「てっち」さんのページ
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- 1980年生まれ(性別:男性)
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読んできた漫画雑誌で自己紹介。
小学校〜中学校 週間少年ジャンプ(ドラゴンボールフリーザ編、スラムダンク、聖闘士聖矢、幽々白書、シティーハンターなど…化け物が揃う黄金期)
中学校3年 週間少年サンデー(GS美神読みたさにスタート。MAJORに、らんまに、コナンに、うしとらに…地味に黄金期)
高校2年 ビックコミックスピリッツ購読開始。(きっかけはやったろうじゃんと奈緒子。奥田が激走したのは泣けた…。吉田戦車、中川いさみ、ほりのぶゆきのギャグも好きだったし、村上かつらや盛田賢司の青春物も好きだった)
大学 モーニング購読開始。(ジパングにバガボンド、カバチタレ、そしてなんと言ってもプラネテス。えの素も嫌いじゃない)
社会人〜 ヤングサンデー購入開始。(クピドの悪戯、パラダイス、ソラニン)
現在〜 再びスピリッツに(日本沈没、ボーイズオンザラン、ハクバの王子様、バンビ〜ノ、オメガトライブ、ウシジマくんとお気に入りだらけ。特にボーイズは男として読んでて痛々しくなるほど、共感できる)
今年の目標は「レビューは短く分かりやすく」

9点 リバーズ・エッジ
金欲、食欲、性欲、独占欲…。さまざまな欲望が入り混じる都市で、みな欲望を隠して生きています。隠してはいるのですが、欲望のままに暴飲暴食したりHしたりいじめたりしてしまうのが人間です。そんな都市で生きている少年少女の話です。
いじめられっこでゲイの山田くんと、拒食症の吉川さんは欲望に流されない数少ない人間です。彼らは、自分たちの体が欲望に支配されていない生身の体かどうか確認するかのように、喜んで人間や猫の死体を見に行きます。彼らは自分の欲望をごまかして、隠したりしません。はっきり言ってこの世界では異質な存在です。
物語が進むにつれて、欲望を隠して生きているはずの世界にゆがみが生じて、それぞれの欲望があらわになります。欲望の火をうまくコントロールしてタバコを吸う吉川さんに対して、欲望の火をコントロールできず焼かれてしまった田島カンナ。
物語の最後では、主人公のハルナは再び欲望を隠しつつ以前のように接しようとする観音崎くんと、自分の素直な気持ちをを隠そうともしない山田くんの二人と話して、思わず泣いてしまいます。普段から自分の欲望を隠そうともしない山田くんや吉川さん。普段は自分の欲望を隠してきたのに最終的に欲望に支配された観音崎くんや田島カンナ。どちらが正しいのかなんて誰もわかりません。
資本主義の世の中で、欲望のままにたれ流された工業廃水や生活廃水やごみや尿や精液がよどみながらゆっくりと流れてくる河口の近くに彼らは住んでいます。その景色はまるで彼らが住む世界を象徴しているかのように見えます。
この世界はまるでリバーズエッジ(川の淵)のようなとこだよ、ということですね。
都市部の河口のよどんだ感じと、欲望に突っ走っていきながらも閉塞感を感じている若者の感じがうまく結びつけてあり、とても興味深く読みました。PINKも評価高いですが、わかりやすさも含めてリバーズエッジを岡崎京子の代表作としたいですね。
しかし、みなまで言わないとレビューできない自分はまだまだ未熟者です。自分でも熱くなっていると自覚しているので、冷静になる意味でマイナス1点。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-08-20 23:44:19] [修正:2007-08-20 23:44:19]