とまとめてこっちで。

妖怪がたくさん出てきて、バトルがあって、ハーレム要素まで兼ね備えた学園ラブコメ。
いろいろな良いとこ取りの作品ですが、
広く浅くという印象で、何だか全体的に薄っぺらい感じです。
ヒロインの二重人格っぷりラブコメなんかは、3×3EYESを意識しているのでしょうか。

ジャンプ系の作品ではバトルものに移行して成功しているものも多いですが、
ここまでバトルが蛇足だと思える作品は逆に珍しいのでは。
妖怪たちのドタバタでベタベタなラブコメはそれなりに面白いんですけどね。

世界観や雰囲気は良いだけに、考えようによってはもっと面白くなるかもしれない作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-04 22:12:38] [修正:2010-03-04 22:14:09] [このレビューのURL]

ドラゴンボールど真ん中世代の自分にとって、当時Vジャンプなどをむさぼり読んでいた頃の
懐かしい作品が詰まっています。
いま読むとかなり時代を感じますね。

「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」の影響力が、読者にも、そしておそらく作者にとっても大きすぎて、
その呪縛から抜け出せていないのかもしれません。
もうどの短編もDr.スランプかドラゴンボールの二番煎じに見えてしまうんです。

とは言え、他者の追随を許さないほどの素晴らしい画力とセンス。
これぞ鳥山ワールド。
おそらく2巻あたりが、溢れるような才能を存分に駆使し、
描きたいものが描けていた頃ではないでしょうか。

紛れもなく、圧倒的な天才だったと思います。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-03-04 21:52:10] [修正:2010-03-04 21:54:46] [このレビューのURL]

基本的に一話完結で繰り広げられる、テンション高めのドタバタラブコメ。
タイトルはこんな感じですが、本編にあまりメイドは関係なく、あくまでも学校生活が中心です。
メイドは主人公のキャラを引き立たせるアクセントといったところです。

どんなことでも全力で頑張るツンデレ主人公と、全てにおいて完璧すぎるモテ男。
ありがちな設定ではありますが、話のテンポが良く、読みやすいです。

心に残る宝物のような作品にはなりづらいかもしれないですが、軽ーく読めて楽しめる作品です。
言葉を替えれば、「この作品じゃなきゃダメ!」という押しの強さ、強烈な個性が
あまり感じられないです。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-02-02 21:18:04] [修正:2010-02-02 21:20:54] [このレビューのURL]

文明が崩壊した島での少年たちのサバイバルを描いた作品です。

最初の頃は良質のパニックサスペンスだったのですが。
赤く溶けた太陽、欲望を引き出された大人たち、そして亡者と化した人間といった
非現実的なものが作品の中核を占めてくるにつれ、
リアリティや緊迫感がどんどん失われていったのが残念です。

すっきりとした終わり方をしていて読後感は悪くないです。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-01-28 21:13:04] [修正:2010-01-28 21:13:04] [このレビューのURL]

鉄道オタク、通称「テツ」を題材にした、本格ミステリー作品。
原作は綾辻行人ですが、良くも悪くも佐々木テイストに溢れています。

自分が通勤で使っている電車は、在来線では新幹線の次に速いらしく、
その道の人々に密かな人気だそうです。
帰宅時間に、先頭車両や最後尾の車両に乗ろうと待っていると、
毎日のように誰かが写真を撮っているのを見かけます。
ホームで三脚とか普通に使ってるんですよね。大きな駅で人がたくさんいるのに。
最初はビックリしましたよ。もう見慣れましたが。

なんて本当にどうでもいいことしか思い浮かんでこないぐらい可もなく不可もなくな作品ですが、
とりあえず感想を一言。
この人の画風はやっぱりサスペンスには合いません。以上。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-27 22:14:12] [修正:2009-12-27 22:14:12] [このレビューのURL]

元は児童向けミステリー小説とのことです。
小学6年生の夏休みの出来事を、小学6年生の視点で描いた作品ですが、
もちろん大人が観賞しうる出来になっています。
ミステリー部分があっさりしすぎているのが残念。
漫画版オリジナルキャラの委員長がいい味出しています。

夏には始まりがあれば終わりもあります。
始まりの楽しさは伝わってきますが、終わりがあっけなさすぎです。
夏の終わりの儚さをもっと押し出してもよかったのでは。
夏休みなんてそんなものだと言われれば、そうかもしれませんが。

夏休みは小学校高学年ぐらいが一番楽しいかもしれませんね。
自分が小学生のときも、夏休みは本当に楽しかったように記憶しています。
読みながら思い出に浸ってみるのもいいかもしれません。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-12-11 21:36:40] [修正:2009-12-11 21:36:40] [このレビューのURL]