「ほげ」さんのページ
- ユーザ情報
- S.5X年生まれ(性別:男性)
- Webサイト
- http://
- アクセス数
- 35665
- 自己紹介
-
好きな漫画:ドラゴンボール、ブッダ、アドルフに告ぐ、火の鳥、ブラックジャック、僕の小規模な失敗、僕の小規模な生活,つげ義春全作品、めぞん一刻、ホムンクルス、ピンポン,天才バカボン,ナニワ金融道,カバチタレ!,AKIRA,魔太郎が来る!
最近気になる漫画:プルートウ、殺し屋1、七色いんこ、風の谷のナウシカ、三つ目がとおる,童夢,極悪がんぼ
好きな漫画家:手塚治虫,藤子不二雄A,藤子・F・不二雄,つげ義春,黒田硫黄
気になる漫画家:福満しげゆき,赤塚不二夫,東風孝広,大友克洋
基本的に好きな漫画は全て10点をあげちゃってますので、点数を見ても読みたいなと思われる漫画は少ないかもしれません。この漫画はここが良いと思ったから高得点、悪いから低得点であるというような点の決め方はしません。
手塚治虫やつげ義春,黒田硫黄なんかが好きで,『ナニワ金融道』とか『カバチタレ!』なんかも好きとくれば,筆っぽい絵というかきたねえというか,スタイリッシュな絵は好きじゃないみたいですね。
『ホムンクルス』の山本英夫は上手いですが,彼の漫画は汚いから許せちゃう。大友も上手い訳ですが,劇画劇画した絵ですし,やっぱりグロですからOK。『クロサギ』もヒロイン風の女の子の設定さえなければ・・・と思います。反面,現代漫画の最高水準という感じの小学館の浦沢直樹なんかは,受けつけませんね。『MONSTER』なんかは,ストーリーの導き方はまあまあだけれど,長すぎるし,残酷じゃなさすぎて飽きてくる。
大して面白いと思いませんでしたが,『刑務所の中』の絵は嫌いじゃないですね。まあ,ここまで言えばだいたい僕の漫画の好みが分かってくるかと思います。少女漫画なんかは全然受け付けませんよ。

10点 ピンポン
ありふれたスポーツ漫画を、筆遣いの巧みさで、異常な存在感を示した松本大洋の傑作。
天才肌で、努力することを知らない主人公・ペコは、卓球の名手。だが、かつて自分が見下していた選手であったアクマが、「努力」によって自分を圧倒的に上回る選手になっていた………そして敗北する。尚且つ、自分の一歩手前を歩いていたはずの選手・スマイルが、めきめきと頭角を表し始め、かつて名選手だった顧問コーチにも見出される。
そして、ペコは、「努力」をすることによって、成功する訳だが、物語としては、確かにこれは、「平凡」ではある。誰が見たって、ありふれたスポーツ漫画に過ぎない。しかし、そのありふれた物語であるはずの本作が、われわれの前に傑作として映ってくるのは何故なのか?それは、作者独特の筆遣いにあるのは、誰しも認めることではないか。黒田硫黄にも似たようなタイプであるが、詩的な黒田と違って、こちらはコンピュータ・グラフィックス的な戯画を見せてくれる。
卓球のスピード感は、1秒間でピンポンを打って・打ち返すほどの高速度で僕たちの目に映る。それを漫画で表そうとすると、アクション漫画の格闘シーンを見ているような荒々しさで埋め尽されてくる。殴り・殴り返すような緊迫感がこの漫画の中にはある。少年の成長物語としても、もちろん読むことは可能だが、しかしそれだけではありふれたスポーツ漫画(それもスポ根漫画)に過ぎない。それをありふれないもの、異常な存在感を放つもの、稀有さをもつものとして甦らせたのは、作者の手腕でなくてなんだろう。映画版がつまらなかったのは、この漫画がどこで読者をひきつけているか分からなかったからだ。ありふれた物語をありふれないものにすること。つまりは、演出の巧みさがなければならないのに、できなかったからだった。僕はこの漫画を読む度ごとに、心理的な面よりも、外面的な文体の面白さに感服している。それゆえに、この漫画は素晴らしいと感じている。
ナイスレビュー: 2 票
[投稿:2005-09-01 21:57:54] [修正:2005-09-01 21:57:54]