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6点 夢印
浦沢直樹氏の溢れる才能で、ちょっとした短編を作ったら、
こうなりました、というような作品です。
だらしない両親の元に生まれた一人のしっかりとした少女を
主人公に持ってくるあたりは、浦沢氏の真骨頂でした。
全1巻9話構成ですが、単なる雰囲気で終わらせるのではなく、
きちんとしたストーリー構成になっています。
感心したのは、1話の最初の導入で出てくるシーンが、
最終話に繋がっていましたので、最初から全体的な展開が
用意されてたことが分かります。
一編の短編小説のようなテイストでした。
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[投稿:2021-05-26 21:24:39] [修正:2021-05-26 21:24:39] [このレビューのURL]
7点 不滅のあなたへ
先の読めない物語、なんて言うと決まり文句のような褒め言葉になってしまうが、
この作品の奇想天外さは今まで読んできた中でも群を抜いている。
タイトルにある通り主人公は不滅の存在であり人間ではない、
対象から刺激を受ければ物質、生命ありとあらゆるものに成り変わることが出来、
ゆくゆくはこの世界の全てを獲得し保存することが彼の使命になるという。
この設定だけでもかなり突飛な内容だがストーリーの進展のさせ方はさらにダイナミックだ。
人との出会いと別れを軸に丁寧に物語を刻んでいくのかと思いきや、
場面によっては一気に時が進むこともある、
この大胆な時の流れと千変万化の物語は手塚治虫のブッダ、火の鳥を彷彿とさせる。
漫画の神様を想起させる作品を今の時代に、
しかも週間で長期連載していることは本当に驚きだ、
話のスケールが大きいだけに間延びを感じてしまう部分もあるが、
今後の展開と結末が気になる作品である。
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[投稿:2021-05-25 11:27:18] [修正:2021-05-25 11:27:31] [このレビューのURL]