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10点 無限の住人
素晴らしい!
長期連載ではありますが、30巻で密度濃く時代劇・
活劇を堪能できました。
不死人という設定もさることながら、敵味方の単純
構造ではない設定がよろしい。
逸刀流は当初単純な憎むべき仇役ですが、背景には
共感したくなるポリシーがあって、吐率いる無蓋流と
公儀から追われる弱者にもなってしまいます。
そんな事情に関係なく、双方の対立軸と絡み合う
主人公万次と凛。
登場人物が多いのも特徴です。
15巻で紹介されていましたが、その時点で100人
以上ですから30巻では一体何人出てきたのでしょうか。
しかし、魅力ある剣士や攻撃力がその都度、
ワクワク感を増幅しますね。
天津影久、吐鉤群、六鬼団、偽一らの凄みはそれぞれ
強い個性を持っていますが、なんと言っても乙橘槇絵です。
彼女は生きる希望はすでに捨て去っているという設定
ですが、その表情が設定通りに表現できていることが
素晴らしい。
彼女の顔だけでも描画力10点を差し上げたい。
その雰囲気のまま実力十分で悲劇の剣士が似合います。
最終巻まで魅せてくれます。
最高の舞台で最高の演者たちが最高のドラマを
演じたという感覚でした。
名作です。
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[投稿:2021-02-12 06:22:04] [修正:2021-02-12 06:22:04] [このレビューのURL]
2点 NOBELU-演-
テーマが多数散らばらせており、興味を引かされて
いく導入部です。
虐待、子育て放棄から始まり、多重人格、天才子役
といったところが、キーワードになります。
何かが起こる予感がありますが、台詞が多用されて
おり、大した事件も起こりもせず、
次第に興味が薄くなってきました。
子役同士のバトルが中心になると思いきや、
全体に不気味な雰囲気だけが、続きます。
名脚本家である野島伸司を原作に迎えて、
期待の作品だったのでしょうが、
漫画としては未消化に終わるという印象です。
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[投稿:2021-02-11 16:09:50] [修正:2021-02-11 16:09:50] [このレビューのURL]
秋本治の多岐にわたる知識量と、普遍的な日本人の笑いのツボを突くセンスの2点が無ければ成立しない作品。そのためか、40年の超長期連載にも関わらず、この作風を継承する漫画家が未だに現れていない(ミリタリコメディー要素はうすね正俊にも通じているかもしれないが)。
博学な作者によりチョイスされたリアリティのある題材を、荒唐無稽な両津が木っ端微塵にするという振れ幅が、たまらなく面白い。
ギャグ漫画は人により笑いのツボが分かれるところだが、こち亀は話題や表現自体はオーソドックスなので、誰でも読みやすい点も素晴らしい。
後半のネタ切れ感やパンチ力不足は否めないが、それを差し引いても偉大な作品である。
というか、40年間の週刊連載を無休載でやり遂げること自体、漫画界最高の偉業の一つである。
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[投稿:2021-02-11 11:36:12] [修正:2021-02-11 11:36:12] [このレビューのURL]