「」さんのページ
9点 預言者ピッピ
2巻が読めた喜びをかみ締めて。
イムリと並んで私が今一番楽しみにしているSFコミックがこの預言者ピッピ。名作となりえそうなSFを現在進行形で読めるというのはまた他のジャンルと違った喜びがある。何でだろうね、とにかく“今”読めることにわくわくする。
ピッピは世界中のコンピューターから情報が集められる地震予測ロボット。その予知はほぼ100%の可能性で的中し、多くの人を地震の被害から救っていた。
ピッピの親友であり、弟のような存在でもあるタミオは彼自身も知らない不治の難病で近い未来死ぬ運命にあった。しかし予想もしえない事故でタミオは亡くなってしまう。その時、ピッピの頭脳に変化が起こった。
地震から世界を、人類の未来を預言するロボットに…。ピッピの語る信じがたい預言は世界に何をもたらす?もしくはそれさえも預言の範疇なのだろうか?
サイバーパンクやハードSFももちろん大好きだけれども、シンプルな設定から色んな方向に深化していく物語を楽しむのもSFの醍醐味の一つだ。完全なる未来予知は何を生むのか、当初のテーマに収まりきれないものを現在この作品は獲得しているように思う。
預言者ピッピにこれぞSF!という程の装飾はない。そのガジェットだって既視感ありありのものなのに唯一無二の物語に仕上がっているわけで、オリジナリティがあるのは道具ではなくてその使用法の方だろう。
預言者ピッピはSFの厳選された素材を存分に堪能させてくれる。読みやすく、そして何より味わい深い。
正直2巻が刊行される時、猿の惑星:創世記と似たような展開になるんじゃないかと一抹の不安を感じていた。実際には全くの杞憂に過ぎなかったということで、私の浅はかな不安を軽々と飛び越してくれた。話はさらに混迷を深め、どこに帰結するのかさっぱり予想も出来ない。オカルティックな要素さえ完全にSFの範疇に収めてくれるという確信はあっても不安はない。ただただわくわくしている。
そう、結局SFに一番求めているものってわくわくなんだなと預言者ピッピを読むと本当に思う。科学に、それが生み出すものと未来に、未来に生きる人間に惹きつけられて物語から目を離すことは出来ない。
自分で考えて行動できる人間でいたい。そんな望みさえ幻想だとしたら…本当に怖いと思いませんか?
もし自分であったらどんなことを考え、行動するのか。いや、そもそも考えることが、行動することができるのか。これはやっぱり“今”読むべきSFだと思う。いつ出るとも知れない3巻に期待して、この希代のSFとは気長に付き合っていくつもりです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-11-13 20:17:51] [修正:2011-11-13 20:17:51] [このレビューのURL]
9点 寄生獣
高校生のころに読み、大人になってからも1回読みましたが、
かなり面白いです。
市庁での戦闘がすごく印象に残っています。
ショットガンでなんとか倒してたり、
後藤が強すぎたりと
1番最後は人との対決っていうのはあれかもですが
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-11-13 16:49:40] [修正:2011-11-13 16:49:40] [このレビューのURL]
帯に書かれている通り、DKRのフランク・ミラーが贈る“男泣き必須の伝説的名作”。
泣く、と言っても色々ある。人が死んだ時、別れる時、夢が叶った時、などなど色んな場面で人は泣く。
このデアデビル:ボーンアゲインは男泣き必須の名作と言われる。それは大人の男の生き様に涙するということだ。これってかなり凄いことじゃないか?
デアデビルはマーヴル社のヒーローの一人、放射能によって視力を失った代わりに触覚や嗅覚などの超人的感覚を得たその名の通り恐れを知らない男。デアデビルの素顔はニューヨークのヘルズキッチンに住む弁護士、マッド・マードックだ。
しかしかつての恋人カレンが薬物欲しさにデアデビルが誰なのかを明かしてしまう。デアデビルの正体がマードックだと知った宿敵キングピンはマードックから仕事を、金を、友人を、そして終にはデアデビルを、精神の平衡すら奪ってしまい…。
ボーンアゲインは再生、復活を意味する。そう、ボーンアゲインはデアデビルの失墜と再生を描いた物語。
これを読めばヒーローが何故コスチュームを着て、顔を隠すのかが嫌でも分かる。ヒーロー自身は、デアデビルは恐れを知らない男かもしれない。でもマッド・マードックはそうではない。彼には彼の生活があり、大事な人がいるのだから。そしてデアデビルはマードックありきのものだ。
キングピンはマードックから全てを奪う。本当に全てを。しかし完全に折れ、絶望してもなお彼は…。
何故ここまで熱くなれるのか。それはデアデビルではなくマードック、そして新聞記者のユーリックやカレンも共にどん底から這い上がる物語であるからだ。ヒーローが立ち上がるんじゃない、マードックや彼らが力を振り絞って立ち上がる。ただの人間だからこそ、ぶちのめされてぶちのめされて、絶望の果てにもう一度…という姿に勇気をもらえる。
そう、恥ずかしげもなく言うと勇気をもらえるのよ。かつて少年漫画を読んでいた時のように。でもこれは“大人”が読んで勇気をもらえる物語。男の物語。
最後の方は様相が変わって、デアデビル復活直後の話になるわけだけど、こちらは焦点がぼやけ気味でちょっと残念だったりする。ダークナイト・リターンズのように個人の正義は国家の正義と衝突するという話ならば、最終的に戦うのはキャップになる気がするんだけど…。
ただ悪い話というわけではなくて、普通に楽しめはする。再生までの話で十分お釣りが来るので無問題。
今の所邦訳されたデアデビルの話はこれと、マーヴルクロス収録のラブ・アンド・ウォーのみ。こちらもミラー担当の(アートはマツケリーではないけど)傑作なのでまた別に紹介したい。ちなみにデアデビル入門にはボーンアゲインの方が分かりやすいのでおすすめです。
エレクトラも含めてミラーのデアデビル関連はぜひ邦訳を進めて欲しいな。
結局気に入るかどうかはストーリー云々じゃなくて、フランク・ミラーの男の美学が肌に合うかどうかだろう。ただこの人はハードボイルドを書かせると随一な方なので、好きな人には間違いない。
熱くなりたい、勇気をもらいたい大人の男は今すぐ読もう。男泣きしたい人には言うまでもない。熱く涙するという稀な、そして最高に気持ちの良い体験が出来るはず。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-11-08 20:18:48] [修正:2011-11-09 00:06:06] [このレビューのURL]
9点 ゴルゴ13
言わずと知れた御大の傑作劇画漫画!
漫画を読んだことなくても凄腕の狙撃手、デューク東郷の名前ぐらいは聞いたことがあるんじゃなかろうか。
主人公が独り歩きして久しい作品ですが、その凄みは主人公が数コマしか登場せずとも成立してしまう話がある、その濃厚な脚本にあります。下手な映画を見るなら今作を読んだ方が外れありません。
基本、数話で一回分の話となっており何巻から読めますが、時事情勢を背景にしていること過多なので、これから読み始める方は最新連載分から読まれた方がよいかと思います。
数ある功績は漫画界だけではなく、幅広く波及している作品。過去に実写映画なども複数製作されています。ただ、どれも出来栄えがいまいち。
その点で満点ではなく9点としてみました。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2011-11-08 00:58:46] [修正:2011-11-08 00:58:46] [このレビューのURL]
9点 サンクチュアリ
世直し漫画というジャンルでは、およそ比肩されうる作品が浮かばない程に良く出来た漫画。
大筋の展開はテンプレートに沿ったもので、
〈腐敗し自己利権に凝り固まった政界の老害〉を
〈才能と意欲に溢れた若者達〉が打ち倒すお話。
この作品の面白い点は、主人公を2人にして陰陽両視点から物語を描いた所。
主人公を分割することで、「政界を是正する為には自らの手を汚す必要がある」という政治家のジレンマを上手く利用し、作中の展開をより深く、スムーズに、劇的に魅せている。
またこの2人が作中で見せる問題の解決法や提案が、いちいち斬新で面白い。彼らの奮闘で少しずつ日本が変わっていく様子が感じられ、素晴らしい充実感と爽快感を味わえる。
最後の終わり方については様々な意見があるが、あれはあれでいいと思う。大団円だけが余韻の楽しみ方ではない。これは全くの私見だが。
現在の日本政治は混迷を極めている。
浮き彫りになる政治家の実力不足、利権に群がる官僚。
天災、外交問題、それでも尚平和ボケから目覚めない国民。
……ある意味、この作品を読むにはもってこいの世界・国内情勢かもしれない。未読・既読者に関わらず、発刊当時より数倍作品を楽しむことが出来るだろう。
不謹慎だが、事実だと思う。
※この作品は劇画調で描かれているので、拒否反応が出る方がいるかも。下調べ推奨
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-11-07 18:51:15] [修正:2011-11-07 18:51:15] [このレビューのURL]
9点 金色のガッシュ!!
バランスの取れた良作。
欠点がほとんど見当たらない。
ただ最後の倒し方はずるかった。もう少し
読者を驚かせるような方法で終わらせて
欲しかったので9点。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-11-03 00:40:54] [修正:2011-11-03 00:40:54] [このレビューのURL]
9点 リアル
もうすぐ新刊が発売するということで、はじめから読み直してしまいました。
本当に人生なんて上手くいかないことばかりで、それでも少しずつでも前に進もうっていうお話です。
絵はきれいです。
ただ忙しいのだとは思うのですが、新刊が1年に1冊というのは・・・
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-10-31 16:58:15] [修正:2011-10-31 16:58:15] [このレビューのURL]