「souldriver」さんのページ
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しばらく漫画から遠ざかってましたが、少し余裕がでてきたので過去のレビューの修正などぼちぼちやってます。
自分のレビューを読み返していて気付いたことが1つ。それは「緊張感」という言葉を多用していること。
僕にとっての漫画の評価基準とはつまり、(ユルい作風でも、ギャグ漫画であっても)「独自の緊張感」を感じられるか否かということろに終始するようです。
7点でオススメ、8点で秀作、9点以上で傑作、10点は特別な点数。点数は気分次第でけっこう変わるので、なるべくレビュー本文をしっかり書くように心がけてます。
○定期的にチェックしてる作品(レビュー変更の可能性あり)
「ヴィンランド・サガ」 「岳」 「銃夢 Last Order」 「CRAYMORE」 「さよなら絶望先生」 「シグルイ」 「SIDOOH 士道」 「ジパング」 「スティール・ボール・ラン」 「Damons」 「賭博堕天録カイジ」 「バガボンド」 「ハチワンダイバー」 「ヒストリエ」 「PEACE MAKER」 「へうげもの」 「BECK」 「HELLSING」 「魔人探偵脳噛ネウロ」 「無限の住人」 「よつばと!」 「ラストイニング」 「リアル」 「WORST」

7点 沈黙の艦隊
現代世界を舞台にした漫画で、これほどまで大きなスケールで描かれた作品を他に知らない。
核問題、東西冷戦、南北問題、国家と民族の尊厳、大国のエゴ、戦争と平和、国連の在り方、世界経済の行方、真のネットワーク社会とは……
現代世界を語る上で避けては通れない社会的要素を余すところなく盛り込み、一つの物語として完結させている作者の知識の豊富さと先見性、構成力はすごいの一言。
潜水艦をメインとした話だが、海戦よりもむしろ頭脳戦や情報戦の緊迫感がスゴイ。
多くの政治家や軍人、民間人が関わってくるが、その一人一人がきちんと独立した考え方を持っており、展開には必然性のようなものが感じられた。(作者の主観的な描写も目立つが)
結末には少し納得がいかなかったが、そこにも理想主義的観点ではなく、現実のもとに立って見た一つの未来の形がしっかりと示されていたと思う。
ただ、これだけ高い完成度を誇るにもかかわらずもう一つ作品の中に入っていけない要因は、主人公である海江田のあまりに人間離れした感覚にある。
神のごとき所業をことごとく平然とやってのけるので、彼の行動の整合性が頭では分かっていても、どうしても非現実を感じずにはいられなかった。この海江田に対比した「もう一人の主人公」として登場する深町もやや影が薄く、感情移入がしにくかったというのも大きい。
もう少し魅力的な人物を描けていればこの作品の評価も大きく変わっていたのではないかと思う。
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[投稿:2007-06-21 18:33:06] [修正:2007-06-21 18:33:06]