「shinpe-」さんのページ
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レビューの数が10を超えたあたりで、平均点が異常に高いことに気がつきました。きっと腐すことが好きではなく、褒めるレビューを書くのが好きだからだと思います。
一服の清涼剤のような漫画、強い酒を飲んだ時のように腹の底が熱くなる漫画、読んだ後に現実が輝いて見える漫画が好きです。つれづれ暇つぶしのように書いていきますが、見てあげて下さい。

9点 べしゃり暮らし
笑いの成り立ちというのは空気そのものだと思うんです。学生時代に「こいつならどんなタイミングで何を言っても面白い」と思わせるような奴っていませんでしたか?主人公上妻はそんな奴です。そしてさすが青春漫画の巨匠、笑いが起こっている教室の「空気」がビリビリ伝わってくるような筆致で描いています。ギャグそのものが面白いか否かははっきり言ってどーでもよいのです。ここまでうまく笑いの「空気」を描ける人はたぶん森田まさのり一人でしょう。
相方というものの存在もこの作品の大きなテーマです。一人では成立しない「漫才」という形式のコメディ。プロを目指し、その中に足を踏み入れる上妻は、はじめて自分だけでは成立しない笑いの世界で生きていくことを強いられます。その中で向き合う葛藤?自分よりも面白い相方の存在、先輩芸人と相方の複雑な関係、関西弁でしゃべるか否か?はめちゃくちゃにリアリティがあります。
ずっと描きたかったテーマだったそうで、それも一読すれば納得です。ろくでなしやルーキーズと並び称されて当然の素晴らしい作品だと思っています。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2010-05-18 20:27:06] [修正:2010-05-18 20:27:06]