「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

よく引き合いに出されるたとえ話ですが、地球のこれまでの歴史を「一年」の時間の中で表した場合、人類の誕生はほんの五日と少し前で、文明がある程度の形となって発達した時間でさえ、ほんの一分未満のわずかな時間しかありません。ましてや、高校生活三年間の時間なんてのは、たったの0.02秒ほどです。

そんな事を思うと、自分がこれまで生きてきた歴史というのは、宇宙全体の歴史から見た場合、ほんの一瞬の閃光のようなものなんだろうなと、そんな世の無常と儚さを感じさせてくれました。

さて、天文部の活動をテーマとしたこの作品。確かに地味で、読んでいて盛り上がりに欠ける部分は多々あるかもしれませんが、それでも読んだ後には思わず宙(そら)を眺めて、どこまでも果てしなく広がるこの遠大な宇宙に思いを馳せてみたくなる、そんな清々しさと爽やかさを持った作品です。

オススメではないですが、ずっと宙(そら)を見上げて夜空の星々に思いを馳せる、こういう高校生活もきっと楽しかっただろうなと、そんな憧れや羨望を抱かせてくれる作品でした。

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[投稿:2011-09-23 20:57:21] [修正:2011-09-23 21:35:06] [このレビューのURL]

マンガで分かる心療内科。もう一つの心理学を題材にした別の作品と比べれば、こちらの方がより正確に、タイトル通りの内容になっているんじゃないかと思います。

しかしまぁそうは言っても、本当に心療内科の具体的内容について詳しく書かれているかと言えば、それは首を傾げてしまう内容で、あくまで心療内科の基本的な事項だけを読者に分かりやすく説明するために、ギャグの力を借りておもしろおかしく伝えている、というのが、作品の本質じゃないかと思います。

まぁ個人的には好きなんですけどね、この作品。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-07-28 22:26:47] [修正:2011-07-28 22:26:47] [このレビューのURL]

間違いなく「過程」を楽しむタイプの漫画だと思うこの作品。

この作品のミソは次の二点。
1 見た目超優等生のメガネちゃんが、実はバリバリのヤンキー。
2 見た目バリバリのヤンキーが、実は元超優等生。
このギャップがこの漫画の面白い所であり、ミソであると私は感じます。

ストーリーとしては全体的に勢いまかせで、ヒネリや伏線も何もないキャラ漫画ですが、その分キャラクター一人ひとりの面白さや魅力が際立っているので、安定した面白さは持っていると思います。

しかしやはり、読んでいて痼り(しこり)として残るのが、物語の最後の結末部分です。果たして、どうしてこのような結末になったのかという事を、あくまで自分の推論として述べさせてもらいます。

まず結末の要点を整理しましょう。

自身の正体と家庭の事情が原因で学校に来る事ができなくなってしまい、引いては卒業式はおろか、大学進学も諦める事になってしまったヒロイン足立花。卒業式の日、品川大地は答辞を読み上げていく中で、この三年間、自分は足立花に振り回されながらも、彼女がいた事で自分の高校生活三年間がいかに輝いていたのかを改めて気付かされ、自分にとって足立花という存在がいかに大きなものだったのかを改めて知り、そこで初めて涙を流すのだった。
そして、四年後。品川大地は母校、紋白高校の教師として働いていた。そして学校行事の社会科見学が迫ろうとしていた時に、ふと休憩がてらにトイレに入っていると、そこに突然、あの足立花が現れた。丁度、初めて二人が登場したあの時(第一話)と同じように。
こうして、二人は四年振りに、今度は先生と生徒として、無事に再会を果たすのだった。

と、まぁこんな感じではないかと思いますが、おそらく、作者の頭の中ではこのラストシーンの方が先にあったために、ああいう流れになったのではないかと思います。
(つまり、分かりやすく言えば、本来予備校編は連載当初から予定されていた話ではなく、連載をある程度引き延ばすために、後から作られた話だったのではないかと。見た目ヤンキーの品川が実は、元有名中学校の在校生だったとか、しかも全国一位の知り合いがいるとか、いかにも後付けっぽい設定ですし。それに、もし仮に足立花の家庭問題が無事に解決し、足立花も品川大地も二人無事に揃って紋白高校を卒業してしまうと、作者が描きたい理想の結末が描けなくなってしまいます。足立花が高校を「卒業」してしまう訳ですから。)

ただまぁ個人的な感想を言えば、これまでの過程を考えると、その結末(品川が殿大に出たにも関わらず母校で教師をやっていて、そこに四年ぶりに高校を中退した足立花が現れたという結末)はちょっと無理があったんじゃないかとも思います。何にしてもこの漫画は結末よりも、その途中を楽しむための漫画ですので、そこに整合性を見出そうとする事自体、ヤボな事かもしれません。

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[投稿:2011-06-21 14:21:02] [修正:2011-06-21 14:24:37] [このレビューのURL]

どうやら最新の科学技術では、メス単体の存在だけで次の世代の命を作る事が出来るらしく、じゃあオスの存在理由って何なの? っていう疑問の答がここにあるような作品。

つまり、ある免疫学者の言葉を借りるなら、男っていうのはやっぱり「現象」だと思うんです。「現象」だからこそ必要以上にその存在意義を強調したくなり、見栄やプライド、あるいは権威と言った存在意義を主張できるようなステータスを持とうとするんじゃないかと、そう考える訳です。

あ、ちなみにこの作品はそんな高尚な漫画ではなく、男子高校生のどうでもいい日常を一話につき何ページとかでダラダラとやっているような物凄いユルい漫画です。

道に落ちている棒を見つけてRPGごっこをやり始めたりだとか、サッカーの練習で必殺シュートを編み出したりとか、ホント男子高校生ってしょうもない事ばっかりやってると思うんですけど、そういうしょうもない事を真剣に、しかも必死にやってる生き物が「男子高校生」なんだと、世の女性方に分かってもらえれば幸いです。

ちなみに、個人的に好きなキャラトップ3は、唐沢さん、りんごちゃん、タダクニの妹の三人です。

ナイスレビュー: 3

[投稿:2011-03-10 23:03:02] [修正:2011-03-10 23:03:02] [このレビューのURL]

問題
ある時、A、B、C、Dの四人が学校のトラック一周分のレースをしました。次の四人の証言を聞いて、このレースの順位を答えなさい。ただし、四人のうち一人だけは嘘の証言をしています。

A:私の次の次にゴールしたのはBだった。
B:私の前にゴールしたのはCだった。
C:私は一位だった。
D:私は一位だった。

この作品は、こういうタイプの問題を登場人物達がクイズ対決みたいな感じで次々と解きあっていく作品です。クイズとしても解きやすく面白い問題も多いので、結構楽しめるのではないかと思います。ちなみに、読む時は紙とペンを側に置いて読む事をおすすめします。読んでいると、答を出される前に自分でも解いてみたくなりますので。

結果としては5巻で完結とコンパクトな作品になってしまいましたが、ネタ切れになってダラダラと続けるよりは、よっぽどかスッキリした終わり方だったと思います。ただ、個人的にはもうあと1、2巻くらい続いて欲しかったというのが本音です。最後に、もう一問だけ、作中で面白かった問題を紹介します。

「2011年と全く同じカレンダーを使える次の年は、西暦何年か?」

答は5巻のとある場所に載っているので、探してみて下さい。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-01-07 11:25:30] [修正:2011-02-20 22:49:58] [このレビューのURL]

正直な話、当時この作品がジャンプで掲載されていた頃、自分はあまりこの作品に共感できずにいました。その理由を一言で言ってしまうと、「問題解決の方法論に共感を得なかった」からです。

物語に起承転結の起伏がある以上、主人公がピンチになり、そこからの大逆転を経て物語がハッピーエンドの方向へと収束していくという過程は至極当然であるため、そこに異論の余地は無かったのですが、そこに辿り着くための方法論がどうしても自分の中で納得のできないものばかりだったのを記憶しています。

その方法論を相撲で例えるとします。ある力士が、ここからここまでしか範囲がない土俵の瀬戸際で相手力士に追い込まれています。するとその力士は突然、無理矢理外周の円を足で押し広げて、円をはみ出させてその場を耐え凌いでしまいました、といった具合の方法論を繰り返し取っているように思えたんですよね。つまり無理矢理ルールを拡張させてしまっているような。

勿論これは、物語の意外性という言葉で表現される部分でもあるため、これを意外性と取るか、ズルいと取るか。これは完全に好みの問題です。が、少なくとも自分はあまり納得できませんでした。

最近改めて読み直してみて、確かに話としてはまずまず面白いと思えたんですけど、やはり要所ごとの判断が自分とは噛み合わないなと。そんなことを感じさせられた作品でした。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2011-02-11 22:49:47] [修正:2011-02-11 22:49:47] [このレビューのURL]

作品としても随分前に完結し、自分自身も随分前に読み終わったこの作品なのですが、今まで長い間完結レビューをほったらかしにしていました。そんな訳で、いよいよ完結版のレビューをがっつりと書こうかと思います。

この作品、序盤から中盤にかけては基本的にまったりのんびりとした喫茶で働く主人公、高村潤(たかむらうる)の日常風景が物語の主軸として進んでいきますが、後半の桜庭社長が出てくる辺りから全体的に雲行きが怪しくなり、終盤、最後の最後に出てくる物語の「核心」部分では、超絶ヘビーな展開が読者を待ち構えています。序盤、中盤の少年誌では考えられないくらいの絵柄・物語双方のユルさと、終盤の少女漫画らしい独特のおどろおどろしい雰囲気を醸し出した作品全体のヘビーさとのギャップは相当なものなので、ぜひ一度読んでほんわか&ハラハラしてほしいところです。

ただまぁ、何と言ってもこの漫画の魅力は、主人公「高村潤」の人間としての魅力に尽きると言っても過言では無いと思います。彼女の天真爛漫で純粋で、大ボケな天然っぷりは、まるで可愛らしい小動物を眺めているかのような癒しの効果を受けます。しかし勿論ただ純粋なだけでなく、芯の強さや、正義感の高さを持ちあわせながらも、それでいて繊細で、人の痛みも分かってあげられるという、どんだけ完璧超人なんだよとツッコみたくなるくらいに深い魅力を持ったキャラクターです。

物語が多少不出来な作品でも、キャラクターに好きな部分があると何となくそれを許してしまい、またそれに付随するように作品も苦なく読めてしまうという、それだけキャラクターというのは物語にとって大事な要素なのだと、そんな事を考えさせられます。

あまり少女漫画らしくない少女漫画なので、「少女漫画はちょっと・・・」という人にもぜひ読んでみてほしい作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2009-08-05 19:29:42] [修正:2011-01-25 20:22:16] [このレビューのURL]

発掘されてしまったアホ漫画。(受身形)

一巻の表紙絵だけを見たら、至って爽やかで可愛らしい少女漫画なのですが、その中身は何ともアホでやりたい放題のギャグ漫画でした。きっと、その次の二巻の表紙を見れば、この漫画の正体が見えるのではないかと思います。

私が思う、この作品の魅力は、いい年した大人が全力でバカな事をやっている所。中途半端なバカは見ていて腹立たしいものなのですが、行き過ぎたバカは見ていて憐れみにも似た同情や愛着、そして親近感を覚えます。

おそらく、バカと天才を秤に掛けた天秤が、バカの方に傾いたらきっとこういう作品になるんだろうなと、そんな事を考えさせられました。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-06-16 20:23:53] [修正:2010-07-22 21:54:23] [このレビューのURL]

一応、21世紀少年が一連の物語としてのゴールなんですが、こちらに書く方が分かりやすいので、こちらに全体のレビューを書こうかと思います。

1 「ともだち」について

あんまり書くとネタバレになってしまうので、突っ込んだ表現はできませんが、この物語のオチについて、一言で言ってしまうと、「いじわる問題」。解答者に与えられる情報と、解答者が導き出す答の間に大きな不均衡が生じているため、解答者が不利な立場を強いられる問題が、この物語の結末にはあると思います。

では今回のこの作品で、読者は何が不利だったのかと言えば、それは“彼”の正体を知ってから改めて彼の足跡を辿った時に、あまりにも読者の想像に委ねられる部分が多い事にあると私は考えます。最初の“彼”の時にはまだ伏線という足跡があった。しかし次の“彼”の時には伏線というには、あまりにも霞のような朧気な記憶しか、その手がかりがない。

正直私は、次の“彼”は、あまりにも無理矢理な印象を受けました。「読者に予想させない人物」を考えすぎた結果、あまりにも突拍子も無い人物を選んでしまった。そう思えてならないのです。もし“彼”が “ともだち”として選ばれたのなら読者に説明しなければならない過程が山ほどある。しかし、それを置き去りにして「はい。“ともだち”は“彼”でした。」だけではやはり不完全だと言われても仕方ないと思います。

2 ストーリーについて

回りくどくて、まどろっこしくて、思わせぶりな事この上ないストーリー。引き付ける演出と言ってしまえばそれまでですが、正直自分の好みではなかったです。
終盤、読みながら思っていたのが「この話、元々はどの位の長さだったのだろう?」という事でした。

結論から言えば、“ともだち暦3年”は、当初の構想には無かった話なのではないか?という事です。本来なら、その3年前に“ともだち”の正体が暴かれ、ケンジやかつての仲間達は無事に再会を果たし、物語は大団円を迎えた。そういう話だったのではないか。そんな事を考えていました。


何と言うか、子供の遊びに振り回されたような読後感でした。

ナイスレビュー: 1

[投稿:2009-09-02 20:35:24] [修正:2010-05-27 20:32:34] [このレビューのURL]

個人的に、今アニメで観てみたい漫画の内の一つ。

というのも、この作品は声優を目指して声優養成学校に通っている女の子を主人公とした物語で、当然、その内容も「声」ありきのモノが多いのです。まぁ、肝心のストーリーそのものは割と普通なんですが、話の要所要所に用いられる演出面に関しては、やはり実際に声があった方が面白いんじゃないかと思っています。

巻数を重ねる毎に、益々面白くなってきているので、今後が楽しみな作品です。

ナイスレビュー: 0

[投稿:2010-05-12 20:06:34] [修正:2010-05-12 20:09:56] [このレビューのURL]

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