「左手」さんのページ
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「良い漫画には漫画としての"喜び"がある」
点数は高めですが、それぞれの漫画には必ず面白い所があるのでそこを自分なりの読み方が伝われば嬉しいです。
気になること&共感してほしいこと:女性漫画家の描く漫画の登場人物で漫画家や小説家など物書きが出てくる確率が異常。
赤ちゃんと僕の藤井君の母、彼氏彼女の事情の井沢、モテキのオム先生、だぁだぁだぁの漫画家、こどものおもちゃのサナの母、姫ちゃんのリボンの姫子の母、水色時代の主人公など。
これの現象は作中のキャラクターに自分を投影しているのだろうか・・・

8点 ソラニン
「夢に憧れ諦めた人たちへ」
読んでほしい対象は、これから夢を追おうとする若者、夢を叶えた人、夢を諦めた大人、夢を叶えたが訳あってその夢を捨ててしまった大人。要するにこれは夢に憧れる、また憧れたすべての人に当てはまります。
しかし、この中に登場するキャラたちのほとんどは私たちの現実世界にいるような夢を諦め、普通に仕事をし、生活を営む人ばかりです。特に1巻のなんともない日常がしっかりとその風景をまざまざと見せ付けています。
その中で唯一夢を叶えるために頑張っているのが種田であり、結果は悲惨なことになりました。
現実とはなかなか上手くいくものではありません。
夢を見ることの憧れは花屋のアルバイトの井上、夢ではなかったのに叶ってしまったのが鮎川、夢を叶えたが現実を直視しプロデュース業をする冴木、それらのキャラが夢の象徴として配置されているのが、浅野いにおが仕掛けた表現といえます。
物語としては1巻は極普通の日常、2巻は芽衣子が種田の夢の向こう側を探求する話。
2巻だけでスッキリした内容で、言いたいこともいろいろな角度から言えているので、何度も読める作品に仕上がってます。
サブカル厨(ヴィレッジバンガードによくいる奴等)大絶賛の浅野いにおが若者の鬱憤を吐き出した漫画、と高をくくっていた私ですが、ソラニンが映画化することになり、もう一度よく読んでみると、なんて完成度の高い漫画なんだ、と驚きました。
その漫画を読まずにイメージだけでどうこう言うのはダメだね、と思わされました。オススメです!
全2巻所持
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[投稿:2011-04-24 11:05:32] [修正:2011-04-24 11:05:32] [このレビューのURL]
1点 新・花マル伝
「全体的に杜撰過ぎ」
前作の花マル伝までは中学生として頑張っていて良かったのですが、新になってからはレベルが一気に世界になり、バトル漫画でありがちな強さがインフレし、ライバルの天才・木元と戦うためには世界大会の決勝まで負けてはいけなくなり、最後の決勝までの全ての戦いが無差別級の世界レベルなのに、まるで消化試合。読んでいてやめてやろうかと何度も思ったことか
その消化試合も杜撰(ずさん)の一言です。柔道での勝ち負けは柔道自体の強さによるものなのに、毎試合前には花マルは相手の選手のことを思っては、落ち込み、今までに捨ててきたものや背負っているもの違いに試合中までも引きずり、結局はその試合の途中で吹っ切れて勝つ。
大前提として花マルは木元と戦うまでは負けられないことになっていることから生じるひずみが全体のバランス崩壊とインフレを起こしている。
中学で強かった選手などの高校編での活躍が見たかったし、新キャラはとってつけたようなのばっかりだし、成長物語で主人公とその周りの登場人物のみが世界の中心という考えのこの手の漫画は作者の漫画の下手さを露呈しています。
(例外でバキなどでは行き当たりばったりが良いところであるので新・花マル伝の場合は失敗ということです。)
ラストのとってつけた感も杜撰すぎます。
中学生編の花マル伝は読み返してもいい位なのですが、新のほうはもう読むことはないでしょう。
読者の私が言うのもなんですが、花マルが世界で一度負けてからの高校生編で金鷲旗が見たかったです。
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[投稿:2011-04-17 16:22:49] [修正:2011-04-17 16:22:49] [このレビューのURL]
10点 太陽の黙示録
「日本人のアイデンティティー」
他の人のレビューでもあるように現代版三国志です。登場人物の名前を見れば、簡単に分かることですけどね。
大地震で日本が東と西に分かれ、中国とアメリカが日本を占領し、日本人が自分の祖国を失い、しかし日本人である誇りを持ち続けている人々の姿が主に描かれています。
先日の東日本大震災が起きた時、私が真っ先に思い浮かんだのがこの漫画です。同じ大震災で大打撃を受けた今の日本に海外から手厚い支援が多く送られてきています。これが太陽の黙示録の冒頭部分と私の中で被って、まるで現実で、これからの日本の未来を予言しているかのように思えます。
漫画では事実上日本がなくなります。しかし、多くの元日本人は日本の精神を忘れず、むしろより強く持ち続けている。国とは国土でありその上に人が立つものである。昨今の日本の国を想う力が弱まっているこの世の中に物申すように、もし日本がなくなってしまったら、その時日本人は日本人でいられるのだろうか、日本の心、日本人としてのアイデンティティーを忘れないでいるだろうか。
今の日本の状況と重なってみえるが、漫画はフィクションなので、現実にはあってほしくないと願うばかりです。
今、読むべき漫画はこの太陽の黙示録です。オススメです!
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-04-15 15:43:33] [修正:2011-04-15 15:43:33] [このレビューのURL]
4点 どげせん
「土下座の新境地」
板垣イズムを継承した漫画です。
バキで使用した格闘漫画の表現方法で全く別ジャンルを描いたとしても通用することが証明できた漫画と言えます。
しかし、板垣恵介自身が描いていないので、バキの迫力のある不自然な絵や説得力のある台詞よりも、どげせんの普通すぎる絵の構図や無理矢理感のする台詞が漫画の技術的に劣ってみえてしまった。バキを映画で例えるなら、どげせんはテレビドラマのような具合です。
話の内容よりもどんな表現が飛び出すのかが期待される漫画と思うので、これからの期待も込めて、オススメです!
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[投稿:2011-04-14 02:58:39] [修正:2011-04-14 02:58:39] [このレビューのURL]
10点 昴
「天才の苦悩」
お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているのか?とディオが言うが、昴に関しては、お前は今まで昴を読んだページ数を覚えているのか?、という程引き込まれすぎてどの位読んだのかが分からなくなる感覚に落ち、気が付いたら1巻分まるまる読み切っちゃうほどです
主人公のすばるはバレエの天才ですが、命を燃やし死んでもいいと言う程踊り続ける態度には一線を越えて狂気に感じます。しかし、天才であるが故の他者との交わりが下手だったすばるが徐々に他者を理解し、成長していく過程に天才の苦悩が見られます。作者は天才の描き方の天才です。
文句なしの10点です。オススメ!
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[投稿:2011-04-11 12:37:40] [修正:2011-04-11 12:37:40] [このレビューのURL]
6点 20世紀少年
「引っ張りの天才」
連載中は面白くて続きが気になって仕方がなかったが、終わってみるとまるでゴミを見るかのような扱いになってしまうのが、正直なところです。
風呂敷の広げ方が上手く、古きよき日本の郷愁感や多くの謎が読者を引き込み、次へ次へと引っ張られて、読んでる最中は面白い。が、風呂敷の包み方が納得できなかった部分であり、読者が期待していた包み方と作者が最終的に包んだ終着点が全く異なり、作者の意図が理解できなくなり、結果面白くなくなった。
漫画が終わってしまって結果を知ってしまった人にはもう2度と読まないでしょう。
まだ読んでない人にとっては9点、もう読んだ人にとっては3点で、評価は間をとって6点です。面白いことは間違いはありませんので、オススメです!
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[投稿:2011-04-11 12:20:37] [修正:2011-04-11 12:20:37] [このレビューのURL]
5点 K-1 ダイナマイト
「コロコロなのに」
気持ちいいまでの成長物語。絵やアクションの描き方も申し分なしで、読者層を変えても他紙でも十分に通用するレベルで、必死になって戦う姿がかっこいい。
しかしながら、中盤までは普通の格闘漫画として読めたのだが、気が出てきてからが蛇足で面白くなくなった。そこまでならかなり面白い。コロコロだからしかたがないのかな?
中盤までで8点、終盤がマイナス3点で、計5点です。巻数も少なく読みやすいので、オススメです!
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[投稿:2011-04-11 11:53:29] [修正:2011-04-11 11:53:29] [このレビューのURL]
7点 I”s <アイズ>
「少年漫画的恋愛漫画」
王道恋愛漫画とはなにか!自分だけでなく、恋人の夢までも叶えようとする献身さである。ただ相手のことが好きなだけでは、両者の気持ちの問題なだけで、恋人同士になったあとの自分もしくは相手がどうなりたいのか、が究極の問題である。例を挙げるとご近所物語を始め、様々な少女漫画に見られる。
しかし、それらの例は少女漫画であり、I"sは全てが一貴の一人称で語られる少年漫画である。特に夢のない一貴と芸能界で活躍をする夢を追う伊織との差が注目すべき点である。自分の思いと逆行したり、伊織の夢を応援するために嘘を付き、自ら別れを告げたり、相手を想うことと相手の夢を応援することの狭間で葛藤する一貴に共感せざるを得ない。
最後の「夢つかんだね」の台詞がこの漫画の全てを表しているといえる。絵の上手さは言うまでもなく、葛藤の描き方がすばらしい。
青春を過ぎた人もまだの人も相手のことを想う気持ちは普遍のものです。一番好きなキャラはいつきちゃんで、オススメです!
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-04-11 00:11:30] [修正:2011-04-11 00:11:57] [このレビューのURL]
10点 リアル
「スタート位置」
なぜ主人公が3人いるのか。人生を前向きにする(スタートする)ことを軸にして、それぞれの主人公を並列して考えると以下になる。
野宮…高校を中退、その後いろいろするが失敗ばかり。そしてバスケ選手になるためスタートする。
戸川…脚が不自由ながら車椅子バスケとしてスタートを切っている状態。 高橋…事故で下半身不全でまだなにもスタートを切っていない。
それぞれ健常者や障碍者と立場は違うが、スタート位置を考えると、スタートをすでに切っている者、今まさにスタートを切った者、まだスタートを切っていない者。この3人がそれぞれのゴールに向かう姿勢がこの漫画の真髄であり、そこを描く井上雄彦はすごいの一言です。
まだ漫画は途中ですが欠点が見つからないので10点で、オススメです!
ナイスレビュー: 0 票
[投稿:2011-04-10 23:31:33] [修正:2011-04-10 23:31:33] [このレビューのURL]
7点 バクマン。
漫画業界の内情、それも人気雑誌で特殊な少年漫画を扱っているジャンプを赤裸々に描き、そこで繰り広げられる漫画家と編集者のやり取りなどは今まで多少はその様子を知っていた読者にここまで開けっ広げに書いた漫画は私の知る限り初めてです。
週刊のジャンプでありながら、1話の展開の早さは月刊1話分ほどのボリュームがあり、連続ドラマのように読者を次へ次へと読ませる映画技法でいうところのクリフハンガーで次回への引っ張りで良いところで終わらせ、次も気になるつくりはジャンプの中でピカイチです。
絵も初期よりもコメディ風に書き換わり、バトル漫画でないので伝わり難い緊迫感や勢いの表現も絵を見るだけでも伝わる書き方もメリハリがあり読みやすいです。
しかしながら、主人公に共感しづらい。それは主人公は天才だからです。それはジャンプだからといえばそこまでなのですが、ほとんどが凡人である読者からすると、才能やチャンスを持つ天才には100%共感できない。天才が天才を発揮するまでのサクセスストーリーで、努力しているが結局は天才だからで終わる。その点で主人公のインパクトが弱いといえます。
上記より、おそらく読者の中で好きなキャラクターは平丸さんが多いのではないでしょうか。実際、人気投票で3位でした。個人的には天才だけどダメ人間の平丸さんとすごい技術はあるがチャンスを逃してしまう中井さんが好きです。
オススメです!待ちに待った中井さんの登場にワクワクしている私からでした。
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[投稿:2011-04-08 20:20:31] [修正:2011-04-08 20:20:31] [このレビューのURL]