「」さんのページ
帯に「日本漫画史に残る奇才、三山のぼる。
最後のメッセージ」とあったため、これは是非に読まねばと思った次第。
当方の無知のせいか、さほど名を遺したような気がしないが、
一部のコアなファンが存在したのは確からしい。
あとがきには原作者の嶋本周氏の、途中には関係者や同業漫画家たちの
追悼文も寄せられており、51歳急逝時には大変な衝撃があったことと
想像できる。
「ファウストの天使」は後の「ファウストの女神」の原型が残る。
個人的には「薫ゆる秋」が良作と感じた。
目標を見失った中年男女のよくある話といえばそうだが、倦怠感が
よく表現できており、最近この種の文芸的漫画は見当たらない。
読んで損はなかったと思う。
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[投稿:2022-03-31 08:49:20] [修正:2022-03-31 08:49:20] [このレビューのURL]
6点 フリクリ
自分的には8点〜9点の作品。大好きな漫画。
ただ、凄く人を選ぶ作品。
他の方のレビューにもあるように、作家のオリジナリティを受け入れられるかが全て。
独特の雰囲気を楽しめれば良いのだけれど、合わない人には3点以下もありうる。
ストーリーは難解。考えるより感じる漫画。
フリクリのアニメとは結構違う。その違いも楽しい。
アニメ版フリクリのファン層とマッチしていて、コミカライズ作家にウエダハジメを抜擢したのは英断だと思う。
雑誌版と単行本で修正が多いからマガジンZの切り抜きを今も大切に保管している。
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[投稿:2022-03-27 23:35:27] [修正:2022-03-27 23:35:27] [このレビューのURL]
5点 Jドリーム
Jリーグ草創期には、日本人にはWカップはまだまだ手の
届かない夢の舞台だった時代です。
ドーハの悲劇もJリーグの開幕も1993年で、本作品も
同年に連載開始なんですね。
したがって、Wカップ出場が悲願の目標になっていて、
選手たちも世界との差を痛感していて、とても謙虚です。
ネタバレになりそうですが、最終話近くでは、ドーハの
悲劇をなぞらえた展開も出てきます。
そういう意味で、少年誌らしからぬ大人テイストな落ち
着きを感じます。
現在のサッカー漫画が乱立する中では、あまりエキサイ
ティングな展開はありませんが、一定の評価ができます。
ただし、描画が躍動的でなく、プレー特に連携の形や戦術が
分かりにくく、ほとんど台詞回しで説明されるのが難です。
現在の高度化したサッカー漫画との比較で見ると、やや厳しい印象です。
1993年というメモリアルな年に、描かれたメモリアルな
サッカー漫画ということでは、名を遺すでしょう。
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[投稿:2022-03-27 17:50:15] [修正:2022-03-27 17:50:15] [このレビューのURL]