「オカシュー」さんのページ

総レビュー数: 252レビュー(全て表示) 最終投稿: 2009年07月18日

岸辺露伴は動かない、は出色の出来。ウッヒョゥ、これだよゥ!コレ!!という荒木先生の短編集。
期待どうりの出来栄えである。

しかし大ファンの私であるが特にお薦めはしない。(えっ!?)

箱にまで入った、とにかくゴージャスな仕様はバリバリのコレクターズアイテムだからだ。
所持する事に満足できる人の為のモノ、という性格が強い。

また普通の単行本3冊分のお値段もファンの人以外には辛いと感じる。
これが学生時代だったら私も購入を断念していたかもしれない。(社会人で良かったぁ。にゅ?)

自分の本棚に並べて無邪気に喜べるかどうかがポイントの1冊だ。


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[投稿:2010-01-21 02:45:45] [修正:2010-01-21 03:04:04] [このレビューのURL]

まぁタイトルを見ただけでも分かってもらえるだろうと思う。
本を手に取り表紙を見ればもっともっと分かってもらえるだろうと思う。(しわしわのおじいさんが一人立っているのみ。)

「ジャケ買い」などという言葉とは全く縁のないマンガである。
萌えという言葉は顔を引きつらせながら逃げ去る作品である。

このような良いマンガなのに誰も手に取らないよな、と思わせる作品はレビューしておかねば、おかねば・・・。
作者はエッセイ(風)漫画「ゴー宣」でインテリを虜にした小林よしのり先生である。

その才能はいまだ健在。
だって60過ぎのおじいさんが主人公で面白い漫画ってありますか?
いや、そもそもじじいが主人公の漫画ってありますか?

井上雄彦はバスケ漫画はヒットしないと言われながらスラムダンクを描いた。
小林よしのりは編集者も読者も望んでいないのに老人漫画を描くのである。

しかも面白く。

「東大一直線」「おぼっちゃまくん」等のエキスもふんだんに散りばめられたいぶし銀的作品と言っておこうか。

まぁ読めとは言わない。
いつかまさか、出会った時の為にタイトルだけでも覚えておいてくれないか。(やっぱ読まそうとしてるヤンケ)



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[投稿:2010-01-18 02:28:32] [修正:2010-01-18 03:21:56] [このレビューのURL]

幽霊になった実の兄。その兄にとりつかれた(?)弟。二人の織りなすどたばたコメディ。あだち作品。

大ヒット作品「タッチ」以降あだち先生の連載作品はいくつかのタイプに分類される。

タイプA、あだち的王道作品
早い話が、野球ラブコメ青春モノ。「タッチ」「H2」「クロスゲーム」など。あだち的王道にハズレ無し。アニメとかメディアミックスされまくる。まあ無敵。多くの読者も望んでいる期待どうりの漫画である。

タイプB、あだち的裏作品
先生が大いなる意欲を持って新ジャンルを開拓しようとした作品群。だが読者の持つあだち漫画へのイメージの違いや作風と内容との相性の問題により残念ながら一般受けはせず。賛否両論となる作品。
一応私もファンのはしくれなので作品名は控えさせていただくが、時代劇だったり超能力つかったりする作品である。

タイプC、あだち的準王道
基本はあだち王道のタイプAだが、野球以外のスポーツを題材にした作品。王道に比べて味わいを変えている部分も感じられる。シリアス部分を強くした「ラフ」や「スローステップ」「KATSU!」など。
ベースが得意分野なのでデキは総じて高い。

以上大きく3つのタイプに分けてみたが今回レビューの「QあんどA」見事に「タイプBあだち的裏作品」に分類される。わひっ。
始まったばかりだがこの作品が「タッチ」並みのヒット作品になるであろうなどとは、あだちびいきの私でさえも流石に言いにくい。
一般読者の方々には駄作扱いされそうで怖くも有る。
あだちは野球漫画描いときゃいいのにと言われるかも知れない。だが。

それは完全なる間違いだと言いたい。この作品は絶対必要なのだ。何故断言できるのか。

あだち先生は大御所と呼ばれて久しいが昔も今も挑戦者なのだ。
ベテランと新人が同じ土俵で評価されるマンガ家稼業の世界では守りに入ったら負けなのだ。作品は死んでいく。

新しいジャンルに取り組む姿勢。それを忘れない事。
これがあだち充が今も週間連載誌の第一線で活躍し続ける理由ではなかろうか。
しかも恐るべきは確実に人気を取り、読者を満足させる作品(クロスゲーム)を同時に発表しながら。

「QあんどA」が怪作として名をとどろかしたとしてもたいした問題ではない。
本当に恐ろしいのは作家がチャレンジ精神を無くす事なのだ。

そして私は待ち続ける。新しいタイプの作品が開花、大ヒットし「タイプD、あだち的次世代作品」という4つめの分類が出来上がる日を。
そしてその日は私の予想に反して意外にすぐ来るかもしれないのだ。

また亡くなられている元漫画家あだち勉氏。その実兄への想いがこの作品に大きく影響を与えているのが想像に難くない事を付記しておく。

さあ行け。QあんどAよ。











   


ナイスレビュー: 1

[投稿:2010-01-11 21:20:39] [修正:2010-01-12 03:10:24] [このレビューのURL]