「blackbird」さんのページ
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胸キュンものから硬派なものまで。
少女・少年マンガから青年マンガまで。
大事なことはたくさん漫画から学びました。

8点 ヴィリ
普通バレエ漫画というと、少女が主役。
でもこの作品は違い、40代ですでに母親でもある女性が主役。
つまり、バレエ漫画というよりも(いや、バレエ漫画なんですが)、プロとして若者に抜かれていく、ぎりぎりの年齢の女性の心情を描いた、ちょっとつらい作品。
ライバルはバレエ団を出て行った真実であり、自分の娘。
海外から戻ってどんどん実力をつけていく真実。
そして、やる気がないだけと思っていた娘の舞に至っては、なんと(なぜか)自分が「プロポーズされる」と信じ切っていたパトロンの高遠まで奪われてしまう。この話と、バレエの名作「ジゼル」の「愛=許す」ことというテーマを、うまく絡めている。
しかも後半からは霊まで出て、お得意のぞっとする描写が続くが、最後の最後は何とか希望の持てるエンディングになっていて、よくぞ一巻でまとめたなと感心。
さすが山岸先生。ちょっと違う角度からのバレエ漫画でした。
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[投稿:2011-04-27 22:25:16] [修正:2011-04-27 22:25:16] [このレビューのURL]
9点 センセイの鞄
原作は読んでいないが、雰囲気をそれほど損ねず、いい感じの漫画化となっている様子。
原作者がそこまで考えていないことも絵にして見せないといけないので、原作がしっかりした文学を漫画化するのは結構大変かも。
谷口氏の絵柄や雰囲気と、先生と元教え子の微妙な空気感がとても合っていて、ツキコさんの言う「センセイから出る放射」的な暖かさのようなものが伝わってくるよう。
感情がなかなか外に出ない(出せない?)センセイが、時々ちょっと違うテンションになる時、自分でも気持ちを持て余しているのかな、自信がないのかなと、老齢なのに不思議な感じ。逆にブレーキをかける力が強くなるから、時々溢れてしまうような。
一方ツキコさんも、格好いい同級生には違和感を感じ、親ほどに年齢が離れたセンセイには安心してしまう。傍から見れば気持ち悪いといわれかねないが、お互いで一緒にいる空気感に包まれる存在に出会えたという事は、すごく幸せなことですね。たとえそこに死の影がつきまとっていても。
クライマックスから最後が本当に数ページで終わってしまうのも、逆に余韻が大きく、儚さを残している。
個人的には、キノコ狩りでセンセイが山に消えそうになる話が好きでした。
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[投稿:2011-04-27 14:03:14] [修正:2011-04-27 14:03:14] [このレビューのURL]
8点 ふらり。
最初はただの散歩ものだと思ったが、歩数をきっちり数えて計測している風なところからだんだん「あれ?」と思うように。
程よく「あ、あの辺か」とか美味しいものを食べていたりと、ストーリー以外の光景も楽しめる。
江戸の人は、色々と文化や季節のイベントを楽しんでいたんだなあと、その豊かさに改めて驚かされた。
話の展開もとてもよかった。読後もすっきり、涼やかな風が吹くよう。一巻完結でちょうどいい作品。
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[投稿:2011-04-27 13:42:57] [修正:2011-04-27 13:42:57] [このレビューのURL]
8点 デザイナー
いやあ、この点数は「ザ・少女マンガ」の王道ということで。
設定もすごいわ、ジェットコースター的展開、何でもありです。
名作というか・・・色々な意味ですごい漫画です。
親に捨てられ、知らぬ間に恋したのは実は父親だったり、怪我でモデルはあきらめるわ、謎の金持ちが出現して彼女をデザイナーに仕立てるとか、婚約直後に判明した事実とか。もう、出るわ出るわ・・・衝撃的事実のオンパレードです。
設定もすごいけど、やはりキャラや70年代的背景がこれまたすごい。
「コンツェルン」の跡継ぎに英才教育を施された朱鷺は、なんと18歳。
それなのにレミーマルタンを愛飲し、すごい家具(何調っていうのかな)にクッションなんていう椅子で仕事をこなし、アッチ系的ねっとりした秘書に甘え、ネグリジェのような恰好で寝て、クラシックカーやF1カーみたいな車まで乗り回す。
話す口調も時代がかってますね。
一方、亜美を1年でデザイナーにするべくスパルタ教育をするフランス人の一団もすごい。
縦ロールやロッカーみたいなすごい「外人」さんに特訓される亜美も、フランス語堪能だったの??・・・なんて事は言ってはいけないんでしょう。
デザインされる服も、フリルやフレアたっぷりのワンピースやら、ザ・70年代!バー(?)も、床に座ってドラッグでもやっちゃいそうなアヤシイ雰囲気です。
まあ、このようにツッコミどころ満載なんですが、話としてはおそらく当時の少女マンガの世界ではかなり衝撃的で大人の雰囲気を持ったというか、ただの恋愛ものではない、ある意味骨太な作品だったに違いないでしょう。
デザイナーという、常に最先端を走り、流行を作り出していかねばならないプレッシャーに潰されそうな職業を突き進む母親。最後に1から出直すそのプロ意識に、華やかだけではない厳しさを感じた人も多いでしょう。
そして、ラストも結構ショッキングだったのでは。
昼ドラにもなったようですが、話の展開としてはまさにそんな感じです。
ナイスレビュー: 1 票
[投稿:2011-04-25 23:50:13] [修正:2011-04-26 08:28:51] [このレビューのURL]
6点 ラブレター
卒業間近の好きな先輩に、決死の思いでずっと渡せなかったラブレターを渡す女の子の話「ラブレター」。
初恋ですねぇ。どきどきですねぇ。
他にも小学生?高校生くらいの、淡い恋を描いている短編が入っていますが、幼馴染がお互いにようやく恋心に気づいた「ハローグッバイハロー」がかわいい。
お互い全然男女なんて意識してなくて、オナラも平気でしちゃうような家族同然の付き合いだから、急に相手に「好きな子が告白」なんていう場面に遭遇して心が痛んでも、何をどうしていいかわからない。
最後はぐっちゃぐちゃになって、ようやく自分たちの気持ちが分かるところは、よしよししてあげたい可愛らしさです。
絵柄がほんわか、独特な雰囲気を生み出すパステルっぽい感じなんですが、時々毒を吐くような崩し方をするので、浸り過ぎず、いい緩急のような気がします。
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[投稿:2011-04-25 23:01:48] [修正:2011-04-25 23:01:48] [このレビューのURL]
6点 テルマエ・ロマエ
風呂でよくぞここまで笑いをとって、引っ張ったなあと感心する。
我々日本人にとっては当たり前のお風呂の光景が、いちいちローマ人には物珍しく、その表現も面白い。
ただ、やはりだんだんネタは尽きてきたかな。
1巻を読んだ時の笑いは、2巻とは比べ物にならない。
そして映画化が決まったような3巻。
読みきりではなくなって、話もネタもダラダラしてきた感あり。
本当にそろそろ終わりにした方がいいのでは。
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[投稿:2011-04-11 23:06:11] [修正:2011-04-25 19:22:57] [このレビューのURL]
8点 ましろのおと
津軽三味線という、またレアなテーマの漫画。
漫画界ではどこまで特殊な業界もの?に光を当てていくんだろうか。まさか三味線漫画まで出てくるとは。
主人公は恰好いい高校生。でもべたべたな津軽弁。
時々何をしゃべっているかわからない程だけど、本気になって三味線を弾き始めたらこれがすごい。
大体、三味線の音に「ドン!」「ザン!」というのもすごい表現。
近年「吉田兄弟」やロックとの共演、速弾きなど、色々な所で目にすることになった楽器だけど、まさかこんな表現とは。
いや、でもそのくらい迫力ある音なんですよね。
あの緊張感や張りつめた音をよく表現していると思います。これがたった三本の弦から生み出されるってすごいと、読者にも感じさせます。
雪君の周りに、なかなかバリエーションに富んだ人物が集まってきていて、今後が楽しみ。
ただ、「○○甲子園」での活躍を・・・という話の展開は、比較的「ありがち」になってしまいがちなので、そうならないことを祈りたいという期待を込めて、現在この点数です。
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[投稿:2011-04-24 23:05:39] [修正:2011-04-24 23:05:39] [このレビューのURL]
9点 かぶく者
歌舞伎という珍しく、型にはまった世界を扱って、ここまで引き込ませるとは。
素直に感心しました。
何度か舞台を見ても、筋を追いかけてその型を楽しむだけで精いっぱいだったので、もしまた見る機会があったら違う視点で楽しみたいと思わせる。
実際の歌舞伎ではこんな即興的なことはありえないのだが、そうだったら実に魅力的なものになるだろう。歌舞伎の話が複雑なものも多いところ、読者が入りやすいようにかいつまんでストーリーを組み立てている所もうまい。
しかし何よりこの画力にぐいぐい引き込まれる。
クライマックスではいきなり縦横が変わったり、筆などにタッチが変わり、一瞬時が止まる感覚すら与える。「連獅子」なんて芸術的で、緊張感もびしびし伝わってくる。
「四谷怪談」での異様な盛り上がりは、観客でなくとも息をのむ。
それだけに、結末はあっさりと急いでまとめすぎ。大人の事情があったのかはわからないが、「第一部」とあったのでぜひ第二部も続けてほしいと思いつつ、これ以上の話は書けないだろうなあ。
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[投稿:2011-04-16 17:36:13] [修正:2011-04-21 23:38:01] [このレビューのURL]
1点 日露戦争物語
前半はとても面白かったのに。
国語の授業で面白くもないと思ってた正岡子規なんて、こんな生き生きと描かれていて驚いたのに。
まさかこんな展開になるとは。
あんなラストになるくらいなら、途中で打ち切った方がましだったのではないでしょうか。
折角なかなか扱われない時代の事を読めると思って全部読んだのに、まさか・まさかの最後のページ。
これを出版した人もだけど、出版社も恥ずかしい。
さらに文庫本でも出して、正直驚きました。
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[投稿:2011-04-19 20:58:04] [修正:2011-04-21 23:35:14] [このレビューのURL]
母親が事故で亡くなった事で家族の時間が止まってしまった鯛子一家。そこから心が固まってしまってた。
でもいろいろな人に出会い、ようやく心が解放されて、ダンサーとしての道を歩み始める。
今までのダンス漫画にはない、自由で日本人らしくない、感情を表に出す主人公。気位の高い人の多いダンス界にあっては、そのキップの良さが気持ちいい。
ちょっとだけ家族や幼馴染から、あふれるほどの愛情を貰って育ったいい子というのが、少し鼻につく事もあるかも。
エネルギーのある人のまわりには、魅力的な人が集まってくる。(お父さん、三上、容子さん、愛子先生、マイクなど)
何年も無駄にした鯛子が、みんなの協力を経て、刺激を受けて、ダンサーとしての新たな顔をどんどん発見して、成長していく姿が嬉しい。
ストーリーとしては展開が若干唐突。親が死んだという事で、その後も「死」とか「生きる」というテーマが何度となく出てくる。
第一部の終わり方も唐突で「何?」って感じ。
これに加え、絵も最近の流れで雑なためマイナス。(最近の槇村さんの絵が好きな人はいいかもしれないけど、やはり「白のファルーカ」位綺麗な絵の時代を知っているとこのデッサン的な絵が残念)
続編として「ヴェネチア国際編」、短編「お天気予報」に、鯛子のお兄ちゃん&彼女の出会いの物語があります。お兄ちゃんが優しいんだ、これが。
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[投稿:2011-04-20 20:32:05] [修正:2011-04-20 20:32:05] [このレビューのURL]