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9点 今際の路のアリス
面白く全巻をすぐに読み終わりました。
前作の今際の国のアリスより好きです。
今作では用意されたデスゲームでトランプを集めたりしません。
スピンオフ作品で時系列的には隕石災害の6年後の話です。
隕石災害の生き残り(ゲームのクリア者)の証言の説明に
生き残ったキャラの写真が登場しますが、
基本的に前作のキャラは出ません。
この作品により今際の世界がさらに理解しやすくなります。
読み終わり思ったことは、現実世界の国の上層部が今際の世界の存在を知ることになるであろうということです。
最終話でアリスは、スマホで木鞠隆一の知人とし警察庁に爆弾のありかを伝えています。
これにより爆発は阻止されたと思いますが、公安はスマホからアリスを特定し必ず聴取するでしょう。
公安がいくら調べてもアリスとキマリとの接点は見つからず、キーナとの接点も見つからないはずです。
嘘を付いたとしても状況的にバレるのは目に見えています。
(キマリが命をかけて極秘実験するくらいですから)
公安は全力で真実を知りたいでしょうから、アリスが真実を話すでしょう。
そうなると、誰も知らないはずの極秘の実験の詳細を知るということで、公安も今際の世界を信じざるおえない。
こうなるとあとは実験のサポートをしていたチームの副責任者あたりがまた新たな実験するなど
色々続編が考えられて面白いと思います。
面白い作品だけに他にレビューがないのが寂しい限りです。
(漫画情報すら登録されてなかったです)
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[投稿:2019-01-18 15:22:50] [修正:2019-01-18 15:42:11] [このレビューのURL]
10点 永遠の0
何故この作品が戦争の美化だの反戦だのと言われるのか、私にはまったく理解不能ですね。
現代人の頭の悪さというか、性格の悪さと言うか。もう「戦争」というものが出てくるだけで、異常反応を示す。どんな美しい話も戦争が描かれるだけで、戦争の是非や否定に走ってしまう。
『永遠のゼロ』という作品は、現代日本の腐敗というものを呈示した作品なのね。そして戦前の人間の美しい生き方というものを呈示し、現代で喪われているものを取り戻そう、という文学。戦争ではなく、「生き方」の話なんだよ。
あの健太郎という若者が現代人の象徴となっているわけ。他者の評価を求め、そのために優秀であろうとし、それが出来ないと今度は逃げ回っていくだけの自堕落な人間となる。自分の損得で生きる臆病者の卑怯者なんです。
そういうダメ人間=現代人が、昔の人達の美しい真の生き方を知る、というのがこの作品のテーマになっているわけ。何でこれが分からないのか全く分からない。
戦後に喪って戦前にはあったものなんですよ。それは「戦争」なんかじゃないの。美しい心の問題だから。
その美しい生き方がどういうものかと言えば、それは自分の目の前にある現実(運命)にきちんと向き合って、それから逃げずに対処することだよ。何らかの大事なものが中心にある生き方。だから逃げないんだな。
厳しい現実となる戦争の中でもそうやって貫いた人物が、主人公たちの祖父の久蔵だった、ということ。
最初は母親の思いを酌んで始まるだろ?それは自分の存在の根底である母親を中心にした思考だった、ということ。つまり美しい人生の始まりとなる基本なんだよ。
そしてまず久蔵と同じく零戦乗りであった長谷川という人物が出てくる。彼は生き残って戦後にいるわけだけど、それを激しく後悔している。その後悔は、戦後の日本が自分たちの美しい心を踏みにじっているからなんですよ。
そこから久蔵の人生を知るにつれて、その美しい生き方が孫達に伝わって行くわけ。
そして「ゼロ」と米軍に恐れられた零式戦闘機が、何であったのかが分かって行く。
まあ、零戦が戦闘機にしか見えない奴はダメですよ。モノをモノとしか捉えられない、戦後の物質主義者です。魂というものの崇高が分からない。
「永遠の」と題した著者にはよく分かっていることなんだよな。
大体戦争なんて否定するものじゃないのね。これは人間の文化の一環だから。だから歴史上常に戦争は在るわけ。今もちゃんと在る。
必要なことは現実を受け入れて、どんな時代でも美しく生きようとする心だけなんだから。だから戦争の中でも崇高も美も幾らでもあるわけ。
今の日本人の戦争否定なんて、要は自分が損したくないだけのワガママに過ぎないから。
だから戦争反対と言いながら、誰も世界の戦争を止めに行かないだろ?。所詮自分だけの問題だからなのな。
それに日本が戦争を放棄したとかほざいてるけど。それって自分たちが安全な場所にいるからなんだよ。どっかの国が侵略しに来ても「自分達は戦わないけど、アメリカさん、戦って死んでね」っていうことだから。
もう世界最低の民族ですよ。
この今の日本の態度って『永遠のゼロ』の中に出てくる戦時中の軍の上層部と全く同じものだから。他人がいくら死んでも、自分たちの安全を謀るっていうね。
恥を知れ、ということですね。
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[投稿:2018-08-14 23:14:49] [修正:2019-01-18 12:31:41] [このレビューのURL]
8点 喧嘩商売
まあ、『喧嘩商売』というのは、今の時代に対する反骨だよな。
反骨の作家であることは、すぐに分かったけど、問題はその反骨の仕方というものがあるわけだ。
ワガママ勝手に「社会が悪い」とか「大人は汚い」と言ってる奴はダメなんだよ。
その反骨が確かな形、魅力的なものにならなければいけないわけ。
それがこの作品にはあった、ということだな。
まあ、佐藤十兵衛は作家の理想像なんだよな。頭が良くてしかも強い。家は金持ちで、しかもその中で好き勝手に出来る環境がある。
いい加減な男のように見えて、女に関しては驚くほどに関心がないよなぁ。まあ、最初はその辺も結構な人間にしようともしたけど、途中で気づいたんだよな。そこにはまれば十兵衛の魅力は半減する、ということだな。だから女方面は、あの特殊なギャグ集団に任せたんだよ。
あの作家の反骨は今の社会と言うよりも、多くの部分が漫画業界のことだよなぁ。理不尽が通ってしまうように見えたんだろう。
しかしそれは、自分が真面目に仕事をしている、という自負があるわけだよ。遊びもしないで、また甘えもしないでやってきたという自負が。だからこそ、そうではない作家に対して、さらにそれ認める業界の甘さを許せない、ということだな。
だから木多のヤバいギャグというのは、そういう漫画業界を困らせるためのものだろ?
まあ、困らせること自体が目的だから、別に危ない話が好きなわけではないよな。恐らく非常に常識的な人間なんじゃないか?
それでこの作品の内容だけど、武術、格闘技、喧嘩ということに関して驚くほど精通しているよ。板垣とは全然違うよなぁ(笑)。リアルさを求めて、結構、研究し取材したんだろう。
それが確固たる世界を構築している、ということだな。
取材をどのように行なったのかはわからんけど、実際にアウトローに会っているだろう。
あのキャラたちはみんな立っているじゃない。それは、それぞれにバックボーンを詳細に決定しているからなんだよな。それはまた、こういう性格の人間は、どのように思考し動くのかということがわかっている、ということなんだよ。
ここが素晴らしい作家だよなぁ。
しかし、欲を言えば周囲のキャラがあまりにも魅力的だから、肝心の主人公の影が薄いよな(笑)。多分、そこを悩んでいるんじゃないのか(笑)。
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[投稿:2019-01-18 10:17:38] [修正:2019-01-18 10:17:38] [このレビューのURL]
10点 ゴロセウム
ゴロセウムは実にいいよなあ。
「バカ」であることは、旧制高校、また昔の伝統的な大学で最も大事にされていた項目だった。
「かっこいい!」「面白ぇ!」というような純粋で単純で強烈な感動が、バカを生み出す。
自分が死ぬかもしれない殺し合いを楽しく展開できるのは、バカだからだ。
しかし、この世はバカにしかできない領域がある。
ミッシェル・フーコーは「近代は狂気を檻に閉じ込めた」と言った。その結果、お利口さんばかりが幅を利かせるようになってしまった。
清々しいバカはこんなにも美しいのに。
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[投稿:2019-01-06 10:59:03] [修正:2019-01-06 10:59:03] [このレビューのURL]
4点 ブラッククローバー
魔法が普及した王国で生まれつき全く魔力を持たない少年アスタ。
最強の魔法使い「魔法帝」を目指して肉弾バトルを繰り広げる。
仲間とともに恐ろしい敵からみんなを守れ!みたいな感じ。
目新しさは何もないが、展開が速くてスムーズ。
そのリズムの良さでどんどん読めてしまう。
既存作品をよく研究して取り込んでいる。
言ってしまえばパクリの連続だが、この作品では要素を消化して読みやすさを突き詰めているのが高評価。
単純にマンガが上手い。
とは言え、最後までオリジナリティなしというのも物足りないので、今後の展開に期待。
また、これほど技術が高いなら野心的な作品も読んでみたい気がする。
もっと複雑な話、あるいは極限まで単純な作品ならどういう漫画にするのだろうか。
後半になるとキャラが多すぎる。
ウギャー、ウワー、ウォー、ドッカーン。
予定調和がいきすぎて退屈でしかない。
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[投稿:2017-10-08 10:39:55] [修正:2019-01-06 08:21:50] [このレビューのURL]
4点 鬼滅の刃
舞台は大正時代の日本。鬼に家族を惨殺された少年が主人公。
半分ぐらい鬼になってしまった妹を連れて鬼と戦うバトル漫画。
主人公は仇を討ち、妹を人に戻せるだろうか?
とても良い漫画。物語の導入が丁寧。
家族を殺された悲しみや残った妹が鬼になってしまった絶望、
力を手に入れるための修行の苦しみや師匠・兄弟子の支えなど、
主人公に感情移入させるための仕掛けがみっちりと詰まっている。
鬼とのバトルも小気味よいアクションがスムーズで見やすい。
キャラクターデザインも秀逸。
鬼の禍々しさや主人公の正直さ、妹の儚くも恐ろしい美しさが、十分に表現されている。
作者の狙いではないかもしれないが、微妙にザラついた絵柄も大正時代のイメージにあっている。
かなり重たい話でスプラッタな描写も多いが、緊張を緩和するコメディリリーフも面白い。
弱虫で泣き言ばかりだが気絶すると無敵になるって便利なキャラだなぁ。
冒頭から中盤にかけてほぼ非の打ちどころがなく、誰にでもオススメできる。
ここからクライマックスへどう盛り上げていくか、連載が気になる作品のひとつ。
単行本10巻以降、似たような展開が続く。
恐ろしい敵→苦戦→味方奮闘→圧倒的にピンチ→味方死亡+主人公ボロボロ→一発逆転。
大味でメリハリが失われた。
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[投稿:2017-01-16 12:48:05] [修正:2019-01-06 08:17:10] [このレビューのURL]