「鋼鉄くらげ」さんのページ

総レビュー数: 292レビュー(全て表示) 最終投稿: 2007年10月28日

問題
ある時、A、B、C、Dの四人が学校のトラック一周分のレースをしました。次の四人の証言を聞いて、このレースの順位を答えなさい。ただし、四人のうち一人だけは嘘の証言をしています。

A:私の次の次にゴールしたのはBだった。
B:私の前にゴールしたのはCだった。
C:私は一位だった。
D:私は一位だった。

この作品は、こういうタイプの問題を登場人物達がクイズ対決みたいな感じで次々と解きあっていく作品です。クイズとしても解きやすく面白い問題も多いので、結構楽しめるのではないかと思います。ちなみに、読む時は紙とペンを側に置いて読む事をおすすめします。読んでいると、答を出される前に自分でも解いてみたくなりますので。

結果としては5巻で完結とコンパクトな作品になってしまいましたが、ネタ切れになってダラダラと続けるよりは、よっぽどかスッキリした終わり方だったと思います。ただ、個人的にはもうあと1、2巻くらい続いて欲しかったというのが本音です。最後に、もう一問だけ、作中で面白かった問題を紹介します。

「2011年と全く同じカレンダーを使える次の年は、西暦何年か?」

答は5巻のとある場所に載っているので、探してみて下さい。

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[投稿:2011-01-07 11:25:30] [修正:2011-02-20 22:49:58] [このレビューのURL]

反骨精神という言葉があるように、まだコンピューターグラフィックによる漫画の作成が出来ずに、更にはスクリーントーンさえ無かった時代、多くの漫画家志望者達は全て自分の手で(つまりは画力で)万物の全てを描写し、表現しなければなりませんでした。そういった逆境とも言える時代の中で育った漫画家達は、確かに今現在の漫画家達と比べても格段に画力が高いです。自分の手で描かなければ伝えたい事を伝えられなかった時代。上手くなる事は、むしろ必然の結果だと言えたのかもしれません。

そんな前置きをしてこの作品ですが、絵だけをとって見れば、文句無しに10点です。もう惚れ惚れしてしまうほど、その画力は素晴らしく、別マガの中でも群を抜いてその巧さが際立っています。同誌に掲載されている他の作品群が子供同然に見えてしまうほど、その巧さはもはや別次元です。

ただストーリーとしては、自叙伝に近いものがあるため、「楽しむ」というよりは「知る」という感覚の方が強いかもしれません。しかし幕末の時代劇物を楽しみたいという人にとっては、その抜群の画力と綿密かつ緻密な時代考証あるいは舞台設定から繰り広げられる、吉村貫一郎の壮絶な人生叙事詩に充分満足できる作品なのではないかと思います。

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[投稿:2011-02-20 22:28:19] [修正:2011-02-20 22:28:19] [このレビューのURL]

1巻の表紙絵とタイトルの「あざとさ」から、どうせ2、3点止まりのネタ本だろうと、その面白さに対して全く期待をしていなかったんですが、いざ実際に読んでみるとその予想に反して、結構な面白さを持った作品でした。正直、悔しさを感じるくらいに。しかも更に悔しいのが、面白いのはどうせ最初の1巻くらいで巻数を重ねれば面白くなくなるんじゃないかと思い、現行の3巻まで読んでみたのですが、それでもやっぱり面白かったという事で更にその悔しさが増幅されました。

簡単にこの作品の内容を説明すると、兄大好きの超ブラコンな妹が、思春期丸出しのバカな兄貴を心の中で罵りながらも、その行動を思うがままに手玉に取り、弄ぶという、言葉だけで表現すると何とも気持ち悪い事この上ない初期設定です。そんな訳で、まぁ、この漫画は変態だらけのギャグ漫画だと思ってくれればほぼ間違いないと思います。

おそらくこの面白さは一時的で、今後絶対に面白くなくなるはずだ。

そういう自分の「呪い」の意味も込めて今回は6点を付ける事にします。

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[投稿:2011-02-11 22:50:27] [修正:2011-02-11 22:59:29] [このレビューのURL]

正直な話、当時この作品がジャンプで掲載されていた頃、自分はあまりこの作品に共感できずにいました。その理由を一言で言ってしまうと、「問題解決の方法論に共感を得なかった」からです。

物語に起承転結の起伏がある以上、主人公がピンチになり、そこからの大逆転を経て物語がハッピーエンドの方向へと収束していくという過程は至極当然であるため、そこに異論の余地は無かったのですが、そこに辿り着くための方法論がどうしても自分の中で納得のできないものばかりだったのを記憶しています。

その方法論を相撲で例えるとします。ある力士が、ここからここまでしか範囲がない土俵の瀬戸際で相手力士に追い込まれています。するとその力士は突然、無理矢理外周の円を足で押し広げて、円をはみ出させてその場を耐え凌いでしまいました、といった具合の方法論を繰り返し取っているように思えたんですよね。つまり無理矢理ルールを拡張させてしまっているような。

勿論これは、物語の意外性という言葉で表現される部分でもあるため、これを意外性と取るか、ズルいと取るか。これは完全に好みの問題です。が、少なくとも自分はあまり納得できませんでした。

最近改めて読み直してみて、確かに話としてはまずまず面白いと思えたんですけど、やはり要所ごとの判断が自分とは噛み合わないなと。そんなことを感じさせられた作品でした。

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[投稿:2011-02-11 22:49:47] [修正:2011-02-11 22:49:47] [このレビューのURL]

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