「」さんのページ
主人公のコータローは狂言回し的な立ち位置で、内容は柔道(武道)にそれぞれの想いを持つ者たちの群像劇。醍醐や美杉、鮫島父など一件性悪な敵役にしか過ぎない風に見えるキャラクターにもそれぞれの矜持やバックボーンを与える事で基本的捨てキャラがいない作りになっており、伏線の貼り方も含めたストーリー構成も見事。
武道に関する深い問いかけも作品の根底に流れており、非常に高いレベルでまとまった作品。
決して品が良いとは言えず、時としてテンポを悪くするギャグが不快な人もいると思うが、それを差し引いても読む価値のある作品。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-05-05 11:01:27] [修正:2021-05-05 11:01:27] [このレビューのURL]
6点 ここは今から倫理です。
(4巻までのレビューです)
ドラマの方は観ていないので、そちらの方と比べてどうだったかとかは分かりませんが、漫画単体として見るならば、分かりやすい面白さを持った作品ではありません。
ちょうど、一つの学問を学んでいくように、ゆっくりと、ページを読み進めて話や物語の性質をつかんでいく内に、徐々に面白くなっていくタイプの作品だと思います。
現に自分も、1巻の頃は微妙かなと思っていたのですが、2巻、3巻と巻数を積み重ねていく内に、少しずつ面白くなっていきました。
ただこの作品は、物語を通して倫理の内容を伝えていく教本的な内容というよりも、倫理の授業を受けに来ている生徒一人ひとりに対して、倫理の内容や事柄と絡めて関わり合っていくオムニバス形式的な内容なので、ある意味ではヒューマンドラマ的な傾向の方が強いのかもしれません。
基本的に、甘さは控えめな作品なので、その辺は予めご理解いただければと思います。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-05-04 21:10:30] [修正:2021-05-04 21:10:30] [このレビューのURL]
5点 骨の音
岩明氏のちばてつや賞入選作品がデビューの
きっかけになったのですね。
絵柄は平凡で、昔の同人誌にありがちな描画力です。
お世辞にも、決して上手な部類の作家さんではないですね。
しかし、何を主張するわけでもなく、人間の日常の
不思議な感情を表現するのが最高にうまいです。
むしろ、小説家を目指してもあるレベルで成功されたかもです。
そんな文芸的な短編集でした。
初期の岩明氏の作風は、現在に確実につながっており、
寄生獣やヒストリエが生まれたわけですね。
岩明ファンは一読が必須でしょう。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2021-05-04 08:21:58] [修正:2021-05-04 08:21:58] [このレビューのURL]
10点 ダンジョン飯
久井諒子さんの作品をいくつか読ませて頂きましたが…
ファンタジーとリアリティの
ミックス加減が超絶、絶妙なんですよね!!
天才です!!
実際に異世界に転生した経験あるんじゃないかな
この人…www
中世RPGの世界が現実にあったらこんな感じ…
という世界観の表現者として先駆け的な存在というか…
不思議を不思議にしておかないで、
現実レベルまで落として世界を緻密に理屈っぽく描いてくれるので
ファンタジー世界が良くも悪くも親しみと生活感に満ちています。
ダンジョンの中の
架空の魔物を狩猟して、調理して、料理として食すのですが
不思議なリアル感があり、味が少し想像できてしまうというか…
食べてみたいというか…
「狩猟もの漫画」??「グルメ漫画」??「ファンタジー」
というケミストリーがうまく調和しています。
グルメ部分とは別に
メインストーリーもあって、
そちらの方も、さまざまなファンタジー世界ならではの
人種の価値観の違いが絶妙なリアル感をともなって折り重なって
進行しており、非常に楽しいです。
エルフという人種の人生観などは
この作品が元祖となって、他の作品に反映されている気がします。
※寿命が余りにも長いため、知識量と反比例して
体感時間や精神年齢の成熟が著しく遅い…etc
お腹が空いて、ドキドキワクワク
たまにダークファンタジー
そんな珠玉の作品です。
九井先生のその他の短編集も
先生独特かつ独自の世界観が楽しめるので是非^ ^
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2021-05-04 01:02:52] [修正:2021-05-04 01:02:52] [このレビューのURL]