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8点 SUGAR
センスと才能に溢れたボクシング漫画。
スロースターターなのは相変わらずですが、才能の片鱗が見え始めてから最後までは、怒涛の面白さです。
天才の天才による天才語を理解・体現した天才の孤独で歪なボクシング半生。
初期の主人公と、才能覚醒後の主人公の人格があまりにも違うのが、唯一の違和感。
「おそらく早いよ 登りつめるの!」
「すべての罪の犯人はオレの才能だから」
「アメリカ 南米 オセアニアの連中 アジア アフリカ ヨーロッパな輩の
オレを追う努力の空しさを世界に見せつけちゃうのオレ!」
「なんだこれ?人柄の良さに才能の無さ付けた実演販売なの?「宛て先」どこの誰?」
「じゃあ伝えてよ!パンチも思いも少しは真面目にやれってさ オレの様な繊細な人間には届かねえんだよ ってな」
セリフのセンスが最早、異次元です。
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[投稿:2017-07-31 20:09:24] [修正:2017-07-31 20:09:24] [このレビューのURL]
7点 デカスロン
山田芳裕先生の作品の中では、一番好きです。
他に例が無い10種競技を題材にしており、エンタメ性が高く、いい意味でぶっ飛んでいます。
ラストは何故か一夫多妻制の部族の族長になってる辺りも、この作家らしいぶっ飛び具合です。笑
序盤は「よく知らんけど10種競技ってすげーなぁ」から始まり、
中盤から本作者の真骨頂であるテンション・表現力・演出力が発揮されてきます。
主人公の強さは、おそらくかなりご都合主義です。
中盤、確かにトレーニング編はあったけど、ここまでの強さの根拠には乏しい気がします。
(多分、福満しげゆきが認めないパターン。笑)
勢いや凄みで解決させる展開はジョジョを彷彿させますが、
冒頭で言った様に、エンターテイメントとしての面白さは見事。
主人公を本物の馬鹿に設定する辺り、本作者らしいです。
生命を削りながら限界を超えて戦うハングリーなアスリート、
ワンショットワンキルの生き様を貫く孤高の野生アスリート、
勝利の為に喜怒哀楽全てをコントロールして勝ち続ける完璧絶対王者、
それらアスリートの偉大な哲学を崩したのが、
主人公のブレブレな本能と煩悩という点に、ある種の真理を感じました。
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[投稿:2017-07-31 20:08:00] [修正:2017-07-31 20:08:25] [このレビューのURL]
ローザンヌに挑む4日間を綴った物語。
5冊で4日間なので、1部ほどの密度は無いが、相変わらず抜群に面白いです。
最終巻でのまさかの展開には面食らっちゃいました。
1部に続いてですが、今回は良い意味での衝撃でした。
「これが千花ちゃんなら…」と、自分を奮い立たせる六花の成長が著しく、
1部の千花ちゃんの死を本当に丁寧に扱い、糧にしている。
「ローラと六花ちゃんがダンサーと振り付け師として一緒に歩んでいく
二人はパートナーとして生きていく」
それをよしながふみが代弁してくれてるのが嬉しかったです。
3部のストーリーは全部頭の中に全部出来ているらしいですが、
今の著者には振り付けのテクニックが無いので描き表せないとの事です。
(「マンガのDNA」 山岸凉子インタビューにて)
HUNTER×HUNTERの次に連載再開が待ち遠しい作品になってしまいました。
「レべレーション」よりこっちを描いてほしいです。笑
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[投稿:2017-07-31 20:06:01] [修正:2017-07-31 20:06:01] [このレビューのURL]
9点 capeta
1巻から最終巻まで、一気に惹き込まれた名作。
F1への知識や興味はほぼゼロからのスタートでしたが、読むに際し、何の障害にもならなかったです。
もうとにかく熱い作品。
これだけ漫画を読んでいても、本当に感動できる作品がなんと少ない事か、、、
という私の不安を久々にぶっ飛ばしてくれた作品。
逆境の連続でのし上がり続ける「ミラクル」は一つのテーマでありますが、
ハングリーさやエネルギーだけではない、「勝つ為の鉄則」を描いているので、ご都合主義感は無く、納得させられます。
勝利への飢えが半端無さ過ぎます。
最終到達点であるF1編を描かなかった作者の想いにも納得させられ、痺れる余韻を残してくれました。
出てくる登場人物全員が魅力的ですが、
惜しむべくはキャラクターの使い捨て感を感じました。笑
あいつはどうなったんだろうとか、あれ?あの恋の行方は??とか。
曽田先生の作品では一番好きです。
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[投稿:2017-07-31 20:04:53] [修正:2017-07-31 20:04:53] [このレビューのURL]
5点 三国志
言わずもがな、学校の図書館にも置かれる、後世に残すべくクラシック作品。
…というのが一般的な認識なのでしょうし、リスペクトも込めてはいます。
しかし、読破するに多大なエネルギーを要し、疲労感の激しい作品でした。
前提として、学生の時、この手の学習から逃げ、三国志に関する興味や知識がほぼゼロの状態で読んだ者の感想です。
どうせなら読むことで三国志に興味を持てればなぁという思いもありました。
その上で、いつもレビューがダラダラ長くなってしまうので、今回は感じた事を端的に、箇条書きで列挙します。
・1巻の、物語が始まろうとする段階が一番ワクワクした。
・劉備、関羽、張飛、諸葛亮孔明、呂布といった主要キャラは良かった。
・趙雲が最も信じれる男!
・しかし、それ以外のキャラは印象が無く、読んで半年で名前も性格も思い出せない。
・特に最初の劉備、関羽、張飛等の主役級キャラが次々と死んでいった、50巻以降くらいは読むのが苦痛で、キャラもストーリーも何も頭に入ってこず、「はぁ。。あと残り2冊…、あと1冊…。読み終えた―!」という感じ。
・子供の時に読んだら面白かったかもだけど、色んな漫画を経た上で読むと展開も既視感があり、迫力も無いなぁ。
・そして未だに三国志の概要を理解出来ていない自分がいる。
という事で結論は、
「三国志にまったく興味は無く、漫画好きとして通っておかなくては」くらいの温度の方にはお薦めしにくいです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-07-31 20:03:08] [修正:2017-07-31 20:03:08] [このレビューのURL]
6点 敷居の住人
読み味としては「ライ麦畑で捕まえて」に近かったです。
まさに中身が無く、ウダウダしてるだけなのに、やけに惹き込まれるモラトリアム物。
キャラクターや物語の躍動を感じるまでの1?2巻は苦痛でしたが、それからは巻を追う毎に楽しめました。
主人公がモテモテジャニーズ顔の主人公なのに嫌悪感を抱かなかったのは、その生き方の不器用さですね。
思春期ならではの心のブレやストレスを描いた良作だと思います。
こちらの作品も、十分「放浪息子」しています。
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[投稿:2017-07-31 20:01:59] [修正:2017-07-31 20:01:59] [このレビューのURL]
7点 マイボーイ
好きな作家さんの一人であり、毎回テーマに対する真面目で丁寧な姿勢が伺えるだけに、
前作「からん」に続き、2連続打ち切りが非常に残念。
個人的にボクシングが好きなのですが、地味でも技術的・科学的に真面目にボクシングを描いた作品は、本作品と新井英樹の「SUGAR」シリーズくらいじゃないでしょうか。
少なからず一定の評価を受けている作家だとは思えますが、
本作は少し構成が悪かった様に思えます。
心理描写を描くのが秀逸なだけあり、
ジムメイトのキャラクターの過去を掘り下げる場面は読み応えが十分あるのですが、
少し気を抜くと「あれ?これ、何漫画?」と思うくらい、脱線を感じる事もありました。
最終回も、無理矢理綺麗に畳める気はサラサラ無く、中途半端上等という潔さでしたね。
知識の幅が広く、表現力や文章力に、心理描写に長けており、良い作家だと思いますが、
この作家に少しでも気になられた方は、「からん」から読まれる事をお薦めします。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2017-07-31 20:00:54] [修正:2017-07-31 20:00:54] [このレビューのURL]
8点 無限の住人
アクションシーンを描かせたら鳥山明に次ぐレベルなんじゃ…ってくらい、ド派手でグロく、スタイリッシュな描写力や構図に脱帽。
特に他作品では、動き無しの会話だけでも読み手を楽しませる技量を持つ、静も動も才能を発揮できる作者です。
前半部はまだ絵も荒く、キャラも微妙でしたが、中盤から一気にどちらも確立されていき、惹き込まれます。
六鬼団結成からクライマックスまでは怒涛の面白さです。
敵も味方も第3勢力も、ほぼ全員魅力的で、色んなマッチメイクに心躍りました。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2017-07-31 20:00:00] [修正:2017-07-31 20:00:00] [このレビューのURL]
7点 死刑執行中脱獄進行中
個人的に生き生きしている頃の荒木先生の作品です。
ただ、作者自身も語っている様に、基本的にはアイデアは長編(連載)用に取っておくので、
そこから外れたしょぼいアイデアを、持ち前の勢いと演出力で膨らませた様な短編ばかりです。笑
それだけのネタでそこそこの読み応えにしてしまう辺りは流石です。
何て事ないテーマを色んな角度から膨らましながら一つのネタにしてしまう、ガキ使フリートークの松本人志の様な感動はあります。
褒めてるのか褒めてないのか分からないレビューになりましたが、
「岸辺露伴は動かない」は傑作だと思っています。
ジョジョ4部でたかがジャンケン描写を異様に盛り上げた様に、ポップコーン食べにここまで緊迫感を持たせるのか。。。と、当時の衝撃が忘れられません。
装丁も凝っていて素敵です。
カラーページも再現してますし、良い買い物でした。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2017-07-31 19:58:17] [修正:2017-07-31 19:58:17] [このレビューのURL]
6点 僕だけがいない街
メディア化等、話題になってから手にした作品。
タイムリープものの作品は、藤子F先生を筆頭に散々扱われているテーマなので、斬新さは無かったです。
個人的にはサスペンスやSFというテーマよりも、何よりも「母親の愛」を感じ、そこに胸を打たれた作品です。
ストーリーも真新しさは特に無い、よくあるサスペンス。
しかしとにかく丁寧な作品。
不足も蛇足も無く、綺麗に完結させたという点で、作品に対する誠意や真面目さを感じ、好感を持てました。
9巻の他の人物からの視点で描いた番外シリーズもクオリティ高めです。
小学生の癖に賢過ぎるという所と、
心に思ってる事を口に出してしまって「声に出てた」というセルフ突っ込みが多過ぎるという点が気になりましたが。笑
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2017-07-31 19:56:50] [修正:2017-07-31 19:56:50] [このレビューのURL]