「てっち」さんのページ
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読んできた漫画雑誌で自己紹介。
小学校〜中学校 週間少年ジャンプ(ドラゴンボールフリーザ編、スラムダンク、聖闘士聖矢、幽々白書、シティーハンターなど…化け物が揃う黄金期)
中学校3年 週間少年サンデー(GS美神読みたさにスタート。MAJORに、らんまに、コナンに、うしとらに…地味に黄金期)
高校2年 ビックコミックスピリッツ購読開始。(きっかけはやったろうじゃんと奈緒子。奥田が激走したのは泣けた…。吉田戦車、中川いさみ、ほりのぶゆきのギャグも好きだったし、村上かつらや盛田賢司の青春物も好きだった)
大学 モーニング購読開始。(ジパングにバガボンド、カバチタレ、そしてなんと言ってもプラネテス。えの素も嫌いじゃない)
社会人〜 ヤングサンデー購入開始。(クピドの悪戯、パラダイス、ソラニン)
現在〜 再びスピリッツに(日本沈没、ボーイズオンザラン、ハクバの王子様、バンビ〜ノ、オメガトライブ、ウシジマくんとお気に入りだらけ。特にボーイズは男として読んでて痛々しくなるほど、共感できる)
今年の目標は「レビューは短く分かりやすく」

9点 リバーズ・エッジ
金欲、食欲、性欲、独占欲…。さまざまな欲望が入り混じる都市で、みな欲望を隠して生きています。隠してはいるのですが、欲望のままに暴飲暴食したりHしたりいじめたりしてしまうのが人間です。そんな都市で生きている少年少女の話です。
いじめられっこでゲイの山田くんと、拒食症の吉川さんは欲望に流されない数少ない人間です。彼らは、自分たちの体が欲望に支配されていない生身の体かどうか確認するかのように、喜んで人間や猫の死体を見に行きます。彼らは自分の欲望をごまかして、隠したりしません。はっきり言ってこの世界では異質な存在です。
物語が進むにつれて、欲望を隠して生きているはずの世界にゆがみが生じて、それぞれの欲望があらわになります。欲望の火をうまくコントロールしてタバコを吸う吉川さんに対して、欲望の火をコントロールできず焼かれてしまった田島カンナ。
物語の最後では、主人公のハルナは再び欲望を隠しつつ以前のように接しようとする観音崎くんと、自分の素直な気持ちをを隠そうともしない山田くんの二人と話して、思わず泣いてしまいます。普段から自分の欲望を隠そうともしない山田くんや吉川さん。普段は自分の欲望を隠してきたのに最終的に欲望に支配された観音崎くんや田島カンナ。どちらが正しいのかなんて誰もわかりません。
資本主義の世の中で、欲望のままにたれ流された工業廃水や生活廃水やごみや尿や精液がよどみながらゆっくりと流れてくる河口の近くに彼らは住んでいます。その景色はまるで彼らが住む世界を象徴しているかのように見えます。
この世界はまるでリバーズエッジ(川の淵)のようなとこだよ、ということですね。
都市部の河口のよどんだ感じと、欲望に突っ走っていきながらも閉塞感を感じている若者の感じがうまく結びつけてあり、とても興味深く読みました。PINKも評価高いですが、わかりやすさも含めてリバーズエッジを岡崎京子の代表作としたいですね。
しかし、みなまで言わないとレビューできない自分はまだまだ未熟者です。自分でも熱くなっていると自覚しているので、冷静になる意味でマイナス1点。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2007-08-20 23:44:19] [修正:2007-08-20 23:44:19] [このレビューのURL]
9点 ドラえもん
Fの短編集と併せて読むと、凄さが分かります。
SFに関する考え方が全くぶれていません。
特に、力(超能力・権力・武力・財力…)を持つ人間がどのように調子に乗り、報いを受けていくか。この考え方はFの中で確立されていた、と思います。のび太は毎回このテーマに挑んでいたのでしょうねぇ。
また、ドラえもんのすごい所は構成力だと思います。
学校から帰ってきたのび太が、昼寝していたら、ママに買い物を頼まれて、ふてくされながら、歩いて買い物に出かける。
それらが2コマで描かれていることがあります(笑)
特に、連載後期には全く無駄の無い構成になっており、流れるような場面転換で、読んでいると実にテンポの良さを感じます。
そのテンポの良さ、読みやすさゆえに、どれだけ回を重ねても「反省しないのび太」がより目立ってしまい、苦手に感じるのかもしれませんね(笑)
しかし、これだけ無駄が無い作りなのに、むきになって劇中の役者や漫画に小ネタをねじ込んでくるのは、Fの意地なんでしょうか…(笑)
ナイスレビュー: 4 票
[投稿:2007-07-11 08:19:12] [修正:2007-07-11 08:19:12] [このレビューのURL]
レビューを書いたみたら、長文になりました…。
嫌いな人、すんません…。
テーマは「想像する」でしょうか。
痛いのを想像する。辛いのを想像する。楽しいのを想像する。
相手の気持ちを想像する。
ゲーム世代は、想像力が欠如しているから、凶悪犯罪にいともたやすく手を染めると言われている。
「殺さないと自分が殺される」と強く想像できる人が殺しに手を染める。
各々の想像によっては、
生も死も紙一重だということです。
作中、たくさんの「生きている」人が突然に「死んでいく」姿が、とてもリアルな描写で登場します。
同時に、たくさんの想像できない普通の人も登場します。
トシモンが繰り広げる虐殺に、「なんだつまんねえ100人かよ」「トシモンごっこだ」などどはしゃいでいます。身内や恋人じゃないと想像もできない「死」。
まさしく、これは現実なんですが、あまりに現実すぎて目を背けてしまいます。しかし、これは私たちに対するメッセージでもあります。
『本当に想像できてる?』
「盛り上がりが足りない」「描写が甘い」「最終回前に一人は死なないと」などと、知ったふりして、漫画を読んでいた自分には、このメッセージは強烈でした。
吐き気を覚えるほどの虐殺シーンも、テレビやネットで刺激に慣れてしまって想像できない私たちに届くように描いた結果だと思います。
どんなうれしいことでも悲しいことでも「なんかドラマみたい…」で済んでしまい、国政選挙も「何してんだかわかんないから」と投票率も低下。皮膚感覚で現実が分かりづらい世の中。
リアリストって言うと悪い人みたいなイメージありますが…
現実を見つめて、未来を、この世の行く末を「想像」して、私たちの手で素晴らしい世界を造る、と強く願って行動すれば、叶わないことはないってことです。
誰に願うのか。神様?神様すら、人間の「想像力」が心に生み出したものだから。神様はただ、そこにいるだけで、願いを叶えてはくれない。結局、美しい世界を造る願いを叶えるのは、一人一人の意志のみです。
くさいけど、それが「世界は私のものだ」ってことなんでしょう。
他の人も書いてますが、9・11以前にこの漫画がこのテーマで描かれていることに改めてびっくりします。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2007-07-10 23:51:16] [修正:2007-07-11 00:26:14] [このレビューのURL]
9点 ソラニン
連載時からとっても大好きな漫画です。
この漫画の中の空気感が好きです。
特にライブシーンは音が聞こえてくるよーで。
作者同い年だからかもしらんけど、
熱くなったり冷めたりの描写が妙にリアルに感じます。
たぶんヤンサン本誌なんで、他の作品より読者意識して、意図的に楽しく軽く描いてたんだろうけど、これ一番好きだなあ。
他の方も書いてるように、岡崎京子的な深さは無いので、そこで1点マイナス。
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2007-07-02 14:23:11] [修正:2007-07-02 14:23:11] [このレビューのURL]