「とろっち」さんのページ
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書評、というか未読の方への紹介のようなレビューが多いです。
批評とか評論的なものはうまく書けません。
テレビアニメは全くと言ってもいいほど見ないのでアニメとの比較論も無理です。
なるべくレビュー数が少なめの作品を中心に。
点数はだいたいこんな感じ。全体的にかなり甘めに付けてます。
6点 とりあえず個人的には面白いと思ったもの。概ね合格点。でも特にお薦めはしない。
7点 「何か面白い漫画ない?」と聞かれたとき、「こんなのもあるんだけど」
8点 「何か面白い漫画ない?」と聞かれたとき、「お薦めなので読むべし」
9点 8点よりも個人的にずっと好きな作品。自分の中での「漫画の殿堂」入り。
10点 9点よりも個人的にずっと好きな作品。自分の中での「漫画の殿堂」入り。
<備忘録的追記>
毎年恒例(?)、未読作品で2016年ぜひ読んでみたい作品リスト。だいたい読みたい順。
空の色ににている、ヒカルの碁、4D、かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦、こいいじ、
ディザインズ、マイディア、ヴァニタスの手記、虚構推理、冬目景作品集 空中庭園の人々、
バツコイ、春の呪い、ぐらんば、ダンス・ダンス・ダンスール、帰ってきたサチコさん、
シンギュラー、ふしぎの国のバード、ノー・ガンズ・ライフ、ReLIFE、花とアリス殺人事件
未読作品で2016年初めて読んでみたら面白かった作品リスト。だいたい読んだ順。
町田くんの世界、百万畳ラビリンス、プラチナエンド、山と食欲と私、マダム・プティ、
HaHa、13月のゆうれい、花井沢町公民館便り、惑わない星、高台家の人々、
かくかくしかじか

Don't trust over thirty. そのまま直訳すれば、「30歳以上を信用するな!」
30歳を超えた漫画家が、ふとしたことから自分が年齢的に十分に大人であることに気付いてしまい、
「大人」という言葉が重くのしかかってくる中で、どうにも「大人」になりきれない自分の弱さを
ダメな父親のせいにする…。 そんな私小説的な臭いを感じる表題作で幕を開ける短編集。
大昔は10代半ばで元服して大人の仲間入りをして、いつの間にか成人が20歳になって、
現在では(法律上はさて置き)実際には20歳だとまだ立派な大人として扱われるかは微妙で、
どんどん大人になる年齢が後退していく世の中。
どこまでが子供なのか、どこからが大人なのか。
誰がいつ決めるのか、境目はどこにあるのか。
「今までは大人に向かって言う側だった。 それが、子供に向かって言う側になるだけの話よ」
そんな岐路に立たされた人々が青臭くもがく話、ならまだ良いのですが、そこはやっぱり OVER 30。
そうだったりそうでなかったり、一筋縄ではいかないんですよね。
そういうような青臭い短編がいくつかあって、巻末に来るのは表題作の続編に当たる位置付けの
「SON HAS DIED, FATHER CAN BE BORN」。
この短編は実に良い感じ。
「親なんて所詮、生物学上の親でしかありえない」はずだったのに、あれだけ嫌いだった父親を思い返し
「子供がいることで初めて親になれる」のかもしれないと思い始める主人公。
そしてふと気が付くと「立派な大人」の呪縛は消え去り、肩の荷が軽くなっている。
言葉で書くと何か陳腐なのが残念ですが、この構成も構図もなかなか感慨深いです。
あと短編中にもう一つ別のエピソードがありまして、そっちも好きです。 でもこれは男のエゴかな。
面白いかどうかはさておき、何かが後に残る、ような気がする一冊。
とりあえず何度も読み返したくなります。
30を超えてそんなことで悩むなよ、という方もたくさんいるでしょうが、たまにはこういうのも良いかも。
「良い大人になってね」なんて言葉、AROUND 30 としては耳が痛いなあ。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-02-16 01:06:20] [修正:2011-02-16 01:16:12] [このレビューのURL]
6点 SARU
猿です。
それはハルマンタと呼ばれ、トラロックと呼ばれ、トゥニアクルクと呼ばれ、ドゥナエー、内臓を晒す者、
ハヌマーン、トート、ヘルメス、そして斉天大聖孫悟空と呼ばれる存在。
世界のあらゆる秩序を左右するほどの力を持った存在。
世界を滅ぼす力を持った存在。
恐怖の大王。 アンゴルモア。 黒魔術。 コンキスタドール。
形而上的な存在に対するこの作者の考察と描写力は相変わらず図抜けています。
その迫力におののき、その表現力に感服し、その雰囲気に酔いしれる作品。
一方でストーリー的には詰めが甘い印象も受けました。
壮大なスケール感と引き込まれるような序盤の展開は素晴らしかったんですけどね。
何なんだろう、不完全燃焼な感じです。
2巻できれいに終わらせるために無理矢理まとめすぎたのかもしれません。
もっと長く自由に描けていたら大傑作になっていた可能性ありです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-01-21 00:51:19] [修正:2011-01-21 00:51:19] [このレビューのURL]
6点 青の祓魔師
王道まっしぐら。 良くも悪くも。
無知な素人だけど驚異の潜在能力を持った主人公が、時折その秘めた力を爆発させながら
仲間達と切磋琢磨しつつ強大な敵と戦い、成長していくストーリー。
絵もそこまで上手いとは言えないまでも、かわいらしい中に力強さがあって雰囲気がなかなか良いです。
人気が出るのも納得の出来。
ただいかんせん正統派の王道作品なので、ドロドロに濃い世界観とか、全てをひっくり返すような
大ドンデン返しだとか、一部の人のみを強烈に引き付ける圧倒的なカリスマ性とか、
どこかそういうヒネリを求めている読者には物足りない部分があるかもしれません。
作品の設定自体はこれからいくらでも上手く膨らませそうな可能性を秘めているので、
あとはそれを生かすも殺すも作者の腕次第。
この作者の作品はこれしか読んだことがないですが、話を作るのはかなり上手そうなので、
これからも安心して読めそうです。
一方で、登場人物を動かすのはあまり上手くないのかな、という印象も受けました。
特に弟くんの性格がいま一つブレて読みにくく感じました。
最近かなり多いですね、女性作家のバトルもの。
男性作家の作品のような沸点の高い熱さと比べて、女性作家の作品は人肌に近い温度と言うか、
ほんのり温かい感じがするところがまた違った良さにつながっているのかもしれないですね。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-01-04 01:38:34] [修正:2011-01-04 01:38:34] [このレビューのURL]
6点 プラナス・ガール
高校の合格発表。 偶然風に飛ばされてきた受験票。
落とし主は超絶美少女。 運命を感じるような出会い。 だがしかし……。
一見いわゆる普通のラブコメ。
でもこの作品が普通でないところは、ヒロインが男であること。
しかもその秘密?がどこまでバレないか、というドキドキ感を楽しむ間もなく、
スタートしてたった3ページ目でクラス全体にカミングアウトします。 これは予想外。
無邪気で、小悪魔で、見た目も中身も女の子以上にオンナノコらしくて可愛らしいヒロイン?に、
ちょっかいを出され、振り回され、翻弄される純朴な主人公。
っていうかあんな子が男とか卑怯すぎる。 これはヤバい。
自分が主人公の立場だったらいろんな葛藤に押し潰されて発狂寸前になっているかも。
平凡なラブコメなのに、少し視点や発想を変えるだけで、良い意味でこんなに違和感ありまくりの
作品になるんですね。 その違和感を楽しむ作品と言えるかもしれません。
現時点ではかなり面白いと思いますが、ただこの作品、特にお薦めはしないです。
だって明らかに万人向けじゃないから。 その意味も兼ねてこの点数。
惜しむらくはコミックスに登場人物紹介がないこと。 サブキャラがわかりづらいのが難点です。
こういう作品はマンネリに陥りやすいので、これから先なんとかうまく乗り切ってほしいなあ。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-12-21 01:26:28] [修正:2010-12-21 01:36:09] [このレビューのURL]
6点 タビと道づれ
閉じた街は、同じ一日を繰り返す。 永遠に。
優しくて、おぼろげで、薄暗い中でほのかに輝くような叙情的な物語。
しかし癒しなどでは決してなく、毒や弱さも併せ持っています。
その不思議な世界観がどこか宮沢賢治を連想させる作品。 と言ったら褒めすぎか。
わかりづらい設定、会話のみによる説明の回りくどさ、序盤の低調さ、などから、
最初のうちは作品世界に溶け込むハードルが高めなのが残念。
その分、閉塞した世界の謎が明らかになっていく中盤以降の展開には目を見張るものがあります。
読後感がとても良いです。 ふと夜空を見上げてみたくなる作品の1つ。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-12-21 01:19:35] [修正:2010-12-21 01:19:35] [このレビューのURL]
6点 イリヤッド 入矢堂見聞録
実際の史実や考古学を絡め、人類最大の謎とされる伝説のアトランティスに迫る歴史ミステリー。
正にマスターキートンの二番煎じのような作品。 でも別に悪い意味で言っているわけではないですよ。
原作者もほぼ同じ(東周斎雅楽は長崎尚志の別名)ですし。
ところどころで織り交ぜられるショートエピソードなんかは本当にマスターキートンを彷彿とさせます。
ただ、画力や構成力はやはり浦沢氏の方が圧倒的に上手いと感じさせられますね。
この主人公とヒロインなどは美味しんぼの山岡夫妻にしか見えなかったです。
大きな違いと言えば、マスターキートンは基本的に一話完結のオムニバスですが、
この作品は一本の大きなミステリー仕立てのストーリーになっているところ。
この原作者の他作品(主に浦沢作品)と同様に、薀蓄たっぷりの作風で、
フィクションとノンフィクションとをごちゃ混ぜにしたような感じの作品です。
素人が見てもわかるような致命的な間違いも見受けられるので、のめり込みすぎるのは禁物です。
東方見聞録の祖本、ソロモン王の壷、始皇帝のミイラといった人類史上に残るようなお宝を、
入矢がちょっと考えただけですぐに到達・発見してしまうところなんかも若干リアリティに欠けます。
が、話の内容は、考古学が好きな人にはよだれの出そうなほどに本格的な歴史冒険もの。
アトランティスの謎をぼやかしたりせず、作品としてしっかりとした結論を出しているのは高評価です。
その是非はさておき。
アトランティスはいつ頃どこにあったのか? なぜ滅亡したのか?
アトランティスの存在よりも秘密にすべき「人類の禁忌」とは?
クロマニヨン人やネアンデルタール人、そして世界各地の文明、遺跡、伝説などが深く絡まり合い、
壮大で重厚なミステリーとサスペンスが楽しめます。
最後の方は抽象的な記述が多くて展開も速く、かなりわかりづらくなっていますので、
数多くあるイリヤッド検証サイト等を参考にしてみると、より一層理解が深まるかもしれません。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-12-14 01:21:32] [修正:2010-12-14 01:21:32] [このレビューのURL]
奇妙な動物ばかりを扱うペットショップを舞台にした、一話完結のショートショート。
幻獣に人が喰い殺されるシーンなんかも結構ありますが、特段グロい漫画ということでもなく、
タイトルとは違ってホラーでもありません。
ちょっと不思議で残酷な要素を秘めた、オムニバス形式のファンタジーです。
毎回のゲスト(=ペットショップの客)がペット(というより幻獣)を購入し、トラブルが起こったり、
逆に抱えていたトラブルが解決したり、というのが一応の話の核です。
が、回を重ねるごとに、狂言回しの中国人店員と話をかき回す米国人刑事のコンビが前に出すぎて、
ゲストがだんだん目立たなくなっていきます。
まぁそういうもんかと思って読めますが、基本的に最後のドンデン返しが小さめなので、それでもオチに
期待して読むか、ストーリー全体を楽しんで読むかで、作品の評価が異なってくるかもしれません。
コメディ色が強いのも嫌いではないですが、それが故に話全体の緊張感が損なわれてしまうことが
たまにあるので、もったいない気もします。
話のレベルとしては各話そんなにばらつきがなく、それなりに安定している印象ですが、
たまに飛び抜けて面白い話もあり、こういうSF系のオムニバスが好きな人なら満足できると思います。
続編の「新 Petshop of Horrors」は舞台を歌舞伎町に移しただけで、基本的には同じです。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-12-09 01:26:10] [修正:2010-12-09 01:27:35] [このレビューのURL]
6点 朱鷺色三角
全5巻と短めですが、序盤・中盤・終盤で全く話の内容が違います。 こんな作品も珍しいです。
また、主要キャラに男性が多い(女性があまりいない?)のも少女漫画としては珍しいかもしれません。
序盤は古典的なサスペンスミステリー。
自分が実は旧家の御曹司だったことを知り、招かれるままに地方の離島にあるお屋敷を訪れてみれば、
そこで起こるは遺産相続絡みの連続殺人事件、というコテコテのサスペンスです。
ベタな展開ですが、ドロドロしたシリアスな雰囲気がうまくはまり、ドンデン返しもあって面白かったです。
中盤は80年代の空気を切り取ったような学園コメディ。 楽しい雰囲気の作品になります。
これはこれでいいと思うのですが、シリアスなサスペンスからの急激な方向転換に若干ポカーンです。
かと思いきや、終盤はまたシリアスさが戻り、サイコサスペンスになります。
序盤のサスペンスとはまた違った様相で、ダークで狂気じみた展開になっていきます。
ただ、これだけ作風が二転三転しながらも、作品として統一されていないかと言えばそうではなく、
ちゃんとうまくまとまっているのが実力ある作家ならではですね。
朱鷺色=天の羽衣のような翼色、とのこと。
主役3人のコラボレーションが、きらめくように確かな色を生み出しています。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-10-30 01:30:59] [修正:2010-10-30 01:30:59] [このレビューのURL]
6点 イハーブの生活
確かにタランティーノ臭が、しかも初期の頃のタランティーノの匂いがプンプンします。
もしくは香港や中東の場末の路地裏のような雰囲気。
何が出てきてもおかしくないカオスな展開。 無秩序、無国籍。
かわいらしい絵柄ですが、とにかく妙なノリでグイグイ突き進みます。
イハーブ、マリー、ローズ、ガンズ、谷田以外の登場人物は、誰が誰だかよくわからず、
いつの間にか登場していて、しかもいつの間にか重要な役割を担っています。
登場人物が皆どこか厭世的な考えを抱いているのも特徴的。
どこに向かって突っ走ってるのかよくわからない気がしますが、
終わってみると結局テーマは終始一貫しているんですね。 そうきたか、という感じ。
うまく辻褄を合わせたのか、最初から計算していたのか。
よーく読むと細かい伏線がいろいろと張りめぐらされていて、唸らされます。
あまりに情報量たっぷりの絵柄も特徴的。
万人向けの作風ではないので、合わない人も多いでしょうが、ハマる人はどっぷりハマる、
そんな知る人ぞ知るB級映画のような作品です。
何点を付けるか非常に悩ましいですね。
好みの問題かもしれませんが、個人的な印象としては、いろんなものをごちゃ混ぜに詰め込みすぎて、
読みづらくなってしまっているように感じます。
作品として上手くできているのと、作品として面白いのとでは、また別の問題、ということで。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-10-18 01:41:02] [修正:2010-10-18 01:41:02] [このレビューのURL]
6点 彼方から
少女漫画では珍しい、剣と魔法(と言うより特殊能力)とモンスターの世界。
物語の鍵となるヒロインと、彼女を護る戦士の冒険を描いた、本格ファンタジーです。
少年漫画も顔負けの、綿密に練り込まれ、作り込まれた世界観。
戦士ではなくヒロインが作品の主人公なのが、これが少女漫画である所以でしょうか。
女性作家ならではの丁寧な心理描写が特徴的です。
その分、バトルシーンがあまり上手くないのは仕方ないのかな、という気も。
かなり多くの登場人物が出てきますが、メインの2人以外はどうもインパクトに欠けています。
味方にも敵にも、引き付けられるような強烈なキャラクターがもっとほしかったです。
この作品、もうちょっと魅力的なキャラがいたら、とんでもなく面白くなっていたかもしれません。
20年ぐらい前の作品だけに、イザークのタイプも若干の古さを感じてしまいます。
ただ、ヒロインは良かったです。
ポジティブさと芯の強さがかなり好印象。
異世界に飛ばされ、言葉が全くわからない中で、何とか言葉を覚えようと懸命に頑張るあたりが、
実はこの作品で一番好きなところです。
ああいう何気ない場面をサラッと溶け込ませて、作品の世界観と可能性を広げる見せ方は、
実に上手いなぁと思わされました。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2010-10-04 21:28:02] [修正:2010-10-04 21:46:16] [このレビューのURL]
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