「blackbird」さんのページ
- ユーザ情報
- 年生まれ(性別:女性)
- Webサイト
- http://
- アクセス数
- 182525
- 自己紹介
-
胸キュンものから硬派なものまで。
少女・少年マンガから青年マンガまで。
大事なことはたくさん漫画から学びました。

8点 娚の一生
不倫やら略奪愛やら、傷つく恋愛ばかりしてきたつぐみ。
一人で生きていくと田舎に引っ込んだ割には、ぐずぐずと過去に引きずられ、目の前にきた幸せを見ようとせず、いつまでも自分の事ばかり考えてしまう。仕事は出来るのに・・・ちょっと自分中心すぎてイライラする。
物語のクライマックスで言われた「あなたは自分がなんでも持っているから、人からもらうものを大事にできない」というセリフに、つぐみの不幸の原因が集約されている。
一方で、つぐみの祖母への思慕もかなわず、これまた一人で生きていくだろうと思っていた51歳の教授。思いがけずつぐみに恋することとなる。
しかし・・・パンツ一丁でうろうろする、図々しいただのおっさんです。
すごい枯れているようで(実際老眼鏡だし、体の線もおっさんくささばりばり)、結構枯れてない。いや、むしろ今の草食男子なんかよりもずっと生ぐさい。
自分の残り時間を思うと、突っ走れるものなのか。
突っ走っては照れたりひねくれたりして、その塩梅が面白い。
哲学者だからなのか、生きてきた年輪のせいなのか、親に捨てられたという過去をしょっているからなのか、ところどころでさらっと教授が吐くセリフが重い。これが過去にとらわれるつぐみの殻を、ゆっくりと一つ一つ割って行って、最後はぐいっと強引に。
なかなかやるじゃん、オヤジ。
今までにあまりなかったタイプの漫画でした。枯れセンにはたまるまい。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2011-04-11 23:01:30] [修正:2011-04-11 23:01:30]