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9点 ONE PIECE
『ONE PIECE』の根底には、古来の「悪党」というものの伝統が生きている。それは麦わらの一味やDの名を持つ人物を中心に底流しているんだよ。
いいよなあ。自己の生命の燃焼だけに真実が置かれている。
そもそも昔の「悪」というものの概念は、現代の「悪」というものとは全く別なものなんだよ。
私のいう昔の悪の代表って楠木正成のことだから。あの南朝の崇高な「もののふ」よな。「悪党楠木兵衛衛尉」ってちゃんと歴史的資料に書かれているよ。
武勇によって正しさを為す者のことを、昔は「悪党」と呼んだんだよ。別に弱者の味方でもなんでもないのな。
多分に権力にも反抗できる、という要素があった概念だから。そこから徐々に現代的な「悪」という概念へ移行して行ったのな。
反対に現代の悪というのは、昔で言う「卑怯」なんだよ。自分の損得、欲望のためなら何をしてもいい、という理屈なの。だから本当に怖ろしいものなんだよな。
私は以前に現代的な悪についての考察も書いているけど、最も怖ろしい悪は、ルワンダのツチ族虐殺のような理屈によって為されるものなのな。
でも、昭和の中盤までは、まだ真の「悪」というものの概念は残ってもいたんだよ。もちろん、現代的な「悪」の概念と並列でだけど。だから任侠物というジャンルがあって、そこでは「悪」である者達が果敢に戦いに挑むことを皆が賞賛もしていたんだよ。
『ONE PIECE』から逸れたけど、私は白ひげやエースやゾロも好きだけど、やっぱり、あのヒルルクの死によって夢を得たチョッパーという者が一番好きなんだよな(笑)。
チョッパーが仲間になる話は本当に良い。夢というもの、恩義と言うものの本質があそこにはある。
非常に武士道的でよろしい。
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[投稿:2019-01-23 00:51:22] [修正:2019-02-03 19:53:42] [このレビューのURL]
2点 ジョジョリオン
記憶喪失で全く素性不明の少年が主人公。
自分が何者なのかを探る中で敵と戦っていく。
単行本19巻現在。もはや商業漫画ではないレベルまで詰まらない。
キャラクターに魅力がない。行いも容姿もいまひとつ。
その割りに話が複雑で展開が把握にしくい。
敵との戦いも、スタンド(超能力)のルールが直感的に理解できない。
理解を助ける工夫もなく、ピンチになる理由も勝利する理由もわからない。
読者が何を楽しむためにこの漫画を読むのかが不明。
物語の本筋以上に寒いのが下ネタと不気味なエピソード。
ただ下品で不愉快なだけ。
最期を看取りたい気持ちすら持てない。
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[投稿:2013-02-26 01:37:21] [修正:2019-02-03 14:08:27] [このレビューのURL]
絵柄は悪くないのにクオリティは下手レベル(漫画で読む文学系にはありがち)。漫画より叔父さんの手紙をそのまま貼り付けたり文章が多い形式。中途半端でコミカライズとしては評価出来ません。もともと分量が多いという訳でもないので原作をそのまま読んだ方がと思います。
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[投稿:2019-02-02 06:57:47] [修正:2019-02-02 06:57:47] [このレビューのURL]
「人生にセーブポイントは無い」
この作品を読んで、なおかつその上で改めて作者が読者に伝えたかったことを集約すると、この一言に体現されるのではないかと考えます。
おそらく人生がままならないのは、誰しもが日々の生活の中で「最良の選択」を取れないためであって、間違った選択を取ったからといっても、その選択肢はやり直すことができず、その間違った選択肢の延長線上でその後の人生を生き続けなければならない点にあると自分は思っています。
そして、何より重要なのが、その間違った選択肢を選んでしまったとしても「自分は」その間違った選択肢をどう「解釈」するのか。ここが、この作品を通して作者が読者に対して最も伝えたかったことなのではないかと考えています。
間違った選択肢を選んでしまったことに不貞腐れていじけた人生を送ってしまうのか。あるいはこの作品の主人公のように間違った選択肢を受け入れて次につなげていこうとするのか。その違いこそが、その人の今後の人生を考える上で大きな違いになる。そのことを作者は読者に対して伝えたかったのではないかと思います。
ちなみに、ジブリ映画で有名な宮崎駿監督がこの作品を基に映像作品を作るらしいので、どういった表現になるのかとても楽しみです。
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[投稿:2019-02-01 19:16:29] [修正:2019-02-01 19:16:29] [このレビューのURL]
2点 家畜人ヤプー
原作を読んだわけではありませんが、この内容で漫画にして
感動を与えるのは無理がありそうです。
セリフは多いし、思想は偏っているし。
江川達也の才能をこんな風に消耗させるのは勿体ない。
東京大学物語あたりから美しい絵柄でエロ路線なら
商業的には成功できることに味を占めたのか、
青年読者をバカにしてるのか、才能を消費し始めました。
日露戦争物語や源氏物語、家畜人ヤプーに手を出した
ことから、ストーリーテイラーとしての才能の限界を
感じているのかもしれません。
だったら、編集者は良い原作者を探してあげて欲しい。
江川が拒否するのだろうか?
いずれにしても、どの分野でもいますが、
かってのヒットメーカーが栄光にすがりつつ足掻いている
業界の重鎮が、実は裸の王様という構図を連想させます。
そのくらい作家の迷走ぶりを感じさせる作品でした。
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[投稿:2019-01-24 02:30:38] [修正:2019-01-24 02:30:38] [このレビューのURL]
7点 Dr.キリコ 白い死神
いいスピンオフだと思います。まず手塚風の時事ネタを入れ込む手法や、特に小ゴマで使われている独特の間の再現がうまい。もう一つはキリコというブラックジャックで印象深いキャラクターをあえて現代の設定で蘇らせているところです。キリコといえば安楽死です。当時は戦場の理論を日常に持ち込む異物的なキャラクターでしたが、超高齢化社会と化し、さらに医療が発達した今、なぜかマイルドなキャラクターになっていました。後半で妹が現代介護医療を持ち出してキリコの邪魔をしますが、どうなんでしょうか。時間軸を無視して「苦しんで長生きするより、穏やかな終焉を」という点だけ抽出すれば、違いが感じられない。キリコは時代を経て異物ではなくなっているのではないか?マイルドに感じたのはそのせいか?とも思えます。
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[投稿:2019-01-23 22:57:13] [修正:2019-01-23 22:57:13] [このレビューのURL]